2017年6月22日木曜日

やっと豊洲移転、小池都政

約一年、築地市場の豊洲移転がやっと決定したようです。

昨年の11月に移転が決まっていた事案でしたが、舛添前都知事の少額使い込み事件で都政が止まり、再びの都知事選挙になって立候補したのが小池百合子衆議院議員でした。

「都議会のドン」なる内田茂議員のイジメを使った強引な手法と、それに便乗した都議自民党の体たらくを指摘して登場した小池氏は、都民の圧倒的支持を受けて他候補を引き離し都知事に選ばれました。

そしてオリンピックの引き継ぎなど派手なイベントをこなして小池都政のスタートを切ったのですが、そこに豊洲市場の施設からベンゼンが抽出しているとの事件が始まり、11月の移転が延期されてしまったわけです。

ベンゼンなどは自動車の排気ガスからも出てくるもので、市場の構造から見ても問題の無いことは明らかなのですが、「何でもいいから安倍卸し」の事案を求めていたマスコミが、東京都議自民党でも叩こうと騒ぎ、小池都知事がそれに乗っかる形でずるずると今年6月まで引き摺ってしまったわけです。

どうもそこには、小池新党である「都民ファーストの会」を7月の都議選挙で優位に持っていこうとする政局的発想もあったように思います。
知事選の時から自民と連立の与党・公明党に寄っていた小池知事は、公明党公認都議候補の応援を始めます。

しかし、豊洲問題を政局に利用するにはあまりにも時間が経ちすぎていました。移転を前提に無理な運営を続けていた築地市場もほろが出始め、都民の世論は「反小池」に傾き始めていたわけです。
都民の税金から莫大な金額が移転延期の為に消えていきました。移転延期で卸売り業者も費用負担に耐えられなくなっていきます。
しかも移転延期の理由である「安全に対する不安」は、専門家の間では「問題ない」と噂され始めたのです。

小池知事の優柔不断な移転延期が噂され始め、豊洲問題が政局に使われることへの反発が広がり、そして「都民ファーストの会」を「小池ファーストの会」などと揶揄されるようになり始めていました。
築地市場の仲買などにも創価学会の会員は居るでしょう。危機を感じた公明党が小池都知事に豊洲移転の早期決着を求めたのではないでしょうか。そうしないと都議選で負けてしまいますからね。

そこで小池知事は6月20日に「豊洲市場と築地市場の両方を使う」という新提案(?)を根拠に豊洲移転の開始を宣言したのだろうと思います。
「安全はまだ確保されていないが、今後追加対策を行っていく」ということで決着させたようですね。

小池都知事は、築地をブランドとして残したいと考えているようで、両立案によって市場機能が分割されることに業界内から批判が上がっていることに対しては「その前に、『都内に11の卸売市場があることをどうするんだ』という話がある」と反論しました。

そして「いま、ネットで個人が注文してしまう時代になっているわけで、市場を取り巻く環境はこれからも激変していく。それぞれの特徴を生かして共存できると思う」と指摘し、羽田空港や成田空港へのアクセスの良い豊洲市場は「海外輸出入の拠点にもなるんじゃないかと思う」と述べております。

ともかくまずは豊洲に市場を移転させ、空いた築地を「築地ブランド」が定着するような企画で再構成していく構想のようです。
豊洲を世界に開かれた「食」の市場として機能させ、日本的な「食・和食系」のブランドとしての築地を生み出していく構想だとすれば賛成ですね。

築地から少し歩くと「歌舞伎座」があり、もう少し行けば「銀座」があります。そして「東京駅」を抜けると「皇居」が広がりますから、築地を和食のブランドとして、豊洲市場で世界の食と繋がるアイディアは行けそうです。

それにしても、豊洲移転先延ばしで使われた莫大な費用と、オリンピックに向けた工事の延期で開催すら危ぶまれる状況をどう解決していくのか、小池都知事の都議選はかなり厳しくなっているように見えますが・・・

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