2012年10月13日土曜日

安倍総裁、民主党との対決姿勢鮮明に


自民党前総裁の谷垣氏は、民主党に解散を直接訴えかけ、結局裏切られてきました。安倍総裁は解散を求めては居りますが、それ以上に野田政権との相違点を有権者へ訴えることに懸命です。
そしてその方法が民主主義的な戦いであることは言うまでもありません。

TPPを巡る論争では、全国農業協同組合中央会の全国大会に野田首相とともに登壇しました。
野田首相の言い分は「現在の豊かさを次世代に引き継いでいくため、アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかなければならない」と述べて「TPPを日中韓FTA(自由貿易協定)などと同時並行で推進していきたい」などとTPP交渉参加への意欲を語りました。

これに対して安倍総裁は、「自由な貿易活動は日本にとって必要だ」と述べながらも、「聖域なき関税撤廃を要求されるのであれば、TPPを締結することはあり得ない」として、野田首相の媚米姿勢を批判しています。
総裁選挙の時も、安倍氏は「TPP交渉に参加すること自体はやぶさかではない。しかし国益がまもられるのかどうかが重要なのであって、何でもかんでも関税撤廃など受け入れることは出来ない。もしアメリカがそう押してくるのであれば、我が国はTPPに参加しないことになる」と語っておりました。
しごく当然の発言ですが、さて「交渉」がうまくいくかどうかがポイントです。安倍氏は「だから交渉力を付けて挑まないといけない」と語っていました。安倍総裁は交渉に自信があるのでしょうか?

そして経済の問題。
野田首相が日銀の白川総裁と東京都内のホテルで会談し、景気回復やデフレ脱却に向け、必要な金融政策や成長戦略を話し合ったそうですが、安倍総裁は「思い切った金融緩和を行うべきで、今までの対応では不十分だ」と述べました。これは白川総裁の来年4月の任期切れに「再選はしない」という意味と受け止められています。

安倍総裁は、「政府と協調し、デフレ脱却のために大胆な金融緩和を行い、2~3%の安定的なインフレターゲットにもっていく方がいい」との見解を述べております。インフレターゲットと言えば「ポール・クルーグマン教授」の持論です。
クルーグマン氏は最近新しい経済学のバイブルとなるような本、「クルーグマン マクロ経済学」を書かれました。まだ読んではおりませんが、安倍総裁は読まれたのかも知れませんね。

白川総裁は、日銀の使命として「物価の安定(手段)を計ることを通じて、国民経済の健全な発展(目的)に資すること」(日銀法第2条)があることを述べ、大胆な金融緩和を拒否しております。
しかし、日銀法第2条によってデフレーションを放置することも「物価の安定の使命に違反する」とした反論も出てきておりますから、白川総裁の言い分も「問題あり」となってきております。

さて、安倍総裁が動くほどに、それを阻止しようとする動きが出ています。マスコミなどの誹謗中傷記事やシカト(報道しないこと)もさることながら、安倍総裁の場合は「殺害予告」まで出てきたそうです。
警察庁や国家公安委員会のホームページに、殺害予告メールが二十数回送られ、しかも「踏み台」というネット手法を使って発信元が逆探知されないようにしているそうですから、悪質と言うより、かなり危険な兆候であることは確かなようです。

既得権の常ですが、それが剥奪されるかも知れないとなった時、多くの既得権者は激しい抵抗を試みます。
その激しい抵抗には、殺人や破壊活動も含まれます。内戦の多くは既得権益を守るのと、新たに発生する既得権の争奪がその原因とも言えるでしょう。

安倍総裁が目標とする「戦後レジームからの脱却」は、明らかに敗戦後に入れ替わった日本の既得権を脅かしております。
実行されれば命がけで抵抗するグループが出てくることは間違いありません。彼らの命がけとは、殺人も辞さないという意味も含んでいるようです。

それでも、「やらなければならないと判断すれば必ずやる」というのが本来の政治家です。安倍総裁の祖父に当たる岸信介氏は、日米安保条約を結び暴漢に刺されました。しかし、その後の日本の繁栄の基礎を築いたのは、この安保改正だったのではないでしょうか。

「戦後レジームからの脱却」は判りにくいフレーズです。しかしそこには、戦後日本がたどって来た道の行き止まりを打破する意味があり、その総括を意味するフレーズです。

政治家として、命がけで取り組む意味のある政治課題だと思います。
脅迫などに負けずに、着実に取り組んで欲しいですね。

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