2016年4月21日木曜日

核兵器廃絶への切り札

今年のG7外相会談が広島で行われました。そして欧米各国の大臣達が原爆記念碑に献花したり原爆ドームを見学したりしておりました。
なんでも伊勢志摩サミットで来日するオバマ大統領も、この原爆記念碑などに訪れる計画があるとかないとか・・・

核軍縮とか「核なき世界」の実現などが、政治的プロパガンダとして使われて久しいわけですが、今回の広島におけるこのような行動も、結局はプロパガンダに過ぎません。
例えオバマ大統領が原爆記念碑に献花をして、「過ちはもう繰り返しません」などという意味のわからない言葉を評価したとしても、それで核兵器のない世界が来るとはとても思えません。

核兵器がこの世から姿を消すために必要な切り札は、核兵器よりも強力で使える兵器が登場することです。つまり核兵器の無力化が実現すれば、世界から核兵器は消えていくでしょう。
核兵器がこの世に登場してから70年余が経過しました。核爆弾はミサイルに積み込まれ、地球上のどこでも攻撃出来るようになり、それゆえに核バランスが出来て平和が保たれていると、世界の政治家がまだ考えているわけです。

国際会議では核保有国の発言力が高まり、ゆえに核なき国家が核兵器に憧れても不思議ではありませんでした。
北朝鮮が国民にどんなに犠牲を出しても欲しがった核兵器。そして今、多くのテロ集団や麻薬犯罪組織もこの核兵器を欲しがるようになってきたようですね。
核兵器はその維持管理に非常に金が掛かります。90%以上に濃縮したウランやプルトニウムは、どうしても自己崩壊をおこしていますから、経年劣化は避けられません。そこで定期的に劣化した核物質を取り換える必要があるわけで、そこで加圧水型とか沸騰水型の原子力発電が必要になるわけです。

つまりプルトニュウムが得られる原発が動いていて、核兵器に新しいプリとニュウムを供給し続けるわけです。これが核拡散防止条約と原子力平和利用の意味であって、ですからプルトニュウムが確保出来ないトリウム原発など安全な原発は無視されてきたわけです。
経年劣化を調査し、そのサイクルをいかに長くするか、つまり核兵器のメンテナンスコストを安くするためにアメリカは何回も臨界前核実験を行っています。
うまく行ったのかどうか、それは公表されておりませんね。当たり前ですけど・・・

北朝鮮が憧れの核兵器を手にしたのは、第一次安倍内閣が誕生した平成18年(2006年)9月の翌10月のことでした。金日成の息子の金正日氏はまだ生存しておりました。
彼は絶対に安倍首相だけは拒絶していたと聞きます。拉致犯罪を白日の下に晒し、北朝鮮を経済的に追い詰めた元凶と見ていたからでしょう。そしてその背後に居たのが朝日新聞社だったようですね。「安倍の葬式はうち(朝日新聞社)が出す」と若宮啓文主筆が述べていたことからも理解できます。朝日新聞社と金正日氏は一心同体だったのかも知れませんね。

そして安倍首相は持病を悪化させ無念のリタイヤ、サヨクが台頭して日本は暗黒時代を迎えます。北朝鮮の核技術はイランに持ち込まれ、そしてアメリカはイラク戦争などの付け(リーマンショック)が回り経済的に疲弊して行きます。

しかし、核兵器を所有した北朝鮮ですが、けっして国際社会の中での発言を強くはしませんでした。当然ですが。
経済的な締め付けが強くなり、結局金正日氏は 2011年12月にこの世を去ります。その年の3月、日本は東日本大震災の津波に飲み込まれ、民主党というサヨク政権も末期を迎えておりました。
そして翌2012年に日本を裏切り続けたサヨク政権が終焉し、再び安倍内閣が誕生します。

これより以前から、技術立国の我が国は軍事面でも研鑽を積んでおりました。パパ・ブッシュ政権での湾岸戦争で、初めてパトリオットが実戦に投入されましたが、迎撃ミサイルがスカッドミサイルを叩き落としていたのをご存知でしょうか。この技術開発に日本も参加していたことはご存知ですか?
「敵はミサイルをミサイルで叩き落としている」と叫んだのがサダム・フセインだったとか・・・

この迎撃ミサイルの技術は現在はますます進歩しています。もっともまだ実戦経験は積んでいませんけど。
しかしどうやらこれが核兵器無力化への布石になっているようです。

北朝鮮の核武装で、アメリカは同盟国に迎撃ミサイルの配備を行いました。THAADミサイルとかパトリオットPAC-3・SM-3などです。これらの迎撃ミサイルシステムは、MD(ミサイルディフェンス)システムという全体の名称が付けられ、SDI(スターウォーズ計画)が実現してきているわけです。

南シナ海とか東シナ海での対中戦争が生じた場合、海戦になりますが、その様子は次のシミュレーション映像のようになるはずです。
https://www.youtube.com/watch?v=EhIfmPhWnns

恐らく陸戦でも同じようなものでしょう。軍艦が戦車などに変わり、距離などが変わるでしょうけど。
ですから敵サイトから発射される弾道核ミサイルは、このシミュレーションよりも迎撃は高確率なのではないでしょうか。
双方でミサイルを叩き落とすだけでは勝敗の決着がつきません。我が国はそのためにマッハ3を超える長距離ステルス・ロケットミサイルを開発しました。XASM-3という超音速対艦ミサイルです。ここまで早いと迎撃が不可能になりますね。先に敵艦に命中させれば、その海戦は勝と言う訳です。このミサイル、詳細はわかりませんけど。

MD配備に最初に反応を示し、反対したのはロシア・プーチン大統領でした。つまりロシアは核バランスを今崩したくはないのでしょう。お金がありませんからね。
でも、ロシアもMD設備が出来てくれば反対はしなくなるでしょう。そして時代の流れは止められません。

MDには今も疑念が付きまとっています。湾岸戦争時のMDの命中率は8%くらいだったとか、弾丸を弾丸で撃ち落とすのは不可能、などといった論調です。
しかし技術の進歩は留まるところを知りません。MDの精度向上こそが、核なき世界を実現する現実的な対応ではないでしょうか。
北朝鮮からの核ミサイルを、我が国がMDで撃ち落とした時、初めて「核の時代」は本当に終りを告げるはずです。

そしてそれがかなりの実現性を見せ始めた今だからこそ、オバマ大統領の広島訪問が実現すると見るならば、プロパガンダだけではないとも思えるのですが・・・

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