2020年9月20日日曜日

電波料見直しと携帯料金引下げ

 菅義偉内閣が動き出します。その中で注目される大臣が武田良太総務大臣です。

まず、携帯電話の料金を引き下げる問題で「日本の携帯料金は4割程度下げる余地がある」と述べていた菅義偉首相でしたが、その内閣の総務大臣がはっきりと「1割とかいう程度だったら改革にならない」と述べたのです。

さらに菅義偉首相が、値下げが実現しない場合は「電波利用料の見直しをやらざるを得ない」と述べたのです。
現在の年間の電波使用料はNHKが約21億円、日本テレビ系列は約5億円、TBS系・フジテレビ系、テレビ朝日系、テレビ東京系は約4億円で、これは利益に対してどこの局も1%未満という安さです。

これに対する携帯電話キャリア(電波)料は、NTTドコモ201億円、KDDIが131億円、そしてソフトバンクが165億円と圧倒的な開きがあります。
この高い電波使用料はすべて携帯電話(もちろんスマホも含まれます)やWiMaxの使用料に含まれるわけです。

携帯電話会社は値下げには不満でしょう。しかも4割下げろと言う訳ですから。なぜならこれから「ファイブG」の為のアンテナなどの設置や、中共排除のシステム開発などをしなければならず、値下げどころか値上げ(ファイブGは高くなるようですが)する方向にあるように思います。

そうなれば当然電波使用料の見直しが必要となるわけで、NHKなどの放送局側は大反対でしょう。しかしすでに歴史的使命を終えたNHKや、スポンサーがネット系のコマーシャルに乗り換えを始めた民放業界は、日本国家全体の未来から見れば邪魔な存在になりつつあります。

携帯電話の電波使用料を半値に下げて、放送局側の使用料を3倍くらいにすれば均衡するように思います。その上で各放送局には携帯電話的(双方向通信)な電波の使用を認めるようにして、NHKの一部を国家主導にし、この電波で「デジタル円」などの管理運用をしたらいかがでしょうか。

受信料は撤廃して、放送はすべてオンデマンド形式にした上で閲覧した番組ごとに課金するシステムで充分だと思います。
また、NHKアーカイブを充実させ、誰でもいつでも有料で過去の番組をアクセス可能にすることもNHKを存続させる資金源となるでしょう。

「良質な放送を日本全国あまねく受信できるようにする」というのがNHKの使命であり、すでにそれは達成されたのです。それが「歴史的使命は終わった」という意味です。
緊急時の放送は、NHKの問題ではありません。これは主権国家としての問題であって、電波使用に関する別の法律で検討すべきものだと思います。

民放などの企業にはプロバイダへの事業拡大などでの収益を求め、無料の放送は減らしていくように持って行ったらいかがでしょうか。
接続性と双方向性というデジタルの特徴を生かし、情報漏洩に対する安全性を商品価値として売り込むことが新たな使命のように思います。

ただし人気アニメーションなどは商品販売にも利用出来るでしょうが、ファンの集団はバーチャル空間で何らかの勢力にもなって行くでしょう。
注意しないとこのような勢力発生がカルトの温床になりかねません。

良きにつけ悪しきにつけ、このような新たな展開が生まれるような誘導を「電波使用料の見直し」を通して行うべきなのです。
携帯電話用の電波使用料が下がれば、新たな電話会社が発足する可能性は大きくなります。ですから「電気通信事業法」も改正しなければならないでしょう。外国から入りこまれないように、また日本企業の形態をとって株主としての参入にもハードルを高くするなど、安全保障上の考慮が必要になります。これからはデジタル空間が国家間の争いの主戦場になることを意識して・・・

通信技術の向上と共に、デジタル通貨の運用が始まるでしょう。「デジタル円」ですが、デジタル化した通貨は国際決済に於いても瞬時に換算されて使えるようになると思います。
「円」とは日本国内の決済単位ですが、各国の通貨との交換レートは常に変化しています。しかしデジタル化によって外国の商品価格は変動しますが瞬時に換算されて円による価格表示が可能になります。

つまり国際標準の通貨など不要になるわけです。石油の決済とか軍事力によってドルが国際通貨としての役割を果たしてきたわけですが、決済方法がデジタル通信技術によって大幅に変わる可能性があるわけです。

欧州だけにある共通通貨「ユーロ」ですが、デジタル化すればあまり意味がなくなるでしょう。各国の通貨単位で欧州を回っても、価格表示が瞬時に換算されれば扱いはユーロと同じ意味になるからです。ただユーロという通貨単位を換算に使うかどうかという問題だけです。

決済通貨の概念も変えるであろう電気通信。そのことを念頭に置いて「携帯電話通信料の引き下げ」とか「電波使用料の見直し」が行われることを期待します。

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