2013年6月9日日曜日

米中会談終了、さて2つの大国は・・

「新型大国関係」という言葉を定着させようと、習主席はアメリカに対して何度もこの言葉を使ったようです。米マスコミもこの発言を引用して伝えました。
少なくともこの2大国は、それぞれが歩み寄ろうと努力はしたようです。

オバマ米大統領は、「今後の関係構築には建設的な対話と意思疎通がきわめて重要だ」と述べ、習主席が求める「両国間の新たな協力モデル」「新型米中関係」の構築を示唆しました。
しかし習主席は、「太平洋には米中両大国を受け入れる十分な空間がある」として、資源を求めて遠洋海軍の建設などを進める中共の拡張路線を米国に認めさせようと発言を強めます。

オバマ米大統領は、サイバー攻撃や東アジアの安全保障問題に言及しなければならないのですが、習主席は、オバマ政権に中共の太平洋進出を認めさせればいいだけです。
アメリカにとって、サイバー攻撃は今後の経済戦略にとってあってはならないこと。米大手シンクタンク「ヘリテージ財団」のディーン・チェン研究員は、オバマ政権の対応を「あまりに楽観的だ。中共の組織的サイバー戦略をまったく理解していない」とオバマ政権を非難しています。

オバマ大統領は、今のところ中共を立てて、一方的に非難して追いつめるより、米中共同での取り組みを求める立場を強調しました。
その取り組むべき問題とは、サイバー攻撃を止めさせること、そして地球温暖化問題、北朝鮮の核開発阻止と言ったところです。
しかしどうやら習主席は、一方的に太平洋への進出をアメリカに認めるよう言い残して、帰ってしまったというのが、今回の首脳会談の結論ではないでしょうか?

カリフォルニア大学のペリー・リンク教授は、「大統領発言は、新たな関係のために話し合おうというもので、相手の筋書き通りに協力するという意味ではない。大統領のいう中共とは、中共の国民全体であって、中国共産党のことではないのだ」として、習主席の期待した図式とは異なることを指摘し、オバマ大統領を擁護しました。

さて、この会談をアメリカ国民はどう捕らえているでしょうか?
もし、アメリカが中共の太平洋進出を認めることになれば、今回の会談内容からみて、中共の軍門に下ったことになってしまうのではないでしょうか?

経済的に破綻したとはいえ、アメリカは間違いなく大国です。太平洋の大半、法律はアメリカの法律で仕切られていますから。(国際法と呼びますが)
そこに割り込んできた中共。中共の法律で太平洋を取り仕切るつもりです。それを覇権というのですが、いったいどうやってあまりにも異質なこの2国の法体系を共存させるのでしょう?
太平洋の島嶼国家は、どちらの法律に従うでしょうか?

今までは、資金にものを言わせた中共に、経済的意味で擦り寄っていくところもあったでしょう。アメリカ経済は破綻していますからね。
しかし、今後の中共の経済はどうなっていくか判りません。そこに日本経済の復活というシナリオも可能性として表出してきたからです。

習主席は、大国という言葉を自国「中共」にも使いました。しかし、例えば国連分担金の支払いなどはどうでしょうか。アメリカはもっとも多く支払っています。時々遅れることもあるようですが・・・
日本は2番目に支払っています。中共はほとんど払っておりません。そしてこのように言います。「中共はまだ開発途上国だから・・・」と。
環境汚染に対する各国の義務の取り決めについても「それは先進国が守るべきもので、中共は途上国だから対象外である」などなど・・・

ですから現実には中共はいまだ途上国であって大国ではないはずです。習主席のいう大国の意味は「軍事力が大きい」ということに過ぎません。
経済規模の大きさについても、たまたま競馬で大穴を当てたようなもので、それだけで経済的に大国になったとは思いません。中途半端な経済は、貧富差を拡大し、国家存亡の危機を生み出しているとも捉えられます。

「ハドソン研究所」は、「敵対的行動で緊張を高めているのは中共なのに中共に遠慮しすぎる政策を取り、かえって危険を増している」として、二期目のオバマ政権の外交・安保布陣はとくに危険だと述べています。そして、昨年から言われているアジア旋回(ピボット)と名づけた中共の勢力拡大に対するアジア・太平洋での抑止力増強策が、中共の機嫌を損ねないという方向に軟化して、政策用語であるピボットが、最近はリバランス(再均衡)という会計用語に薄められている・・・と指摘しています。

このようなオバマ政権の対中政策は、中共のわがままを冗長し、やがて取り返しのつかない悲劇を生むかも知れません。
対する安倍政権は6月、現実の悲劇であるウイグルの、独立を求めるラビアカーデル女史を日本に呼び、北は北海道から南は沖縄まで、中共の悪辣な政治(統治)を訴える講演活動をバックアップするようです。

こうして日本は、世界に対する責任を果たしていくのです。

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