2013年5月21日火曜日

さらなる圧力が必要なのか、北朝鮮


飯島内閣官房参与の訪朝の報告内容が次第に明らかになってきました。
また、安倍首相の対米評価も鋭いものがあります。第1次安倍政権時の6カ国協議では、アメリカと韓国が北朝鮮の核関連施設の停止を条件に重油支援に踏み切ったわけですが、安倍政権は拉致問題の進展が無いという理由で支援を拒否しました。

その後の北朝鮮の核実験の継続とかミサイル発射を示して、米韓主導の対応が失敗に終わったことを首相は強調して、今後の拉致問題の解決には「日本主導」でいくと発言したのです。
どうやら、朝鮮総連中央本部の競売が失敗したことも、背後に安倍政権の意向があったようですね。そしてそのことを理解した北朝鮮側が、今回の飯島氏訪朝の流れを作ったようです。

6カ国協議が、アメリカを中心とする連合軍のグループに、拉致問題を抱える日本を加えてスタートしたことは確かです。韓国が連合軍の仲間なのかどうかは判りませんが、ともかくあれは日本を押さえ込む策略だったように見えます。
最初の目論見は、北朝鮮が核武装したことで日本が核開発を始めないように画策した節があり、次に北朝鮮を宥めて日本に金を出させようという画策もあったと思います。
拉致問題に対する協議がほとんどリップサービスであったことも、疑いようの無い事実ですね。この事実の裏側には中共が居ることも確かで、その中共がアメリカに働きかけていることも6カ国協議の出す結論を見ていると判ってきます。
6カ国の内、アメリカ、ロシア、そして中共とも核保有国。核既得権の国家です。目的が北朝鮮の核廃棄よりも日本の核武装阻止に重点があるのは当たり前かもしれませんね。

即ち、国会での安倍首相の言うことに反論は出来ないことになるわけです。
そして、今後の拉致問題がどうなっていくか、現在はボールか北朝鮮にあるようです。

北朝鮮が飯島内閣官房参与をもって、受け取った安倍首相からのメッセージ、それは「拉致被害者全員の帰国」、「真相究明」、「実行犯の引き渡し」の3点です。
すでに後の無い北朝鮮。中共は少なくとも表面での北朝鮮支援は出来なくなっています。そして北朝鮮にとって、拉致問題が解決した場合、その後の展開は見えているはずです。

北朝鮮にとって、難しいのが「真相究明」ではないでしょうか?
日本人を拉致したのは、日本人になりすましてスパイ活動をするため、そしてそのスパイ活動は大韓航空機の爆破を行うため、大韓航空機の爆破は、ソウルオリンピックを台無しにするため・・・・
本当にそうだったのでしょうか?

この事件が発生したのは1987年11月でした。当時、まだ金日成総書記は生きていて、このテロを直接指揮したのは金正日朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長だったはずです。
また、どうせ「よど号の実行犯」たちも参加していたはず。そして、さらに背後に中共も加わっていたかもしれません。
日本側が求める「真相究明」とは、このような事実関係の究明ということです。

北朝鮮側は、どのような言い方で事実を公表するかという点です。拉致の実行を指揮したのは金正日氏で、しかもその金正日氏とともに「よど号実行犯」も加わっていた・・・というような発表をする可能性もあります。
すなわち、拉致事件は朝鮮人だけでなく、日本人も加わっていたという事実の公表です。

拉致の犯行がなされたこの時期、世界中に巣食っていた共産主義者たちは、世界同時革命を目指していたようです。その環境の中で金正日氏も「よど号実行犯」たちもバラ色の夢を描いていたはずです。(現実が見えていたらあんなバカなことはいたしませんよね)
大義のためには拉致も構わないという発想だったんでしょうね。

しかし、人間社会とは風雪に晒されながら成長する樹木のようなもの。必死に設計主義で画策してもうまく行くわけはありません。(風雪は設計出来ませんからね)
「5ケ年計画」はことごとく失敗し、色あせた夢は地獄と化し、ついにソビエト連邦が瓦解、自由資本主義に泣きついて体制維持を画策した中共は、資本主義の理念など判るわけもなく、国土を穢し、人民に格差を生み、再び地獄への道をひた走っております。

北朝鮮にとって、この地獄から脱出するためには今がチャンスだということ・・それに気が付いているでしょうか?
拉致被害者を日本へ帰し、設計主義の間違いと金正日氏の責任を断罪すれば良いわけです。金正日氏には気の毒ですが、北朝鮮を救うにはそれしかないでしょう。

そのために、さらなる日本からの圧力を掛けることは、彼らのためでもあるわけです・・・

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