2012年5月5日土曜日

「習近平」氏が言う核心的利益とは?


石原都知事の発案である尖閣列島の東京都購入計画について、中共の次期国家主席である「習近平」氏が、「相手にとって核心的利益、重大な関心を持つ問題については慎重な態度を取るべきだ」と述べたようです。
「日中の政治家は無責任な発言をすべきではない」とも語っております。

しかし、なぜ尖閣列島が中共にとって核心的利益なのかは語っておりません。
そもそも核心的利益とは何なのか、そのことも今まで説明がなされたのでしょうか?南シナ海の南沙諸島も、なぜ中共にとって核心的利益なのか、チベットもウイグルも、なぜ核心的利益なのか、まったく説明がありません。

そして、核心的利益が中共にとってのものだけであり、他国の安全保障問題などについてはまったく無視した言葉であることについても、中共は何のメッセージも発進していないはずです。
ただ、中共にとって核心的利益とする場所については、「慎重な態度を取るべきだ」と言う訳ですから、国際社会にとっては容認できない言葉となるのではないでしょうか?

ですから、「相手国にとって領海侵犯に当たる『核心的利益』などという言葉は使うべきではない。なぜならそれは宣戦布告と同じ意味となるからである。」というのが、ベトナム、フィリピン、マレーシア、そして日本の受け取り方になるわけです。
アメリカとこれらの国々との話し合いでは、「中共に国際ルールを守らせる必要がある」という意味が語られています。
すなわち、ルールを守らない場合は「警察権」を行使すると言う意味であり、それは戦争を意味することに他ならないわけです。

「習近平」氏の、この言葉の意味を明確にするならば、「中共が核心的利益といった場合は、その領域を占領するという意味であり、現保有国との軍事的バランスが崩れて中共優位になっているのだから慎重な態度を取るべきだ」ということになるのでしょう。
即ち、暴力団の縄張り争いと同じスタンスの発言です。

この国の国民の発想も、かなり暴力団的です。最近のネット書き込みなどにそれが現れているようです。
そして、昔中共の政府要人だったでしょうか、「中共は太平洋に出てはいけないのか!」という発言をした人がおりました。
中共の沿岸部は、フィリピン、ベトナム、台湾、そして日本とロシアに囲まれていて出口がないわけです。一般の船は自由ですが、軍艦などの隠密行動は不可能に近いでしょう。それを意識した悲鳴のような発言だったと記憶しますが、中共を太平洋に出すべきではありません。
理由は上記のような「暴力団的発想」が国民のコンセンサスになっているからです。

現状、太平洋の支配者はアメリカです。太平洋戦争以降、アメリカのプレゼンスが太平洋を覆いました。
良くも悪くも、アメリカはその後60余年、太平洋を支配し、西部開拓の延長は確実に続けられています。
それが、アメリカの中国大陸への野心であることも疑いの無いものではないでしょうか?
その目的は、自由と資本主義の布教であり、その手段としての平和維持でしょう。それに反対する世界の声もいっぱいあります。しかしアメリカはこの布教を続けます。それが国家目的だからです。

一方の中共はどうでしょうか。
ソビエトで共産主義を学び、約60年前に国家を作り、モスクワと北京で共産主義のトップ争いを行って袂を分かち、「核心的利益」などという言葉を使ってチベットとウイグルを侵略吸収し、モンゴルの一部を飲み込み、満州民族をジェノサイトして来ましたが、新しい発想や研究は何もしていません。人類を進歩させる仕事は何も・・・
ソビエトが崩壊すると、共産主義も捨て去ってご都合主義に堕落させ、資本主義的発想は拝金主義に堕落させ、他国の技術を真似て安い人件費を武器に輸出攻勢を掛けて経済的優位を勝ち取り、その資金を軍事的暴力装置に費やしているだけの存在ではないでしょうか?中共の国家目的が判りません。

こんな中共を、「習近平」氏はどのように持って行こうとしているのでしょうか?
尖閣列島を奪取してアメリカと対峙し、世界を敵に回して戦争を仕掛けたいのでしょうか?少なくとも「核心的利益なんだから慎重な態度を取るべきだ」という言葉には、このような脅しが感じられるのですが・・・

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