2013年10月23日水曜日

フランスで台頭する政党「国民戦線」

サヨクの国家だと思っていたフランスで、国民戦線という保守政党が地方選挙で勝利し、勢いを増しているようです。
南部ヴァール県議会補欠選挙の決選投票で、1議席をめぐる争いに54%もの得票率を得て国民戦線の候補が当選したというのです。
また、来年5月の欧州議会選挙でも国民戦線を支持するとした有権者が24%に上り、他の政党に比べて断然トップなのだそうです。

国民戦線は、、ジャン=マリー・ル・ペンが創設した政党で1972年10月にアルジェリア独立という事件があった時、それに反対する勢力が結集して作られた政党です。
右翼的な発言が多く見られ、結成当初は、弱小政党でした。一時は不祥事などで党勢を落としましたが、イスラム過激派などのテロが増え、また、フランス国内でも移民問題が深刻になって来たこともあって2002年の大統領選挙に出馬したル・ペン氏は、決戦投票まで勝ち残ったのです。

2010年8月に一水会の招待で日本を訪れ、靖国神社に参拝したことで日本でもル・ペン氏は知られるようになりました。その時、彼が記者団に言ったことは、「(靖国神社にA級戦犯が合祀されていることなどはどうでもよく)、重要なのは祖国防衛のために命を落とした人々の善意だ」と話していました。

2011年1月の党大会で、ル・ペン氏は党首を降りて、三女であるマリーヌ・ル・ペン氏が新党首に選ばれました。そしてフランス人至上主義を掲げ黒人やイスラム系の移民排斥を唱え、党勢をのばしております。
国民戦線の主張には、「フランスの文化を尊重する移民は拒まない」という一文があって、一部のフランスの海外県や海外領土の黒人からも支持を得ている政党だと言うことです。

フランスの保守政党として、掲げている政策には・・・
1) 移民の制限。ただし、フランスの文化を尊重、保護する移民は拒まない。
2) たとえフランス国籍を持つ移民や移民二世・三世でも、犯罪を行った場合は出身国へ強制送還させる。
3) フランス国内のモスク建設の停止。
4) 麻薬の密売人や、小児性愛などの性犯罪者、母親による児童虐待、殺人者、テロリストを特に対象として、死刑を復活させる。
5) 極左に操られているような団体に対する補助金の廃止。
などが挙げられます。

過激に見られるこれらの政策も、考えて見れば右翼と言うより「反サヨク」のようですね。国家観がはっきりしています。どこの国もサヨクは奇麗ごとばかり並べて、国家の実態は悪くなるばかり。それは変わりませんね。(アメリカのリベラルも同じようなものです)

フランス国民の支持は根強く、それ故でしょうか俳優のアラン・ドロン氏も「国民戦線」支持を発表して波紋を広げているようです。
党首を三女のマリーヌ・ル・ペン氏にした理由は、党勢拡大もさることながら、次期大統領選で大統領を狙うためだそうです。
現在のオランド大統領(社会党)が経済低迷に有効策を打ち出せず、また移民問題も何ら有効な手が打てずにいるようですから。
オランド大統領に対する国民の支持は低迷、オランド氏の任期はあと3年半くらいです。
そこが国民戦線のつけ入り所で、明確に「祖国フランス」を打ち出し、2017年の大統領選挙に備えているようです。フランス国民の手にフランスを取り戻すために。

フランスだけでなく、欧州には移民の粗暴な振る舞い、犯罪の温床、イスラム過激派とのつながりなどで困っている国家も多いようです。
その欧州でフランスがいち早く保守化して行くのは、フランス革命以降、幾多の失敗を重ねながらも人類の理想を追求して来た、その結果行き着いた着地点ではないでしょうか?
文化を理解せず、何のための福祉政策かもわからず、単に法律の文面だけを見て権利だけ主張したり、平和だの平等だの教条主義を叫びながら暴力を振るう団体が、今ではサヨクの象徴のようになっています。

これらの失敗に終止符を打つフランスの政党「国民戦線」が、フランス国民の支持を集め始めているのは、むしろ好ましいことではないでしょうか?
過激な表現は避けるようにして、しかし主張は変えず、移民排斥に「フランスの文化を尊重、保護する移民は拒まない。」という一文を入れ、これまでのフランスの「自由・平等・博愛」をこの一文の中に取り込み、再びフランスはフランスであることを主張しているように見えます。

選択するのはフランス国民ですが、「国民戦線」が新たなフランスの時代を構築していくことを期待しています。

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