2014年12月13日土曜日

少しづつ対決・アメリカの対中政策

オバマ政権がレームダック化し、2年後に控える大統領選挙で共和党政権の可能性が強くなり始めています。
オバマ大統領の弱腰外交にうんざりしているアメリカ国民にアピールするかのように、国務省が南シナ海における中共の領有権主張には曖昧さがあり、「国際海洋法に合致しない」との報告書を12月9日に発表したと言う事です。

この報告書では、まず中共は、「九段線」(いわゆる牛の舌)という南シナ海のほぼ全域を囲む9つの線からなる破線で領有権を主張しておりますが、中共で発行される地図に描かれている九段線が何を意味するものなのか明確にするよう求めております。すなわち・・・
1.内側の島嶼や周辺海域での中共の主権
2.国境線
3.中共がいう海洋の歴史的権益
のいづれなのか、回答せよと言うものです。

その上で、「九段線が始めて出てきた1947年は、当時の中華民国が作成した地図にあった中国・海南島とベトナムの間に破線が引かれていたが、この2つの破線が2009年の地図では消えている」として、「一貫性がない」と指摘しています。

そして、「根拠が曖昧なままでは、国連海洋法条約に照らして中共の主張が国際法には合致しない」と強調しております。

そして面白いのは、これまでアメリカが「九段線」について中共に抗議してこなかったのは、「中共が正式に主張してこなかったからだ」と述べたことですね。

国連の常設仲裁裁判所に、フィリピンが「国連海洋法条約に基づき起こした提訴」では、12月15日までに中共側も陳述書を提出するよう仲裁裁判所が求めています。
ここで中共側からどのような陳述書が提出されるかは判りませんが、アメリカがその立場を示す意味で先にこのような報告書を発表したわけです。

中共側はすでに「国連の仲裁裁判所には仲裁の管轄権がない」などと述べていますが、これが領海紛争である限り国連に管轄権があるのは当然ですね。中共一国が「ここは中共の領海だ。地理的にも歴史的にも」などと言っても、他国が異議を出せば「領海紛争」となるわけです。
裁判所で「なぜ地理的にも歴史的にも中共の領土なのか」を他国が納得するように説明する義務があるわけです。

アメリカが「一貫性がなく国際法には合致しない」と述べたことは、アメリカも「中共の主張は認めない」ことを意味しますから、もはや「紛争海域」であることは間違いない・・ということになります。
日本もアメリカと同様の意見となるでしょうし、オーストラリアもベトナムも同じでしょう。

中共からどのような陳述書が出されても、それは突っ込みどころ満載の文書であることは間違いがなく、仲裁裁判所はおそらく「国際法違反となる」との結論を出すのではないでしょうか。
中共得意の賄賂工作がどこまで効くかは判りませんけどね。

来年はこの裁判の成行を見つめながら、東シナ海の問題を日本が国連に対しどのように振る舞うかが問われるのではないでしょうか。
仲介裁判所に訴えれば「領有権争い」を認めることになりますから、それをしたくないなら「領海侵犯」として「制裁を加える」ことを国連に宣言するしかありません。
日本は憲法上「戦闘行為」は出来ません。国内法でも縛られていますからね。従って戦闘行為以外の方法で「命がけの攻防」を展開するしか無いはずです。
こうして「憲法改正の必要性」を、ネットによって国民に浸透させていくことになるのではないでしょうか。

それはともかく、南シナ海での中共の振舞が「国際法違反」と判断されれば、国際法を守らせるための軍事出動が策定されなければならないでしょう。
裁判の判決が出ても犯人を野放し状態にしておくことは出来ませんからね。

2016年は、この戦闘が南シナ海で展開される可能性があります。この場合、違法国家・中共と言う事でアメリカにある中共の財産を凍結してしまうことが可能になります。
この場合、「共産中国を叩き潰し、民主中国を作ることで安定した投資先が確保される」ことをウォール街に納得させなければならないでしょうけど。

「国際法を守らせる」ことを大義としたアメリカが、南シナ海で戦闘行為に及べば、中共の「出来立ての海軍」はひとたまりもないでしょう。歴史的にも実戦経験のない海軍ですから。
ひとたび戦火が生じれば、あとは放っておいてもチベット・ウイグルで暴動が発生すると思います。さらにアメリカが優勢になればロシアがシベリアで中共の違法者どもを攻撃する可能性が出てきます。
国内の不満分子も暴動に走るでしょう。

こうなった場合はその収拾策が練られていなければなりませんが、ともかくこのようなアメリカの戦略が少しづつ動き始めたことは間違いないのではないでしょうか。

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