2015年6月16日火曜日

財務省脳を断罪する新浪剛史社長

先日の財務省脳の話で、税収の弾性値1.1について書きました。この財務省の嘘を、元ローソン社長で、現サントリーホールディングス社長の新浪剛史氏が徹底的に批判しました。

「大きな嘘でも頻繁に繰り返せば真実になる」というナチスのゲッペルスと同じ手法(マスコミを使って流す)を使う財務省への批判です。
名目成長率1に対して税収が何倍増えるかというのが弾性値ですが、それが1.1では名目成長率とほとんど同じ伸び率でしか税収は増えないことになります。

今年2月に財務省が発表した「中長期の経済財政に関する試算」で、またも弾性値1.1を基準としたことに対する怒りが爆発したようです。
なぜならこれは、税収を低く見積もって財政危機を煽り、どうしても消費増税10%が必要だとするための方策に使うためだからですね。
言わば詐欺的手法を使ってでも消費税率10%を実現したい財務省があるわけです。

財務省は長い事この手法を使って歴代内閣をデフレ下の緊縮財政に持ち込み、日本経済の低迷を繰り返してきました。税率を上げると出世すると言う財務省内人事があるからでしょう。しかしこれで苦労させられてきたのは、健全な日本国企業の経営者達でした。
そんなことは眼中になく、自分たちをエリートと信じ込み、「民間を甘やかせるな」などと言いながらしゃにむに税率を上げてきた財務省なのです。

デフレの進行とともに税収が激減し、財政収支が悪化すると、消費税増税を仕掛け、我が国の経済を破壊してきた元凶、財務省。
財務省省益だけしか考えていない、性懲りもない日本自滅のシナリオだということです。
現在もなお、高めの経済成長率を維持しても消費税率を10%超に引き上げない場合、財政収支均衡は困難という話で、国民を欺こうとしています。

内閣府の研究会は2011年に2001年~2009年の税収の弾性値を平均し、1.4であることが判っていました。しかしこの時の与党・民主党はこれを国民の目から隠します。菅直人氏が首相の時でした。
事実隠ぺいに成功した財務省は、次の野田内閣で、遂に消費税率8%を2014年の4月1日から施行することを決めさせてしまいます。
すべて、財務省に反論出来ない民主党政権の無知が原因でした。

残念ながら安倍政権は、野田政権が残したこの8%の増税を施行せざるを得ませんでした。財政のご意見番達が全員財務省に騙されていたのでしょう。
しかし、2013年度の税収の弾性値は1.38になっており、この増税が正しかったのかどうかは2014年度の弾性値を見なければわかりません。もし下がっていたなら、増税は失敗だったことになります。

税収と言うのは、名目GDP × 税率 × 税収弾性率と言うことになっていますから、税収の予測を立てる時は経済成長による増収(あるいは減収)値をどう見るかに、この 税収弾性率をいくらに置くかで決めていきます。
1.1と言うのはあまりに現実とかけ離れております。そこを新浪社長は突いたわけです。

「過去の税収弾性値をみても、経済安定成長期は少なくとも1・2から1・3程度を示している。今までの中長期見通しではこれを1・0と置いていた。これは保守的過ぎるため、弾性値を1・2から1・3程度にすることが妥当である」と新浪社長は述べております。

岩田一政氏を座長とする内閣府の研究会は1.4としておりますから、かなり少なく見積もった値ですね。
筑波大学名誉教授の宍戸駿太郎氏や、産経新聞特別記者の田村秀男氏も、弾性値見直しをずいぶん昔から要求していましたが、どうやら財務省に脅された日本のマスコミの「消費増税止む無し」という「嘘」記事に負けたと述べています。

さて、2017年度に予定している消費税率10%ですが、弾性値1.3で計算すると「引き上げなくても、2023年度には消費税増税したケースよりも一般会計税収が上回る試算が出る」という結論になるそうです。

財務省の言い分は、「2023年度まで経済成長が続くかどうかわからない。景気が減速しても確実な健全化が出来るように考えるのが財務省だ。弾性率だけで無責任なことは出来ない」などと無責任なことを言うでしょうね。

2023年とは8年後です。8年くらいの成長維持が出来ないなら、何のための財務省でしょうか。
日本の経済成長にこそ責任を持つべき財務省であるべきです。そんなことをしても出世できない財務省ならば、そんな財務省は我が国にとって不要なのです。

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