2019年3月25日月曜日

スペースデブリ対策は・・

初めて人類が宇宙に衛星を上げたのが1957年でしたから、はや60年以上が過ぎました。その後の衛星打ち上げの量は多く、通信衛星、気象観測衛星やら偵察衛星、地球環境調査衛星だとか様々な衛星が打ち上げられております。

これらは衛星寿命が尽きると単なるゴミとして地球周回軌道を回り続けます。衝突を起こしてバラバラになっても、その破片は周り続けます。
衛星は地上からコントロールされます。そのために軌道修正のエンジンを持っております。その燃料が尽きた時が衛星寿命の終わりと判断されるようです。

寿命が尽きた衛星の後継機は新たに打ち上げられますが、古い衛星はそのまま放置されます。これが宇宙ゴミ(スペースデブリ)として軌道を回り続けるわけです。

2007年に中共が地上から衛星めがけてミサイルを撃ち、粉々にするという実験を行いました。アメリカの偵察衛星に対する脅しが目的だったのでしょうが、この実験で意味なく3500個以上ものデブリが増えたそうです。
衛星は破壊しても地上には落ちてこないからですね。

このスペースデブリは、現在50万個を超えているそうで、アメリカが軌道を把握し公開している量はそのうちの1万9千個だそうです。
そしてこれらのゴミは秒速8kmにもなり、銃弾よりも早いそうです。

そしてこれらのデブリが増加することで、我々の生活に危険が迫っていると言うのです。

現在、人工衛星に積まれたさまざまな機能が、我々の生活を便利にしていることはご承知の通りです。
例えば天気予報、そしてカーナビゲーションシステム、モンスターハンターゲームなど、衛星によって可能になった生活が危機にさらされているのです。

現在運用中の衛星がデブリと衝突しないようにする方法は、レーダーと望遠鏡で地上から監視することだけだそうです。
日本では宇宙航空研究開発機構(JAXA)が岡山県で行っているそうですが、2017年には1日平均で350回以上もデブリが衛星に接近したそうです。
軌道計算から衝突することが判った場合は、衛星に積まれたエンジンにより軌道修正を行うそうですが、そのようなケースも年間3回くらいはあるとか。
軍事衛星に対して衝突の警戒をしているのは自衛隊です。山口県内に監視用の高性能レーダーを現在建設中だとか。

JAXAの中村信一主幹研究開発員は、次のように語っております。
「10年前より監視業務は緊張感に包まれており、脅威は今後ますます高まる。『ぶつかったら最後』の覚悟で臨んでいく」と。

何とも勇ましい衛星監視ですが、この危険除去のために宇宙ごみを捕獲して大気圏に突入させ、燃やして除去する技術の開発も進んでいるとか。
ただしこの技術はごみの形状や回転の速度が様々でハードルは高いとか。

川崎重工業がその技術を開発しています。また日本のベンチャー企業「アストロスケール社」も技術を開発しております。

川崎重工業はロケット打ち上げ時に残骸として残るデブリの除去が目的だそうで、衛星を取り付ける部分にバーをひっかけて電流によって減速させ、大気圏に落とす方法を取るそうです。
2020年に実証実験を行うと言うことです。

アストロスケール社は衛星に事前に金属板を取り付けておき、磁石を使用してゴミの除去を行うという技術だそうです。

日本政府はこのような動きを注目していて、2022年度に打ち上げる衛星にこのうちの一つを採用し実証することを視野に入れているとか。
3月中に「宇宙ゴミ対策会議」を設置して、この夏までに方向性を示す見込みだとか。

しかしこのような宇宙ゴミ(デブリ)除去はビジネスになるかどうかは判らないそうです。今の所国際的な声は無く、デブリ除去を国際的に義務化することは、アメリカやロシア、そして中共などが大反対することは目に見えていますから。(ゴミを一番出しているのにね)

このスペースデブリが、今後の宇宙開発に危険な存在になることを理解している国家は多く、英国などが除去技術の確立に向けて研究を進めているとか。
我が日本も、この分野で先駆けて効果的な「除去法」を開発できるかどうか、その正念場でもあるようです。

ゴミをまき散らすだけで、掃除すら出来ないような野蛮国とは、この問題で話し合うことは出来ないようですね。

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