2015年4月30日木曜日

安倍・オバマ:日米首脳会談

4月28日午前、アメリカ・ホワイトハウスに於いて安倍首相とオバマ大統領は約2時間の会談を行いました。
内容は、中共の海洋進出を強くけん制するとともに、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の早期妥結へ協力すると言うものです。

会談前にオバマ大統領は、「同盟は我々の時代に合った形で広げていく。未来に照準を合わせている」と述べ、安倍首相は「日本は日米関係を不断に発展させながら米国とともに国際社会の課題解決の先頭に立つ」と述べたそうです。
会談後の記者会見で、戦後70年の節目を迎えた日米を「不動の同盟国」と位置づける声明を発表しました。

安倍首相の掲げる積極的平和主義に対して、米国のアジア重視のリバランス(再均衡)戦略を絡ませ、地域と世界の安定維持に向けて連携すると言う訳です。
今回の安全保障に関する対談は、これまでの「日本の脅威に対してアメリカが守る」というものではなく、「日本が積極防衛を行い、アメリカが協力する」ことになったようです。当然「アメリカの脅威に対しては日本が協力する」わけです。

もちろん日米安保条約に対してはオバマ大統領は「米国は自らのコミットメント(関与)の全てに固い決意を持っており、揺らぐことはない」として、変更のないことを強調しました。
その上で、新たな防衛協力のための指針(ガイドライン)を「日本が地域とグローバルな安全への貢献を拡大することを可能にする」として、今後の日本国内の防衛力強化のための法の整備に期待を示したわけです。
この法の整備によって、オーストラリアやインド、韓国など第三国との連携がスムーズにいくと言う訳ですね。

国際秩序について、「力や強制により一方的に現状変更を試みる行動は、国際秩序に対する挑戦だ」として中共とロシアを非難したようですが、名指しは避けたようですね。記者会見では「中共との関係」に関して質問が出たようですが、答えは無かったようです。

TPP交渉については、「日米間で大きな進展があった。より広い協定の迅速かつ成功裏の妥結を達成するために共に取り組む」として双方協力して進めていることをアピールしました。
TPPに関してはもうあまり当初の意味は失われたようです。円は安くなり、アメリカの景気は悪くありません。日本にとって、妥結しても当初ほどの被害は出てこないでしょう。日本のコメと、アメリカの自動車が喧嘩の中心に今はなっているようです。

中共の進める「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」について、「組織運営や融資条件で透明性がない」ことを指摘しています。中共は「透明性があるようにする」などと口先では述べていますが、その文書化されたものなど作るつもりもないようですね。(思惑が先行して作れないのでしょうね)

沖縄の基地問題について、「在日米軍の再編を着実に進めていく互いの決意を改めて確認した。普天間基地の危険性を辺野古移設で一日も早く除去する。沖縄の基地負担の軽減を日米の強い信頼関係のもとで進めていく」と表現しました。
辺野古で、基地フェンスにガムテープを張って反対活動をしている団体は、このことをどう受け止めているのでしょうか。何でも中共からこのような団体に9000万円の資金が投入されているという噂を聞きましたが、本当でしょうか・・・

従軍慰安婦の問題について、安倍首相は「人身売買の犠牲になり、筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方を思うと非常に心が痛む」と述べ、河野談話を「継承し見直す考えはない」と語りました。
確かに「河野談話」には慰安婦強制連行のことは明記されてはおりません。ですから見直す必要はないでしょう。強制性を認めたのは、あの談話の後の河野氏の記者会見で、「強制性は認めたと判断していいのか」という質問が出され、「そう、それで結構です」などとあいまいな返事をしたことがすべての責任なのです。ここから性奴隷の嘘が始まったのですからね。

日米首脳会談はこのような内容だったようです。
まとめますと、
1)日米同盟で、日本の防衛に関する法の整備が要求され、安倍首相はそれを約束した。
2)力や強制により一方的に現状変更を試みる行動は、国際秩序に対する挑戦であり、日米同盟はこのような法律違反を取り締まる。
3)AIIBについては中共が透明性を確保するように要求する。
4)米軍再編の一環として普天間から辺野古への移転を行う。
5)河野談話はそのまま継承する。(ただし人身売買であって性奴隷ではない)

晩さん会が盛り上がっているようです。演説の練習とか、アメリカのテレビ番組が話題のようです。安倍首相のおかげで、アメリカに日本贔屓が増えることでしょう。それは同時に中国嫌いが増えることです。ジョークも戦略の一つと言う訳ですね。(権謀術数の習主席に判るでしょうか?)

さて、今回の首脳会談、この1)と2)が重要だと思います。いずれも憲法改正が必要なのかどうかですが、解釈変更だけで行けるように思います。
その件につきましては、明日書かせていただきます。

2015年4月29日水曜日

アメリカ外交は失敗か、それとも・・・

ジャーナリストの田中宇(たなかさかい)氏が、最近のアメリカ外交について面白い見方をしておりました。

アメリカは多極型の覇権体制を目指しているというものです。
最初はソビエト連邦を追い詰めるための経済会議G7の本質。これは英国が米国を牛耳り、先進諸国を率いてロシアや中国と対峙する構図だったと言うことから始まります。

NATOとG7は同じ構図で、経済的に台頭してきた日本を取り込みロシアと対立する体制だったと言うのです。
冷戦が終焉した後、ロシアが先進国に入れてくれと言うので、G8が出来ましたがこれは意味もなく、やがてG20という体制が出来上がりました。アメリカ合衆国、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ、欧州連合、ロシア、中共、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチンという構成で、何ともにぎやかな経済会議になっていますね。

G7とG20は構造が全く違っていて、ドル単独基軸通貨体制(ブレトンウッズ体制)から多極型の覇権体制へ持っていくためのアメリカの戦略だと言うのが田中氏の見方です。
アメリカには「自国の単独覇権よりも多極型覇権を好む傾向がある」ということで、それは覇権国が衰退すると、覇権国に取り付いていた資本家たちが次の覇権国になりそうな国を加勢し、覇権転換を起こす動きが強まり、覇権の延命策と自滅策の相克になり、世界大戦などが引き起こされているという現実を見てのことだと言う訳です。恐らくその通りでしょう。

しかし、真正面から多極覇権構想など出せるわけはありません。主権国家は自国の利益を最優先に考えますから。
そこでアメリカは、アメリカの利益を演出して喧嘩を売ることを画策すると言うのです。つまり、アメリカが国益重視でどこかの国と対峙して失敗すると、そこに多極型の構図が出来上がると言う訳です。

例えば、南米の反米的なベネズエラが原油安で財政破綻に瀕し、政権崩壊しそうになると、オバマ大統領が3月中旬に突然、ベネズエラが米国にとって脅威だとして敵視する発言を行い、ベネズエラ(や中南米全体)の人々の反米感情を掻き立て、弱体化していたベネズエラのマドゥロ政権が人々の支持を取り戻すようになります。

ベネズエラが再強化された後、米政府はベネズエラ敵視の姿勢を撤回したと言う訳です。中南米などに対しても、敵視して逆に台頭を誘発する「隠れ多極主義」を最近のアメリカは行っている・・という考え方です。

田中氏は、AIIBに対するアメリカの反対が、この多極化を意図したもので中共の台頭をむしろ促しているのではないかと見て、対中姿勢の安倍政権に警鐘を鳴らしているわけですが、日本が対中姿勢を取ったのは聖徳太子の時代で、それから一貫して日本は反中だったのです。冊封体制にならずに、日本の自主独立を守るにはこれしか方法が無かったのでしょう。

第二次大戦後、日本政府は自由主義側に入りソビエト・中共と対峙します。これもイオデオロギーではなく日本の国体がそうだったからではないでしょうか。
現在アメリカの属国のような日本ですが、これは武装解除が説かれず国防をアメリカに依存したままであることが原因だと思います。

田中氏はどうやら「アメリカ追従を止めて多極覇権に備えるべきだ」という意見のようですが、軍事独立が果たされていない(つまり憲法改正がなされていない)今、アメリカ追従は致し方ないのではないでしょうか。むしろ、アメリカ追従と見せて、AIIBのADBへの取り込みを画策し、中共の無謀な貸付や人民元の暴走を抑えるような画策をすべきではないでしょうか。

人民元のSDR参加に対してもアメリカは反対しています。しかし世界各国がアメリカの反対を押し切って人民元のSDR参加を今年中に了承するだろうと言うことです。そしてこれもアメリカの「隠れ多極化」政策なのだと言うことです。

覇権体制が単独国家の一極支配体制でなく、複数の大国(地域覇権国)が対等関係で立ち並び、談合する多極型になっていた方が良いと考えるのは、膨らみ続ける余剰資金対策と考えた方が良いように思います。
次の覇権国はどこかなどと、覇権国を使って資金運用し、利ざやを稼ぐ金融をアメリカは大嫌いなはずです。
豊かだった欧州は、第二次大戦後も貴族主義が生き残り、気が付いたら弱小国家群になっていました。徹底的に叩きのめされたドイツが元気なのは、資本を使って生産性向上に尽力したからです。

日本でも、戦後体制の中に官僚主義(教条主義)が生き残りました。威張っていた軍人がアメリカによって排除された後、アメリカから得た既得権益で生き残ってしまったのでしょう。私が使う「サヨク」とはこの様な連中のことです。

多極的覇権主義は21世紀の主流になるかも知れません。それは覇権国同士が経済的、文化的に競う時代です。軍事としてはテロ対策が主流になるでしょう。経済が破綻し無政府状態になった国家はテロリストの巣窟になるでしょうから。主権国家の軍隊は、世界の安全保障を協力して担うことになるでしょう。例え文化背景の違う国家同士でも・・・

文化背景の違いを吸収する多極覇権主義。弱小国はその文化背景に合った覇権国と同盟し、覇権国同士は常に調整し合える状況に置くこと・・・

だから「多極の覇権」が必要なのですね。

2015年4月27日月曜日

2017年、憲法改正か?

2016年秋にアメリカ大統領選挙があり、日本では参議院選挙があります。この選挙で安倍政権が勝利すれば、アメリカが民主党、共和党のどちらであっても憲法改正がなされるのではないでしょうか。
戦後70年以上にわたり日本の憲法は変えられておりません。基本的には国際法違反の日本国憲法ですが、サヨク勢力の圧力によって変更できませんでした。

もっとも、改正手続きに「国会議員の3分の2以上の賛成」がなければ改正出来ないという仕掛けをマッカーサーによって作られてしまったのですから、如何とも仕方がなかったという日本国民の言い訳もありますが・・・

憲法学者で、駒澤大学名誉教授の西修氏は、「戦後70年間、改正されていない憲法は日本国憲法だけ」とまで述べておられます。
そして、日本で「新憲法」などと呼ばれているうちに、「憲法改正は大変なことだという誤解が広まっているのではないか」とも述べておられます。

さら西修氏は、「日本国憲法は、『世界で唯一の平和憲法で、ノーベル平和賞に匹敵する』という議論を否定する。」と述べ、「世界で憲法を持つ188カ国の中で、158ヶ国は平和に関する条項がある憲法です。」と述べておられます。
そして「日本国憲法のもとでは米軍の駐留が認められているし、核兵器の禁止、排除は載っていない。」ということで、「明記された憲法が他国に存在するにも関わらず」とも述べております。
また、憲法9条1項の「国際紛争を解決する手段としての戦争放棄」については、「アゼルバイジャンやエクアドルもほぼ同じ憲法を持っています。しかし徴兵制で軍隊を持っている国家です。」とのことです。

埼玉大学の長谷川三千子名誉教授は、「日本国憲法はマッカーサーによって第9条第2項が最初にあって、それから出来た」と述べておられます。

終戦直後、マッカーサーは本国から「日本を二度とアメリカと交戦出来ない国にしろ」という究極の命題を与えられ、それには「再軍備不能」にしてしまえばいいという発想を持っていたとか。
最初は、自衛戦争も放棄するようなことが書かれていたそうですが、GHQ内に極秘で作られた憲法草案制定会議に居た「コートニー・ホイットニー准将」によって、「非常識だ」とたしなめられ、自衛戦争は許容する憲法となったそうです。

