2016年5月20日金曜日

トランプ氏に異議、石原氏と亀井氏

元東京都知事で作家の石原慎太郎氏と元運輸相の亀井静香衆院議員が、アメリカ大統領候補、共和党のドナルド・トランプ氏に意見交換をすることを申し込んだそうです。

理由は「(トランプ氏は)あまりに日本を知らない」とか、「(トランプ氏に)『なめたらあかんぜよ』と言いたい」と言うことです。
5月16日に、ドナルド・トランプ候補宛に「日本に対する本質的な理解を欠いており、日米関係にかかわらず世界の安定のために著しく危険」と批判する内容で意見交換の申し入れ書を送付したとか。

トランプ氏側からは経歴を送るよう返事があったということで、19日に経歴書も送ったと言うことです。
恐らくトランプ氏は、自分の選挙に有利になる相手だと判断したらこの意見交換を受けて立つでしょう。それにはどのような意見を打ち出すべきか、そこが両名の機智とセンスが問われるところです。

日本外国特派員協会で19日に行われた記者会見では、ドナルド・トランプ氏が「あまりに日本のことを知らない」とか、「シボレーが東京で走っていないなどと言うが、あんな車、日本で売れるわけない」、また「日本の核武装論」に対して「日本が今さらひんしゅくを買いながら核開発をするなら、トランプさんはアメリカのどこかで核実験させてくれるんですか」などと語っておられましたが、これではトランプ氏は意見交換に応じないと思います。
今は大統領選挙中なのですよ。

注意しなければならないのは、ドナルド・トランプ大統領候補が、本当に日本のことを知らないでしゃべっているのかと言うことです。
昔の日本との貿易摩擦時代に言われた「日本はずるい、卑怯だ」というようなフレーズはアメリカの有権者の溜飲を下げるから使っているようにも思います。
また、「日本は自国の防衛もアメリカに頼っている」とか「防衛の費用は全額支払え」などというフレーズも、一般のアメリカ国民が思っていることを代弁したに過ぎないのではないでしょうか。

何故かと言うとこれらのフレーズは、もし大統領になった場合、いくらでも修正が効くからです。
例えば、自動車問題で言うならば、「アメリカを走っているトヨタは、ほとんどがアメリカの工場で作られている、いわばメイドインUSAなんだ。アメリカにもトヨタの株式を持っている者も多く、我が国の利益になっている」などと言うことも可能です。

防衛問題についても、日本は「かなり支払っている。すべて支払わさせても大した金額にはならないことが判った。」として、「すべてを支払わさせると、アメリカの優秀な軍隊が日本の単なる傭兵になってしまう」などと国民に大統領として語り掛けることも可能なのです。
そしてこの防衛費負担の問題は、もし日本にとって全額負担となっても、現在日本が持っているアメリカ国債の金利だけで支払いが可能・・という状況にあるそうです。

しかしこれらの事実を、選挙中のトランプ氏にぶつければ、彼は窮地に陥ってしまうかも知れません。大統領となってからなら、かまわないかも知れませんが・・・
また、有権者の中のトランプ氏の支持者の中にもこのような事実を知っている者も多いのではないでしょうか。

しかし、都会ではなくアメリカの田舎では、まだ「日本は卑怯だ」とか「何で『金持ち日本』の防衛を私の息子がしなければならないのか」などと言った素朴な疑問を持っている人達が多いのかも知れません。
トランプ氏はそういう国民の不満を、このような形で解消し、それゆえに人気があり、遂に共和党の大統領候補になったのでしょう。

ドナルド・トランプ氏が戦っているのは、アメリカの古い体質であり、ウォール街の欲張り達に対してです。それゆえの人気であり、だからアメリカのエスタブリッシュメントが困ってしまったわけです。
しかし、民主主義という大義がありますから、トランプ氏をむりやり引きずりおろすことも出来ないわけですね。
これまで多くの泡沫候補が兆戦しては消えていったわけですが、ドナルド・トランプ氏だけは消せなかったわけです。お金持ちと言うだけでなく、大衆の人気を得るすべを心得ていたからでしょう。

もしトランプ氏に意見をするなら、「金や軍事力だけが大国の条件ではない。アメリカは今も大国であるし、そうでなければならない。それは共和党支持者なら皆判っているはずだ。」と言うべきです。
もちろん暗に中共を意識してのことですよ。

そして日本が安全保障に相応の協力をしていないことについては、「あの戦争に負けたた時、あなたの国の民主党政権が我々に押し付けた憲法が原因なんだ。議会の3分に2以上の賛成が無ければ変更が出来ない状況を作ってしまった。我々は今それと戦っているんだ」と言うべきではないでしょうか。

そして日本の核武装に関しては、亀井氏のお姉さんが原爆で亡くなられていることに言及し、「我々は核兵器を全廃する戦いに挑んでいる。それは核以上の兵器の開発だ。これが実現すれば世界中に売れると思うからだ。(トランプ氏も)協力してくれないか、儲かるよ・・・」などと言えばいいのではないでしょうか。

ドナルド・トランプ氏には、ぜひ大統領になってもらいたいですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