2014年12月26日金曜日

破綻国家・中共の反日と南京

評論家の石平氏が産経に書いた記事ですが、「習政権の『反日の下心』は中共国民に見透かされている」と言うものがありました。

「来年の不動産バブル崩壊が確実となり、経済の低迷がさらに深まる中、国民の不満をそらすためには反日という『伝家の宝刀』を抜く以外にない」ことから、来年の「終戦70周年」に向けて習近平主席が「南京大虐殺記念館」で催された初の国家主催追悼式典に出席し、「30万人虐殺」を持ち出して日本軍の「大罪」を糾弾したそうです。
ただしこの時、「日中友好」をも口にしたそうですが・・・

中共のネットウオッチャーでもある石平氏です。早速この中共国民の反応をネットでチェックしたところ、習政権のこのやり方に対し、疑問の声が上がっているそうです。

例えば「知乎」という質疑応答のサイトでは、「毛沢東やトウ小平の時代は南京大虐殺にほとんど言及されなかった。江沢民・胡錦濤の時代でも国家主催の式典をやったことはない。今の政府がナショナリズム的感情を刻意にあおり立てるのは一体なぜなのか。歴史問題は国内の矛盾を外に転嫁させるための道具になってよいのか」という核心を突いた質問があったそうです。

そしてこの書き込みに呼応するように、「民族主義をあおることで政権の失敗と無能から人民の目をそらすのはいつも政治屋にとっての万能の薬だ」とか、「国内情勢が悪くなっているから、民族主義の旗印を高く掲げるのだ。国家規模の式典の開催はやはり、国内の矛盾を外に転嫁させるための世論的準備ではないか」などの書き込みもあったと言う事です。

このような書き込みが多くなってきたのかも知れません。
この政権批判となるような書き込みはすぐに消されるはずの中共ネットなのですが、それでは対処しきれないくらいに増えてきた可能性があります。

なぜなら人民日報系の環球時報が、社説で「中共のネット上で南京の式典に対する奇怪な意見が現れた。『今になってこのような式典を催したことの意味は一体どこにあるのか』とする疑問もあれば、『中共では内戦から“文革”までに殺された人の人数は南京よりはるかに多いのでないか』とする意見もある。このような声はまったくの耳障りだ」と書かれたからです。

「このような声はまったくの耳障りだ」としたのは、それが要点を突いていて正しいからで、「間違っている」とは書けなかったからかもしれませんね。
正しい批判は、常に為政者にとっては耳障りなものですから・・・

中華人民共和国内で、このようにインターネットにアクセス出来る国民がどのくらい居るのでしょうか?
2割くらい居れば、あとの6割を引っ張れるはずです。
石平氏の言う「不動産バブルの崩壊」が本格化する来年、このような国内問題を「反日」を利用して反らそうとする習政権が、この6割の大衆を恐喝と甘言で操作できるか、それともこのようなネットユーザーによる声によって反・習政権になっていくか、それはまだ判りません。

石平氏は「中国人民を前にして、『反日』をもって2015年を乗り越えようとする習政権の戦略は出足からつまずいたようだ。彼に残された次の手は一体何であるのか。」と書いておりますが、この「次の一手」こそが問題であり、日本の安全保障にとって危険極まりないものであるはずです。

「終戦70周年」に習政権が反日を正面から取り上げれば、日本近海に中共の漁船が数多くやってくることが考えられます。違法操業も極悪非道な日本にたいしてなら許されるという思いからです。
それを取り締まる海上保安庁は手が回らないでしょう。しかしもし自衛隊が出動すれば人民解放軍の海軍が出てくることは間違いないでしょうし、そうなれば軍事衝突の危険は極限に高まります。

しかし中共に本格的な経済破綻が始まれば、習政権は国民を煽ってこのような大量の漁民を尖閣を始め日本近海に送り込むことを考えていることは、サンゴ密漁の現実を見ても明らかです。
尖閣海域でのこのような漁民拿捕は、人民解放軍海軍に軍事力行使の大義を与えるかもしれません。

国家経済破綻を前にすれば、習政権が軍の指導力を失う可能性がありますからね。
人民解放軍の海軍が軍事力行使を行えば、海上自衛隊は出動せざるを得ないのではないでしょうか。
これを収めようと働きかけるのはアメリカになるはずですが、それには「軍事行動も辞さない」という強いプレゼンスを示しながらでないと収まらないでしょう。オバマ大統領にはその技量はありません。
オーストラリアのアボット首相が乗り出し、事態を収められれば、今後のアジアにおけるオーストラリアのプレゼンスは格段に高まるでしょうけど・・・

国連において中共は、「敵国条項にある日本が、連合国の中共に歯向かっている。国連としての制裁を課す必要がある」と煽ると思います。ここで国連がどうするか見ものですね。
すぐに軍隊を出しそうな韓国、困った日本擁護をしそうな北朝鮮、あとは適当なことを言いながら傍観と言うところでしょうか。

もっとも習政権が軍に対して常識的指示をすれば、このような事にはならないでしょうけど・・・

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