しかし、第9条第2項には「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」などと、マッカーサーの文言が入ってしまいました。芦田修正によって、この非常識な文言の前に、どうにか「前項の目的を達成するために」と入れられましたが、これを使った解釈を行わないことを前提にサンフランシスコ条約の合意に至っているそうです。

長谷川氏によりますと、マッカーサーはこの憲法を押し付ける時、沖縄を「核兵器による要塞化」にするという構想を持っていたとのことです。(マッカーサーのノートに書いてあったとか)
マッカーサーは、台頭するソビエト連邦を仮想敵としていました。それは軍人として世界情勢を見れば、当然の判断だったはずです。沖縄を「核の要塞化」すれば、ソビエトは抑えられるという発想です。

しかし、大戦直後のアメリカには50発程度しか核爆弾は存在せず、しかも1949年にはソビエト連邦も核保有国になってしまいました。
マッカーサーの構想はとん挫してしまいます。核兵器に対するマッカーサーの過信は崩れ去ります。この時点で、憲法第9条第2項は改正されるべき条文となったと言うことです。

司法を牛耳り、教育界を牛耳り、そしてマスコミを牛耳った日本サヨクです。普通の国家なら簡単に社会主義革命が起きてもおかしくない状況なのですが、日本文化の強靭さによって日本国民は社会主義化を許しませんでした。
選挙では保守系が優位を保ち、戦争を知っている世代にとっては「嘘」になびくことを良しとしなかったのもあるでしょう。
多くの友人を死に追いやった大東亜の戦い。生き残った者の使命は「命を懸けての日本国家再建(つまり弔い合戦)」だったことも事実です。財界と町工場は政府の指導の下で仕事を共有し、産業立国に向けて邁進し、日本サヨクを凌駕していきます。そして大戦の真実の記憶を持つ方々が次第に亡くなっていく流れの中で、サヨクの「嘘」が表面に出てきます。そしてその「嘘」が「本当」になろうとする刹那でした。情報革命が起きるのです。

一方向メディアだからこそ出来たサヨクの「まことしやかな嘘」は、双方向メディアの急激な発展によって「嘘」のまま、ついに本当にはなりませんでした。
そのエポック的な出来事が、朝日新聞社の「30年前の記事の訂正」だったわけです。これによって薄れかけていた大戦の記憶が蘇ります。

戦後、ホントかどうかわからなかった「参戦した爺さんたちのボヤキ」が、本当であることに気が付き始めた日本国民が増えてきたのです。
アメリカ軍の行ったWGIPとか、共産主義者の謀略などがはっきりとした資料を伴って見えてきたのです。

世界情勢が変わり、戦争のやり方も変わり、産業主義から情報主義への変革が始まっている現在、憲法改正か、それとも廃棄による大日本帝国憲法への回帰か・・・ともかく2017年にどうなるか、楽しみでもありますね。

2015年4月24日金曜日

「国際社会への挑戦」・・南シナ海埋め立て

中共が進める南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島での埋め立て工事です。米与野党の有力上院議員4人が、ケリー国務長官とカーター国防長官に、「一方的行動の阻止に向け包括的戦略の策定を求める書簡」を送ったと言う事です。
その書簡にはリード、メネンデス両議員が署名し、さらに共和党のマケイン軍事委員長とコーカー外交委員長も署名したとか。

この埋め立て工事は、「国際社会全体への直接的な挑戦であり、中共は1年以内に目標を達成する可能性がある」などとしていると言う事です。
そしてこの工事を、フィリピンや米国などは国際法違反と批判しております。

中共は、南シナ海に九段線なるものを引き、南シナ海の90%以上を中共領土と宣言しています。

今年の3月にはASEANのレ・ルオン・ミン事務局長が「(九段線は)南シナ海の領有権を主張するASEAN加盟国はすべて、国連海洋法条約に抵触すると抗議している」と発言した時に、中共の洪磊報道官が「ASEANは南シナ海紛争の関係当事者ではない」などと、国連海洋法条約など無視する考えを明らかにしております。

中共にとって、現在の国際法は欧米が勝手に作った法で、「守る必要はない」のだそうです。アジアでは中共が国際法を作るなどと言っていましたね。

たしかに国際法とは「International Low」と言われ、16世紀から17世紀のヨーロッパにおける宗教戦争の混乱を経て儒所に出来上がっていったものです。
しかし、国内法と違って主要な法源は条約と慣習国際法になっておりますから、主権国家として他国と交流する以上、守らないわけにはいかない法体系ではないでしょうか。

東京裁判ではこの国際法が利用されました。日本は「平和に対する罪」などという事後法で裁かれ、A級戦犯などが処刑されてしまいました。
国際法の専門家であったインドのパール判事は、このような裁判を「リンチに過ぎない」と述べて「日本は無罪である」という独自の裁決をしております。もちろん認められはしませんでしたが・・・

そして中共は「日本よ、戦後の国際法を守れ」などとご都合主義なことを言っていましたね。

不完全であっても、現在機能している国際法です。新たな条約が出来ればそれも組み込む余裕もあります。ですから、これを無視して新たな法を作るというのは暴言で、本来は、この法体系の完成度を高めるために「協力する」と言うべきなのですね。

欧州は、南シナ海の中共の行動にはあまり関心が無いようです。ロシアのウクライナ問題には「人権侵害」だの「ロシアの侵略だ」などと言って、ロシアへの経済制裁には一生懸命でしたが、遠いアジアの侵略事件などどうでもいいようです。もっとも経済を中共に牛耳られている現在、中共の横暴を黙って見ているだけなのかもしれませんけど。

しかし、ロシアを弱体化させてしまうと、中共の侵略はロシアを経由して欧州にやってきます。今度は中国人によって自分たちが過酷な労働をさせられることが判っているのでしょうか?

アメリカは、それが太平洋覇権を目指した行為であることが判ってきました。明らかにこれはアメリカ国益に対する挑戦です。
そこで先ずはラッセル国務次官補が「南シナ海での岩礁埋め立てなどが、2016年の次期米大統領選で争点となり、米中関係に悪影響を与える可能性がある。」などと習政権に対して脅しを掛けます。
「人が住んでいないにもかかわらず宿泊施設を造るとの主張は道理に合わない。このような行動は周辺国を遠ざけ、おびえさせており、米国にとっても不愉快なことだ」などと述べております。
その上で、「領有権主張は国際法に沿って行うべきだ」とニューヨークでのシンポジウムで述べたそうです。

しかし、このような脅しで習政権が国際法など守るわけはありません。今後は、あのイラクのフセイン政権の時のように、戦争へのカウントダウンが始まる可能性も出てきました。
フセイン政権と友好関係を作っていたアメリカが、国益を損なうとなったとたんに武力攻撃に出たことは記憶に新しいところですね。

しかも、あの時よりも国際法違反ははっきりしていますし、欧州も説得しやすいかもしれません。ロシアは一応反対するでしょうが、習政権を潰すことには内心では賛成ではないでしょうか。

そして今度は、アメリカはきっちりと日米同盟によって日本の参戦を求めて来るでしょう。自分たちで作った憲法のことなどは眼中になく、自衛隊の参戦を求め、韓国軍にもそれを求めるでしょう。

現在の中共の軍装備でしたら、日米同盟の方が装備的には優位です。問題は国内に居る反日日本人とマスコミですが、マスコミはもうあまり力はありません。
沖縄の反日活動家(平和団体)の米軍基地に対するテロ活動が心配ですね。もうフェンスへのテープ貼りでは済みませんからね。

アメリカ軍は先ずは南シナ海のスプラトリー岩礁に作られている中共軍事施設を空爆するでしょう。そしてそれでも抵抗すれば、次は海南島の地下軍事施設への空爆になると思います。
同時に、アメリカに亡命している民主活動家を香港経由で送り込み、香港の民主活動にテコ入れを行い、「共産党の侵略意図をくじき、大陸を民主化することが大義となっていくはずです。もちろんチベット、ウイグルの救済も入るでしょう。

来年の大統領選挙の後、もし弟ブッシュが大統領になれば、兄の時のように・・・

2015年4月23日木曜日

「二階ペーパー」とは何か

日本の政治家は何を考えているのか判りません。かつては小沢一郎議員の忠臣として自民党内で活躍し、日中国交正常化30周年記念には、江沢民の揮毫と講話を中国語で刻んだ石碑を和歌山県の新庄総合公園に建立しようとしたり、何かと売国議員の酷評のあった二階俊博衆議院議員です。

この二階俊博議員が、安倍政権で自民党総務会長の役職に就き、多くの国民の心配をよそに活躍し始めました。
自民党議員一人一人の心証を良く理解していると言われる二階俊博議員ですが、今年2月に「二階ペーパー」なる日本経済の新説を唱える資料を発行したのです。

中共寄りの議員ですから、また売国的経済政策を打ち出したのかと思いきや、「プライマリーバランスの改善を目指すことは、そもそもの財政規律目標である『債務残高の対国内総生産(GDP)比の改善』の障害だ」として、財務省の方針に真っ向から異を唱える論文だったのです。

1990年代のクリントン米政権が、政府投資を大幅に拡大して経済のパイを膨らませ、債務残高のGDP比を低下させた事を取り上げ、公共投資の重視を掲げ、農協改革の裏でも腕力を発揮した二階俊博衆議院議員。
安倍首相も一目を置かざるを得ない状況になってきました。

経済財政諮問会議では、2020年度までに国と地方のプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化することを目標に掲げています。
そして、目標達成のために財務省とともに行政改革を主張する行革派がおります。その筆頭が河野太郎行政改革推進本部長で、「債務残高のGDP比の低下は、たまたま低い長期金利と高成長率の恩恵をうけているだけ。2023年度の先は長期金利の上昇でGDP比は悪化する」などと、述べております。

確かに長期金利が上がれば国債価格は下がります。しかし、8年先の長期金利がどうなるか、河野氏はどうやって予測しているのでしょうか。

財政健全化のために、プライマリーバランスを黒字化する。そのためにどれだけ増税を行い、どれだけ歳出削減を行うかという議論だけが、財務省と行革推進派のしてきたことなのです。
しかし、デフレから脱却する前にそれを行えば、景気は更に悪化し、税収は落ち込み、いつまで経っても財政健全化など出来ないことは、すでに我が国のこの20年の経験で知っているはずです。
それを未だに言い続ける河野太郎議員は、これまでの経験で何を学んでいるのでしょうか。

そしてこのような不毛な議論に対して出されたのが、この「二階ペーパー」だったようです。
「積極財政を行えば、税収が増え、GDPが増加し政府債務の対GDP比は減少に向かい、暫くするとプライマリーバランスも黒字化する。・・・」
このことは、すでに日経のシミュレーションでも証明されています。また、外国の例にも多くあり、歴史的にも証明されています。
さらに、内閣府の試算でも裏付けが取れたと言う事です。

現在、この「二階ペーパー」が与党の議員の間で出回っていると言う事です。「減税と歳出の拡大をすれば、デフレから脱却でき景気回復し税収が増え財政は健全化する。」という議論が、与党議員の間でなされることは良いことです。これを封印するために財務省がやってきたことを考えれば、それを破った二階氏の辣腕に感謝いたします。

国土強靱化の理論的支柱である藤井聡内閣官房参与は最初からこのことを主張しておりました。また、西田昌司参議院議員も同じでした。
今後この議論に賛同する与党議員が増えてくれば、日本経済は大変希望が持てる状況になっていくでしょう。

