2019年8月13日火曜日

N国党の野望

どう見ても善人ではない立花孝志参議院議員は、最近よく報道されています。
「NHKから国民を守る党」としては、おそらく憲法改正に賛成なのでしょう。発議に必要な3分の2の国会議員を集めるだろうという予想で、「もしNHKにスクランブル放送をさせるならば憲法改正発議に賛成する」という駆け引きを行っています。

現在は2名の政党ですが、旧みんなの党と統一会派を組んでいますから3名の議員が居るわけです。改憲勢力が4名脱落しましたから発議が危機に晒されています。

N国党という立場なら、他党からはじき出された議員を集めやすいということもあるのではないでしょうか。
立花代表は元NHKの経理部の職員で、裏資金作りをやらされていたそうですし、他の民間放送局と組んで横領に近いような資金の使い方をしていたと言います。

自民党はNHKには弱い立場にあります。NHKの既得権に逆らう議員が居たら放送で叩けば良いわけで、「選挙に落ちたらただの人」になってしまうような脆弱議員も多い自民党ですから、
スポーツ中継などで、例えば大相撲の桝席の券とか巨人戦の入場券などが政治家に配られ、結果的に地方議員などはNHK問題に口をつぐんでしまうという仕掛けです。
ですから立花代表の仄めかす「犯罪組織のようなNHK」の言うなりになってしまうわけです。

同じようなやり方で財務省にも五輪の切符などを今も配りながら「NHKの経理については口出ししないで」などと言っているかも知れません。

立花代表は活発で独身。さまざまな女性との付き合いもありスキャンダルがいっぱいだそうですね。ですからこれからNHKのスクランブル放送に向けた論戦が始まると、他局を使った立花スキャンダルが始まる様な気がします。
このようなスキャンダルには、「善人ではない立花代表」が効果を発揮するわけで、他の偽善者ぶっている議員のようにはいかないでしょう。
つまり彼は強いわけです。

これはトランプ大統領が登場した時と似ています。暴言を吐き、ハリウッドなどの偽善的な発言を粉砕してきたトランプ大統領だったわけで、そういう意味での強さを持っていました。
現在も記者会見をほとんど開かず、ツイッターだけで有権者に直接話しかけています。マスコミの偏向を知っているからです。

立花代表も同じ様にマスコミを最初から敵に回しています。彼は最初からインターネットでNHKを攻撃してきました。インターネットでの反NHK放送もかなり前から行っておりました。
このYouTubeの番組の広告料がだいぶ選挙資金になったようです。
政界進出への段取りも周到で、都知事選で実験したり地方選挙で実験したりしながら、どうすれば選挙民の意識に入り込めるかを考えてきたそうです。

その結果がシングルイッシューにして、「NHKをぶっ潰す!」という衝撃的なキャッチフレーズを連呼するなどの作戦が出来上がって行ったようです。

今回の参議院選挙では、N国党は選挙活動には17万円しか資金を使っていないそうです。日頃の活動が有権者の目に止まっていれば、選挙時には立候補していることだけが解れば良いだけで、資金はほとんどかからないと言います。
ちゃんとNHKが政権放送をしてくれますし、選挙公報にも掲載してくれます。日頃の活動が有効なのは、タレント議員が当選しやすいのと同じようなことでしょうね。

さて、こうして国会に議席を持った「NHKから国民を守る党」です。次の衆議院選挙に向けて党勢の拡大を図るのでしょうが、NHKにスクランブル放送をさせるためにどのような作戦に出てくるのでしょうか。

「NHKにスクランブル放送をさせるならば憲法改正発議に賛成する」と安倍政権に迫っても、安倍政権は「NHKは国民にあまねく放送を・・・」などという呪縛をまだしております。
災害時の緊急放送や、中立公正なニュース提供がNHKの使命などという国会答弁を今後も続けるでしょう。

地方の国会議員がNHKから選挙用にスポーツ観戦のチケット(支持者に配るもの)をもらっていると言うようなスキャンダルでは、地方出身の国会議員を敵に回してしまいます。
そして何より、NHKの朝ドラとか大河ドラマ、チコちゃんに叱られるなどの番組のファン(NHKのファン)も一般国民には多いのです。
そして彼らは真面目に受信料を払っているわけです。このような国民に「スクランブル放送」と言っても理解されないように思います。

技術的に、また時代の要請としてもNHKの使命はすでに終わっていることは確かです。しかし団塊世代までの高齢者と、テレビ好きでネットワークが出来ない世代などにどのように働きかけるか、立花代表の作戦がまだ見えてきません。

N国党の野望は、少なくとも左傾化はしていないようです。左翼に入り込まれないようにして頑張って欲しいですね。

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