2018年11月9日金曜日

米中間選挙・民主党が下院制す

アメリカの中間選挙が、トランプ大統領のこの2年間の評価になるとのことで、世界的に注目を集めましたが、結果は上院は共和党が大勢を占め、下院は民主党が大勢を占めたようです。
まあ、アメリカの中間選挙はいつもねじれておりますが、今回もそうなったようですね。

アメリカのNBCテレビ局が行った出口調査によりますと、有権者の内54%が「トランプ大統領の弾劾手続きを望んでいない」とする回答をしたそうです。
弾劾すべきと答えたのは41%で、どうやらトランプ大統領を弾劾しようという国民は過半数以下のようです。
それでも民主党支持者の78%が「弾劾すべき」という意見で、共和党支持者や無党派層に比べて反トランプ感情がかなり高いようですね。
下院で過半数を占めた民主党は、今後ロシア疑惑などの追及を強めるとみられているそうですが、弾劾まで行きますかどうか・・・

民主党下院のトップ議員であり、下院議長に就任する見通しである「ナンシー・ペロシ院内総務」は、「分断はもうたくさんだ。国民は平和を、結果を求めている」として「与党・共和党と協力して議会運営にあたる」と述べております。

一方、トランプ大統領は、11月7日の午後に行われた記者会見で、CNNのジム・アコスタ記者がロシア疑惑捜査を巡る質問や不法移民についての質問を始めると、「ほら来た」「マイクを置け」などと言いながら「君は無礼で、ひどいやつだ」などと語り、それでも質問を続ける記者にトランプ氏は無視を続けました。

また、上院で共和党が勝利したことで、すぐにジェフ・セッションズ司法長官を更迭しました。彼は2016年大統領選の期間中に駐米ロシア大使と接触していたにもかかわらず、議会に報告していなかったことが更迭の理由だそうです。
このことは、共和党が上院で多数を取ったら行うことを事前に述べていたことで、司法長官の人事には上院の承認が必要なことから上院で多数を取ったことが確認されたことを受けて実施したと言うことです。

とりあえずセッションズ氏の首席補佐官を務めたマシュー・ウィテカー氏が長官代行を務めることとして、「近日中に(新司法長官を)発表する」と明らかにしたそうです。

さて、上院が外交・防衛の責任を持っておりますから、そこが共和党になっていることから対中経済戦争は継続されると思います。特に中共の卑怯なやり方に対しては民主党も怒っておりますから、変わらないか、あるいはさらに激しくなるかも知れません。

しかし下院を民主党が多数を取ったことで、対中戦争が緩和されるのではないかという思惑があるのかどうか、オーストラリアのペイン外相は、7日から中共を訪れて王毅国務委員兼外相との会談するそうです。そしてスリランカではシリセナ大統領が対立していたウィクラマシンハ首相を更迭し、親中派のラジャパクサ前大統領を後任に据えたそうです。
イランは少しほっとしたようで、またドイツもこれでトランプ大統領にブレーキがかかると判断しているようです。
中共は今の所、論評を避けているようです。経済戦争が収まるとは思っていないようですね。

アメリカの民主党は日本と違ってアメリカに国益をもたらす政策には反対しないでしょう。おそらく・・・
ですから日本に対しては今後アメリカの自動車を買えと言う圧力を強くするでしょう。アメリカ車は日本に適さないし日本のユーザーの多くは買わないという説得は通らないかも知れません。
さらに民主党も対日防衛を問題にして、日本の防衛力強化を要求してくる可能性もあります。

アメリカ国内の景気が良くなっても、貿易赤字は増え続けています。トランプ政権の焦りもそこにあるように思います。もちろん中共の対米輸出がその分黒字を拡大しています。
関税を掛ければアメリカ国内の生産が可能になり、対中輸入が減り、貿易赤字は縮小されるはずなのですが、どうも生産設備がすぐには動かないようですね。それにいつまで続く好景気かも判りません。慎重に考えますから・・・

今回の中間選挙で、トランプ大統領は共和党支持層からの支持率を90%弱にしました。つまり次回の大統領選へ向けた共和党内の支持を得たことになります。
民主党は次期大統領候補としてジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース米上院議員が噂されているようですが、トランプ大統領に対抗するのは難しいみたいですね。

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