消費税増税で消費が伸びないで苦境に陥っている日本です。最良の経済対策は消費税を5%に戻すこと。そんなことは誰でもわかっていることなのです。
初年度の税収にして僅か5兆円という「火中の栗(税収増)」を拾うために、好調だった経済にマイナス成長という大火傷をさせてしてしまった日本です。

理由もなく「国債が暴落する」と叫び続けていた財務省。国債暴落とは金利暴騰ということになります。

例えば10%の高金利の国債が市場で売り出されたら、0.1%の利子の当座預金に預けてある巨額なお金が10%もの金利の国債に殺到します。
買い手が多ければ売り手はそのような高い金利をつけなくても売れることを知り、たちまち金利は0.3%程度に下がってしまうでしょう。
現在日本のマネタリーベースは302兆円もあるのですから。

また、「金利が上がれば政府の利払いが増えて債務のGDP比が上がる」と、河野議員の言うことは嘘だそうです。
日銀の量的緩和がなされていますから、国債の多くの部分を日銀が保有することとなり、政府の利払いは日銀に行き、それは国庫納付金として国庫(政府)に返ってくるからだそうです。

「そんなことをしたら国債が暴落する」とか「長期金利が上がる。ハイパーインフレになる。」などと嘘を言って国民を騙し、消費税8%にしてしまった財務省と行政改革派ですが、この「二階ペーパー」は本当のことを描き出したようです。
与党議員が、このペーパーを読んで理解してくれれば良いのです。
財務省の「嘘」に与党議員が気付いてくれれば、安倍政権は再び大きく羽ばたけるのです。与党国会議員は財務省の役人よりも強い権限を持っているのです。国民から与えられた強権です。それを財務省の役人に封印されるのは、国民に対する裏切りになるのです。

与党の議員一人一人がそのことに気づき、嘘を見破り、健全な国家にしてほしいですね。

2015年4月21日火曜日

ジャーナリスト、マイケル・ヨン氏の主張

アメリカのジャーナリスト、マイケル・ヨン氏が、最近日本のマスコミに盛んに登場して居ると言うことです。
その彼の主張とは、「20万人強制連行説は虚構」というものです。

アメリカ人で、従軍慰安婦などが韓国の嘘であると主張している人として、このマイケル・ヨン氏の他にテキサスおやじこと「トニー・マラーノ氏」が居られます。

マイケル・ヨン氏の主張には、従軍慰安婦について850万ページもある「ナチス戦争犯罪と大日本帝国政府の記録の各省庁作業班(IWG)米国議会あて最終報告」を隅から隅まで探しても、韓国が主張する20万人性奴隷の事実は出てこなかったことが挙げられています。

また、当時の韓国の人口は2300万人規模で、それは現在のテキサス州の2600万人と似ていて、そこで婦女子が20万人も日本軍によって強制連行されたら「きっと辺りは血の海に染まる」と表現しています。
また、「故吉田清治が書いたような強制連行を済州島でしていたら目撃証言が残るはずだ」と述べ、「女性を強制連行するなら拘束して輸送し食事も与えなければならない。戦闘中の軍隊がそんなことをするだろうか」、「アメリカ戦時情報局の報告書には日本の将軍の平均年収が6600円の時代に慰安婦のそれは9000円だったと書いてある」と、これまで「なでしこアクション」などが主張してきたのと同じことを、まったく違う立場から述べております。

その上で、「本当の主役は韓国ではありません。慰安婦問題を地政学的、政治的問題の道具として利用しているのは中共。いわば韓国は、中共の操り人形として利用されているだけなのだ。」と韓国の立場と、中共の悪辣さをはっきりと述べております。
「中共は歴史問題で韓国を走狗として使ってきた。朴槿恵政権が発足する直前にソウルに特使を送り、『中韓が(歴史問題で)はっきりとした態度を取り、立場を示さなければならない』と歴史問題での共闘を呼びかけ、韓国は反日に走った。事大主義の伝統と反日をいわば国是とする韓国をうまく使った」と述べております。

そして彼の本当に言いたいこと、すなわち「アメリカで、歴史問題を使って反日世論を広めている中心は、『世界抗日戦争史実維護連合会』という中国系組織だ。日米韓を離反させようとする中共の思惑を、日米韓の敏感な人間は読み取るべきなのだが、韓国にはそれが見えていない。」と、正しい分析を行っております。

また、問題を起こした元凶の朝日新聞に対しては、「『朝日新聞』は全世界を騙(だま)して、日本に深刻な問題をもたらしたままだ。」と述べ、その上で「重要なのは、慰安婦問題を声高に叫ぶ韓国に対して日本が引き下がらないこと、そして中共の脅威に屈しないこと。」と述べております。
まあ日本がそうであることは、アメリカの国益に直結することもご存じなのでしょうね。

さて、このマイケル・ヨン氏のこれらの発言はすべて本当のことです。その分析も間違いありません。ただ、従軍慰安婦の背後に、それを操る中共が居ると言う問題は、今後「南京大虐殺」の問題になると、今度はアメリカが当事者になってくることをヨン氏はご存知でしょうか。
そしてこの事件に対応するとき、マイケル・ヨン氏はどのような史実を展開するのでしょうか。

南京大虐殺が、根も葉もない虚構であることは、すでに様々な資料、矛盾が出てきております。しかしそれを公表せず、中共に操られたアメリカが、戦後体制を守るために真実であったように圧力をかけてきたことをご存じなのでしょうか。

南京大虐殺は、極東軍事裁判(東京裁判)で初めて登場した事件であり、「日本の都市部を焼夷弾で焼き払ったこと」と、「広島・長崎に落とした核兵器の残虐性」が取り上げられ、非戦闘員を30万人以上殺害したアメリカが、裁かれるような流れになってしまった時、中華民国が出した助け舟が南京大虐殺の虚妄だったことは、間違いありませんね。

これで処刑された方が、中国と日本を何とか和解させようと苦労していた「松井石根陸軍大将」であったことは誰でも知っております。
「敗戦の責任を取って刑に服することはやぶさかではないが、身に覚えのない犯罪で処刑されることは、はなはだ遺憾である」というような言葉が残されております。

戦後日本の復活に、自国の市場を開放するなど、多大な貢献をしたアメリカ合衆国。しかし、その貢献の裏には、このような戦後処理の虚構ゆえの、日本に対する異常な圧力もあったようです。
その圧力の一つが「反日サヨク」の擁護であり、冷戦時に敵対してしまう学生運動にも影響しているはずです。アメリカ自身も国論が分裂し、ベトナム戦争では敗北してしまいました。

日本の占領政策がうまく行ったと勘違いしたアメリカは、その後、これをモデルにして統治しようとした中東の戦線を収めることが出来ず、いまやISILなどによってわけが判らない戦いになってしまいました。

やっと今年の正月に、キッシンジャー氏が「日本の統治がうまく行ったのは、日本国民の努力であって、アメリカはそれを勘違いしただけ」と、その事実を認めましたね。

今年は第二次世界大戦が終わってから70年目に当たります。勝った(と思っている)連合軍は、その式典を中共やロシアで行うそうですが、そこには歴史の真実を覆い隠そうとする政治的配慮があるようですね。いつまでも日本を悪者にしておきたいこと、気持ちはすごく良く判りますね。

もしかすると、あの東京裁判の再評価に関するボールは、今、アメリカに投げられているのかも知れません。
中共が持ち出した「AIIB」という戦略は、アメリカ、もしくは日本を取り込まなければ高い信用が出来ません。中共は、同じ敗戦国「ドイツ」のメルケル首相を使って安倍首相に打診してきました。「AIIBに入りましょうよ・・・」。安倍首相は「不透明さ」を理由に断ったそうですが、オバマ・アメリカはどうするでしょう。米財界は入りたくてしょうがないようですからね。

そして、このことこそ、「そのボールがオバマ・アメリカにあるのではないか」という意味だと考えるわけです。マイケル・ヨン氏は、そのことをどのように捉えておられるのでしょうか・・・

2015年4月19日日曜日

NHK、テレビ朝日、そして自民党

自民党の情報通信戦略調査会が、NHKの堂元光副会長、テレビ朝日の福田俊男専務らから、ある種の報道番組で「政治的な圧力があった」としていることについて事実関係の説明を受けました。
4月17日のことです。

NHKは「クローズアップ現代」と言う番組で「やらせ」があったことについてであり、テレビ朝日は「報道ステーション」という番組で官邸の圧力があったということについてです。

NHKの「やらせ」、「曲解」、「ねつ造」などはこれまでも多々あり、NHKスペシャル・JAPANデビュー「アジアの一等国」という番組では台湾の方の日本語の間違いを利用して、日本が台湾に悪い事をしたような印象を作って、多くの視聴者からクレームがついたにもかかわらず、開き直りとも取れる対応をしたために「裁判」となってしまいました。
日本語の間違いを、それと知りながら利用された台湾の方は、高等裁判所で勝訴し、NHKは慰謝料支払いを命じられております。
その後、NHKは最高裁に上告しておりますが、その裁判は進展しておりません。

インターネットの普及などで、視聴者離れが目立ってきたNHKですが、今度はテレビを持とうと持たなかろうと視聴料を国民全員が払うように法律を変えることが法案として提出され、どうやら今年はそれが成立するという噂です。

その根拠は、NHKが無くなるとテレビ報道しか見ることの出来ない、いわゆるデジタル弱者が困るというものでした。
多くのデジタル通信器が使いやすくなっているのですが、それでも未だに使えない国民が居られることは確かです。しかし、その為に「やらせ」、「曲解」、「ねつ造」のNHKが、国民全員から視聴料を取ることが立法化されると言うことに正当性があるのでしょうか?

今後、電子マネーがお金の本質となり、紙幣が偽造貨幣の危険があるという理由で規制される可能性があります。また、介護ロボットなどの普及において、さまざまなデジタル機器が開発されるはずです。
このような急激に変化するであろうデジタル化社会において、いかにデジタル弱者をサポートしていくかが社会問題なのであり、その弱者に合わせたような、一般国民にとっては悪法とも言うべき法律が出来ないように、しっかりとした議員を選びましょう。

デジタル通信が社会に根付いたことで、双方向通信が常識となりつつある現在、一方向性しか通信手段がなかった時代のNHKシステムは、すでに「不要となっていることを認識すべき」が筋ではないでしょうか。
よく、連続ドラマなどが見られなくなることを心配する視聴者が居られますが、これなどはデジタル通信によっていつでもどこでも見られるようになっていることはご存じなのでしょうか。
ドラマ制作にはお金がかかりますので、故に見たい番組だけは有料になることは致し方ありませんが。

さて、テレビ朝日の報道ステーションですが、「政治的圧力があった」ということは事実かもしれませんが、その政治の背後に、デジタル通信によって国会議員と結ばれた国民が居ることを忘れてはいけません。
つまり、政治的圧力とは、国民に背中を押された国会議員の圧力であって、「政治的圧力」とは、言い換えれば「国民からの圧力」と考えるべきです。

「報道の自由」というのは、「視聴者には見ない自由もある」ことを前提にすべきであり、同時に「虚偽などの報道についてはそれを指摘する自由」もあり、その数が多い場合は、政治的に「議員が動かざるを得ない場合もある」ことを認識すべきではないでしょうか。
それを「言論の自由に対する政治的圧力があった」などと、昔のような言い回しで自己正当化するのはやめてほしいですね。

国民は、報道された情報に対して、インターネットなどを駆使してチェックが入れられます。インターネット上に流布されている情報にはいい加減なものが多いことも事実です。しかし、多くの国民が情報リテラシーを確保していますから、雑多な情報群の中から正当な記録を選択することも可能です。
矛盾が出てくればただちに各自がネット上に発信も可能ですから、報道関係者もそのことを意識した報道姿勢が必要になります。

これまでの日本の報道関係者には、戦後の事情からサヨク系が多かったことは致し方ないとしても、双方向が可能な通信時代では、職業報道のあり方も変わらなければなりません。
それが出来ない職業報道陣が、「ネット右翼(ネトウヨ)」などという言葉を使って、自分たちを正当化しようとしています。

