2013年6月4日火曜日

アジア安全保障会議での中共批難

5月31日から6月2日までシンガポールで開かれたアジア安全保障会議で、アメリカは中共のサイバースパイを重大視したそうです。
また、米国、オーストラリアの防衛・国防相が日本の尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる中共の行動に反対するとの姿勢を明確にした。日本の立場を支持しました。

小野寺五典防衛相と、ヘーゲル米国防長官、オーストラリアのスミス国防相による会談で、「(中共の)現状の変更を試みるいかなる力による一方的な行為にも反対する」ということで、尖閣諸島だけでなく、南シナ海の南沙諸島なども含めて、次のような共同声明を発表しました。
1)国際法に基づく紛争の解決
2)シーレーン(海上交通路)の航行の自由
3)3カ国の防衛協力強化へ向けた行動計画の策定
です。

日・米・豪での中共包囲網を確認したわけですが、この3カ国の声明を実施に移すには、日本の防衛力が強化されなければなりません。
そこで小野寺防衛相は会議で演説し、日本の防衛力の強化をはじめとする「強い日本」への理解を求め、アジア諸国の一部にある懸念の払拭に努めたということです。

日本が「右傾化」していると指摘する声や、国際社会への挑戦を試みているという批判も、中共や韓国のプロパガンダで侵透し始めています。
これを何とかしないと、日本の防衛力強化は足元をすくわれてしまいそうです。日本以上にアジア諸国には華人の情報網(華僑など)が張り巡らされ、政治的影響力も強い状況にあるからです。

小野寺防衛相は、安倍政権が「強い日本」へ、国家安全保障会議(NSC)の創設を検討し、集団的自衛権の行使容認へ議論を進めていることなどを説明し、「こうした取り組みをもって、日本の『右傾化』を指摘する声や、国際社会への挑戦を試みているという批判も聞かれる。しかし、こうした見方はまったくの誤解であり、日本が地域の安定へ能動・創造的な貢献を行うことを目的としたものだ」と強く訴えたそうです。
また、橋下大阪市長の発言問題にも触れて「不適切な発言を繰り返し、周辺国に誤解と不信を招いた。安倍政権はそのような発言や歴史認識にくみしない」と安倍政権とは異なることを説明したと言うことです。

アジア各国には、中共の乱暴な侵出を懸念する心情もあり、日本の軍事力が中共と拮抗してバランスしてくれたほうが(各国ともに)都合が良いという思惑もあるはずです。
そこを巧みに利用することができれば、この小野寺防衛相の演説は、まずは成功ということになるのでしょう。

この会議で、アメリカは中共の代表団側とヘーゲル米国防長官が会談し、サイバー攻撃問題を6月7、8日の米中首脳会談で提起することを伝えたとか。

サイバースパイは、今後のソフトウエア戦略でアメリカの防衛網を再構築しようとしているアメリカにとって、由々しき問題です。
特に、最新鋭戦闘機F35に関する情報が流出した可能性も指摘されている昨今、8月に行われる常万全国防相の訪米でも取り上げるということです。
中共は、「知らぬ存ぜぬ」を繰り返すだけでしょうが、アメリカは中共に対してでなく世界に向けて「中共のサイバースパイが、いかに世界の安全保障をゆがめているか」を説明出来れば良いわけで、証拠となるものをどこまで公開出来るかがポイントではないでしょうか?
表面上は「サイバー技術使用に関する国際ルールづくりに向け、中共とともに取り組む必要がある」とする表現になっていますが、どこまで中共政府が受け入れるかは判りません。
しかしこれも中共包囲網として機能するはずです。

また、インドのシン首相が来日されています。安倍首相は、公式に開かれた晩餐会だけでなく、その前日には非公式の夕食会を首相公邸で開くというもてなしぶり。
天皇、皇后両陛下が今年の年末にインドをご訪問されることもあり、安倍首相もそのあと、来年早々にも再びインドを訪問する可能性も高いとか。

インドもまた、中共とは価値観を異とする国柄です。安倍政権の中共包囲網は着々と構築されていますね。
しかし、一番注意が必要なのはアメリカ。アメリカは一枚岩ではありませんけど、やはり安倍政権の言う「戦後レジームからの脱却(ヤルタ・ポツダム体制からの脱却)」が怖いようです。
また、日本人よりも華人の方が、アメリカにとって扱いやすいという誤解もあるようですね。でも、本当に注意しなければいけないのは中共の方ですけどね・・・

安倍首相は、アメリカが裏切るような場合も想定しているようです。経済力を取り戻したら、中共包囲網をアメリカ抜きでも可能になるように、北朝鮮、ロシアにも手を回しています。
その場合、アメリカは中立を保つのか、それとも中共とともに奈落の底に落ちるのか・・・

東アジアを舞台にしたパワーポリティックスゲームは、もしかしたら安倍首相を中心に展開していくかも知れませんよ。参議院選挙の結果次第では・・・

1 件のコメント:

  1. おっしゃるとおりです。 最後の所も、同感です。嬉しくなりました。

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