2012年10月25日木曜日

海自と海保の共同訓練。名目は原発テロ不審船対策


10月24日、海上自衛隊と海上保安庁が若狭湾で共同訓練を行いました。
1999年(平成11年)3月の北朝鮮工作船の侵犯(能登半島沖不審船事件)で、その船を取り逃がしたことから海保と海自の連携不足が指摘され、訓練の必要性が確認されて始まった共同訓練です。

これまでは北朝鮮の偽装漁船が対象だった共同訓練。今回は中共の尖閣侵略を未然に防ぐことが目的となったようです。
ただし、中共政府を刺激しないように、「原発テロをもくろむ不審船が現れたとの想定」による訓練シナリオになっているそうですね。
もちろん暗に中共を牽制(けんせい)する狙いがあることは、中共政府にも判るようにしなければなりませんけど。

英王立防衛研究所のマイケル・クラーク所長(来日)によりますと、日本は中共の挑発に乗らないよう求めるそうです。
この尖閣諸島をめぐる日中両国の対立は長期戦になるとの分析で、「日本には長期にわたり外交で対処する能力がある」のだから「大人として振る舞うべきだ」というコメントを残しております。
もちろん「譲れない一線を示すためには軍事力の使用を排除すべきではない」ということも忘れずに付け加えております。
ですから、今回の共同訓練は英国から見ても「大人の対応」と言うことが出来るでしょう。

アメリカ海軍大学のトシ・ヨシハラ教授は、中共海軍の東シナ海での大規模な合同演習について、「日本と米国の両方に圧力をかけ、やがて尖閣諸島の日本の主権や施政権を侵すことが意図だ」と述べております。
そして「日本への圧力を強くして米国からの離反を引き起こし、今回の演習に加わった非軍事の監視船の尖閣領海を含む近海への頻繁な侵入への道を開き、日本の尖閣の主権や施政権を侵食していく」という戦略であることを述べております。
さらに「日本に対し軍事、非軍事の両面での威嚇や圧力を長期にかけ続ける消耗戦で日本の尖閣堅持の意思や能力を減らしていくことが狙いだ」と強調しました。

尖閣海域を侵食する意味について、ヨシハラ教授は「尖閣の支配は中共の海軍力の太平洋やインド洋への拡大の拠点としての重大な戦略的な意味を持つ」と述べ、その中共に対する現在のアメリカ政府の対応について「日米安保条約が尖閣諸島にも適用されると言明するだけでは、有事の米軍の実際の支援について曖昧さがなお残り、中共側に誤算、日本側に懸念を生む可能性もある」と強調しております。

中共内部では、すでに尖閣侵略後の既得権益で対立が始まっているそうですから、日本政府にもしっかりしてほしいところです。しかし、民主党政府は、何もしないでただいたずらに権力へのしがみ付き、国民の怒りを買っているようです。

中共の経済は、すでにGDP8%を割り込み不景気になりながらも、国民は「物価が上昇して欲しくない」というのがアンケート調査の結果だそうです。
物価が上がって不景気というのは、スタグフレーションが始まっていると見るべきではないでしょうか?
世界中が中共への経済依存から脱却することを始めております。

中共とともに日本へ圧力をかけてきたロシア。しかし今、尖閣侵略については「沈黙」しています。長い国境を接する中共とロシア、仲が言い訳はありません。(シベリアを蹂躙されています)
ロシアは中共の強大化に直面しても、米国とは共闘できません。そして極東地方の経済開発を行わなければ、どんどん中共が入ってきてしまいます。(へたをすると、ロシアは中共の植民地化してしまいます)
何としても、日本カードを用いて極東経済を発展させる必要があるわけです。
そして一番その戦略の足を引っ張っているものが「北方4島問題」になっているわけです。
これがロシアの「沈黙」の背景にあるようですね。

おそらく、このような国際環境であることを見越して行われたのであろう海自と海保の共同訓練。
日本は着実に国防の一環として、尖閣実効支配を強化していけばいいだけです。国際環境の潮目は今、日本に有利になってきました。

いつ変わるか判らない潮目です。はやくしないとまた潮目が変わってしまいますよ・・・

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