本当は、変わらなければならない職業報道をサボッて、過去にしがみ付こうとしているだけなんでしょうけど・・・・

2015年4月18日土曜日

AIIB,その巧みな仕掛けとは・・

アジアから米国関与を排除し、中華世界帝国を建設すると言う中華思想の野望は、ヨーロッパを巻き込んで着々と進んでいるようです。
けん引役を行っているのは中共の「習近平主席」で、金利生活者である欧州貴族の弱さにつけ入った「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の仕掛けは、確実に欧州の息の根を止める効果を発揮するように思います。(AIIBが動き出せばの話ですが・・)

産業革命によって、いち早く近代化した欧州は、貴族資本を運用して強烈な生産性を確保します。アジアを原料の供給源をした貿易で世界は欧州白人社会を中心に回るようになったわけです。
資本という概念が芽生え、化学を応用した技術による生活の改善は、留まるところを知らず、世界は欧州を基本として近代化に向かうわけです。
より豊かさを求めて、欧州各国は派遣を競い、年々強化される近代兵器は殺傷能力を上げ、遅れて産業化してきたドイツを叩いたのが第一次世界大戦でした。

負けたドイツに、産業資本は国家が持つべきであるとする社会主義(ナチス)が生まれ、貴族資本とぶつかり、再び第二次世界大戦という戦渦に陥った世界でした。
貴族が居らず、産業新興国だった日本はドイツと同盟して戦います。

第二次世界大戦には本当の勝者は居ませんでした。「この戦いは正義の戦いである。したがって終結時には領土的変更はしない」ことを条件にして参戦したアメリカが、ドイツを制したのち、核兵器を持ち出して日本を叩き、30万人を超える一般人を殺害して戦争を終了させました。
欧州の貴族資本はほとんど壊滅状態となりましたが、アメリカに逃げたユダヤ資本がこれを救います。アメリカは資本主義国として、欧州貴族資本に金利を付ける役割を担い、国家資本を基本とするソビエト連邦と対峙し、冷戦を戦います。
冷戦時、アメリカは日本と同盟します。中国大陸が共産化し、華人を信用できない日本はアメリカと同盟することで共産主義から「天皇の国家」を守ることを決意したわけです。

高度な開発力を持ったアメリカは、資本主義国の盟主としての地位を確保し、生活を改善する様々な発明品を送り出し、資本主義の優位性を見せつけて、ソビエト連邦に勝利します。
核戦略の均衡によって冷戦を勝ち抜いたアメリカが、インターネットなる情報網を世界に公開すると、アメリカの開発力のほとんどがソフトウエア化して行きます。

「神国日本」とは、匠の技が「神の域にまで達する」という意味だとすれば、ハードウエアの日本に対しソフトウエアのアメリカという構図は合っていたのかも知れません。
しかしこの神技が隣国中共に持ち込まれます。必要なソフトウエアはハッキングによってアメリカから入手します。共産主義でありながら商業国家の中共は、日本から持ち込んだ技によって商品を作り始め、世界中の市場で捌いて利益を上げます。

アジアを蹂躙していた欧州から、アジアを解放した日本。しかしアメリカの暴挙によって日本が負け、正義の戦いとして参戦したアメリカが徹底的に日本を悪玉に仕立てます。

アジアを蹂躙していた欧州を追い払ったことを、日本のアジア侵略と位置づけたり、アメリカに媚を売っていた蒋介石軍を日本帝国主義と戦い日本を追い払った英雄としたり、その国民党(蒋介石の党)軍を追い出した中共は、「国共合作があったから、ともに戦ったんだ」などと自己英雄視したりと、日本悪玉論を70年以上も使っております。

日本の中のサヨクは、日本悪玉論を吹聴するためにGHQによって送り込まれた日本人の共産主義者であることはマッカーサー証言からも明らかですが、それが教育機関に入り込んで多くの感染者を再生産しています。

そしてこのサヨクを使って、日本が世界に台頭することを抑えながら、中共は世界の覇権を握る行為に出てきたと言うのが「AIIB」の背後にあるように思えて仕方ありません。

一方、経済的に中共に追い詰められる欧米キリスト教国は、それでも貴族主義が捨てられず、その財産を持ってユダヤ的金融に頼ろうとしております。

ユダヤ的金融とは、マイヤー・アムシェル・ロスチャイルドが述べた「私に一国の通貨の発行権と管理権を与えよ。そうすれば、誰が法律を作ろうと、そんなことはどうでも良い。」と述べたように、ミクロ経済学を駆使したプロフィット(金融利益)中心の考え方です。
ですから、主権国家から通貨発行権を奪うように働きかけます。そしてそれに頼ってきた貴族主義が、ユーロを生み出してしまったわけです。

日本の財務省もユダヤ的金融を信奉しています。ですから財政均衡主義なのです。アベノミクスで打ち出されたマクロ経済は、日本政府の借金(国債)を日銀が買い入れたことで縮小しました。もちろん帳簿上では数字は残っておりますから「借金は残っている」とも言えますけど、この借金を日銀は返せとは絶対に言えないのです。これがマクロ経済学です。

中共は外国から借金をしています。その借金をしている国家を取り込んで通貨発行を人民元で済ませるようにして行くと、このマクロ経済学のトリックが使えるわけです。
これを狙った「AIIB」。日本が参加しているADBは中共に多額のお金を貸しています。アメリカと日本がAIIBに参加すれば、AIIB とADBの境目がなくなります。

AIIBがどういう仕掛けなのか、だんだん見えてきましたね・・・・

2015年4月17日金曜日

原発報道、テレビ朝日の態度

産経が原発問題に関する各社の報道をチェックしています。最近の原発報道で、テレビ朝日の報道ステーションが行った九州電力の川内(せんだい)原発(鹿児島県)の報道をチェックしました。
この報道ステーションの番組ははテレビ朝日のサイトから閲覧することが出来ます。
http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/feature/detail.php?news_id=41647

これを見ますと、まるで原子力規制委員会による審査結果がいかさまであるような印象が伝わってきますが、そこには意図的な工作があるようです。
古舘伊知郎キャスターが、「地震による破損説でああいう過酷なものになっていったんじゃないか。番組も地震破損説の可能性を追い続けた。検証が行われていない中で、川内原発が夏にも再稼働を迎えようとしている」という説明からこの番組が始まります。

しかし産経によりますと、福島原発の被災での地震破損説は、9回の現地調査を実施した上でコンピューターによる再現解析などを行い、科学的に否定されていると言うことです。
もし、これらの調査が間違っていると言うなら、その科学的根拠を示すべきですが、報道ステーションではそれは行っておりません。

また、あの大地震があってから津波が来るまでの約50分間に、原発内の機器類にはまったく異常がなかったという報告が、当時第1原発の所長であった(故)吉田昌郎氏への政府事故調による聴取で明らかになっております。

これを無視した古舘氏の発言は、自分の印象を視聴者に与えているだけで客観的根拠は何もないことが判ります。
客観性を欠いた報道は、煽動的報道であり、社会を混乱させる意図を持ったものとも受け取れるのではないでしょうか。

番組の中で、神戸大名誉教授の石橋克彦氏(応用地震学)の意見が述べられております。 1)内陸地殻内地震 2)海洋プレート内地震 3)プレート間地震の3つある新規制基準の中で、九州電力は内陸地震しか取り上げていないとして、「別の2種類の地震を検討対象にいれるべきであり・・・」という主張です。

これについて、規制委の田中俊一委員長の「審査が基準地震動(想定される最大の揺れ)で耐震性を考慮している」との説明と、「そっち(2種類の地震)を考慮していないということはない」という説明だけを放映しています。
しかし、別の規制庁幹部が述べた「プレート間、海洋プレート内地震については、非常に距離が遠く、敷地に大きな影響を与えることはないということで検討用地震として選定していない」という話には全く触れていないと言うことです。

このような報道の目的は、東日本」大震災後に作られた原子力発電所に関する「新規制基準」を否定することが目的のようです。
福井地裁の樋口英明裁判長は4月14日の判決で、福井県にある高浜原発3、4号機の再稼働に対し「運転差し止めの仮処分」を出してしまいました。

この樋口英明裁判長は、昨年5月も大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じております。
いずれも「新規制基準」をクリアした原発でした。「新規制基準は緩やかに過ぎ、合理性を欠く」と言うのが樋口氏の主張ですが、どこが穏やかで合理性を核のかは説明されておりません。

この裁判による再稼働阻止は、民事訴訟として行われている反原発運動です。
「新規制基準」が出来て、これをクリアした原発の再稼働が可能になった時、基準地震動(想定される最大の揺れ)の算定基準をめぐりまとめることが出来ませんでした。

現在判っている根拠に基づいた「新規制基準」に対して、自然の恐怖は人類の英知を超えると言うような宗教的根拠で基準地震動を捉えようと迫る反対派。
そして裁判は、この反対派にとって有利な「樋口裁判長」が担当する順番を待って審理を行うという反対派の戦略があったと言うことです。(冨宅恵弁護士の分析)

原発再稼働は、我が国の産業競争力を維持し国民生活を守るために必要なことは言うまでもありません。
しかし、核の恐怖を煽った冷戦構造の後遺症なのか、原発反対の運動はまるで「宗教裁判」の様相を呈してきました。

そしてこの原発再稼働というエネルギー問題を、宗教裁判に展化して阻止しようとする反対派。これに加担し、国民を洗脳しようとするテレビ朝日の報道姿勢・・・

一方ではすでに技術者は原子力電池というような原子炉を開発しております。原子炉は小型化され、安全性では都心のど真ん中の建設しても大丈夫というところまで出来ていることを、この宗教裁判はどう判断するのでしょうか。

過去の宗教裁判が人類にとって何の意味も持たなかったことは、すでに歴史が証明しております・・・

2015年4月14日火曜日

アメリカはAIIBに参加するか?

習主席によって、周到に練られたドル覇権突き崩しの要、「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」です。
このところ鈍化を続ける中共経済ですが、それでもまだ成長を続けていることは間違いありません。その成長をすこしでも取り込みたい欧州勢が、AIIBになだれ込んでいるようです。

アメリカの懸念は、現在中共が持っているドル建ての外貨準備をAIIB関連の投融資にまわす可能性が大きいことです。いや間違いなく中共はそうするでしょう。
それは米国債をも市場で売られる可能性があり、そうすれば米国債の下落が必至となります。

第二次世界大戦後、ブレトンウッズ体制によって国際経済秩序が策定されました。しかし、ドルを兌換紙幣としたために、ドルの需要に発行が追い付かなくなります。
そこで1971年、ニクソン大統領が行った兌換の廃止宣言。つまりニクソン・ショックを発効してドルを国際通貨にして行きました。

金との兌換が出来なくても石油決済はドルで行うことは変わらなかったからでしょう。IMFと世界銀行もドル経済が牛耳っていました。
アメリカ政府は国債を発効し、それを市中銀行が買い、ドルを政府に融通します。市中銀行は連邦準備銀行に米国債を担保としてドルを融通してもらう構図です。

そして、ドルは国際的な決済通貨の地位を譲らず、ゆえに各国政府の外貨準備もドルで持つことになります。
つまり国際的な決済もドルで行うことが常識になり、故にドルの需要が高まり、アメリカは通貨発行益を取ることが出来ました。
欧米がロシアに科した経済制裁も、決済通貨がドルであるから出来たわけです。

冷戦時代はドルに対してソビエトのルーブルも決済通貨だったわけですが、それは共産圏でのこと。冷戦が終わってからドルの一極支配となったわけです。
これに挑戦したのがイラクのフセイン大統領と、そしてイランのアフマディネジャド大統領だったわけです。しかしその生産力は弱く、結果的に信用創出は出来ませんでした。

