2019年6月21日金曜日

英国首相選、ボリス・ジョンソン氏?

メイ首相の辞任に伴う首相指名選挙は、どうやら「合意なき離脱」を主張するボリス・ジョンソン氏に決まりそうです。

このボリス・ジョンソン氏は最初は「私はEUのファンだ」などと述べていて、「EU離脱は英国の問題の解決にならない」とも述べておりました。

2016年2月にはニューズウイーク紙に、「(EUは)すぐ手が届く市場であり、英国企業はもっと開発することができる。こうしたアクセスの割に、会費は比較的安い。なぜそれほど頑固に離脱したがるのか」などという投稿をしています。

しかしその直後に、「EUは公共政策のほとんど全ての領域に侵食してきており、ゆっくりと、目に見えない法的植民地化のプロセスが始まっている。EUルールの中には、単純にばかげているものもある。ティーバッグをリサイクルしてはいけないとか、8歳以下の子どもは風船を膨らませてはいけないだとか、掃除機の吸引力の上限などだ」とEUを非難する投稿に変わってきました。

そして2016年の5月には、「EUは、ナポレオンやヒトラーなどとは違うやり方で、同じことを試みようとするものだ。だが根本的に欠けているものがあり、それが永遠の問題だ。それは、欧州という概念についての基本的な忠誠心の欠如だ」と表現しております。

そして2016年7月にメイ政権で外務大臣を務めますと、すぐにEU懐疑派になり、やがて「合意なき離脱」の支持となって現在に至っているようです。

ニューヨークで生まれ、子供の時に両親と英国に戻り、イートン校、オックスフォード大学ベリオール・カレッジを卒業したあと、いくつかの新聞社などに務めましたが落ち着くことがなく、保守系紙の『デイリー・テレグラフ』記者となり、1989年から1994年まで同紙のEC特派員となっています。

オスマン帝国末期の内務大臣だったアリ・ケマルの子孫が父方の祖父であり、母方の先祖には、ユダヤ系ロシア人がいたりするので、自らを『るつぼからなる人間』などと称していると言います。
あのマーガレット・サッチャーもジョンソンの記事の愛読者であったと言われているそうです。

2008年5月にロンドン市長に当選し、その後もデイリー・テレグラフやガーディアンの記事を書いています。
そしてそこからが彼の政治家としてのスタートだったようです。

最初はEU推進派だったジョンソン氏ですが、その後EUの実態が解って来ることに順じて次第にEU懐疑派になって行ったのが解ります。
つまり「国境を低くし、やがて無くしてしまおう」というグローバル指向の行きつく先が「ナポレオンやヒトラーなどと同じ」という結論に達したように思います。

このボリス・ジョンソン氏の考えの変遷について、多くのマスコミが「不安定な思考で、親EUになったり反EUに成ったりしている」といった論評をしているようですが、単に騙されていた時期からEUの本質が見えてきた時期への変遷だったのではないでしょうか。

ともかく英国保守党は現在「ハードブレクジット」か「ソフトブレクジット」か、そのどちらかを選択する選挙に向かっているようです。

6月20日の予備選では、このボリスジョンソン前外相のハードブレクジットと、ジェレミー・ハント外相のソフトブレグジットの対決となりました。
ジョンソン氏は160票を獲得し、対するハント氏は77票と大きく差がついております。

ハント氏は日本で英語教師をしていた経験があり親日派だそうですが、自身が「(ジョンソン氏に)負けそうな候補者だ」と自虐的な発言をしています。自虐的は日本の影響でしょうか・・・
その上で「政治の世界では予期しないことが起きる」として、7月22日の週に行われることになっている新首相の選挙に臨む姿勢を見せました。

ハードブレクジットの過激な発言とトレードマークの金髪で、「英国のトランプ」とも呼ばれているボリス・ジョンソン氏。保守党の党員の62%が支持を表明しているとか。
メイ首相辞任の後を選ぶ首相指名選挙ですから、保守党の党員の投票だけで後継首相になるわけです。

勝てばすぐにEUに対して「合意なき離脱」を宣言するのではないでしょうか。
EU側の反発は必至ですが、そのEU自体もすでに揺らぎ始めています。グローバル経済を目指し、統合欧州の夢を追いかけてきたEUですが、それをまとめることが出来売ていたのは英国の政治力があったからです。
ですから英国がEUから離脱すれば、EUをまとめることがドイツやフランスに出来るでしょうか。

恐らくうまく行かないのではないかと思います。
そうなればEUから離脱するメンバー国が続いて出て来るのではないか、そんな気がいたします。

そしてEUが瓦解すれば、国際金融資本などが計画していたグルーバル経済にも暗雲がたち始めるのではないでしょうか。
世界は再び不安定な時代に入り、それをまとめられるのが「反中共」という「共通の敵」の設定かも知れません。

もしこうなった時、日本の「パンダハガー」達はどうするのでしょうか。中共を擁護して「人類の敵」というレッテルを貼られる覚悟はあるのでしょうか。
また、そこまで中共をい擁護しても華人は絶対に感謝はしません。「どうせ中共で一儲けしようと言うことだろう」と考えるだけでしょう。

英国首相にボリス・ジョンソン氏がなるかどうか。それは日本にとってもグローバル化が今後どうなるか、その指標になるように思います。

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