2013年11月4日月曜日

安倍首相のトルコでの夢

ボスポラス海峡のトンネル開通式のために、国会中でも急きょトルコに飛んだ安倍首相です。文句を言う人には言わせておけばいいのです。とにかく親日国家トルコとの戦略的外交にはチャンスなんですから。

その安倍首相、予定されていた首脳会談を2時間も遅らせても、トルコ国民の熱狂的歓迎に答えたようです。
式典後、エルドアン首相らと地下鉄の「一番列車」に乗車した安倍首相は、そのあと海峡上でお祝いの花火の観賞に訪れ、そこでも大歓迎をされたとか。

ボスポラス海峡は極めて狭い海峡です。しかしその海峡がアジアとヨーロッパをへだてていることも確かなこと。黒海とマルマラ海に挟まれた海峡でもっとも短い場所の幅は800m程ということです。
工事を請け負ったのは大成建設。苦労したのは技術的な面だけではなかったようですね。

式典では安倍首相は演説で、「さあ、次は東京発イスタンブール、そしてイスタンブールからロンドンにつながる新幹線が走る夢を一緒に見ようではありませんか!!」と述べて、式典はまるでライブ会場のような盛り上がりだったということです。

このアジアとヨーロッパを結ぶ超特急構想は、実は1860年からあったもの。我が国に初めて鉄道が走った直後からの夢ですが、ドリームではなくてビジョンだったようですね。
その夢は、日本の技術を鍛え上げ、昭和になると日本の鉄道技術は世界でも競争できるものになっていたのです。
「夢を現実に」・・・それが満州鉄道として具現化していきました。この時、アメリカもそういう夢に挑戦していたらしく、鉄道王ハリマンはポーツマス条約締結後、桂首相に南満州鉄道の共同経営を提案したのです。
この時この提案を受け入れていれば、太平洋戦争は回避されたのかも知れません。

ともかく、そのあとの第二次世界大戦で敗戦となった日本でした。しかし、鉄道に掛ける夢は失われることなく、敗戦の中からよみがえった夢は、まずは小田急のロマンスカーとして具現化し、そして新幹線へとつながって行くのです。
アメリカは、この戦争で勝利した立役者「航空機」に入れ込んで、鉄道などの手間のかかる構想を捨て、ジャンボジェット機を開発し、先に世界を空路によって結んでしまいました。

しかし、航空機は点と点しか結べません。車窓を楽しむことも、ふらっと途中下車することも出来ないビジネスライクな乗り物です。しかも、成層圏を飛ぶためにオゾン層を破壊し、有害な紫外線が地上に飛びこんできて人間の皮膚に癌を作るようです。
ですから安倍首相の鉄道構想は、まだまだ世界に必要とされている「日本の夢」でもあるように思います。

この安倍首相の構想は、南回り構想です。日本から朝鮮半島に海底トンネルで繋いで、そこから中共を通り東アジア各国を抜け、インドを抜けてトルコなで伸ばすというルート。
しかし、私は北回りの方が良いような気がします。すなわち、宗谷海峡を海底トンネルで通り抜け、樺太から間宮海峡を鉄橋で渡って、そのまま大陸に入りウラジオストックまで下る線と、西に向かってシベリア鉄道に繋ぎヨーロッパまで走らせます。その途中から南へ下りる何本かの支線を作り、モンゴル、ウイグル、チベット、そしてトルコなどへ達するルートを作ります。それからそれら幹線を結ぶメッシュルートを作る方が有利ではないでしょうか?

また東に向かってベーリング海峡を渡りアラスカへ抜け、そこからカナダを経由してアメリカを抜け、そして南米の南端まで結べば世界の鉄道網の幹線は完了です。
アメリカ西海岸から東海岸までは簡単でしょう。陸続きで、一つの国家ですからね。

このような構想を持って、各国との交渉を行うことが、これからの日本の世界戦略となるのではないでしょうか?
ロシアが最初の交渉相手国です。その次がアメリカとカナダになります。シベリアにはリニア新幹線を走らせ、支線のトルコまでは通常の新幹線ということになるでしょうか。
ロシアが一番手ごわい交渉相手で、その後はアメリカとカナダになります。ヨーロッパに渡ればフランスの鉄道技術に任せた方がいいかも知れませんね。ドイツも必死でやるでしょうしね。

重要なことは、この北回りルートには中共が出てこないことです。南周りですと交渉相手が韓国、中共になりますから、賄賂がいっぱい必要になって経費倒れになる危険性が大きいのです。やはりキリスト教国を相手にする方が、日本もやりやすいのではないでしょうか?

当然この構想は日本だけでは不可能です。段取りも大変です。そして完成は22世紀以降になるでしょう。つまり、長期間に渡る投資の対象が出てくると言うわけです。鉄道は部分的に作って行って、だんだんつなげていくことが出来ますから、採算ベースに乗るところから着工し、投資資金を回収しながら工事を続行出来ます。工事では多くの雇用が生まれます。世界的にお金が回るはずです。
莫大な投資資金は、現在世界中にあふれている余剰資金の健全な投資先になるのではないでしょうか?

安倍政権では、すでにインドの鉄道敷設の一部分を受注しています。トルコの受注分はこの式典のあとも続くでしょう。日本のアベノミクスは、こうして世界のアベノミクスへと飛躍していきます。
さまざまな国との交渉も、大きなビジョンがあれば前に進むでしょう。そして短期に資金回収が可能であれば国際金融も乗ってくるはずです。

安倍首相のトルコでの夢の演説が、日本国家の意思となって、世界を巻き込んでいくように心から祈念いたします。

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