そして次の挑戦者として中華人民共和国が出てきたわけです。
中共は慎重で周到です。国家に生産力を付け、貿易を活発にしてドル経済圏においてドルをかき集めました。そして米国債を大量に買い込みます。もちろんそれを売ったのはアメリカ自身なのですが、ある意味では中共にしてやられたということでしょうか。
アメリカの東洋人に対する偏見が油断を生んだとも思えます。日本は中共の危険性を叫び続けましたが、アメリカは聞く耳を持ちませんでした。

「いつかひっくり返してやる」という中共の思いは、アメリカにオバマ政権という無能な政権が出来たことで早まったようです。

AIIBは、生産力を落としてしまった欧州を狙って、まずは英国をターゲットにしました。ヒットラーに媚を売っていたチェンバレン首相の時と同じように、人権外交などと言う大義に踊らされたキャメロン首相の足元を見た策謀で、欧州を取り込んだのです。

もしかしたら、これは華人の英国(アングロサクソン)に対する復讐の始まりかも知れません。

そして、もはやドル支配が守れるかどうかの瀬戸際のアメリカ国内は、「米国は間違いを犯した。(業務の)透明性を確保し、中共主導でやらせないためにも、あえて参加すべきだった」などという意見も出始めました。
今、アメリカ国内では中共が主導して設立する国際金融機関・AIIBへの参加をめぐり、意見が錯綜(さくそう)しているそうです。

ルー財務長官は、下院金融サービス委員会で「米国主導の国際システムに新興国をつなぎとめるべきだ」と語ったそうです。
国際通貨基金(IMF)で、中共を始めとする新興国が求めた発言権拡大を、米議会が承認しなかったために、中共が主導権を取ってAIIB設立を言い出したという意味です。
ここにもアメリカの新興国に対する偏見があるのではないでしょうか。偏見がないように個人的には繕えますが、米議会という集団の判断では、偏見が表に出てしまうのかも知れませんね。

これはADBにも言えることです。信用調査や回収可能性の調査をやめろと言うのではなく、もっとスピーディに行う技術を確保しなければならないと言うことです。

AIIBがいつ発足出来るのかは判りません。また、その投資基準も判りません。中共国内の余剰生産物を新興国に捌けさせる手段であっても、回収をどのようにして、利益がどうなるのかもまだ判りません。
ただ、欧州が参加し、東アジア経済に「人民元経済圏」が出来るようなイメージ戦略が動き出しただけです。

中共が抱えるアメリカ国債を売って、周辺新興国に人民元建てで貸付け、中共国内の余剰生産物を捌いて決済を人民元で行えば、間違いなく人民元経済圏が出来上がるでしょう。
しかし東アジアの新興国は一筋縄ではいきません。ドルも使うでしょうし、円も使うでしょう。中共から鉄鋼を買って、新幹線は日本製ということもあるかも知れません。
価格の高い日本の新幹線ですが、ADBでの返済期間を倍にすれば、返済額は運用でカバー出来るでしょう。AIIBをカードに使いながら、このような交渉が展開するように思います。

もはや国際間の決済も、インターネットで瞬時に出来る時代です。為替決済で通貨単位の問題はなくなる傾向にあります。各国の主権である通貨発行も、為替決済で自国通貨が安くなるだけのこと。

ようするに各国の生産性(GDP)がすべてとなる時代なのです。
そこを十分に理解して、日本は決してAIIBに参加しないようにしましょうね。

2015年4月13日月曜日

おかしな明治神宮の展示

12日午後、天気も良いので明治神宮に知人と出かけました。
多くの人が参拝に来ていて、しかも英語やフランス語、そしてタイ語、中国語などが飛び交っております。国際的な観光名所になってしまったかのような明治神宮の昨今です。

参拝を済ませてから、明治神宮宝物殿というところに行ってまいりました。
明治神宮宝物殿は、明治神宮が創建された翌年の大正10年(1921)10月末に竣工、奈良の正倉院の校倉造りを模した鉄筋コンクリート建築の代表的な建物だそうです。

ここで何か釈然としないものを感じました。奈良・正倉院は木造であり、校倉作り(あぜくらつくり)という独特の工法で出来ています。
そしてこの木造建築だけが、奈良時代から今日まで修理はしても建て替えはしない木造建築なのです。

よく、校倉作りを北米のログハウスと同様の工法としている文章を見受けますが、ログハウスは1000年以上も持たないでしょう。
校倉作りは、丸太ではなく、外側に向いたフィンと、かすかな隙間を開け、空気が流通するようにして、しかも湿気があると、この隙間が木材の膨潤でふさがるように仕掛けられています。
外側に向いたフィンは、中に向かう風の流れを圧縮し、中に吹き出す時は断熱膨張で乾燥することを知っているような、そんな仕掛けです。

木材にとっては湿気が腐敗につながります。奈良時代の匠の神技は、宝物を湿気から守り、しかも空気を循環させて乾燥をもたらすという、現代建築技術をもってしても出来ないようなことをやってのけた建築です。

これが校倉作りの基本だと思いますが、この明治神宮宝物殿は、当時としては最先端技術の鉄筋コンクリート作りと言うことですから、校倉作りの形骸化した様式だけのものでしかありません。
それを「校倉風大床造り」と称すなど、どうも不愉快なイミテーションのように見えて仕方ありませんね。

さて、建物が不愉快な明治神宮の宝物殿ですが、中に入ると歴代の天皇陛下の肖像画がかけられておりました。
どうして肖像画があるのか、判らない人物の顔を描く必要があるのか、その意味は?・・

気になるのは、中に女性天皇と見える肖像があることです。何代かは覚えておりませんが、恐らく幼少の天皇で、摂政として母親などが執務を行った時代なのでしょう。 が、どうもそこには女性天皇を容認するような、不愉快なイメージが伺えます。

そして、初代天皇陛下である「神武天皇」の肖像を見たとき、その顔が、あのオウム真理教の「麻原彰晃」に似ていることに驚かされました。
一緒に行った友人も、あとで「まったく・・・」と同意していましたから、何かそこに意図的なものを感じてしまうのです。
今から2675年も前の肖像ですから、どのように描いても仕方ないのですが、それにしても・・・・

我々の主観かも知れませんから、もし興味のある方は明治神宮の宝物殿でご覧になってください。似ていないと思われれば、我々が間違っていたことになりますが。

その後、この宝物館の入場券(500円)があれば、特別展示の「『源氏物語』でみる宮廷装束の雅展」も見られますと言うことでしたので、そちらも見に行きました。

展示内容は主として「十二単」の説明につぎ込まれていました。橙色に染められた衣から、白い衣を何枚か着て、その上にさらに赤や緑、そして紫と言った色のついた絹の衣を合わせて着るとのことですが、展示には、その絹の原糸と、染に使った草木の種類などが展示されていました。

ここで、絹糸の説明にデニールという単位が使われておりました。デニールが繊維の太さを表現する単位であることは判っておりますが、この単位は化繊が出来てから定義された単位ですので、古代の絹糸の説明には何か違和感を覚えます。

この絹糸は「2デニールだ」という説明になっておりますが、判りにくいのではないでしょうか。
つまり、この絹糸1本を9000mで切って計った重さが2グラムであるという意味になります。軽いことを表示したかったのかも知れませんが、だったら「原糸1本9000mにした時の重さが2グラム」と書かないと、専門家以外には判らないのではないでしょうか。

明治維新で、瞬時にして中央集権を成し遂げた日本。その為に戦った犠牲者を靖国神社に招魂し、自らの崩御の後に作られた明治神宮。
和魂洋才の大義の元、近代化を急いだ日本。しかし今振り返れば、日本の培ってきた大和的な感性は、欧米列強をも凌駕していたことに気付かされます。

1000年以上を経過してもその神技が衰えを見せない奈良・正倉院。それを鉄筋コンクリートで模倣した明治神宮の宝物殿が、今後何年維持可能なのか、それは今後の経過を見なければ判りません。
奈良・正倉院も、作られた直後はこの匠の技を見ることは出来なかったはずですね。1000年以上の経過を見た今だからこそ「これを作ったのは神様だ」と感じられるのでしょう。
この鉄筋コンクリートも、1000年以上持つ神技だったとしたら・・・それは1000年後のお楽しみですけど・・・

2015年4月12日日曜日

ミス・ユニバース日本代表に宮本エリアナさん

ミス・ユニバースと言えば、アメリカ合衆国の実業家で資産額20億ドル(約1,668億円)の大富豪が始めた国際美女コンテストのことであります。
実業界と言っても不動産業で、当然のことながらサブプライムローンのあおりで倒産した経験を持っている実業家です。

このようなミスコンは大きな大会が3つあり、それぞれ各方面からの非難も上がっていることはご承知の通りです。

批判はともかく、世界中が注目することは間違いないようで、やはり「世界一の美女って誰」などと好奇心に駆られるのはどこの国でも同じようですね。

そして今回のミス・ユニバース日本代表に選ばれたのが「宮本エリアナさん」でした。
長崎県佐世保市で生まれた彼女は、アフリカ系アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれたハーフです。
中学校を卒業後米国へ留学し、父の出身地である米アーカンソー州ジャクソンビルで高校生活を送り、日本に帰国後バーテンダーとしてアルバイトをしていたと言う彼女。今後はミス・ユニバース世界大会代表に出場した後、モデル活動を開始する予定だとか。
現在は20歳の、輝いている美女であることは間違いありません。

子供のころ、肌の色や髪の毛をからかわれ、学校ではゴミを投げ付けられたり、差別的な言葉を吐かれたりしたそうです。
「クラスメートに同じプールで泳がないでと言われたこともある」などと話す宮本さんです。ミス・ユニバースへの参加の動機について、「自分と同じハーフの親友が、自ら命を絶ったこと」という宮本さんは、この親友が「日本人に受け入れられていない気がする」と話していたことに奮起し、ハーフに対する世間の見方を変え、日本の世の中をちょっと変えたいと思ったとか。

彼女が日本代表に選ばれると、すぐにネットの書き込みなどで「日本代表にハーフを選んではダメだ」とか「日本人らしくない」などの書き込みがなされたそうです。

しかし彼女は「(このような)批判がなかったら、逆に私が出る意味がなかったんじゃないかと思う。批判は無視せず、その人たちの考えを変えられるような活動をしたい」と、極めて冷静に話しています。

さて、「日本人らしくない」とか「日本代表にハーフを選んではダメだ」と言う方々は、日本人をどのように定義されているのでしょうか。
肌の色とか骨格、顔の造作でしょうか・・・

この日本列島には、縄文時代以前から多くの民族が入ってきております。それぞれが集落を作り、さまざまな生活を営んでいたはずです。
古事記よりも古い時代に書かれた「富士古文書」や「上記(うわつふみ)」などには、これら各部族と戦って一つにまとめるための遠征(討伐)を神武天皇が行ったことが描かれているそうです。
特に、「天孫族」と「出雲族」の戦闘は激しかったようで、やがて出雲族が講和に応じ、国を譲ったことは、古事記などの記載と同じだとか。

つまり、日本人という「遺伝学的」なものは無いと言うことです。さまざまな血が混ざった種族であり、ゆえに文化もまた混合されています。
だからこそ、神武天皇を紀元とする「万世一系・天皇の系譜」が国家をまとめるために必要不可欠だったことは想像に難くないのではないでしょうか。

神武天皇が日本を作ることが出来たのは、肌の色、骨格、顔の造作などにこだわらず、有能な者を適切に配置していったからでしょう。このような観点からの差別は、組織を弱くし衰退させるだけではないかと思います。

