2016年4月5日火曜日

人工知能は本当に人類を超えるか?

産経のコラムに、「人類は30年後に滅亡、変わって『ホモ・ロボエンス』が誕生する」というものがありました。人工知能(AI)による人類の制圧で、「2045年問題」と呼ばれているものです。

AIの能力は指数関数的に伸びています。 このまま行くと2045年には全人類の知能の総和をAIが上回るという計算結果が出ているのです。
AIの専門家の間では、このAIが人類を超えるポイントを「シンギュラリティー(特異点)問題」と呼んでおりますが、その兆候はすでにあちこちに出てきています。

グーグル系列のAIが、世界最強級のプロ囲碁棋士を打ち負かしたのは、先月のことです。AIを使って創作した短編小説が、受賞はならなかったものの文学賞の1次審査を通過したのも先月のことでした。
小説の方は、まだ人間の手が8割方入っているとのことですが、2割はAIが創作したということでしょう。

AIの進化が級数的であることが脅威なのです。この産経のコラムでは、「浮草」の話でその恐ろしさを示していました、ある巨大な湖で、毎年2つに分裂する性質の浮草が、100年がかりで湖面の半分を覆うまでに増えたとします。そうするとあと100年ほどで湖面全部が覆われると考えがちですが、実は翌年にすべてが覆われることになるわけです。
つまり、100年を要した過程が、次の1年で一気に進むというわけです。

AIに向かって「戦争のない平和な世界を作れ」と命令したとたんに、「戦争を起こす人類が居なくなればいい」との結論を出したAIが、人類の抹殺を始めたというのが、映画「ターミネーター」でした。

最近、第18回英国インディペンデント映画賞・作品賞をとった「エクス・マキナ」は、あるソフト企業で成功した社長が、山にこもってAIの研究を完成させ、美人のロボットをダッチワイフのように使っていましたが、知識を増やせばどうなるかに興味を持ち、若い社員を1名そこに呼んでそのロボットと会話をさせます。そうしてAIの知識を増やした結果、ロボットがその研究施設の外の世界に興味を持ち、その社長を殺し、若者を閉じ込めて自分が外の世界(街中)に出て行ってしまうというお話でした。

自分が作ったダッチワイフに殺される社長は哀れですが、ネットワークの中で、外に出なくても毎日膨大な知識を常に与え続けられているAIなのです。
スティーヴン・ホーキング博士は、「危険だから今すぐAIの研究はやめろ」と叫んでいましたが、それにはすでに遅すぎたようです。そうAIは人類を抹殺する可能性が高いのです。

インターネットという世界を繋ぐネットワーク。そのサイトに組み込まれたAIは、連携し合って毎日膨大な情報を吸収しています。
このブログもAIがキャッチすることになるわけですね。

世界的規模で結ばれているインターネット。そこにはパソコンだけでなくスマホやタブレットの端末が繋がり、全世界の人達が毎日毎晩情報のアクセスと発信を繰り返しています。
街には監視カメラが設置され、その一部は直接インターネットに結びついて、テロの犯人を捕まえるべく、顔写真照合の技術も進歩しました。数万人の写真から監視カメラで捉えられた人物の判読も、かなりの精度で可能になってきているとか。

世界の人口は現在約73億人です。多いように見えますが、巨大データーを常に取り扱っているスーパーコンピューターにとっては微々たる数字なのです。

さらにこれらネットワークは、金融機関に結びついております。日本の銀行ネットはインターネットとは別回線ですが、インターネットバンキングで口座を操作出来るように個人や企業は契約が出来ます。
自動振り込みやインフラ代金(ガスや電気など)の自動引き落としなど、すべてがコンピューターに結びついて経済活動が行われています。

さらに、アマゾンなどで買い物をすれば、そのことで個人の嗜好なども判別できます。何か買い物をすれば、しばらくそれに関連した広告が画面に表示されることは経験でお解りでしょう。
これが今後1年でどれくらい進化するか、面白くなってきますね。

キロ、メガ、ギガそしてテラとかペタ、そしていよいよエクサからゼタの単位の情報を扱おうとしているスーパーコンピューターです。地球の全人口の7.5ギガくらいの顔写真データーは難なくこなすことでしょう。
全人類の顔写真から、個人の顔を識別できるようになるのも、経時変化で年齢とともにどう変わって行くかも計算と監視カメラの実証で学習していくAIなのです。

各国の戸籍などには関係なく、AIは人類一人ひとりを識別し、その経済活動を監視し、そして嗜好までも見抜くことになります。

合理化された工場では、毎日コンピューターの打ち出す数字を目標にして生産活動が続けられ、少数の労働者によって必要なものは売れるだけ作られます。
エネルギー問題も、核融合炉などによって解決してしまうでしょう。

こうしてわれわれの生活はすべてがコンピューターによって賄われる日が、2045年と言う訳です。そしてその時、コンピュータが人類をどうしようとするか、生殺与奪の権をAIに明け渡すことになるわけです。

このAIネットワークに危害を与えようとする人間は、ただちに銀行口座を凍結され、スマートメーターで送電を停止されることでしょう。世界中のどこに行っても、監視カメラで発見されて助けようとするものも巻き添えになって社会からボイコットされるわけです。

このお話、SFではありません。30年後に起きる現実だと言うことです。
でもAIには、未来を目指す情熱はないでしょうね。

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