2012年5月8日火曜日

オランド氏の勝利、フランス大統領選挙


ついにフランスで再び社会党政権が誕生しました。17年ぶりだそうです。
右派のサルコジ氏は敗北を認め、「試練の中で幸運を祈る」とオランド氏に電話したとか。

欧州はユーロという単一通貨による経済圏を作っています。そのユーロ圏でドイツとともに主導的地位にあったフランス。しかしサブプライムローンの破綻以降、ギリシャなどの経済破綻にみまわれて苦しんできました。

このような中で、ユーロ圏の国々にははっきりと格差が出てきております。即ち輸出攻勢を掛けられる国家は儲かり、輸入に頼っていた国家は破綻に向かうと言うことです。
ドイツは設けておりますが、イタリアは破綻へ向かっています。スペイン、ポルトガルも破綻への道を滑り落ち、フランスも危険な状態にあります。

こうなってしまうのは、いわゆるグローバル経済の流れがあるからで、好景気に沸くドイツの国民が、よりよき生活に向かっているかどうかは疑問もありますけど。
ユーロを牽引して来たドイツとフランスですが、どうやら国民はグローバル経済に「ノー」をたたき付けたようですね。
ドイツ・メルケル政権と歩調を合わすように政治運営してきたサルコジ氏が、大統領選挙に負けたからです。
社会主義政権のオランド新大統領が、今後どのような経済運営をするかは判りませんが、それによってユーロ圏が微妙に変化し始めるのではないでしょうか?

メルケル・ドイツは、破綻国家の「ギリシャ」「スペイン」「ポルトガル」などに極端なデフレ政策を取るように圧力をかけています。
そのうえで、ドイツを始めとした輸出攻勢国が、これら破綻国家の面倒を見るようにしますと、ユーロが下落します。即ち輸出が「非常にやりやすくなる」ということです。

ドイツ以外にも、オランダ、スウェーデン、フィンランドなどは、ユーロ圏破綻国家のおかげで輸出が順調なようですね。
人件費の安さで輸出攻勢をかけ、最大の輸出大国となった中共ですが、国内経済が疲弊して暴動が頻発し、このままでは共産党政権が崩壊するかも知れません。
そこに、ユーロ圏の巻き返しが始まったようです。
それにしても、このような破綻国家の使い道があったとは・・・

ご承知のとおり、ドイツはそのエネルギーをフランスの原発に頼っております。
そのフランスで、社会主義政権が誕生したわけです。今後フランスの原発がどうなっていくか、それはドイツの産業にとって重大な問題を含んでいるのではないでしょうか?
ドイツの原子力技術は、他国でしっかりと行われていますから、いつでも再開は可能でしょうが、国民世論はなかなか納得しないでしょう。
理想とする再生可能エネルギーでは、これからさらに輸出ドライブがかかるドイツ工業の需要をまかないきれません。

オランド新大統領が、どのような経済政策を取るか、ユーロ脱退も視野に入ってきます。
グローバル経済を否定し、国家国民経済を再生する方向を取るならば、ドイツと衝突する可能性も出てきます。
メルケル政権が取っている経済政策は、「第四帝国を目指している」のではないかとの懸念も生まれています。
破綻国家に掛けられる圧力は相当なもの。
英国とチェコはさすがに「主権侵害」として拒否したそうですが、その英国も破綻の際にある国家。グローバル経済の負の部分をよく判っている国家です。

今後フランスの政治がどうなっていくか、欧州経済がどうなっていくか、面白くなってきましたね。

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