2013年11月18日月曜日

尖閣問題の推移、中共の虚妄

産経に大阪大学大学院教授の坂元一哉氏が、「中共の嘘」として尖閣棚上げ論を取り上げておりました。
10月に北京で行われた日中平和友好条約35周年を記念する有識者フォーラムで、唐家セン元中国外相が「尖閣諸島をめぐる日中対立の責任は、40年間の『棚上げ』を破った日本側にある」と述べたことを、はっきりと「嘘」と断言しております。

その理由として、「1972年の日中国交回復時に存在したと中国政府が主張する『棚上げ』は、尖閣の領有権を問題にしない『棚上げ』だった」と根拠を述べておられます。
つまり、この時点で中共は尖閣を日本領土と認めたことになるというわけです。尖閣の領有権に対する中共側の考えを尋ねた田中角栄首相に対して、周恩来首相は、「今回は話したくない」と述べ、さらに、これは海底に石油があるらしいから騒がれているだけだ、という趣旨のことを付け加えたと言うのです。

さらに、この時(1972年)に発表された共同声明には、「日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明が発出される日に終了する」と記述されております。
従って、周恩来首相が「今は問題にしない」と述べ棚上げにした問題は、この日中共同声明第1項によって解決されたと判断されるという事です。
そして尖閣諸島の領有は日本国側にあるのは明白であるというわけです。
そして唐家セン元中国外相が言う40年間の『棚上げ』という問題はなく、それは日中共同声明で解決した問題であるということで、むしろその日中共同声明を破ったのは中共側だということです。

中共は、サンフランシスコ講和会議の席に出ておりません。国連軍と朝鮮戦争を戦っていたため侵略者の烙印を押されて呼ばれなかったからです。
そこで第二次世界大戦中のカイロ宣言、そしてそのカイロ宣言の実行を求めたポツダム宣言に従って尖閣諸島を中共に返還すべきであるという理屈を通しているわけです。

しかし明治の日清戦争の時、日本は尖閣の領有を世界に訪ねております。硫黄島の領有でスペインともめた事例があり、慎重になっていたためです。
1年間の調査にも関わらず、清国は領有を主張しませんでした。そして他の国からも領有を主張する声は上がりませんでした。そこで日本は当時の国際法に準じ、日本の領土としたわけです。
従って日本が清国から盗んだ島ではありません。それはサンフランシスコ平和条約の時も明らかでした。
戦前はそこに日本人が住み、鰹節工場を営んでいたことも明らかだからです。

もっとも沖縄が連合軍によってアメリカの占領地として継続することになったため、沖縄県に属する尖閣諸島は沖縄返還がなされるまではアメリカの施政権下にあったことも事実です。そして沖縄返還によって尖閣諸島は日本の施政権下に入ったわけです。

ここまでは連合軍と日本との話です。確かにここまで中共などという国は出てきません。連合軍側に参加していたのは中華民国であって中華人民共和国ではなかったわけですからね。
中華民国は、この沖縄返還直後にアメリカ・ニクソン大統領によって裏切られます。米中国交樹立で、アメリカは中華人民共和国との国交を始め、中共の言い分に従って、中華民国との国交を取りやめたからです。
ただし、すぐにアメリカは台湾特別法を立法化して、中共を牽制することも忘れませんでしたね。

その後に日中国交回復がなされたのです。もし中共が尖閣諸島の領有を交渉するならば、この日中共同声明の時が唯一のチャンスだったはずで、その後にはもはや言うことは出来ないということです。
もっともこの時、周恩来首相が尖閣領有を主張していたら日中国交回復は無かったでしょうけど。

「日本国と中華人民共和国との間のこれまでの不正常な状態は、この共同声明が発出される日に終了する」というのが日中共同声明の第1項にあるのですから、その後に尖閣諸島の領有を主張することは、あきらかにこの第1項に反し、日中間の戦後秩序を破壊することになる・・と言うのが坂元教授の理論であり、そして国際的な常識でもあるでしょう。
日本はこのことをもっと世界に繰り返し発信する必要があると言うのが坂元氏の意見です。現在は安倍首相一人で各国を訪問し、その基盤作りに励んでおりますが、それに続く政治家が、このことを発信し続けないと「中共の嘘」が通ってしまうと言うのです。

日本政府は世界各国にこのことを伝えなければなりません。インターネット上にそのための動画がアップされております。まだ日本語だけのようですが・・・
日本国民は、もう戦後の敗戦利得者達の自虐史観による懺悔政策を排斥した方が良いはずです。彼らの言い方に便乗して対日外交を進める国家があるだけのことです。

その上で中共に対し、日中共同声明を破棄するのかどうかを迫ることが良いように思うのですが・・・
もし中共側が破棄すると言えば、戦争状態に戻りますけど。

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