2015年9月7日月曜日

アメリカの軍事的優位性維持

「ロシアや中国が(米国との軍事的)技術差を埋めようとしている。しかし、米国の優位確保は決して譲れない」とは、先月末アシュトン・カーター米国防長官が述べた言葉です。

一度顔を出してそれっきり表面に出てこない「レーザー砲」は、すでに完成しているのかも知れませんね。これはミサイルを確実に落とす兵器で、実現すれば核兵器の時代が終わりになると言うものです。
現在はまだ冷戦時代のままで、核による均衡が平和構築の条件になっていますが、ミサイルが100%撃ち落とせるとなれば、もはや核ミサイルの時代は終わったことになります。

少なくとも、このレーザー砲に関しては、今年の7月の時点で、「現行の3倍強力なレーザー砲」を完成させる計画がある」ことを海軍が名言しております。
2000年に2発の標的ロケットの同時撃破試験に成功したアメリカです。それから15年、レーザー砲は車載型や艦載型となって、操作性や戦術マニュアルなども出来て、そろそろ実戦配備が可能になって来たのではないでしょうか。核ミサイル迎撃型もすでに目前なのかも知れません。

核による均衡平和が崩れれば、再び戦争の時代に戻る可能性もあるわけです。特に中共は膨張政策を取り周辺国とのいざこざが絶えませんし、その周辺国の多くがアメリカとの関係が強い国家です。
また、西回りの「自由と民主主義の伝道」もまだ終わったわけではなく、中共との対決は時間の問題でもあります。

このような事を意識するのは、最近アメリカが官民共同で伸縮自在の「ウエアラブル端末」などを用いた戦闘のあり方を研究しているからです。
この研究に参加協力する企業連合にはスマートフォンで知られるアップルなども入っているようで、開発が進めば、遠隔地からでも全兵士の健康状態がリアルタイムで確認でき、兵士自身も船上や戦闘機から巨視的な戦局を刻々と把握できるようになるそうです。

これはアメリカが核時代の次をすでに予想して、その時代でも軍事的優位性を確保するための活動と考えられないでしょうか。
9・11の時、「これからはテロとの戦いだ」と叫んだブッシュ大統領です。すでにそれは世界中の人々を巻き込む戦いになってきていると言うことです。

日本のサヨクが、よく「戦争反対」などと意思表示にならないスローガン(誰だって戦争には反対ですよね)でデモってますが、このサヨクが想定している戦争とは、「第二次世界大戦」という古い戦闘をイメージしているのであり、近代の戦争とはかなり遊離しているものであることを、我々は認識しなければならないでしょう。

世界中で売られているアップルのアイフォンなどを使いながら、「徴兵制反対」などと叫ぶこともおなしなことかも知れません。緊急事態においてはその人が持っているスマホが戦闘状況把握の情報端末として使われ始める可能性もあります。
いやでもその人は、その瞬間に徴兵されたのと同じような行動を強制される可能性があるわけです。

東西冷戦構造が終焉した次の瞬間、アメリカはインターネットを世界中に無料公開しました。あっという間に世界中がインターネットを使い始め、イスラムのテロリストなどもインターネットによって仲間同士の通信をしていたくらいですからね。

スマホや携帯電話が便利なのは、それがいつでも他からの電話を繋いでくれるからです。しかしそれは、ポケットに入っているそれらの情報端末が、あなたの意志とは関係なく常にどこかのアンテナを経由してどこかのサーバー(交換機)と繋がっていることを意味します。便利なようですが、その繋がりはいつでも米国防省の軍事用に転換されることが可能なのかも知れません。(何しろ、中で動いているソフトウエアはほとんどがアメリカ製であり、そして常に外部から更新されております)

時代はテロ戦争の時代であり、核ミサイルによる均衡が無意味化すれば、常にいつどこで戦闘状態が発生するか判りません。
テロと言えば現在はすぐにイスラムのテロリストを想像しがちですが、中共の経済破綻、韓国・北朝鮮の経済破綻、そしてロシアの経済破綻などが起きれば、そこの国民、あるいはそこと経済的繋がりが深かった国家の国民はすぐに生活が出来なくなり、命と引き換えのテロ活動を始めるだろうことは、容易に想像できます。

テロ戦争では、戦闘地域がどこになるかは判りません。戦闘行為が起きたとき、その情報をいかに早くキャッチするかが決め手であり、その次にはその場所へいかに早く特殊部隊が派遣されるかが決め手です。
それが犯罪なのかテロなのか、その区別などは必要ないでしょう。
要は敵が持っている武器に合わせて準備するだけです。機関銃武装なのか、無反動銃か大砲なのか、化学兵器、そして核兵器まで、あらゆる戦闘に対応できる準備が必要です。
また、その規模によっては軍用無人機が使用されるべきか、有人ヘリコプターか、ジェット戦闘機か・・・

ですからウエアラブルな個人兵器、広範囲な戦闘情勢が判る情報機器が兵士には必要になるわけです。兵士の身体状況も、生死を含めて司令部が把握できるようにする必要もあるわけです。
このような瞬時展開が必要ですから、その場に居合わせた個人のスマホを軍事徴用するのは当然ですね。またその個人に協力要請があるかも知れません。これを徴兵と言うのでしょうか?

情報端末は今後ますます我々の生活に入ってくるでしょう。このような形での軍事協力も嫌だと言うなら、携帯電話やスマホを持たないことがいいのですが、そうすれば経済活動も出来なくなり、世捨て人のようになってしまいます。
これこそが、「米国の優位確保は決して譲れない」という言葉の、本当の意味なのかも知れません。

これからの社会は、世捨て人になるか、それとも実質的な軍事予備役になるか、その中間はあり得ない・・・そんな時代になるかも知れませんね。

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