宮本さんが選ばれたことで、欧米のメディアが「日本人のアイデンティティー意識の変化か」などと書いておりますから、相当日本は均一民族だと思われていたようですね。

20歳の彼女は、現在はアメリカと日本の二重国籍になっているそうです。しかし22歳までにどちらかを選ぶ法律になっているとか。どちらを選ぶかというデイリー・メール社(英国)の質問に、彼女は「もちろん日本を選ぶわ。自分では、私はとことん日本人だと思っている。そう、100%日本人よ。肌の色の違いは、その人となりとは全く関係ないはず」と力を入れて語ったそうです。

受賞スピーチで「日本代表がハーフの私でいいのかなという不安がありました。でも周りの皆さんの支えがあってここまで来ることができました」と語った宮本さんです。

ぜひ日本代表として、日本人の振舞い方を外国にアピールしてきてほしいですね。

2015年4月10日金曜日

朝日新聞社を潰す意味

4月7日の朝日新聞に、「教科書はだれのものか」と言う記事(社説)が出ました。ようするに「教科書は、国の広報誌であってはならない」と言いたかったようです。

では「マスコミは誰のものか」と問うたら、朝日新聞は何と答えるのでしょうか?
嘘を平気でつき、しかも自国を侮蔑する報道をして、間違い(嘘)を認めてもなお、日本国を貶め、中韓に媚びているような記事ばかりが目立つ朝日新聞なのです。

この7日の記事に対して、産経の阿比留瑠比氏は、「『教科書は日教組の機関紙であってはならない』とも書け!」と強い調子で抗議しております。

この社説は、来春から使用される中学校教科書の新検定基準で、歴史に関して「通説的見解がない事項の記述にはその旨を明記すること」とか、「政府見解を尊重すること」などが入ったことに抗議する意味があったようです。

阿比留氏は、「現場の教員が主に務める「調査員」が、いままで実質的に採択の方向性を決めてきました。そのため、教科書記述は声の大きな日教組教員らが好む左寄りの内容となっていました。」と述べております。

そして、「朝日はそうした教科書採択の実態、問題点には目をつむり、決して『教科書は、日教組の機関紙であってはならない』とは書きません」と、批判しています。

この朝日の同調するかのように、民主党の細野豪志政調会長は、「多様性が認められている教科書の記述の幅が狭まった。あたかも政府広報のようになるのは非常に違和感がある」と批判しました。

「具体的にどの部分か」との記者の質問には答えず、「報道などを通じて接している情報に限定されるので、個別のことについて申し上げる状況ではない」とか「それは教科書をしっかり全部読んだ上で言うべき話だろうから、報道で私が把握している情報の中で申し上げることじゃない」と逃げたようです。

細野政調会長は、「領土の記載が増えたことは評価できる。日本がしっかり正当性を主張することは非常に重要だ。国民的な理解は必須だ。これまでの教育で、きちんと教えてこなかったことは問題だと思っている」などと述べているそうですが、ではなぜ、この新検定基準を批判したのかが判りません。
阿比留氏は、「当日朝に読んだ新聞の論調に引きずられ、安倍政権批判の材料になると安易に飛びついたのではないか」と疑っているようでした。

朝日新聞が嘘をつき、政治家がそれを利用して国民をだまし、それを上塗りする形でまた朝日が嘘をつく・・・という連鎖があるのでしょうか?
そこに中共や韓国などが乗ってきて、すぐさま朝日は「国際問題だ」と煽り、賠償問題にまで発展させ、そして支払われた我々の血税が、やがて回って反日政治家の懐に入るという筋立てが今までだったのかも知れませんね。

巻き込まれた韓国は、もはや変えることもできずに、韓国外務省経由で「竹島(島根県隠岐の島町)の領有権を主張する教科書が合格したことに抗議する」などと因縁を付けています。
すぐさま菅官房長官が「抗議は受け入れられない」と反論しましたが、日韓関係を正常化しないと韓国そのものが北朝鮮化していく現実に、いったいこれからどうする気でしょうか?

朝日新聞は今年の1月も、「日本は1951年のサンフランシスコ講和条約で東京裁判を受託し、主権を回復した。戦争責任をA級先般に負わせる形で国としてのけじめをつけた。この事実は否定しようがない。」などと事実誤認の記事を書いており居ます。

英文で「ジャッジメント」となっている部分を「裁判」と訳し、反日サヨク日本人は、「日本語では裁判と言えば判決をも含む意味である」などとして東京裁判を受諾したことは「判決結果を受託した」と言い続けております。
しかし、日本語でも裁判と判決は違います。ここは「東京裁判の判決を受託した」とすべきです。
一般的に見ても、有罪判決を受託して刑に服しても、判決結果には反対する人たちもいっぱい居ります。

判決結果を受託すると、刑期が短縮されたり情状酌量なども出来ますが、判決結果に反対すればこれらはあり得ません。フルに刑期を務めることになります。
日本は「判決を受託しました」が、判決結果は受託しておりません。そしてサンフランシスコ条約では、判決を受託し、その刑期が終わったことを宣言したわけです。本当は「蒸し返さないと約束しろ」と言われて、それを呑むことで占領が解除されたわけです。アメリカは相当ビクビクしていたと言うことですね。
それが「主権回復」の意味だと思っています。

ですからこの朝日の記事は嘘だと言う訳です。

一番の問題である「反日サヨク日本人」。彼らが寄り添う拠点であった朝日新聞。ここを核にして世界中に「従軍慰安婦」とか「南京大虐殺」「百人切り問題」などを世界に広めてきた反日サヨク。
世界がどう言おうと。これは日本国内の問題であります。反日サヨク分子のたまり場の、最大の拠点である朝日新聞社・・・

朝日新聞社を潰さねばならない理由は、ここにあるわけです。
http://www.asahi-tadasukai.jp/

2015年4月8日水曜日

水素社会は実現するか

燃料電池自動車が登場してから、水素社会という言葉が派生してきました。現在が石油社会で、石油時代です。
石油に代わるエネルギーとして原子力がありますが、あまりにも国際利権がらみが多く、自由度に難があります。また、原子力エネルギーは基本的に石油エネルギーの国際戦略の上に成り立っておりますから、石油も原子力も同じ土俵のエネルギーであることは間違いないでしょう。
石油利権とは、「石油取引はドルで決済する」という戦略で、これによってドルが国際通貨としての地位を固めたわけです。

これに反抗する国々は、アメリカとの戦争を覚悟せねばならず、それをやったのがイラクのフセイン大統領だったわけで、現在もプーチン政権が頑張っています。(だからプーチン大統領が悪者にされているわけですね)
イランが原発を推進すると言ったのも、このドル支配を終わらせることを意図したわけですから、「原爆に流用される」としてアメリカに叩かれたわけです。

日本は戦後、必死の対米工作によって「アメリカ型の原発にする」と言うことで原発開発をすることが出来ました。
日本の核物理学は戦前から進んでいましたし、それをアメリカは知っておりましたから。
アメリカに勝利をもたらした原爆。その原爆開発の功労者にノーベル物理学賞を与えようとした連合国側は、その候補者たちの論文がほとんどすべて「湯川秀樹博士の中間子論」を参照していることにショックを受けます。

敗戦国日本に物理学賞など渡したくない連合国側です。しかし湯川に渡しておかないと、これ以降の核科学の学者にノーベル賞を出せなくなってしまうことを考えた連合国側の、苦渋の選択が「湯川秀樹博士のノーベル物理学賞受賞」であったことは、すでに有名な話ですね。

こうして核エネルギーも石油支配の範疇となりました。ただ、核エネルギーはそのスタートを原爆として、ソビエトとの間で核兵器による平和(冷戦構造)を作り、核兵器の恐ろしさを吹聴するために放射能の危険を過大に評価してきました。恐怖の平和維持のため、ハリウッドの映画を作って・・・
そのため、原子力発電に各国国民が恐怖を抱くようになり、普及には時間がかかっているようです。

ゆえにアメリカは、新エネルギーに対してはピリピリしています。再生可能エネルギーには寛容ですが、それは、再生可能エネルギーがほとんど役に立たないものだからでしょう。
メタンハイドレートなど、本格的に石油代替エネルギーになるような開発には盛んに文句をつけてくるそうです。

燃料電池を使った自動車が現実のものになると、水素がエネルギー源になってきます。そして水素がエネルギーの主役になり、石油を不要とする社会が出来るのではないか・・・それを水素社会と表現しますが、アメリカがどうでてくるか、それによって水素社会が実現するかどうかが決定されるのではないでしょうか。(水素を燃料とする内燃機関もすぐに作られるでしょう。排気ガスは水蒸気だけです)

東芝が、2020年までに水素社会を実現すると自信たっぷりです。府中事業所に「水素エネルギー研究開発センター」を設立しました。
再生可能エネルギーで起こした電気で、水を電気分解して水素を取り出し、必要に応じて燃料電池を使って電気を取り出す技術にメドをつけたということです。
つまり、不規則な発電を水素を介入させて安定した電気に変えるという訳です。これならばアメリカも文句は言わないでしょう。

東芝は災害時に電力を供給する小規模な水素給電システムを自治体や交通機関向けに発売する計画で、離島などに向けた供給システムも2029年度実用化する予定だそうです。

しかし、当然ながら水素が主力エネルギーとなれば、こんなシステムでは需要に追いつけないでしょう。
どうやら東芝はそこを狙っているようです。

本当の目的は水素を安く大量に作り出せる「高温水蒸気電解技術」の売り込みです。もちろん使用するのは「小型ナトリウム冷却高速炉」、即ちSuper-Safe, Small & Simpleで、愛称は4S。
高温原子炉の一つで、冷却材にナトリウムを使う高速炉です。敦賀にある「高速増殖炉・もんじゅ」で得られたデーターをもとに、安全で多目的用途に使える小型原子炉で、ニュークリア・バッテリーともいわれているようです。

この密封型の原子炉は、中性子遮断板が徐々に移動して連鎖核分裂を行わせ、内部に充填された核燃料を使い切るまで20年から30年かかると言うもの。
使い終われば交換するだけで、そのまま核廃棄物になるので、30年間使える電池のようなものですね。
核燃料の入れ替えや、冷却水の必要などはありませんので、安全で、しかもランニングコストが安くなるわけです。

ナトリウムという強酸化材が心配な場合は、高温ガス炉もあります。コストは高くなるようですが冷却材に安定したヘリウムガスを使う炉です。
詳細: https://www.iae.or.jp/htgr/pdf/00_summary01/00_1.pdf

これら原子炉の設置が、反日サヨクや、ハリウッド製放射能恐怖にかられた人々の反対、そして欧米の邪魔を克服してなされれば、水素社会はまもなくやってくるのでしょうけど・・・

2015年4月7日火曜日

対中共、アメリカの静かなる怒り

中共が推し進める「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」に英国が参加を表明し、旧英連邦の国々であるオーストラリアとかカナダも参加を表明するなど、その勢いは増しているかに見えます。

日本の中にも焦った官僚などが居たようで、AIIBの基本的なやり方(運用形式、信用調査など)を問い合わせたようですが、「まだ何も決まっていない」として、その実態は未だ雲の中といった感じです。
(にもかかわらず、福田元首相は「参加を考えるべきだ」などと講演したりしておりますが・・)

その中共の軍門に下ったかつての宗主国「英国」。その英国の経済はどうやらすでに破綻に瀕しているようです。中共よりも早いのかもしれません。
そのためかどうか、オックスフォード大学は、世界最古の国際的奨学金制度である「ローズ奨学制度」の適用範囲を来年から中共にも拡大すると発表しました。

ローズ奨学制度とは、南アフリカでの金鉱経営などによって巨富を得たセシル・ローズ氏(1853~1902年)の遺言によって作られた奨学金制度で、宇宙膨張説を唱えたエドウィン・ハッブル博士とか、MITの経済学者であるレスター・C・サロー教授などがこの奨学金制度で人類の為に働いてくれました。
この奨学金は政治家や軍人が多く輩出されております。ビル・クリントン元米大統領とかディーン・ラスク国務長官やジョセフ・S・ナイ国防次官補、トニー・アボット豪首相などがそうです。

