2020年10月19日月曜日

ロシアにとっての北方領土

菅義偉首相がロシアのプーチン田尾棟梁と電話で会談をしました。9月29日のことでした。

産経には「プーチン大統領側から北方領土の2島先行返還の話が出た」と言うことです。もっとも安倍首相が辞任する直前に、プーチン大統領との電話で「2018年11月のシンガポール会談で文書化した点を新首相の元で進める様に依頼した」ことから2島先行返還の話をプーチン大統領側から出したのだろうという評価でしたけど。

この時のベースになった日ソ共同宣言は「平和条約締結後にソ連は歯舞群島と色丹島を日本に引き渡す」としているそうです。

その後この取り決めが棚上げにされてしまった背景には、ロシア国内における2島返還阻止の動きが出てきたためではないかと憶測しますが、ではなぜプーチン大統領は2島先行返還の話を出してきたのでしょうか。

菅義偉政権側は電話会談でこちらから北方領土問題を切り出す予定だったようです。それをプーチン大統領側から出して来たとしたら、むしろ注意が必要なのではないでしょうか。

なぜ北方領土問題がロシア側から出てきたのか、そこには経済的な問題が絡んでいると思います。アメリカからの経済制裁、アメリカと言ってもディープステート側からの制裁で経済危機にあるロシアは、中共との交易で何とか維持されてきました。

しかしその中共が今、アメリカによって制裁されています。中共経済は現在どう考えても瀕死の状態にあると思います。
その中共に頼ること自体が危険であるということと、ディープステートに反旗を翻しているトランプ大統領と同じ立場のプーチン大統領は、何とかこの経済逼迫の状態から抜け出すためには日本を使うしかないことに気付いていると思います。

その日本との交渉で、日本側が喰いついてくるのが北方領土問題であることは十分に判っています。そこで菅義偉政権に対してもこの餌をぶら下げてきたのかも知れません。

対ロシアへの経済協力は日本の民生技術(商品生産の技術)をロシアに教えることであり、けっして金融支援ではないことを、日本側ははっきりと伝えるべきです。
あまり北方領土にこだわると負けてしまいますから、それは継続審議としておいて、技術協力に話を持ち込むべきではないでしょうか。

それには現在中共に入っている企業をロシアに向かわせる方法もあります。中共と違ってロシアは結構「基礎研究」などは持っている国家です。ですからむしろ危険な感じもしますが、ロシア側が得意とする技術に関しては日本側も教えてもらうという交換条件を出して、合弁企業などを北海道に作ると言うのはいかがでしょうか。

経営者と技術者の交流を活発にすることが目的で、北海道新幹線を稚内から樺太に敷設する提案など、そしてその後「間宮海峡」を渡って大陸側に持って行く計画などをぶち上げて、その為に「障害となっている問題点のサーベイから始めましょう」とか何とか、交渉を北方領土だけでなくもっと広げる工夫が必要ではないでしょうか。

北海道に合弁企業を作り、ロシア国民の技術者や経営者を呼び込むのは、もちろん中共に対する牽制です。
中共の悍ましい北海道侵略は、確かに日本の法律には今のところ反してはいません。しかしそれが侵略である事には変わりはありません。(法に違反しなければ何をやってもいいという共産主義者の教条主義です)

このまま放置すれば北海道はすぐに中共の支配が強まり日本国民が、そして日本の官憲ですら入れない中華街スペースになることは目に見えています。

だったら今のうちにロシアの企業にも入ってもらう方が良いように思います。もちろん日本企業との合弁としてですけど。
ロシアと中国は地政学的にも絶対に融合は出来ないだろうという考え方があるからですけど。

あと、ウラジオストクに拉致被害者救出の基地を作らせてもらうという提案はいかがでしょうか。
ウラジオストクの南に北朝鮮との国境があります。
中朝国境を流れる鴨緑江の河口で日本海への出口のところはロシアとの国境になっています。そのあたりに日露シベリア開発協力機構をつくるという提案です。
物資輸送の港湾開発を具体的な提案として、そこから北朝鮮への進攻ルートを作って行くという極秘計画です。

その他にも日本側にはロシアを利用すべき多くの関係があるように思うのです。これらを交渉材料としてロシア側にぶつけていくこと。ロシア側の反応を見ながら日本側も経済支援などを匂わせながら交渉を進めることが、対ロシア外交のあるべき姿ではないでしょうか。

ロシア側もそれを良しとするように思いますけど。

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