2018年11月27日火曜日

蔡英文氏、惨敗

台湾統一地方選で、蔡英文総統率いる与党・民進党が惨敗しました。この統一地方選で22ある県や市の首長ポストを民進党は13から6に半減させてしまったのです。
蔡英文総統は、この責任を取り、党主席から辞任すると表明しました。聡明な蔡英文総統でしたが、どうやら政治的にはうまく台湾のかじ取りをすることが出来なかったようです。

この民進党惨敗で大喜びしているのが、当然ですが対岸の中共です。
中共の国務院(政府)台湾事務弁公室の馬暁光報道官は、「広範な台湾の民衆が両岸(中台)関係の平和的な発展がもたらす利益を望んでいることの表れだ」と声明を発表しました。
もちろんこんなことでは無いでしょう。台湾国民が中共との平和的発展など望んでいるとは思いませんけど・・・

ついでに馬暁光報道官は、この投票で東京五輪への「台湾」名義での参加申請を問う住民投票も同時に行われ、それが否決されたことに触れ「台湾のスポーツ選手の利益を“賭け金”として利用することは人心を得られなかった。台独のたくらみは失敗する運命にある」等とも語りました。
この台湾正名への国民投票は結果として、同意(約476万票)に対して、同意せずは(約577万票)あったそうです。

民進党が惨敗した最大の理由は、中共の経済が落ち込みその余波が台湾の景気後退に結びついたと言う事のようです。

どんなに国民が大陸中共を嫌っても、現実に経済はすでに深く結びついております。ですから中共の景気後退は、そのまま台湾国民の生活に響くようになってしまったことを忘れてはいけません。
つまり蔡総統は台湾経済を中共から引き離すことが出来なかったことが敗因になっているのだと思います。

馬英久総裁の8年間、台湾企業は中共との関係を深くし、経済的な結びつきが深くなってしまったのでしょう。これを引き離さないと台湾どころか我が国の安全保障も危うくなってしまうことは当然で、これは日米同盟にも悪影響を及ぼし、太平洋に中共を入れてしまう切っ掛けともなりかねません。

アメリカ・トランプ大統領の対中貿易関税の戦争は、おそらくまだ続くでしょう。トランプ大統領はそろそろ落としどころを探っているようですが、アメリカ議会がこの経済戦争をさらに強化しようとしているからです。
民主党の議員の中にも、トランプ大統領の対中経済戦争を支持している議員が居るようですし、移民でアメリカ国民になった華人にもトランプ支持者が増えているという噂を聞きます。

安倍首相もプーチン大統領との間で北方4島の内の2島返還で「平和条約締結」に踏み切ろうとしております。国内では様々な反対も出ていますが、これが対中戦略であることは確かでしょう。
ロシアと中共との経済関係を引き離すことが最重要課題だからだと思います。

ロシアの経済状況を良くすることで、中共経済から引き離せますし、ロシアの軍事技術を中共へ売り渡さなくても大丈夫なようにすることが先決です。
中共の軍事技術の多くの部分で、ロシアからの技術が使われているようですから。

アメリカは今後も経済的圧迫を掛けていくでしょう。それは中共が崩壊するか、軍事的攻撃に出て来るか、それまで続くと思います。ABCD包囲網やハルノートの時と同じようなものです。
中共は歴史的に弱い者苛めしか出来ませんから、日本の尖閣海域に出て来るかも知れません。そこで「尖閣海域の中共の艦船、あるいは偽装漁民の乗った漁船であろうと、われわれはそれらの船の目的に応じて対処する」という発言が出てきたわけです。

我が国が憲法改正も出来ず軍事的攻撃が出来ないならば、直接アメリカが軍事対決しようと言う意思の表明のようにも見えます。
つまり「憲法で両手両足を縛られた日本なら中共も攻撃するかも知れない。その時をチャンスとして米中軍事衝突を起こそう」という作戦にも見えますね。
そうなれば、わが日本国は完全にアメリカの軍事プレゼンスの下に入ってしまうでしょう。主権が失われるかも知れません。
それでも我が国民は構わないのでしょうか・・・

戦争になるか、あるいは中国共産党が崩壊するか、それまではアメリカは圧力を掛け続けるともりではないでしょうか。「ファーウェイのスマホなどは使うな」という説得がアメリカからなされています。これも対中圧力の一つですね。

2020年、台湾では総裁選挙が行われます。ここに蔡英文氏は出馬しないのではないでしょうか。民進党には現在、行政院長(首相に相当)の「頼清徳氏(59歳)」が居ります。医学部出身の政治家で人気があり、「民進党のホープ」と評されている人物です。

「私は台湾独立を主張する」「台湾が独立主権国家であるという台湾の人々の主張を中共は尊重すべき」という政治信条を持っていますが、「私は親中であって反中ではない。親中愛台だ」などとも述べております。

ですから台湾経済を中共から引き離す対策を建てる必要があると思います。彼は台湾経済が中共から離れれば、反中になると思うからです。

今後、蔡英文総統はレームダッグ化していくかも知れません。民進党が延びるためには、反中と台湾独立のはっきりした総裁候補を出すことではないでしょうか・・・

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