2019年9月16日月曜日

香港はどうなるか

第二次アヘン戦争で英国領(租借)となった香港。その99年間の租借期間が切れて、1997年7月1日に、香港の主権が英国から中華人民共和国へ返還されました。

英国はサッチャー首相、中共側はトウ小平主席の時代で、もしかしたら中共が自由化するのではないかと思われていた時代です。
しかしサッチャー首相は「一国二制度」という条件を付けて返還したわけです。これは、締結後50年間は香港は民主主義体制で運用されるという条約の取り決めです。

おそらくサッチャー首相には、50年経過すれば中共は民主中国になるとの見通しがあったからだと言われています。中国の共産主義が、実は共産主義と言うより中華思想(華夷秩序)だと言うことに気が付かなかったのでしょうね。

そしてこの「一国二制度」は中共側にもメリットはあったわけです。それが金融。香港を窓口として自由世界との間のインターフェース機能というメリットがあったからです。
さらにこの一国二制度で、現実には英国からアメリカへの既得権移譲があったようにも思います。

アメリカはこの香港に莫大な投資を始めます。おそらくディープステートが動いたのでしょう。そのために香港ではシティからウォール街に既得権益が移ったような感じだったと思います。そしてそれは中共にとっても繁栄のために役立つ窓口になったわけです。

香港市民にとっては苦渋の始まりでした。中共側から香港の大学へ共産党幹部の子弟たちが金を使って入学してきたからです。大学には定員数がありますから、香港の若者たちが大学に入れなくなってしまったわけです。成績が良くてもです。そして中共から来る共産党幹部の子弟はあまり勉強が出来なかったこともあって、香港の若者の反発が強まります。

さらに就職も同じようになって行ったと言います。香港の若者には良い就職口がなくなり、次第に香港の若者の未来が暗くなって行ったそうです。

そこに習近平政権が始まり、一国二制度の蹂躙が始まります。香港の若者と、そして市民が立ち上がりデモ(デモクラシーですね)によって政治体制の民主主義を守らせようと動きます。雨傘運動などが始まった訳です。

アメリカにトランプ政権が誕生すると、香港の民主活動家はすぐに動き出します。習政権はそれを押さえにかかります。こんな攻防が続いていたところに、台湾と香港の間に「犯人引き渡し条約」が作られそうになり、学生と市民がネットワーク型(センターレス)のデモを始めたわけです。

トランプ大統領は対中経済戦争を戦っています。そして香港のデモも支援しています。反トランプ側の民主党も香港デモに対してはトランプ大統領以上に積極的に支援しています。もちろんその背後にはウォール街があるのでしょう。

習政権はこのアメリカの動きを「内政干渉だ!」と騒いでいますが、一国二制度という条約を守らせるための支援として、アメリカは後へは引きません。ディープステートにとっても後へは引けないわけです。

そしてここに「香港人権民主主義法」なるものが提起されたわけです。下院議会で採択されるでしょうし、その後上院でも採択されるでしょう。当然トランプ大統領はサインをするでしょう。

雨傘運動のリーダーである黄之鋒(ジョシュア・ウォン・22歳)氏とその仲間は、ドイツを訪問してマース外務大臣と会談、一国二制度を訴えました。そしてその後はアメリカの「ワシントンDC」で「香港人権民主主義法」の成立を要請するようです。

この法案の中身は、もし中共が民主活動家を逮捕・監禁あるいは殺害すれば、その元をたどって共産党幹部の資産凍結を行うと言うもののようです。
共産党幹部はアメリカに自分の資産を逃避させています。そのほとんどをアメリカ政府はつかんでいます。ですから資産凍結は当然、可能なのです。

香港デモは現在でも止まりません。デモ対は五大要求を掲げています。「逃亡犯条例の撤回」「逮捕されたデモ参加者の釈放」「警察の『暴力』に関する独立調査委員会の設置」「デモを『暴動』とした定義の撤回」そして「普通選挙実施」です。

キャリー・ラム行政長官は「逃亡犯条例」を撤回しました。ですからあと4つの要求がデモの目的となったようです。
中共側にとって、この4大要求を呑むか、それとも軍事的制裁で「第2の天安門事件」とするか、もうそのどちらかしか選択の余地は無くなったようです。

そこで「香港人権民主主義法」の成立が重要になってくるわけですね。そして間もなくこの法案は成立するでしょう。
中共は香港デモの要求、特に「普通選挙実施」などは絶対に認めることは出来ないでしょう。それは香港から共産主義体制が崩れることに繋がるからです。

追い込まれ、大義なき暴力に訴えるしかない習政権。それを監視する世界。資産凍結の後は英国が「一国二制度違反で香港返還条約の無効化」となり、香港防衛のための軍事活動・・という段取りかも知れませんね。

それにしても、日本の人権活動家は何も言わずに黙っています。彼等にとっては朝鮮とアイヌと沖縄の人権だけが人権であって、他国の人達の人権などどんなに侵害されようがどうでもいいし、むしろ弾圧側に回るのかも知れません。彼等こそ人類に対する背信行為の団体であることがはっきりしてきましたね。

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