2012年7月16日月曜日

英国バークレイ銀行の不正


米英の金融監督当局に総額2億9千万ポンド(約360億円)の巨額の罰金を科せられた英国のバークレイ銀行。
その悪事とは、LIBOR(ライボー:ロンドン銀行間取引金利)を不正操作したというもの。
バークレイズ銀行は、自行の資金借り入れコストを引き下げようと、市場の実勢レートより低めの金利を報告し、長年にわたりLIBORの操作を試みていたというのが悪事の内容です。

世界の銀行は、銀行同士の中でお金を融通し合います。毎日の決算でお金が不足した場合、余裕のある銀行からお金を借ります。
これは、例えば翌日に返済されるなどの短期取引ですが、各銀行はこのようにして正常な業務を続けていくわけです。このような取引を銀行間取引と言って、そこにも金利が付きます。

ロンドンで行われるこの銀行間取引の金利がLIBOR(London Inter-Bank Offered Rate)であり、東京で行われる銀行間取引の金利はTIBOR(タイボー:Tokyo Inter-Bank Offered Rate)となります。
この取引金利は、資金調達コストの基準として用いられ、調達コストの割高/割安をLIBORとの比較で表現することが多く、信用力の評価に寄与しています。

例えば企業が社債などを発行する場合、その金利がLIBORに対して高いか低いかによって、その企業の信用度が評価されるわけです。
信用力の高い企業では、LIBORよりも低い金利で資金調達が出来るということです。

ここで不正行為が行われると、金融界全体が信用崩壊の危機に晒されることになります。
金融とは、信用の上に成り立っている事業。なぜなら未来という不確実な時間を使った仕事ですからね。
その期間に応じて金利が作られ、そして確実に守られることで金融事業は成り立っています。ですから信用が崩壊したら金融ビジネスは成り立ちません。

ですからここで不正が行われたことは、信用崩壊の連鎖が発生する可能性があり、自体はロンドンだけでは済まないかも知れません。
その防止のためにも、不正操作の実態解明と銀行改革を進めてもらわなければなりませんが、はたしてどうなるでしょうか?
金利不正操作問題が明るみに出て、一応バークレイ銀行の最高経営責任者・ボブ・ダイヤモンド氏は引責辞任いたしましたが、この不正の内容の解明はまだのようです。

英国で起きたこの不正が、早速日本にも波及しています。
ロンドンの三菱東京UFJ銀行に勤務するデリバティブ(金融派生商品)のトレーダー2名が、この不正操作に加わっていたとして停職処分になりました。
この問題について、三菱東京UFJ銀の広報はコメントを拒否してるようですが、日本の金融の信用崩壊につながっていくことはないでしょうか?

現時点では、欧米当局から日本の金融庁に対し、邦銀が関与していたとの報告はないということです。
しかし、調査が進めば何が出てくるかはわかりません。
日本のTIBORは、定期預金や住宅ローンの金利にも参考指標として使われることが多く、今回のLIBORの不正発覚で、全銀協は東京市場での不正防止対策の検討に入ったとか。

不況が続く英国。オリンピックもなかなか盛り上がらない状況ですが、このでの金融不祥事に金融界への世間の風当たりも強いようです。
英金融界のモラルと信頼性が問われる事態になって、英中央銀行イングランド銀行のキング総裁は「軽蔑すべき嘘つきの銀行文化だ」などと、自虐的な言葉を述べております。

世界の金融はつながっています。
この不正の波及が、世界全体の金融に及ぶと、我々の生活を巻き込んで大変なことになるかも知れません。
事態の推移を今後も注視して行きましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