2014年8月12日火曜日

キャラクターに見る日本とアメリカの違い

アメリカ、ニューヨークのタイムズスクエアに、人気教育番組「セサミストリート」に登場する「エルモ」と言う人気キャラクターの着ぐるみがたくさん現れて、観光客と一緒に写真を撮ってチップを要求したり、粗暴な振る舞いで逮捕されるケースが目に余るようになってきたそうです。

ここでは先日もスパイダーマンのコスプレでチップを請求し、1ドルでは不足として観光客と口論になって、止めに入った警官を殴ったりしています。

キャラクターの著作権に厳しいアメリカですが、セサミストリートの版権は非営利なのだそうですね。しかし今回は、著作権を有する非営利団体の「セサミ・ワークショップ」が「「セサミは確かに非営利だが、世界中の誰に対してもキャラクターの着ぐるみを着て公道でパフォーマンスをすることを認めたことはない」と表明し、タイムズスクエアでキャラクターの着ぐるみを着て観光客と写真を撮ることをやめさせるための計画を、他のキャラクター版権保持企業といっしょになって練っているそうです。

ただ、キャラクターに扮装して公道をぶらつく行為自体は、合衆国憲法修正第1条が保障する「言論の自由」により認められるという考え方があり、この“偽キャラ”たちの寄付やチップという形で「対価」を要求する行為は、労働ではなく、大道芸や物乞いに該当するため、やはり合法だとする意見もあるようです。

この、アメリカの人気キャラクターを使った乞食活動に対して、日本では高級品指向のキャラクタービジネスがなされました。

セブン-イレブン・ジャパンが8月7日に売り出した人気アニメ「エヴァンゲリオン」の初号機の等身大フィギュア25体が、発売と同時に2分で完売したと言う話です。
もちろんこの生産は受注販売。納期までには4か月かかるそうですが、それにしても良く売れるものですね。
1体の価格が183万円(税抜きで170万円)という高額商品。それが2分で完売するということは・・・

「エヴァンゲリオン」のファンの人に聞くと、以前にも「エヴァンゲリオン」の卓上フィギュアが数量限定で販売されたことがあり、それが現在はプレミアがついて結構な財産になっていると言うことでした。
つまり、今回販売されたのは25体で、魅力はそこにあったようです。値上がりが確実であれば、1体当たり183万円したとしでも大したことは無いわけですね。

この「結構な財産」になっているエヴァンゲリオン・等身大フィギュアが、今後資産になっていくかどうか、そこが気になるところです。
資産になれば課税対象になりますが、趣味の消費財ならばせいぜい購入時の8%の消費税だけで済みます。資産隠しにも良い材料なのかも知れません。

購入者にとって、これからはネットオークションなどを通して幾らくらいの価格が付くかが気になるところでしょう。
当然国税当局もネットオークションには目を光らせているでしょうし、受注生産で自宅へ届くやり方ですから、持ち主の特定は可能なわけです。(個人情報の保護は、当局には効き目はありません)
せいぜい値下がりしないように気を付けるだけで、価格暴騰しないようにしないと、ある日突然国税局からお呼び出しが来る心配はあるようですね。
逆手に取られて、オークションの落札を国税当局が高額で行って、課税額を釣り上げることをするかも知れませんよ。嵌めたり騙したりが好きな財務省の役人達なのですからね。

さらにこのような高額商品は「マネーロンダリング」に使われる可能性もあります。値下がりしないという確実性があれば、投資対象として好ましいわけで、新たな犯罪も生まれてきそうですね。

さて、アメリカと日本の「人気キャラクター」の使い方の違いがお解りでしょうか。
共に犯罪に結びつきそうですが、アメリカは言論の自由などに焦点を当てた討論となり、日本では国税局との間の資産・課税闘争になるようです。

アメリカの言論の自由の法的闘争に比べて、日本の課税闘争は今後の経済社会の考え方に寄与するかも知れません。
すなわち、「数量限定」が売れるキーワードと言うことです。また、このような生産-販売が価格下落を防ぎ人気ロット(こんな言葉は今はありませんが)は資産価値が出て来る可能性があるということです。

例えば「エヴァンゲリオンの初号機」が売れたことで、次は「エヴァンゲリオンの2号機」を売り出せばいいわけです。そして人気のキャラクターのみが資産価値を持ってくるということです。
あらゆる商品がこのような形態を取ると、「資産」「耐久消費財」「消費財」の区別がダイナミックになってくるはずです。

例えば同じ冷蔵庫でも、人気のあるロットは資産価値が付き、そうでないロットは単なる消費財・・・などと言う具合です。
そしてこのような流れにあるのが、ニール・ガーシェンフェルド教授が展開している「ファブラボ」の「ラピッド・プロトタイピング」という発想ではないでしょうか。(アルビン・トフラーの流れですけど)

日本ではまだほとんど知られていない「ファブラボ」ですが、西武のロフトや東急ハンズ、そして富士通などが触手を伸ばし始めています。
もっと啓蒙しないと・・・日本は良いポジションに居るのですから・・・・

0 件のコメント:

コメントを投稿