これまでの対象国は、アメリカとドイツ、そしてカナダ、南アフリカ、オーストラリアとしていました。そこに今回中共を加えたわけです。
中共の学生がオクスフォード大学で学べば、やがて彼らが要職に就き、中共は民主主義の国家となり、英国流の政治や経済のあり方に変わっていくだろうという、英国の国益を見据えた深謀遠慮があるのではないかとの憶測が出ているようです。

ローズ基金のチャールズ・コン最高執行責任者は、「中国は間違いなく21世紀の世界のキープレーヤーだ。その中国の優秀な若者をオックスフォード大が奨学生として受け入れることは、国際社会に与えるインパクトが大きく、資することも大だ」と述べておりますが、現在世界中で起きている中共への人権批判の声など、知らないとでもいうのでしょうか。それとも教育の不完全さがこのような人権問題を引き起こしているとでも言いたいのでしょうか。

このような英国に比べて、アメリカは反中姿勢が次第に大きくなっているようです。これまで親中派だったアメリカの学者らの失望と変節が始まっています。
これは、「アジアインフラ投資銀行」や「BRICS銀行」への反発と、ニカラグア運河への不快感だけでなく、中共が仕掛けるハッカー戦争への怒りとか、中共が作った国内法の「IT規制法」(反テロリズム法)への怒りなどが複合しているようです。

この「IT規制法」とは、アメリカに向かって「暗号化器(ソフト+ハード)を公開しろ」といっているような法律で、(アメリカの)コンピューターに自由にアクセスさせなさい・・という内容のものだとか。

こんなことをしたら特許技術からなにからみんな取られてしまうことは明白で、アメリカはこの法律に対して、「そんな法を作ってアメリカに迫るなら金融機関への回線をすべて切ってアクセス出来なくするし、ATMも全部引き上げる。そして中共国内のアクセスはすべて接続不能にする。」と恫喝しました。
現在、現金はすべてデジタルデータとしてのお金になっているわけですから、もし中共が暗号化器の極秘部分を取れば、不正のし放題になることは目に見えていますからね。
そうしたら中共は、「金融システム」は除外するなどと言って来たとか。
さすがのオバマ大統領も、「アメリカとのビジネスを今後も続けたいのであれば、この法律を廃止しろ」と怒鳴ったとか。

このおかげで、少なくとも金融機関などに使われている暗号化器は、いまだ解読されてはいないことが判りましたね。

親中派筆頭とされたヘンリーキシンジャー氏も、次のような発言をしております。
「中国は平等な国家からなる世界システムに馴染めず自国を世界のトップ、唯一の主権国家と考え、外交は交渉よりも世界階層秩序での各国の位置づけを決めるものと考えている。
もし中国が他国に『既存システムか、中国主導の新秩序か』の選択を迫るとすれば、アジアでの新冷戦の条件を作り出しかねない。」

どうやらやっとキッシンジャー氏も「中華思想」と言うものを理解されたようですね。「既存システムか、中国主導の新秩序か」という強迫こそが、AIIBでありIT規制法であるということ、まだ認識が甘いようですが。

キッシンジャー氏だけでなく、デーヴィッド・シャンボー(ジョージワシントン大学)教授も、ウォールストリートジャーナルに「中国共産党崩壊論」を寄稿し、中共側を怒らせています。
また、アイキャンベリーの「フォーリンアフェアーズ」にも「中国に失望した」という寄稿をしています。

ジョン・ミアシャイマー教授は、「中国の野心は米国をアジアから追放し、第二に中国がアジアの覇権を握る。第三に現在の領土体制を変えたい。つまり尖閣諸島、台湾を奪取し南シナ海までを『中国の湖』とすることだ」と述べています。今頃わかったのか・・と言う感じですが。

アーロン・フリードバーグ(プリンストン大)教授は、「中国のパワーが成長を続け、中国が一党独裁によって統治されていくのであれば、アメリカとの関係は日増しに緊張し、競合的なものとなって行く。これこそが現在進行している事態であり、好き嫌いにかかわらず、これこそがアメリカとその同盟国が選択の余地なく備えるべき未来だ」などと、今頃になって叫んでおります。

最近安倍内閣に従順になってきた公明党。その公明党との間で妥結した日米安保法制の改正の説明をするための、高村正彦衆議院議員がアメリカを訪問しました。
ワシントンD.C.の戦略国際問題研究所(CSIS)で高村氏が講演した時、国防省の次官補であるデービット・シーファー氏もそこで講演し、「南シナ海でも日米共同対応に期待する」と発言し、「これもガイドラインに組み込む」と発表したそうです。我が国は南シナ海の責任も負わされ始めたということですね。

アメリカは確実に怒りを持って中共離れを始めています。それが我が国にとって吉なのか凶なのか、それは判りません。我が国国内の親中分子が、日本を又裂き状態にするかも知れませんし、アメリカ側の要求もどこまで来るか判りませんから・・・

2015年4月6日月曜日

「八紘一宇」の本義とは何か

産経に、国学院大名誉教授の大原康男氏が「『八紘一宇』の本義と三原発言」というコラムを書かれておりました。

3月16日の参院予算委員会で三原じゅん子参院議員が多国籍企業に対する課税問題を取り上げたとき、「現在の国際秩序は弱肉強食だ」と訴え、その後「八紘一宇」という語に言及し、「日本が建国以来、大切にしてきた価値観である」と述べてから、「世界が一つの家族のようにむつみあい、助け合えるような経済、税の仕組みを運用していくことを確認する政治的合意文書のようなものを、安倍晋三首相がイニシアチブを取り、世界中に提案していくべきだ」と主張したことを取り上げたコラムです。
https://www.youtube.com/watch?v=TCtwwOw-ByI

大原教授は、「第1代神武天皇の即位建都の詔の一節『八紘(あめのした)を掩(おほ)ひて宇(いへ)と為(せ)むこと、亦(また)可(よ)からずや』(原漢文)に由来する言葉で、本来は『八紘為宇』という四字熟語だったものを、田中智学がより語感のよい「八紘一宇」という標語にしたもの」と解説し、「『日本書紀』の神武伝承がルーツであり、昭和前期に対外政策に関わる基本理念として用いられ、公文書にもしばしば登場するようになった」と述べておられます。

サンデーモーニングの岸井成格氏が番組の中で、「戦争を美化したり正当化する言葉だ」などとして「これは国会では、本来ならば懲罰もんだと思うんですけどね」などと語っておりました。
これは明らかに東京裁判史観での発言と思われます。

昭和20年12月15日の、GHQが日本政府に交付した「神道指令」において、「八紘一宇」は「大東亜戦争」とともに「軍国主義、過激ナル国家主義ト切リ離シ得ザル」語として公文書で使用することが禁止されたわけで、あくまでもGHQの解釈です。

大東亜戦争前の昭和15年、第2次近衛内閣が発足したときは「皇国ノ国是ハ八紘ヲ一宇トスル肇国(ちょうこく)ノ大精神ニ基キ…」との一節が、「基本国策要綱(マニフェスト)」に掲載され、そして昭和16年4月からの日米交渉では、「両国政府ハ各国並ニ各人種ハ相拠リテ八紘一宇ヲナシ等シク権利ヲ享有シ…」と日本側が提示した日米諒解案にも掲載されていると言うことです。

大原教授は、GHQは「神道指令」作成時には八紘一宇について調査した形跡はないが、東京裁判の時はかなり突っ込んで議論がなされたと述べておられます。(東京裁判速記録よりそれが判る)
八紘一宇の英語訳として「eight corners of the world under one roof」という直訳から、「making the world one home」のような訳まで多様な英訳が用いられているようです。

東京裁判の判決では、「(八紘一宇は)帝国建国の理想と称せられたものであった。その伝統的な文意は、究極的には全世界に普及する運命をもった人道の普遍的な原理以上の何ものでもなかった」と明言されているそうです。
この判決は、東京裁判で日本人弁護団の副団長を務めた清瀬一郎氏が、「八紘一宇は侵略思想でないということ」の立証に成功した・・と回顧されていることから、それが反映されたものでしょう。

ですから岸井成格氏が述べる「侵略戦争を正当化する言葉」というのは、少なくとも東京裁判の判決からは出てきません。これはその後のウォーギルドインフォメーションプログラムから発せられたものではないでしょうか。
サンデーモーニングの司会者である関口宏氏の父親、佐野周二氏は、戦後GHQからウォーギルドインフォメーションプログラムに協力するよう要請されたと言われています。それが息子にまで影響を与えているとは、GHQの徹底した工作には舌を巻きますね。

連合国側にとって、「八紘一宇」はおそらく排除しなければならない思想だったのでしょう。
その理由は、現在、親日国と言われている台湾やパラオに、かつての日本が何をしたかを考えてみればお判りになると思います。
莫大な投資をしてインフラを構築したわけです。そのインフラが、その国の発展(GDPの上昇)の基礎になるからです。多くのアジア・太平洋の国が発展すれば、それが結局日本の繁栄にもつながるという思想・・つまり投資の思想がマクロ経済学に根差しているわけです。

反面、連合国側各国の投資の目的はプロフィット(利息)指向です。投資をした結果の反映から利益を求め、それを利息として支払わせることです。つまりミクロ経済学に根差した投資なのです。
ですからミクロ経済を拡大解釈すれば、国家から通貨発行権を無くし、グローバルな視野で(地球規模で)通貨発行することが望ましいわけです。

「私に通貨の発行権、管理権をくれれば他のことなどどうでもいい」と述べたのはマイヤー・アムシェル・ロスチャイルド氏(初代ロスチャイルド家当主)でした。その意志は今も活発に機能しているようです。
それは、ユーロがドイツを使ったその実験室であり、ビットコインもまたインターネットを使った実験室に見えるからです。

しかし、ユーロの行き詰まりや、グローバル経済への反発(貧富差拡大)など・・そして巷間噂されている「ISIL(イスラム国)はビットコインを使っているようだ」などの話は、このようなミクロ経済の失敗を示唆していると思います。
欧米とイスラムのテロ戦争は、「(異教徒からは法外な利息を取るが)同朋からは利息を取らないとするイスラム教」と、「すべての融資先から平等に利息を取るというユダヤ・キリスト教」の反目から始まっていると思いますが、もちろんいずれもミクロ経済に準拠しています。

国家主権である通貨発行権を使った、マクロ経済学の実践である「八紘一宇」。これを「瑞穂の国の資本主義」と位置付けた安倍政権。
一国の通貨発行とは、その国民が発行された通貨に見合った仕事を、世界に向かって提供するという国民の意志(覚悟)の表明でもあると思っております。

この通貨発行に付与される国民の「仕事をするぞ!」という主体性こそ、「八紘一宇」の本義ではないか・・・私はそう思う次第であります。

2015年4月4日土曜日

皇室から見捨てられる学習院

国民の人気が高い秋篠宮家の次女・佳子様が、学習院大学を昨年8月に退学され、そしてこの4月から国際基督教大学(ICU)に再び1年生として通学されることになりました。

宮内庁は、佳子さまが眞子さまの大学での話を聞いて憧れを強め、教育関係の勉強をしたいとしていた矢先に、ICUに教育学科が新設されたから・・と述べております。
そういえば、眞子様もICUで学ばれておられますね。

未来の天皇陛下になられる秋篠宮家の悠仁親王もまた学習院を避けて、お茶ノ水女子大付属小学校(男女共学)へ進学されております。

こう見てきますと、秋篠宮家が学習院を避けているように見えますが、どうやら他の皇族方も学習院系以外の学校へ進学する流れが出来始めているようです。

この流れの本当の原因は学習院の左傾化が著しくなってきたことにあるようです。学習院は私立校です。そして学校法人である以上、日教組の教師も入っている可能性があります。
彼らが、皇室の通う学校として、そこに教師を送り込むことを画策するのは当然ではないでしょうか。
皇室解体を目指すサヨク組織が、隠密裏に教師を送り込んだとして、やがて時間を掛けてその毒が回ってくることもあるでしょう。

