2018年4月20日金曜日

拉致被害者奪還・日米首脳会談

拉致問題の話題ではトランプ氏は神妙な面持ちになり、「拉致問題へのシンゾーの情熱はすごいな。貿易問題とは迫力が違う。長年執念を燃やし、決してあきらめない態度はビューティフルだ。シンゾーの情熱が自分にも乗り移ったよ。私も拉致被害者のご家族にもお会いしたんだ。最大限の努力をするよ!」と語ったとか。

また、安倍首相も「この問題が解決しない限り、私は政治生命を終えることはできない」と語るなど、日米首脳会談で「拉致問題」がこれだけ強く取り上げられたことは無かったと思います。

しかし問題はどのような努力がなされるのかという点です。
北朝鮮が真っ当な解決を考えているとは思いません。「横田めぐみ」さんの生存情報はあるようですが、現在どこに居て何をしているかは解っているのでしょうか。
その他の被害者はどこでどうしているのか、その情報は日米で掴んでいるのでしょうか。

首脳会談では、これまで拉致事件が進展しなかったのは「アメリカ政府の関心が薄かったことが大きな要因だ」ということで、「米朝首脳会談でトランプ氏が拉致問題を取り上げれば、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長も無視を決め込むことは難しくなる。」と記事に書かれていますが、北朝鮮側は「金体制の維持」が主な交渉であり、「核の段階的撤廃」を交渉材料としております。

アメリカが拒めば、そのまま会談決裂となり「その後は何かが起こる」とはトランプ大統領の脅し文句ですが、「拉致の解決」はどちらかというと日本の弱点でもありました。
「拉致家族会」などが救出を訴えても、北朝鮮内部の情報がつかめず、軍事を忌避した日本の体制がスパイなどを送り込んで拉致被害者と接触するなどの行動を阻害してきたからです。

また、2002年に帰国した5名の拉致被害者からも、他の拉致被害者がどこに居るのか、どうなっているのかという情報は聞き出せなかったようですから、北朝鮮側が隠蔽を強くしていることは想像に難くありません。

この固い壁をアメリカが関与することによって壊すことが出来るのかどうか、そこが疑問なのです。もしアメリカが北朝鮮にスパイ網を持っていて、そこから拉致被害者のなんらかの情報を掴んでいるのであれば、それを梃にして北朝鮮側に迫ることも出来るでしょう。それがあるのかどうか、それが判らないのでこの会談が奇妙に思えるのです。

アメリカにも拉致被害者が居ります。デービッド・スネドン氏です。そして彼は現在「北朝鮮で結婚、英語教師で子供が2人居て、平壌に住んでいる」と言う情報が流れております。
この情報は韓国の拉致被害者団体代表のチェ・ソンヨン氏からもたらされたもので、日本の古屋議員を経由してアメリカが掴んだと言うことですが、このような情報が日本人拉致被害者に対してもあるのかどうか、それが判りません。

なんらかの情報がないと、北朝鮮は「拉致問題は解決済み」とか「死亡した人間を生き返らせることは出来ない」などという言葉をぶつけてきます。
それに対して「解決はしていないし、死亡した証拠もない」として何らかの情報を突きつけなければ、彼らは動かないと思うからです。

ともかく、アメリカは核の撤廃に向けての交渉から始めるでしょう。「手法はリビア方式でIAEAとアメリカ軍がこれを行う」という撤廃の段取りに対して金正恩委員長が「段階的に行うことが必要」などと反論してくるはずです。

さらにアメリカは核だけでなく、毒ガスや生物兵器と言った非人道的無差別殺害の危険なプラントの解体も要求し、それにも金委員長は答えなければなりません。
その次が日本人拉致問題になるでしょうが、交渉材料が無ければ「拉致問題は解決済み」と言う委員長に対してトランプ大統領は何も言えないでしょう。拉致被害者に同情しても、それで交渉は出来ないからです。

北朝鮮は金体制の維持を望んでいます。しかし会談が決裂したらアメリカは何らかの行動に出るでしょう。当然経済制裁は継続します。しかし中共は制裁を解除するかも知れず、他の国々もどうするか判りません。

はっきりと「金体制は継続させない」とする強いメッセージで米朝会談を決裂で終わらせて、軍事攻撃を開始し、日本の自衛隊も「拉致被害者救出部隊」として北朝鮮国内に入って行くという筋書の方が、成功・失敗に関係なくすっきりするような感じもしますけどね・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