2019年8月21日水曜日

香港デモ、アメリカの関与

中共が香港デモに「アメリカCIAが関与している」などと叫んでおりますが、アメリカの関与は裏舞台での関与ではなく、表舞台からの関与だったようです。

トランプ大統領やペンス副大統領だけでなく、多くの要人が「逃亡犯条例の改正案」に反対することを切っ掛けに起こった香港デモに対し「暴力での抑圧」に反対を表明し、そうなった場合のアメリカの報復も明確に述べられていました。

習政権はデモ隊に黒いシャツを着た警官などを潜り込ませ、観光客などにも暴力を振るったりして「香港デモの違法性」を何とか作り出し、武装警察の突入に正当性を与えようと躍起となっています。

そしてツイッターやフェイスブックを通して、立法会(議会)庁舎に突入したデモ隊の写真とともに「香港に過激な人間はいらない。ここから出て行け!」などと書き込んでいた李していたようです。

それがバレて、ツイッターはサイトから中共で作成された936の不正アカウントを削除し、「抗議活動の正当性を傷つけることで、香港の政治的な対立をあおっていた」と削除理由を挙げています。「国家が支援した組織的な工作という確かな証拠もある」とも述べているとか。

フェイスブックは中共政府の情報操作に関し、7つのページ、5つのアカウント、3つのユーザーのグループを削除したと発表しました。
「香港の抗議活動といった政治ニュースや問題を頻繁に投稿していた」と理由を述べ、「不正に関わった人物は身元を隠そうとしたが、中共の政府関係者とのつながりが調査で判明した」とまで語っています。

もともと「逃亡犯条例」の改正は、香港から台湾に渡ったある人物が台湾で女性を殺害し香港に逃げ帰ってしまったことから生じたものです。
台湾が犯人を引き渡す様に香港側に要請したところ、犯罪者引き渡し条約が無いことからこれを拒否されたことで、この改正が必要になったものです。

香港の一国二制度を壊したい中共側は、これをチャンスとばかり「政治犯、思想犯」も含めて逃亡犯条例の改正を共産党主導で始めたのです。台湾は中共の一部としていますから大義は立ちます。
しかしこんな改正を認めたら香港もまたチベットやウイグルと同じになってしまうと言うことから、「改正反対」のデモが始まりましたが、現在は「反共産党デモ」に変わってしまったようです。

香港が頼りにしているのは「一国二制度」という1984年に結ばれた「英中連合声明」に書かれた制度です。
そこには「1997年に香港を中共に返すが、香港の自由と民主主義の政治体制を50年間は変更しない」と書かれているわけです。

しかし約束など守る気もなかった中共は、返還後香港の政治に介入し始めます。そして同時に英国に対して経済的な優位性を持ち、この約束違反に文句を言わせませんでした。
当時の英国は首相がキャメロン氏であり、財務大臣がオズボーン氏というパンダハガーでしたからね。2014年の雨傘革命はそのために失敗したわけです。

それでもこの年、英国は香港の「一国二制度」が守られているかどうかの視察に議員団を派遣しようとします。これを中共は拒否するわけです。
拒否すること自体、守られていないことを意味しますね。

今回の香港デモが始まった時、英国はEU離脱問題でメイ首相の辞任や、次期首相の選挙などで忙しかったのですが、7月2日にジェレミー・ハント前外相が「香港の自由が損なわれれば重大な結果を招くことになる」とか、ドミニク・ラープ現外相が「政治対話によって解決の道を探る必要がある」などとコメントは行っております。
これに同調してアメリカ・トランプ政権も、かなり強烈な対中圧力となる発言をしていることは以前に述べた通りです。

香港の自由主義者は、雨傘革命での失敗から学び、今回は3つのやり方を守って行動しているようです。
それは、「一か所でデモは行わない」「国際社会の眼のあるところで重点的にデモを行う」「リーダーを作らない」という3点です。

スマホなどを使って、警察の動きを観ながら分散的にデモを行い、国際空港や駅などのデモで観光客などに訴える手段で、アメリカなどに頼らない抗議を行い続けています。

アメリカの関与はツイッターとフェイスブックの中共サイバー部隊のアカウントを抹消することでの関与のようですね。

まだまだ決着しそうにない香港の「逃亡犯条例改正」反対デモです。
引くに引けない習近平主席は、次にどのような手段で対抗してくるでしょうか・・・

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