2014年5月21日水曜日

政治的に解決すべき・・習主席の現実論

ビデオニュースドットコムというネットTVで、学習院大学法科大学院教授の青井未帆氏が安倍政権の集団的自衛権行使について、「個別的自衛権で出来ることを何故集団的自衛権行使にすりかえるのか。安倍首相の記者会見で行った説明は意味不明でとても集団的自衛権行使の説明になっていない」というような発言をしていました。

どうやら青井氏は、集団的自衛権を防衛戦争の為だけの条約と思っているようです。安倍政権が簡単に解釈変更を行うなら、次期政権で簡単に元へ戻せばいいとも論じておりました。
しかし、安倍政権が行っているのは政治であり、国際的に中共の侵略を止める仕事です。
国際政治は国益が衝突する暴力団の集合のようなものであり、日本が戦争忌避の、(青井氏が言うところの)先進的な憲法を持っていたとしても、中共の侵略行為を止められなければ何の意味もありません。

現在はその各国の国益が非常に見えにくい状況となっています。原因はアメリカの経済力低下です。
そこでロシアや中共が国境の塗り替えに動き出しています。
しかしアメリカは軍事的に弱くなったわけでもなく、資金さえあれば最強の軍隊を持つ国であることは現在も変わりません。

南シナ海の南沙諸島を侵略し、勝手に掘削工事を始めた中共に対して、ベトナムが果敢に排除活動を行いました。中共の艦船がぶつけたり放水したりしておりますが、ベトナムは後に引きません。
フィリピンは中共の漁船を拿捕しています。

この背後にあるのが、アメリカとフィリピンの間に結ばれた新条約であり、ベトナムに対する支援の約束なのです。そしてそれをバックアップする安倍政権の確約と、そして日本の集団的自衛権行使容認への取り組みが始まったことです。
ベトナムが南沙で対中強硬に出たのは、アメリカの約束が本物かどうかを確認する意味もあるようです。
もちろんあのオバマ政権がどう対応するかは、あまり期待できませんけど。

「頑張れ日本」の田母神氏が書かれた「田母神・戦争大学」という本の中に、「中共の軍隊はまだ脆弱であり、戦うことは出来ない。アメリカは予算獲得のために中共の脅威を煽っているだけ。本当の戦争になれば自衛隊だけでも戦えて、数時間で終わる」と述べております。

これを裏付けるように、習主席が5月19日に国連の潘基文事務総長に対し、国際的な問題を解決する上で武力の行使に反対するとの考えを示し、「政治的な解決が唯一の道」などと述べております。
「圧力一辺倒や外国による武力干渉はいけない」と話し、国際的な問題は合理的、合法的に解決すべきなのだそうです。

我が国としては、「それなら話し合う前に、尖閣周辺から中共の艦船を引き上げ、再接近しないようにしろ」と言うべきでしょう。ベトナムやフィリピンも同様(もっと厳しいかも)のことを発言すべきです。
習主席の言うことは判っていますね。「そこは歴史的にも我が国固有の領土・・・云々」
これでは話し合いになりませんし、どれだけ話し合っても平行線であり政治的解決は出来ません。そして我が国は中共が求める物を提供出来る立場にあり、同時に我が国は中共から得る物は何もないのです。日本は先進国であり、中共は開発途上国であることをはっきりさせて、国際的にもアピールする必要があるでしょう。(国連の分担金の話などで・・・要するに中共のメンツを潰し続けることです)

習主席の発言はどうやら国際社会で悪者にされそうな中共を、「平和的話し合い」をアピールすることで悪いのは「日本などの話し合いをしたがらない国家だ」という印象操作が目的なのでしょう。
連合軍の事務所ビル(国連)に行って、このような印象付けを画策する中共の本音は「本物の戦争になったら困る」と言うことだと思います。
もちろん中共が軍事力を増強したあかつきには、こんな話し合いなどとは言わないでしょう。ですからまだ人民解放軍は戦える状況にないということは事実だと思います。

そして習主席がこのようなことを言いだした背景には、アメリカのベトナム・フィリピン支援と、安倍政権の集団的自衛権行使があることは明白なことなのです。
集団的自衛権行使の背後にはアメリカ軍が居るからですけどね。

最近、サヨクの安倍批判のやり方が微妙に変わってきています。中共からの指示なのでしょうか?
「安倍首相の話は情緒的」とか「これまで培ってきた(平和憲法の)信用が崩れる」などの言い方です。この平和憲法を「良い」と認めた国家が、中共・韓国・北朝鮮以外にあったでしょうか?
欧州などの小国に、むりやり「良い」と言わせるようなサヨク指導があったこともありましたが、ほとんどは「非現実的」として相手にされなかったではないですか。

安倍首相は最近、集団的自衛権行使の話で、パネルを見せながら「日本人が乗っているアメリカの艦船が日本海でミサイル攻撃を受けた場合でも、現行法では自衛隊は見ているだけで何も出来ない」と述べました。
この状況設定が非現実的であり、そして情緒的と言うのですね。
そして「個別的自衛権で対処できる」などと、ポジティブリストのことを考えないで述べていました。
国民に判りやすくすると、どうしても情緒的になるのは、サヨクが何かを説明する時も変わらないはずですけどね。

ともかく対日問題で困っているのは、現在は中共の方であることは間違いないことですから。

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