2016年5月3日火曜日

若宮啓文氏の急死

4月28日、訪問先の北京のホテルで、元朝日新聞社の主筆で日本国際交流センターシニア・フェローの若宮啓文氏が亡くなっているのが発見されました。中共側の発表では、外傷は無く病死だと言うことですが、ホテルの浴室で倒れていたそうです。突然の死であり、その詳細な原因は今のところ不明と言う訳です。享年68歳でした。

若宮氏は、第二次安倍政権が誕生する時に「安倍叩きは朝日の社是だ」と述べていたことが、2012年9月に文芸評論家の小川榮太郎氏によって書かれた「約束の日・安倍晋三試論」という本の前文に書かれてインターネットの中で話題になった人です。

第一次安倍内閣が、安倍氏の病気によって頓挫し、その後を継いだ福田政権の中共寄りが嫌われ、その後の麻生政権も財務省の財政破綻の嘘に踊らされて破局、そして民主党に政権を奪われた経緯があります。

そして民主党の売国的政治と東日本大震災の不手際が国民に失望と不安を与えておりました。そこにこの「約束の日」が出版され、安倍政権復活が画策され始めたわけです。
この約束の日がベストセラーになったのは、このような背景があったからだと思います。

この約束の日の冒頭に述べられた「安倍の葬式はうち(朝日新聞社)で出す」という部分が「デマ」であるという人達が居られます。
この本が出版されて、若宮氏は三宅久之氏に直接電話でクレームを入れたそうです。そしたら三宅氏は「いや、たしかにそう言ったよ」と言うので、だったらどこで言ったのかと若宮氏が問い詰めると「記憶がない、どこかで立ち話で言ったんじゃないか」と答えたとか。

その年(2012年)の11月に三宅氏は亡くなりましたので、もはや真偽を確かめることは出来ませんが、若宮氏は冗談めかして言ったのかも知れませんね。
このままでは「言った言わないの水掛け論」になってしまうと思った若宮氏は、幻冬舎に対して「三宅さんが言っているように、朝日新聞が安倍さんのいいことを褒めずにすべて叩いたかどうか、事実で証明しましょう」と述べて、三つの社説で安倍政権を高く評価している部分のコピーを送ったそうです。

しかし世間ではすでに「安倍叩きは朝日新聞社の社是」という論調がネット社会の中で飛び交っていました。そして「吉田証言は嘘でした。取り消します」とした朝日の謝罪か何かわからない発表で、「安倍政権と敵対する朝日新聞」という一般の見方が定着してしまったようですね。

「朝日新聞を糺す会」というものが立ち上がって、頻繁に朝日新聞社の前で抗議行動を繰り返していますが、日本国民の多くが朝日新聞社に対して怒っていることは間違いないでしょう。

そしてその日本国民は中韓が嫌いなはずです。その理由は、彼らが嘘の歴史を押し付けてくるからです。従軍慰安婦にしても南京虐殺にしても・・・
そして常に日本に対して「上から目線」で対応することも嫌いな理由でしょう。

例えば4月30日に行われた日中外相会談で、岸田外相が王毅外相に対して南シナ海や東シナ海での「力による現状変更は認められない。国際ルールを尊重すべきだ」と述べたことに答えもせずに・・・
・誠実に歴史を反省し、「一つの中国」政策を守れ。
・積極的かつ健康的に中共の発展を取り扱い、「中共脅威論」や「中共経済衰退論」をまき散らすな。
・経済面で中共を対等に扱い、互恵を基礎に各領域の協力を推進しろ。
・国際・地域協力で中共への対抗心を捨てろ。
などと命令口調で応じております。
それにしても、安倍外交がいかに中共を追い詰めたか、この発言からも判りますね。

この様なことが、中共が日本国民から嫌われる根拠ではないでしょうか。その中共に対して「日中友好」などを喧伝してきた朝日新聞が、国民から懐疑的な眼でみられても仕方がないでしょう。

日本が守るべき「一つ中国」は、大陸の共産党が崩壊した後、台湾が民主中国の正当政府になることであって、中共側の考えている一つの中国とは異なっているのです。
そして中共脅威論は東南アジアには常に存在し、中共経済衰退論は間違いなく現在起こっていることです。
そして中共側の言う互恵とは、中共の利益であって相手国にとって利益ではないことが多いものです。そして自由社会とは自由競争が原則で、中共とも今後切磋琢磨していくわけですから、それを対抗心を捨てろと言われても受け入れられませんね。

日中友好で日本が大陸に出ていったのは、主に「儲かるから」であって、中共が好きだからではなかったはずです。それを誤解させているのは朝日新聞が放った多くの記事が原因ではないでしょうか。
今はもう大気汚染とか水質汚染で住めなくなったり、反日教育で中共の国民(人民)が日本人に対して敵意を持ったりで、とても経済協力できる関係ではありません。

新聞は国民の側に立たなければならないにもかかわらず、旧ソビエトや中共などに有利な方向へ導こうとし続けた朝日新聞。そんなことは日本国民の誰も思っておりませんでした。(サヨクは除く)
そんな朝日新聞であったことが、若宮氏の「安倍の葬式はうちで出す」という言葉が信憑性を持って国民に受け入れられたのではないでしょうか。

この若宮氏の「安倍叩きは朝日の社是だ」と言う言葉が、小川榮太郎氏の「約束の日」を介して国民に行き渡ったのも、朝日新聞が国民に与えていたイメージがあったからだと思います。そうでなければ「約束の日」がベストセラーにはならないのではないでしょうか。
若宮氏がいくら「デマだ」と述べても、それが一般に通らなかった根拠でもあるでしょう。

若宮氏の死を悼むネットの記事も数多く掲載されています。ご冥福をお祈りいたします。

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