2011年7月10日日曜日

スペースシャトル・最後の打ち上げ

アメリカがその威信をかけて完成させ、そして宇宙の可能性を大きく開いた人類史上最も複雑な機械、スペースシャトルが30年の歴史に幕を閉じます。
その最後の飛行が、2011年の7月8日に打ち上げられ、成功しました。戻ってこれるかどうかはわかりませんが・・・

思えば1981年、世田谷代田の駅裏にある寿司屋で始めてのスペースシャトルの打ち上げを見て、友人とともに感動したことを覚えております。
それから30年、レーガンの時代の打ち上げ時の不幸な爆発事故。そして、スペースシャトル終了の引き金になった、ブッシュ大統領の時代の帰還時の空中分解事故。
それでもスペースシャトルは飛び続けました。

そしてこの30年間の間に、さまざまな時代の変化が起こりました。
天安門事件、ソビエト連邦の崩壊、湾岸戦争、日本の土地バブル崩壊、9.11テロ、アフガン戦争、イラク戦争、アメリカのサブプライムローン崩壊とリーマンショック・・・
そして何といってもアメリカ経済の衰退と中共経済の台頭がありました。

スペースシャトルを終了に追いやったのは、事故よりもむしろそのコスト。ロシアのソユーズの方がコストが安いと言うことが、アメリカの宇宙開発の見直しを余儀なくしたとか。
しかし、ソユーズは人間を打ち上げ、戻すだけの一種のエレベーター。重量物をISSへ打ち上げることは得意ではないはずです。
そこに登場したJAXAのH-2B型ロケット。これですと重量物をISSに打ち上げられますし、何といっても無人スペースバスですからコストも安いでしょう。
この2つを使えば、少なくともISSの運営は可能であるということ。

アメリカがスペースシャトル計画を終了した本当の理由は・・・「商売にならないから」ではないでしょうか?
莫大なお金をかけても、ペイしないという現実。実験段階ならば必要なこととして税金を使うことも許されるますが、もはや財政は火の車。ペイしない宇宙開発からは降りる、ということが本音では?
オバマ大統領は、2030年代半ばまでに火星軌道への到達を目指す新たな有人宇宙探査計画を発表しておりますが、はたしてアメリカ経済が立ち直るかどうかはまだ霧の中です。

さて、これからの宇宙計画はロシアが主導権をとることになるでしょう。そして対抗するのは日本のJaxaですが、人間を地球に帰還させたことの無い日本の宇宙開発技術。これからの開発が期待されます。(ロシア経済もアメリカより悪いようですからね)
そして何といっても、何のための宇宙開発かが問われることになるでしょう。
「人類の未来のために」などという抽象的なものとか、サイエンスフィクションのような話では、もう宇宙開発は出来ません。
無重力を使った各種実験は、現在すでにISSで行われていますが、これといって利益が出たという話はありませんね。

ひとつだけ有望な利用方法が・・・使用済み核燃料の投棄です。
すでに地球にはかなりの量の核燃料廃棄物が溜まっていて、すべて地下貯蔵庫に保管されているはずです。
そしてこれらは半減期まで少なくとも10万年間保管する必要があるとか。人類にとって10万年は保証できる時間ではありません。
この保管料がいくらくらいになるのかは知りませんが、1kg1円/日としても、年間で365円/kg、10万年で3650万円/kgとなります。(恐らくkgあたり1円以上かかっているでしょう)
宇宙投棄は、10万年ループ起動に打ち込んでおしまい。あとは10万年後の国民が、地球の大気で燃え尽きる流れ星を見ればいいだけではないでしょうか?
その費用がどのくらいかかるかは詳細な計算が必要でしょうが、少なくとも地下貯蔵よりも安全で確実だと思いますし、そして安くて済むはずです。

原発の発電コストに、この宇宙投棄に必要な費用(利益も)を上乗せして、原発を売り込む際には電気代からこの費用を回収可能なようにして契約するとし、世界の原発市場に打って出てはどうでしょうか?(地下貯蔵は国際法で禁止にして)
先に投棄軌道を明確にして、国際的な合意を得る必要があります。今後の惑星間飛行に支障の無いように。10万年間確実に表示する宇宙標識などの開発も必要でしょう。

このような宇宙利用の需要との抱き合わせが無ければ、アメリカが意図する民間企業への宇宙事業委託は無理なのではないでしょうか・・・

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