2018年12月23日日曜日

狂犬マティスの辞任

ジェームス・マティス国防長官が辞任を発表しました。アメリカ第一主義で爆走するトランプ大統領に対して、「同盟国は大切に扱え!」と進言していたマティス氏でしたが、ついにトランプ大統領との決裂が表出してしまったようです。

直接の原因は、アメリカ軍のシリア撤退に関してマティス国防長官と折り合いがつかなかったと言うことです。マティス氏は「IS(=イスラム国)の討伐はまだ完了していない」として、さらなるアメリカ軍の役割を大統領にし音源したようですが、トランプ大統領はこれを聞かず、ISに対する勝利を一方的に宣言してアメリカ軍のシリア撤退を発表してしまったのです。

トランプ大統領がシリア撤兵を決めたのは、アメリカにとって中東はもはや意味を持たない地域になったと言う事のようです。
その背景には、原油価格の値上がりと、それによってアメリカ国内のシェールオイルの鉱床が3倍近くになった(コストを掛ければ掘れる場所が多い)という事情があるわけです。

11月の原油価格は急激に下がっていますが、全体的には上昇傾向にあり、このトランプ撤兵が原油価格を今後どのように推移させるかはまだ判りません。
ただ長期的に見て、アメリカは石油の自国調達を完成させていくのではないでしょうか。また、エネルギー革命にも力が入れば、原子力発電などの超小型化も視野に入ってきます。さらに今世紀後半くらいには核融合炉も完成しているかも知れません。

トランプ大統領は「アメリカは何も見返りがないのに中東の警察官でありたいだろうか?」と述べ、「これからはロシアやイラン、シリアがISと戦わなければならない」などとツイッターに書き込んでおります。アメリカの若者に、意味のない中東でもう血を流させないとも。

民主党のペロシ院内総務は、「決定は危険なもので、プーチン大統領へのクリスマスプレゼントだ」などと呑気なことを言っていますが、ハンター政務参事官は「撤退」ということばは使わず、発言の冒頭に、「アメリカは、シリアなどでの過激派組織ISや他のテロ組織との戦いに関与する。同盟国とともにテロとの戦いを続ける」と述べるなど、ホワイトハウスは混乱しているようです。

そしてアメリカは対イラン制裁を放棄したわけでもなく、「アメリカ軍撤退」がシリアからの撤退のみであることも事実ですから、アメリカが中東から居なくなるわけでもないようです。

しかしISはもともとアメリカのディープステートが作ったものです。石油利権とイスラム過激派が手を結んだようなもの。そのディープステートはトランプ政権と対立していますから、今後の中東はアメリカ国内分裂の象徴の様になってしまうかも知れません。

トランプ政権は、アメリカ国内のシェールオイル増産を意識した上で、長期的には中東からの撤退を考えているようにも見えます。
その事始めがシリアからの撤退と言う事かも・・・

マティス国防長官は、この問題と日本など同盟国の事情などを鑑みてトランプ大統領に進言していたはずです。
しかしトランプ大統領から見れば、「石油ルートの安全保障は日本軍が行うべきだ」と当然の意見を持っているのでしょう。もちろん日本国憲法を書き換えて、日本再軍備が前提の思惑です。そしてそれは日本国の内政問題として行うべきものなのです。

マティス長官の提言はある意味では正しいのでしょう。しかしそれは武力戦争に至る場合の話です。トランプ政権は圧倒的軍事力で軍事暴発を牽制しながら、経済面での戦いを挑んでいるわけです。

経済面と言っても、表面的な貿易関税などのことではなく、本筋はグローバリズムという浮浪者マネーと、主権国家経済という国家マネーの戦争です。カルロスゴーン問題も、ファーウェイ問題も、トランプ政権が仕掛けた浮浪者マネーに対する炙り出しであって、その背後にはユダヤ資金もさることながら、華僑資金や印僑資金などもターゲットになっているはずです。

インドがファーウェイの5Gシステムの運用試験に参加することを決めたのも、華僑資金と印僑資金に動かされたのではないでしょうか。
一応インド政府は、「安全上の懸念についての世界的な動きを注視している」とした上で、「実用開始の際には安全保障上の脅威とならないか注意を払うが、運用試験への参加に問題はない」とコメントしているそうです。
これは日米同盟が、インドを経由してファーウェイの5G技術を入手する手段にもできるかも知れませんね。

ゴーンショックの後、日米同盟がターゲットにするのは「ソフトバンク」ではないかという噂もあります。
ソフトバンク社というグループ内の通信部門を独立させて上場企業として株の発行をしました。「ファーウェイ・ZTE問題」が浮上したタイミングとソフトバンク上場のタイミングが重なったことも、ソフトバンク側はファーウェイに対するFBIの調査が進んでいることを知って行った可能性もあると思います。(上場しておけば損失を株主に転化できる)

評論家の渡辺哲也氏によりますと、フランスのマクロン政権に対する反発も、ドイツのメルケル首相の支持低下も、全てはトランプ・アメリカによるグローバリズム否定の戦いの結果だと言います。

このような経済戦争という新世界戦争の実態が、マティス国防長官は理解できなかったのかも知れませんね。

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