2016年9月13日火曜日

北の核実験とB1戦略爆撃機派遣

北朝鮮が5回目の核実験をしたことで、アメリカはB1戦略爆撃機を韓国へ派遣することになりました。9月13日にもグアムから韓国上空を飛行する予定だそうです。

また、韓国軍と行う合同訓練は10月10日から15日の予定で、黄海と南部済州島沖で演習を行うそうで、この演習には横須賀からロナルド・レーガンが覇権されることも決まったそうです。

一方、中共は9月12日からロシアとの合同演習を広東省沖の南シナ海北西部で始めました。中共は軍事大国ロシアを利用してハーグの仲裁裁判所の裁定に従うよう求める日米両国に実力で対抗する意思を示したと言うことですね。
この演習は9月19日まで実施され、中露海軍の中将が総指揮をとり、防空や対潜水艦作戦のほか、海軍陸戦隊などによる島嶼上陸・防衛訓練も実施するそうです。

プーチン大統領は、南シナ海問題への「第三者」の介入は問題の解決を阻害するとしてロシアは介入しない考えを示したわけですが、それならなぜ広東省沖の南シナ海北西部で合同演習をするのでしょうか。

中西輝政氏によりますと、昨年10月に公表された米議会調査局の『日米関係に関する報告書』は「日本がロシアと友好関係を深めないように米国が圧力を加える必要があるかもしれない」と記述していたそうです。
そして今回の北の原爆は小型化に成功している可能性が高く、しかも日本を標的にした戦略弾道ミサイルに装着可能としているそうです。(北朝鮮の発表)
日本をアメリカに頼らせろ・・・という謀略と考えたらどうでしょうか。

今回の核実験の後、オバマ大統領から安倍晋三首相に電話で「アメリカは同盟国を核の脅威から守る防衛義務を果たす」と改めて伝えてきたそうです。
しかし、そのオバマ氏自身が最近まで「核先制不使用」への政策転換を考慮していたわけですから、アメリカの「核の傘」の揺らぎが今回のややこしい問題となっているようです。

現在もまた、米政府高官やホワイトハウスから直接、首脳の相互訪問に懸念が伝えられていると言うことで、どうして日露間の話し合いが始まりそうになると、こういつも問題が起きるのでしょうか。

一方、中共国内では権力闘争が激しくなってきたようです。
習近平国家主席の側近である黄興国氏が失脚したことから、その実態が見えてきたということでしょう。

反習近平派が黄氏周辺の汚職の証拠をひそかに集めていたそうです。まったく黄氏を調べている気配は事前には判らなかったそうで、突然会議に黄氏の親族の不正蓄財の証拠などが提出されたそうです。

ある党関係者は「習氏による露骨な権力集中と粛清統治に抵抗するため、江派と共青団派が連携する場面が最近増えている」と述べ、「これから本格的に反撃する可能性が高い」と語ったそうです。
江沢民派は習氏が江派の大物政治家を次々と失脚させたことで共産党青年団との関係を強め、習氏の暴走を止めようとしていると言うことです。

江沢民派はアメリカ・ウォール街との関係を強めているそうで、このことから今回の黄興国氏失脚の裏にはアメリカが動いた可能性もあります。
習近平派は欧州、特に英国・シティとの関係を強くしています。ですから習氏が欧州外交に力を注いできたわけで、それは江沢民派との対決という側面もあったでしょう。

IMFを懐柔し、ラガルト専務理事を説き伏せて人民元のSDR入りを今年10月に実現させる予定で動いている習近平主席です。
欧州が中共に懐柔されるのは、なんといっても武器を買ってくれることです。極東の戦争は欧州には直接響かないことも理由の一つではないでしょうか。
ラガルト氏は副専務理事に中国人民銀行(PBOC)の副総裁を務める張涛氏を任命しています。8月のことでしたね。

こうして権力基盤を固めてきた習近平主席です。しかし江沢民派が権力基盤を簡単に失っていくとは思いません。
「党内対立はかつてないほど先鋭化している。権力集中を進めているようにみえる習氏だが、足元は実に不安だということが証明された」と話すのは共産党の古参幹部です。

アメリカの尊厳を傷つけ、欧州を使った世界支配を目論む習近平主席。それに対して習氏の暴走を止め、権力奪還を図る江沢民派の動き。
南シナ海や東シナ海、そして国際金融を二分するウォール街とロンドン・シティ・・・

北朝鮮の核実験は、このような環境で行われました。
ウォール街にとっての宿敵プーチン大統領と、シティを復活させ欧州の覇権を取り戻すのに中共を利用しようとする勢力。
経済を中共に依存せざるを得ないロシア・プーチン大統領の中露軍事演習と、それに対し行われる米韓共同演習。

北朝鮮の核実験を、日本に向けたミサイルに搭載する小型核の実験とわざわざ発表させるのは、どこの勢力なのか・・・

アメリカはB1戦略爆撃機を韓国に派遣しました。あくまでも北朝鮮に対する威嚇であり、THAADも北朝鮮の核に対するものだと強調しています。
しかし、それが対中戦略だということは明らかです。江沢民派へのテコ入れなのか、日露引き離しの謀略なのか・・・

複雑化する世界は、すでに第二次世界大戦後の安定を失いつつあるようです。

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