2016年6月19日日曜日

宿泊施設不足と民泊

日本は宿泊施設を作る基準が厳しく、業界の既得権もあるらしくて宿泊施設が不足している現状があります。
2020年のオリンピックでは、2015年の2倍・4000万人の外国人観光客を呼び込もうと言う計画もあるようで、また現在でもかなり外国人の観光客が増えてきていることは、街中を歩いていても感じることが出来ます。

そこで民泊という考え方が出てきます。
つまり、ワンルームマンションなどを日本人名義で借りて、そこに外国人観光客などを泊めるという非合法事業です。(中国人などが積極的にやっているとの噂です)
非合法と言っても、「外国の友人を泊めた」とか「私には外国の友人が多い」などといった言い訳でなかなか取り締まることが困難であることも確かです。

一泊3000円程から1万円くらいまで、その部屋と場所と広さと築年数などによって異なるようですが、この違法宿泊施設は現実に国内に広がっているようです。
利用客は、専門のブローカーなどから口コミで聞いて宿泊を予約しているとか。

一見安く泊まれてよいような感じもしますが、それほど甘いものではないようです。
問題は衛生面と火災や地震など緊急事態時の問題です。保険に入っていなければオーナーがその責任を負わなければならないでしょうし、保険を掛けたとしても、違法操業をしていたとなれば保険は出ませんね。
また、外国人旅行者が伝染病などを発病した場合の問題もあります。その旅行者がどこを経由してきたのか、パスポートなどの照合は宿泊施設で行っているのか、日本に来てからどこで誰と接触したのかなど、さまざまなトラブルが発生しかねません。

さらに現在、宿泊施設を経営している側からすると、衛生面もサービスも規制を受けて、それを守ってやっているのに、安易な民泊に客を取られて経営が成り立たなくなるというクレームも出てきているようです。

そこで政府は、民泊の新ルールを策定する方向で作業を進めていると言うことですが、すでに無許可で操業している民泊の利用が急拡大しているのが現実だとか。

まだルール策定が出来ていないために、投資用ワンルームマンション仲介の企業「日本財託」では、契約上「転貸」は認められていないとして取り締まっているそうです。
しかし「外国人の友人を泊めた」などという言い訳で、この違法民泊はなかなか取り締まれないのが現状だそうですね。

このような民泊が広がって行く理由の一つに、インターネットを使った世界的規模での「民泊サイト」があるからだそうです。
そのサイトの名前は「AirBnB(日本語でエアーブンブと言うそうです)」。国際的な民泊サイトだそうです。
https://www.airbnb.jp/

このホームページをスクロールして一番下にあるメニューの「ホスティング」のところを見ると、ホストの責任とかホーム・セーフティについて書かれているページにリンクしております。
ここを見れば、ホストハウスになることがいかに大変であるかが少し解ると思います。ここではあまり触れていない問題、例えば「トイレ」の使われ方がどうなるか、とか、風呂とかバス、シャワーなどの水回り部分(プライバシーの部分です)をどうするかなど、結果的には宿泊業とほとんど同じ業務が必要になるはずです。AirBnBは決済だけは責任を持って行うそうですね。

「ホストになる理由」というページでは、「コミュニケーション」「正確さ」「清潔さ」「責任遂行度」などの言葉が並び、空き室状況などの事務作業なども行うように要求しております。
また利用客の評価もなされるようで、宿泊客はその評価を見てりようするかどうかを決めると言うことですから、ほとんど個人経営の宿泊施設と同じことになります。

「ホストの生の声を聞こう」という動画では、いかにもアメリカらしい雰囲気が伝わってきます。すなわちキリスト教の人生観です。
そして西部開拓時代の、一宿一飯の放浪の時代も彷彿とさせるのではないでしょうか。
見ず知らずの人を宿泊させるには、同じ「キリスト教徒」であることが必須だった時代の影を感ずるわけです。

日本国民はあまり宗教のことに関心がありません。しかし一般的に見ず知らずの他人(特に他国の人)とのコミュニケーションでは、同じ宗教に属していることがどれほど大切なことか、その相互信用の確立がすぐに出来るわけですから、そういう宗教の意味が解らないと、思わぬところで誤解が生じてしまうものです。
宗教に関心がなく、外国人とのコミュニケーションを取ることの危険性を十分に認識しないとまずいと思います。

日本政府がどのようなルールを編み出すかは判りませんが、安倍政権は「日本の価値観など、日本人の考え方を世界に伝える」ために外国人観光客を増やしたいと言う意向のようです。
また、オリンピック招致では「滝川クリステルさん」が「おもてなし」という言葉を流行らせたように、もっと日本を公開したいという気持ちはよく判ります。

しかし、民泊という手法はその「ホストファミリー」の技量が支えです。誰でも出来ると言うものではないと思いますし、それが上手な方は一般の宿泊施設を経営する能力が備わっているともいえるのではないでしょうか。

その点を良く考えて、ルール作りをして欲しいですね。

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