2019年3月18日月曜日

北朝鮮大使館の襲撃事件

場所はスペイン。マドリードで2019年2月22日に発生した事件です。
ベトナム・ハノイでの米朝会談は2月27日に行われていますから、それより5日前に行われたテロということになります。

犯行は「千里馬民防衛」を名乗る反体制団体が関与していたとの発表が関係筋の話として報道されております。
この団体は、マレーシアで暗殺された金正男氏の息子、金ハンソル(漢率)氏らの身柄を保護した団体と言うことです。

米朝会談が決裂した後の3月1日に、「自由朝鮮」と改称し、金正恩体制打倒のための「臨時政府」の発足を宣言しています。

大使館襲撃は、アジア系とみられる複数の人物が白昼、マドリードの北朝鮮大使館に侵入し、館員らを縄で縛り上げて尋問したほか、館内のコンピューターや携帯電話を奪い、大使館所有の高級車2台に乗って逃走したというもの。銃撃や殺傷は無かったようです。

奪われたコンピューターや携帯電話には、北朝鮮による制裁逃れや欧州からの高級品密輸に関連する連絡先や文書が含まれている可能性があると言うことで、今後これらの情報が世界のマスコミか、ネット上から発信されるかも知れません。

この団体、「自由朝鮮」の背後に中共がいるのか、あるいはアメリカ(CIA)がいるのか、それは定かではありませんが、団体の発表では、この事件に関してはどこの政府とも連携していないとのことです。

襲撃の現場に「金正恩打倒」などとハングルで書かれていたそうですが、資金がどこから出ているのか、どのくらいの規模なのか、臨時政府はどこにあるのかなど不明な点が多いのです。
ただ「脱北者支援」をしているという事ですから、かなり多くの集団になっている可能性もあるようですね。

3月15日に、北朝鮮は対米交渉の中断を警告する強硬姿勢に出ました。(まだ警告です)
そしてミサイル発射中止の再考を示唆しました。

寧辺(ニョンビョン)の核施設“廃棄ショー”を演出しながら、東倉里(トンチャンリ)のミサイル施設の再建を行うなど、北朝鮮の子供だましの戦術にアメリカ側は当然のりませんでした。
アメリカの情報収集はしっかりしているようです。
トランプ大統領は、北朝鮮がミサイル実験をすれば「非常に失望する」と繰り返し述べております。

北朝鮮は3月11日以降、寧辺の核施設廃棄と交換に主要制裁の解除を求めた案がいかに正当かを、対外宣伝メディアを駆使して喧伝しているそうです。

「完全な非核化へ進もうとするのは、われわれの確固たる立場だ」とか「米政府の立場も十分に反映し、これより良い案はあり得ない」などを訴え、「自力更生」が重要だして「経済発展と人民生活向上より差し迫った任務はない」とか「情勢はわれわれに有利に発展」「制裁策動も破綻を免れなくなっている」などと、もはや後に引けない状況になったとしか思えない発表が続いています。

北朝鮮の国民は冷淡にこの政府からの発表を聞いていると思います。生活が苦しくなることは目に見えておりますから、もし「自由朝鮮」が国内で「打倒金正恩」の動きを出せば、内乱となりそうです。

まだその正体がわからない「自由朝鮮」。日本政府はここと接触を取ろうとしているでしょうか。秘密で行わなければなりませんから発表はしないでしょうが、もし内乱になったとしたら拉致被害者救出のチャンスともなり得ます。
日本の武器を自由朝鮮に与えてもいいのではないでしょうか。武器といっても情報収集のための武器で、赤外線センサーとか高指向性集音器などですが。

資金支援と引き換えに「拉致被害者」の現在の居場所などの情報収集を求めるわけです。
内戦になったら自衛隊派遣が出来るように、現行法をどうするか検討も必要でしょう。

それくらい出来なければ、われわれ日本国民は何のために高い税金を払っているのか判らなくなりますね。
ここまで来ても、日本政府が何もしないとしたら、あまりにも拉致被害者は気の毒ですね。そしてその不作為は、近い将来必ず日本国民にブーメランのように襲い掛かってくるでしょう。

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