2013年8月3日土曜日

アベノミクスは消費税増税が前提・・そんな話あったっけ?

自民党税調会長の野田毅氏が、「(安倍晋三政権の経済政策)アベノミクスは消費税率引き上げを前提に成り立っている」と述べました。
そんな話は聞いたことがありません。
さらに野田氏は、「迷っているイメージはマイナスで、国債の金利に影響する。金利が上がればアベノミクスは根底から壊れる」と付け加えます。

旧大蔵省から衆議院議員になった野田毅氏、彼に財務省などから「消費税増税が危なくなってきたので何とかして欲しい」との依頼があったのかどうか・・・
公明党の太田国交大臣も似たようなことを言っています。「リーマン・ショックのような大きな経済変動があった場合、対応するというのが法律の基本」などと。これがどうして消費税増税に結びつくのか、意味が判りますか?

それにしても、アベノミクスが消費税率引き上げを前提に成り立っているとは、今回初めて聞きました。そしてそれは嘘でしょう。
1997年4月、大蔵省が橋本首相を騙して「消費税5%への引き上げ」を行い、それによって土地バブル崩壊不況からやっと立ち直ってきた日本経済が、再びそれから16年ものデフレ不況になってしまったのは、記憶に新しいところです。

橋本首相は「すっかり大蔵省に騙された」と怒って、大蔵省を解体、財務省へ組織改革をしたことは、国民のみんなが知るところ。
ここではっきりしていることは、大蔵省、そしてその後継の財務省、この体質が政治家を騙しているということです。
野田毅議員は、もと大蔵省の出身であり、きわめて騙しやすかったというのが真相ではないでしょうか?

16年不況が生み出したものは、中共、韓国の輸出攻勢であり、図に乗った中共の日本領海への侵略だったわけです。
国内では若者の就職先が無くなり、デフレは異常に進展し、他国のインフレ政策によって円が高騰、見るも無残な敗退日本となったのです。
解体された大蔵省は、このような現実を反省することもなく、財務省として単に怨念じみた「消費税増税8%」を、民主党・野田政権を騙して成立させてしまったというのが、これまでの経緯ではないでしょうか?

安倍首相は、日本経済をデフレ不況から脱出させるためには、「大胆な金融緩和と、莫大な公共投資を並行して実施しなければダメだ」と述べたもの。そして、その規制として「物価2%上昇」を目標とし、2%になった時点で引き締めることを政策として打ち出したものです。

この手法を「インフレターゲット論」として発表したのはアメリカのポールクルーグマン教授でしたが、まだどこの国の政治家も実践してはおりません。
だからこの安倍首相の発言を世界中が注目したのです。

金融緩和と公共投資。これを同時に行いデフレから脱却するという行為は、人類歴史上けっこう頻繁に行われております。それを我々は「戦争」と呼んできました。
お札を刷ってばらまき、「武器」と「人命」と「正義という大儀」を使って行う破壊的で非人道的な行為こそ、人類史が記憶する「大胆な金融緩和と、莫大な公共投資」だったと思います。

どんな政治家も、理由も無くお金を印刷してばら撒くことには強い心理的抵抗があります。しかし、戦時となれば「国家の命運」という大儀がありますから、どんな政治家にも出来るわけです。
その後始末で「苦痛と涙」を支払うのは敗戦国の国民で、戦争反対の論調はここから派生するものです。
しかし、反戦論者はこのデフレ下の経済的側面はまったく無視して、社会悪としての側面しか取り上げません。

アベノミクスとは、平時に行う戦時経済ということです。ですから、アベノミクスを平時の(景気循環がある時期の)経済政策とは考えない方がいいと思います。
大震災の後ですから「国土強靭化」が大儀として使われますが、これで人命が失われることも、差別が生じることも無いでしょう。
戦争と同じで、貨幣価値は下がっていくでしょうが、一気に紙屑にはならないから心配は不要でしょう。
デフレ脱却の判断は物価上昇率2%としてありますから、それ以上のインフレにはならないはずです。ただ、その前に増税のようなインフレ抑止の政策を打ってしまえば、元の木阿弥になることは、橋本政権ではっきりしております。

ですからアベノミクスに「消費増税を織り込んでいた」などということはないはずです。
野田毅氏の言う「消費税率引き上げに迷っているイメージはマイナスで、国債の金利に影響する。金利が上がればアベノミクスは根底から壊れる」などということはまったく無いでしょう。
まだデフレから脱却していないということで、あの増税法案を廃棄にすればいいだけです。

アベノミクスで景気が良くなれば、銀行の貸付が増えていきます。資金が必要になり、国債を売り始めますから、国債を魅力的にするために金利が上がるという順序のはずです。
消費税増税をしないと国債金利があがるということ。そして国債の金利が上がればアベノミクスは破綻する・・・意味不明の言い方になるのは、それが騙しの手口であることの証拠ではないでしょうか?

このようないい加減な発言には、誰かがもっと強烈な反論を出して欲しいものです。アベノミクスが成功すれば、戦争によらずとも「デフレ脱却の手法がある」ことが証明されます。
それまで、どうか増税は控えて非しいですね。

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