2018年11月4日日曜日

原子力発電の今

意味も解らず「原発反対」を叫び、大災害で事故を起こした原発を、あたかも「それ見たことか」と言わんばかりに必要以上の恐怖を煽り、必要以上の避難勧告を出し、住民を犠牲にした「反原発団体」が居ります。

これら「不逞の輩」が邪魔をして、現在の原発の状況が判りにくくなった我が国ですが、確実に原子力発電は技術的進化が続いております。
現在は小型化が進んでいて、安全性も抜群に良くなっているようです。

反原発の「不逞の輩」はどこの国にも居るようで、しばしば暴力的になります。そしてマスコミを味方に付けますからやっかいです。恐らく石油メジャーあたりから資金が出ているように思うのです。
主張は核反応炉の事故とか核廃棄物処理の問題が主なようで、あとは技術的なものの理解はめちゃくちゃな主張です。

ですから原発の研究はこのような不逞の輩を暴力を使ってでも排除できる国、すなわちロシアとか中共、そして独裁に近い国家などが実験や建設で伸びてきています。
アメリカはウエスチングハウス社が頑張って居ます。またゼネラル・エレクトリック社は日立と共同開発を進めております。

また、マイクロソフトの創立者ビル・ゲイツ氏が出資する「テラ・パワー社」も、東芝と組んで新型炉を開発しています。

フランスのカダラッシュで実験炉(ITER)が建設中の核融合炉ですが、実用化されるまでの繋ぎとして、原子力発電は必要不可欠です。人類にとって。

ですから各国とも原発開発にしのぎを削っているわけで、現在原発の形式として、「小型軽水炉」「高温ガス冷却炉」「高速中性子炉」「進行波炉」の4種類があるようです。
それぞれに特徴があり、まだどれが最も普及するかは判っておりません。

小型軽水炉は、最も技術的なリスクが低く、かつ現在のアメリカの連邦規制の枠組みに最も適合しやすい原子炉で、減速材として水を使用します。5%以下に濃縮されたウラン235を燃料として使用し、燃料取替期間は最大で6年。老朽化した火力発電所のリプレイスとして利用することが可能であり、小型化することでモジュール型地下原子炉(加圧水型)となり、安全性が高まります。ウエスチングハウス社などが開発しております。

高温ガス冷却炉は、ウランを黒鉛でくるみ、直径1mmほどのビーズ状にしてセラミックケースの中で反応させる原子炉です。減速材は黒鉛で、熱交換にヘリウムガスを使用します。(二酸化炭素、窒素でも可能)
15.5%まで濃縮したウランを使い、18カ月ごとに炉心の半分を取り替えて運用するそうです。
ロシアのOKBM Afrikantovと日本の富士重工業とのパートナーシップによって現在開発されているということです。

高速中性子炉は、小型で構造が単純であり、燃料効率が良く、燃料取替サイクルが長い(最大30年)ことが特徴です。
軽水炉で発生する高濃度核廃棄物や、核兵器で劣化交換された核物質をも燃料と出来るため核廃棄物の削減にもなりそうです。減速材は使用せず、液体ナトリウムを使用して熱交換を行うようです。
大気圧に近い圧力で運転し、反応度フィードバックによる自動出力抑制など受動的安全性を有しているそうです。GEと日立が「ニュークリア・エナジー革新的小型モジュール原子炉」として作成され、すでに試験を終え、市場に売り出す準備は出来ているとのこと。

進行派炉は、テラ・パワー社と東芝が開発を進めている一種の増殖炉です。燃料に核廃棄物である劣化ウランを使用するもので、劣化ウランの核分裂連鎖反応が波状的に60年以上かけてゆっくりと進行する事を利用した原子炉です。
この炉の理論はソ連のSavelii Moiseevich Feinberg氏が最初に提唱しましたが、東京工業大学原子炉工学研究所の関本博教授も同じような理論を発表しています。

このように原子力発電は日進月歩で進化しています。最近は特に核廃棄物を燃料に使用する炉が注目を集めているようで、もしかしたらガラス固化し地下に埋設した高レベル廃棄物も、とりだして燃料として売れる時代が来るかも知れません。

もちろんそれでも半減期の何万年もかかる放射性廃棄物は残るでしょうが、それは量としてはものすごく少ないはずです。
量が少なければ宇宙での保管(半減期が10万年なら10万年の周回起動に打ち込めば、地球に戻ってきた時は無害になっています)も可能です。

映画やマスコミの反原発プロパガンダに躍らせられる「反原発運動」は、よく見ていると石油メジャーなどの既得権を守っているだけの事に見えます。
その石油メジャーもすでに石油から原子力に資本を動かしているように思います。いつまでも「反原発」を叫んでいると、気が付いた時は周りはほとんど原発の電気を使っていて、白い目で見られている自分に気が付くだけかも知れません。

技術とは、何度も失敗を繰り返しながら、それでも果敢に進歩していくものなのです。

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