2014年6月7日土曜日

中共の長い悲鳴

ブリュッセルの首脳会議(サミットG7)に参加していた安倍首相は、首脳宣言に中にウクライナ情勢でのロシアを「力を用いた一方的な試み」として非難し、同時に中共の東シナ海・南シナ海の情勢についても「深い懸念」を表明することを入れることに成功しました。(中共を名指しすることは出来ませんでしたが)
さらに北朝鮮に対しても、日本人拉致などを「人道に対する罪」として「速やかな措置」をとるよう要請する文言を入れることに成功しました。

しかし、この宣言ではロシアに対して追加制裁に踏み切る用意があるとの警告が入りましたが、中共に対してはまだ「深い懸念」に留まっております。
しかし、中共は次第に世界で孤立してきました。

中共国内でも天安門事件25周年の弾圧が激しくなってきたようです。世界中の華人達が天安門25周年の追悼を行っているとき、その天安門ではそれを弾圧する行為がなされているようです。中共国内に居ては判らない弾圧でも、一歩外国に出れば盛んに報道されています。例え香港でも・・・
インターネット上でも天安門事件に関する記事はことごとく消去されているようですが、事件のあった6月4日を5月35日と書いて検索を逃れるなど、民主化勢力と共産党のネットバトルも行われているようです。

東京では港区の中国大使館前で中国共産党・政府に対し、民主化などを訴えるデモが行われ、約20人が「言論の自由を」「知識人を釈放せよ」などと声を上げましたが、その中には中国人留学生の姿もあったとか。
またデモ隊とは別に、マスクを着け大使館前で黙ったまま「六四流血/言論自由」と書かれた紙を掲げて抗議していた中国人留学生も居たそうです。

台湾では、あの馬総統が、「民主と法治、自由と富の平等が両岸(中台)共同の夢となることを心から期待する」というメッセージを出しました。
そして天安門事件の犠牲者の名誉回復を求め、「今日の中国大陸は歴史上、政治改革、民主と法治を実践するのに最も適した時期だ」と訴えたということです。

現在は台湾で、「大虐殺事件の生き残り」という罪悪感を抱えながら投資銀行家として生計を立てている、当時の学生運動のリーダー「ウアルカイシ氏」は、「名目の国内総生産(GDP)で中共は世界2位の経済大国となったが、一党独裁体制は変わらない。問題は中共が世界のルールに従うのか、世界が中共の横暴なルールに屈するのかだ」と述べました。
またウアルカイシ氏は日中関係について、「日本政府は中共に対し人権問題を提起していない。関心があるのは経済だけだという誤ったシグナルを出している」とも述べました。

習近平主席は、中共の孤立化を避けるため、ロシア・プーチン大統領を招いての会談とか、韓国の朴大統領との会談などを通して、日本包囲を画策します。
しかし、中露は地政学的に「潜在的脅威」同士であり、便宜的、一時的、戦術的には協力し得る場合もあるかも知れませんが、決して味方同士にはならないでしょう。

それでも相変わらず中共は、ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典などで「ドイツの誠実なざんげは世界から信用を得たが、アジアにおける加害者で敗戦国である日本の指導者は侵略の歴史を否定しようとしている」などと述べ、「第二次大戦の勝利の成果と戦後の国際秩序に挑戦しようとしている」と安倍批判を繰り返します。連合国のノスタルジーを使って孤立化を防ぎたいようです。

また、よく米中が裏側で結びついているという説を言う方々が居られます。つまり「いかに対立しているように見えても、米国は日本よりも中共との経済関係を重視する」という考え方で、エコノミストなどに多い考えということです。
しかしこれは「中共の台頭が既存の国際秩序を受け入れるものなら、アメリカは中共の経済力を最大限活用する」ということを述べているわけで、「中共が東アジアの現状、特に海洋秩序に挑戦するなら、アメリカはこれを洋上で軍事力により抑止する」ということでもあります。
アメリカが中共と同等の関係など持つわけはありません。現在のアメリカはまだ中共と大陸にまで戦線を拡大するつもりはないということだけでしかないということです。(宮家邦彦氏のコラムより)

韓国が中共にすり寄っているとよく言われます。しかしそれは対日関係をめぐる中韓の接近であって基本的には戦術的な意味しかないはずです。
理不尽な列強に囲まれた半島の住人には中共もロシアもアメリカも日本も信用出来ないのです。信用できない理由は、自分たちが信用されないからであり、外見のみにこだわり内容が伴わず、そしてすぐに激昂する半島の住人は、どこからも信用されていない・・だから周辺国を信用しないということではないでしょうか。

まあ韓国はさておき、中共はこういうわけでますます孤立の道を進んでいきます。天安門25周年からも判るように、国内からも共産党に対する反発が強くなっていくでしょう。

この秋、おそらくプーチン大統領と安倍首相は会談するでしょう。アメリカは中間選挙であまり圧力もかけられないと思います。
北方領土問題は交渉再開を約束するだけに留め、ロシア経済への日本の関与(技術協力など)を匂わせて、表面上の日露友好を演出すればいいだけではないでしょうか。
中露に楔を打つためには、シベリア開発(資源)を支援するような会議の立ち上げなどいかがでしょうか。

ほっておいても中共は孤立し、崩壊するでしょう。しかし長い時間がかかりそうです。すなわち中共は長い悲鳴を上げて苦しみ、世界中に迷惑をかけるはずです。
何とか介錯してやりたいものです。それには、日露新時代の構築などを積極的に行うことかも知れませんね。

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