2019年1月14日月曜日

トランプ政権、壁にぶつかる

トランプ政権が予算が通らず壁にぶつかっております。その予算とはメキシコ国境に並べる鉄鋼製の壁の事です。

メキシコ国境から不法入国する移民を阻止するために、メキシコ国境に壁を作る・・というのはトランプ大統領の大統領選挙の時の公約でした。
その公約を守る為には、この壁建設に必要な予算を通さなければなりません。米国民の中には「壁など作っても地下を掘って入られるから無意味だ」とか「国境付近の生態系(野生動物の)が壊れてしまう」といったものまで、さまざまな反対もあるようですが、それよりもトランプ大統領がこの公約を守るかどうか・・と言うことが一番重要なポイントのようです。

民主党はトランプ大統領の公約違反を引き出そうと予算を通しませんし、トランプ支持派は公約を守れるかどうかで支持者の今後が変わるという様相を呈しています。
ですからもう、この壁が出来るかどうかは、壁の効果がどうこういう問題ではなくなっているそうです。

壁の建設にトランプ大統領が要求している金額は56億ドル(約6000億円)程です。この予算を下院で多数を取った民主党が拒否しているわけです。
そしてこの予算が通らないために、アメリカ合衆国の政府機関の一部が閉鎖してしまったことが問題なのです。閉鎖は昨年の12月22日から始まっています。

アメリカ軍などには影響はありませんが、例えばスミソニアン博物館やスミソニアン動物園は職員が自宅待機となり、国立公園も閉鎖、その他の公共施設も閉鎖、そしてNASAの職員も自宅待機をさせられているとか。

アメリカは閉鎖中は無給です。ですからどうしてもやらなければいけない仕事、例えば動物園の動物にエサをやることなどは無給で頑張るしかないわけです。
職員はアルバイトなどをしながら持ちこたえるのだそうですが、政府機関の一部が水道料金のお金が無くなり水道代が払えなくなってしまったとか。アメリカの水道局は民営ですからすぐに止めてしまいます。

この政府機関の一つにホワイトハウスも入るわけで、もしかしたらホワイトハウスのトイレが使えなくなるかも知れないそうです。
大統領はどこで用を足すのでしょうか・・・

過去にも予算が通らなくて政府機関が閉鎖したことは何度もありました。オバマ政権での17日が過去では最も長かったのですが、すでにトランプ政権では23日も続いているそうです。
オバマ政権のときの17日で、アメリカが被った被害額は240億ドルだったそうで、今回は幾らになるのか、まだわかりませんけど・・・相当な額に・・

トランプ大統領は強気です。「メキシコ国境の不法移民問題は人道上、そして安全保障上の危機だ」と述べ、公約である壁建設の必要性をホワイトハウスから訴えました。

この問題はトランプ大統領が「不法越境による移民は国家の危機」として非常事態宣言をすればお金は出てきます。
そうすれば壁は建設出来るのですが、トランプ大統領はまだそれをしないで、予算の可決を民主党に迫っています。
「予算を通さなければ政府機関の一部閉鎖はまだまだ続く。数か月でも何年でも、次期大統領選挙までかも知れない」と述べ、「これは駆け引きではない。国家安全保障の問題だ」と主張し、予算を通さない民主党の責任だと暗に述べているようです。

一方、民主党側はペロシ下院議長や上院のシューマー院内総務らが動き、政府機関の一部閉鎖を解除する予算案を下院で可決しました。その上で壁建設費と政府機関閉鎖の問題を切り離して協議するよう要求し、ペロシ下院議員は「政府機関を再開しない限り、問題は解決しない」と強調しました。

この民主党が出してくる予算案に、トランプ大統領はサインをしません。
議会の承認を経ずに国境の壁を建設する可能性を問われると「国家の安全保障問題なので宣言は可能だ」と述べ、選択肢から排除しない考えを示したそうです。

あくまでも、民主党との対決で予算を通すつもりのようですが、トランプ大統領と民主党はどちらも妥協する気はなく、この政府機関の一部閉鎖状態はまだまだ続くようです。
政府機関の一部閉鎖が、壁で突っ張るトランプ大統領の責任なのか、それとも予算を通さない民主党の責任なのか、譲れない双方は国民に向けて「壁」の是非を訴えています。

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