2020年8月16日日曜日

朝鮮半島は物々交換?

 チュチェ思想の韓国・文在寅政権はどういう訳か自国より北朝鮮の権力者のみの救済に一生懸命なようです。

北朝鮮の酒と韓国のコメを交換するといった「物々交換」方式による南北交易の開始を模索しているとか。

しかし安倍政権が仕掛け、アメリカも同調し、国際社会でも対北制裁がなされている現状での物々交換による救済は、何とも文在寅政権の経済音痴振りをさらけ出す結果となりそうですね。

何と言っても、北朝鮮側がこの提案を歓迎する見込みは薄いとか。
しかし両国の民間では、ドル決済が不可能な両国家(韓国はドル不足)ですから物々交換なら出来ると言うことで、韓国の民間組織が北朝鮮の企業との間で、酒や菓子など北朝鮮の特産品と韓国の砂糖を交換する契約を結んでいたことが明るみに出ております。

アメリカの専門家はこのような交易が制裁に違反する可能性を指摘していますが、物々交換とは、まさに原始時代に戻ってしまう朝鮮半島を予感させます。

物々交換と貨幣交易の徹底的な違いは。信用経済が成り立つかどうかです。
原始時代(といっても18世紀くらいまでですけど)で交換者同士の信用が成立しなかった時代の交易が、朝鮮半島に復活すりという面白い現象です。
そしてそれは、ドル経済圏から隔離された中共の辿る道かも知れません。

金本位制度が完全になくなったのはニクソンショックでドルの兌換廃止ですから、他の国もそれほど威張れるわけではないのですが、どうも兌換廃止でもインフレにならなかったことを余り疑問氏する人は少ないようです。

現代通貨理論(MMT)が、生産力と通貨発行のバランスを保てば、通貨発行は幾らでも出来ると述べたのは記憶に新しいところですね。
つまり信用経済という考えの基本のところを突いたわけです。(財務省には判らないようですが)

通貨が中央銀行から世の中に出て来るのは、誰かが借金をするからです。借金は返済を約束する信用経済の始まりを意味します。
つまり、お金と言うのは、ある個人が働いて、その結果としてお金を受け取ると言う循環ではなく、最初にお金をもらって、それからそのお金の分だけ働くというサイクルなのです。

高校や大学を出て新しく就職した若者に企業が出すのは「支度金」などと言いますが、ようするにそれは月給です。それで1か月間働き、次の月も働くために前の月の末にお金を受け取るというサイクル、つまり先にお金(借金)、あとから労働という循環こそが「信用経済」なのです。
1か月働いて受け取るから月給なのではありません。

中にはそうでない人も居ます。働いてからお金をもらう人・・つまり社会的信用の無い人ということになるのでしょうか。

武漢コロナウイルスによる経済縮小を防止するために日本政府は一人当たり10万円を給付しました。国債を発行して配ったわけです。
そのお金を使うと言うことは、誰かがそのお金のために働いたことを意味します。最初に10万円を受け取った人だけが不労所得と言う訳で、借金は政府が代理に行ったわけですね。

文在寅政権が朝鮮半島でぶつぶつ交換による取引を行うとしたことは、つまり自分達が信用出来ない民族であることを暗に示したことだと思います。
日本が半導体製造用フッ化ウランの輸出で韓国を最恵国待遇から外したことがどうしてだったのか、このことから文在寅政権が自ら世界に示したことになるのではないでしょうか。

北朝鮮にとっても、物々交換では外貨獲得という目的が達せられないことくらいは解りますから、この提案を呑むとは考えにくいです。

チュチェ思想のことは知りませんが、経済に関してどう考えているのか、社会主義的なことよりも貨幣経済を否定しているのかどうか、文在寅大統領の感覚が良く判りません。
相互に信用出来ない国家同士で信用経済(現代的通貨)が成立することは無いでしょう。

金一族のお金よりも、北朝鮮国民のために「文在寅大統領が考えた」と言うかも知れませんが、そうすると文在寅氏は金一族に変わって「北朝鮮を支配するつもりか」と疑われても仕方が無いでしょう。
どうも文在寅大統領は考えることが子供っぽく見えますね。

先ずは韓国の信用経済再構築、そして産業の再建、その為にどう動くかが大統領の責任ではないでしょうか・・・

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