皇太子・徳仁親王のお子様・愛子様は、徳仁親王が学ばれた学習院初等科に進まれました。その愛子様が不登校になられたことはマスコミの報道でご存知の方も多いはずです。しかし、その理由や問題点は上手に隠されてしまったようですね。
噂では、愛子内親王殿下へのいじめがあったと伝わっております。

「いじめ」はどこにでもある通過儀礼のようなものという考え方もありますが、皇室の関係者へのいじめはもしかしたら異常なのかも知れません。
学習院内部のサヨクによる皇室に対するいじめは半端ではないのかも知れませんね。

このところ学習院出身の一部OBが、中韓系の援助を受けて活動していると言う噂も出始めています。背後には皇室解体を狙う中共と韓国の暗躍があるようです。

このOBなどの企画で韓国旅行が計画され、そこに佳子さまを参加させて、こともあろうに佳子さまに謝罪させようという企みがなされたという噂も聞きます。
それが本当なら、あの佳子さまも学習院をお辞めにならざるを得なかったことは理解出来ます。
皇室の一員であるが故に、本当のことが話せないこと・・さぞかし悔しかったでしょうね。

そういえば、だいぶ昔に皇太子殿下が学習院で行われるコンサートに誘われ、OBとして参加なされた時、見たくもない中共の舞踊団の劇を見せられ、周囲の席には中国人と思しき人で占められていたという記事を何かで読んだことがあります。
騙されたと悟った皇太子殿下は、すぐに上手にその場を引かれたということですが、かなり昔から学習院が中韓の暗躍する場に変わっていることを、私たち国民はもっと重大に受け止めるべきではないでしょうか。

学習院の歴史は、1847年に「仁孝天皇」が京都御所内に設けた教育機関「学習所」からスタートしています。
明治維新後、華族のための学校として、1877年に神田錦町にて開校し、この年が学習院の設立日になっております。

その後の1884年、官立学校として組織替えとなり、そして大東亜戦争で敗戦となって官制が廃止されてしまいます。
仕方なく財団法人学習院となりますが、やがて私学として、学校法人学習院となり継続することとなったわけです。
この時、私学ということでサヨクの標的となり、中共の日本解体のターゲットになったとしてもおかしくはないでしょう。

お茶の水女子大学附属小学校に入学された悠仁さまについて、秋篠宮殿下は、「(お茶ノ水付属小学校は)もともと、学習院のように皇族がたが入ってくる学校ではありませんから、多くの保護者たちは紀子さまや悠仁さまと積極的にかかわろうとはしません。それどころか、“なるべくなら距離を置きたい”というのが本音のようです。それに、自分の子供が何かの拍子に悠仁さまにケガでもさせたら大変などとも思っているんです」と述べられたとか。

学校側も、悠仁さまがご入学されて以来厳重な警備を始め、悠仁さまのクラスは、校内のいちばん奥に置かれ、「子供たちに“用がないときには別のクラスには行ってはいけません”とか“よそのクラスの前の廊下では遊んではいけません”」などと教師が指導しているようです。
父兄たちも子供に「悠仁さまとお友達にならなくてもいいのよ」と教えている人もいるようですね。
どうやらこのようなピリピリしたムードが、なかなか払拭されない悩みもあるようです。

悠仁親王には、剣道や柔道を学んでもらって逞しく育ってもらいたいですね。多少不良っぽいとこがあって、女性にはやさしく、そして高校生になるとき、「俺が学習院の掃除をやってやる・・」くらいの意気込みで学習院高等科に入って、揉まれて欲しいような、そんな気がいたします。
将来の天皇陛下の激務に耐えるために・・・

2015年4月2日木曜日

プーチン大統領への攻撃

このところ旧自由世界のプーチン批判が強まっています。アメリカ・オバマ政権はウラジーミル・プーチン大統領(62歳)の振る舞いを東西冷戦下での旧ソ連の行動様式に重ね合わせる見方が広がっているということです。

安倍政権はこのところこの問題に対しては黙っています。まあ黙っていた方が良いでしょう。
欧米メディアはウクライナ問題から必死のプーチンつぶしを画策していましたが。ついに昔の東西冷戦を持ち出すようになってきたのでしょうか。

ソビエト連邦が官僚主義での行き詰まりで崩壊し、その隙にユダヤ資本がロシアの権益を狙って暗躍していたのはついこのあいだのことでした。
エリツィン政権の時代にこの権益奪取は欧米が成功したかに見えましたが、そこに立ちはだかったのがウラジーミル・プーチン氏でした。

彼の強引な権益奪還策は、欧米に阿る(おもねる)ジャーナリストを暗殺し、ロンドンに居た政敵を毒殺し、ロシア権益を欧米に売っていた経営者を投獄することでした。
そして石油・ガス権益をプーチン氏の掌中に収め、政治資金として利用しながら彼の政権を盤石なものにして行ったわけです。

法により任期が切れた時にも、欧米に阿るであろう一番危険な人物を大統領に据え、自分は首相の座に居て監視を続けました。
そしてその大統領の任期が終わると、再び大統領の座に戻り、決定的に欧米・権益主義からロシアを守ってきたのです。

プーチン氏は元KGBの腕利きスパイだったそうで、欧米が打ってくる手段を知り抜いていました。だから欧米はどうすることもできなかったのです。
ソチでの冬季オリンピックが終了するまでは・・・

ソチでの冬季オリンピックが終わるとすぐに、ウクライナ問題が発生しました。欧米・権益主義の攻撃が始まったのです。
もちろんプーチン大統領はクリミヤ半島から黒海における軍事的プレゼンスを確保しようとしていることは欧米にとっても周知の事実だったわけです。
ロシアとウクライナは、日本でいえば日本と韓国の関係のようなものかもしれませんね。地理的条件は変えられませんし、そこで反ロシアのようなことばかりやっている地域と思えば良いでしょう。

ウクライナにはロシア系の人々も住んでいました。そこにロシアから多くの移民を送り込み、ウクライナをロシアに組み込もうとしたようです。しかしこれはウクライナの民族意識を刺激します。そこを欧米の権益主義に利用されたようです。

人権、自由、迫害、独裁者などの言葉が躍り、欧米マスコミは一斉にプーチン攻撃を始めました。しかしロシア国内では圧倒的にプーチン支持であることを忘れてはいけません。都市部の欧米文化に親しんだ人達は反プーチンになっているようで、そこがマスコミにクローズアップして伝えられていますが、ロシア全体から見れば大したことはないはずです。

アメリカのシンクタンク「アメリカン・エンタープライズ研究所」のロシア研究部長、レオン・アーロン氏は、対ロ冷戦について、「イエス・アンド・ノー」と答えたそうです。
その意味は、「ロシアの歴史的な使命を賛美するような新たな思想をプーチン氏が創造しようとしているのは明らかだが、旧ソ連が持っていた『資本主義と共産主義のどちらかが勝たなければならない』というような思想体系になるようなものではない」と言うもの。(ノーの部分)

この「歴史的な使命を賛美する思想」が何を指しているのか判りませんが、アーロン氏の次の言葉、「プーチン氏が権力の座にある限り、西側との対立を求め続けることだ。世界、少なくとも欧州の政治地図を変えようとする(ロシアの)力に直面し、封じ込めようとしているという意味で、われわれが冷戦で立ち向かったものとの類似点がある」(イエスの部分)によって、欧米権益主義が、それに立ち向かっているプーチン大統領だけを狙っていることが、はっきり感じ取れます。

そしてプーチン大統領のやっている、「権益主義者にとっての欧州の政治地図を変えようとする(ロシアの)力」に、暗に同調する国もあることを示しているようにも聞こえます。

権益主義とは、欧州に残る貴族主義であり、アメリカは大戦後この権益主義にウォール街で利息を付け続けて来たわけです。
そして財閥と言う形でアメリカにも貴族主義は根付き、自由資本主義の御旗の元で欧米の権益による世界支配の構図が出来上がってきたのです。
それが出来たのは、石油本位制度というドル支配体制があったからです。このエネルギー権益は今も歴然と存在しています。どうやら日本のメタンハイドレートなどの新エネルギー開発がいまいちなのは、ここからくる圧力であることも確かなようです。(原子力も石油利権の一部と考えてください)

しかし、産業革命の末期にある現在、その金利はまだ付け続けることが可能なのでしょうか。
プーチン大統領の、ロシアの権益死守の体制が「欧州の政治地図を変えようとする(ロシアの)力」のようには見えません。

金融界が今後どのような策に出て来るかは判りませんが、少なくともこれから世界的デフレの時代になるはずです。それは権益主義にとって都合がいいからです。しかし世界の一般国民は耐えられるでしょうか。

安倍政権は「瑞穂の国の資本主義」という言葉を使いました。八紘一宇のことでしょうが、これはなかなか権益主義には判らないでしょう。
経済学会は、これからミクロ経済とマクロ経済の戦いとなり、国家主権である通貨発行権とインターネット取引きの理論合戦になるような予感がします。

この決着がつくまで、プーチン大統領は大統領で居られるでしょうか。落としどころは見えているように感じているのですけど・・・

2015年4月1日水曜日

認めよ、消費増税の失敗を・財務省

平成26年10~12月期のGDPが伸び悩み、2014年の家計調査では、物価変動を除いたベースで前年比3・2%減となってしまいました。(総務省調査)
東日本大震災で減少した11年以来、3年ぶりのマイナスとなった理由は消費税増税にあったようです。
1世帯当たりの消費支出は1カ月平均25万1481円で、円安に伴う大幅な物価上昇があったにしても、最大の原因はあの4月に行われた消費税8%への増税が影響したとしか思えません。

消費税は景気の足を引っ張り、深刻なデフレを引き起こしてしまう課税方式であることは間違い有りません。インフレ抑制には効果があるかも知れませんが、デフレ期においてはまさに亡国の危機になりえます。

3月30日、米コロンビア大教授でノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・E・スティグリッツ博士が、国連本部で開かれた討論イベントで「昨年4月の日本の消費税増税は『時期尚早』だった」と述べ、「炭素税にすべきだった」と述べました。

スティグリッツ氏はローレンス・サマーズ氏と共に経済学界にそびえる2本柱と言われている人で、IMFの経済政策を厳しく批判している人物としても有名です。
2002年に、「世界を不幸にしたグローバリズムの正体」という本を書き、グローバリゼーションの必要性は認めながらもマネタリズムの風潮には反対の立場(マクロ経済の立場)を取っております。(だから反IMFなのですね)

「銀行が私利を追求しても、それは社会の幸福にはつながらない」と公言し、「金融市場にシステムの機能を損なうような取引を控えさせ、世界的危機が貧しい国に与えた打撃に対して償う資金源とするために、金融市場に新しい税を導入するべきだ」という意見の持ち主です。

そして「日本は世界第二位の経済大国であり、グローバリゼーションを良くするための責任を負っている。日本は経済発展を実現した国でもあり、世界の平和や貧困撲滅に前向きに取り組んできた国である。日本に対しては、今後も途上国援助に積極的に関与してもらいたい」と、日本の八紘一宇を認め、そしてそれに期待をしている学者でもあります。

2013年3月に安倍晋三首相と会談し、その後の記者会見で「アベノミクス」の副作用が懸念されていることについて、「実施しないほうが将来的なリスクになる」と述べました。
そして経済を好転させるために財政赤字を紙幣増刷によってファイナンスするように提言した人でもあります。その後、日銀が国債を買い取り紙幣増刷に回ったことは周知のとおりです。

日米間で行われているTPPについて、スティグリッツ氏は「この実際の貿易協定の批准書は、何百ページとあり、そんな協定は『自由』貿易協定ではなく『管理』貿易協定である。」と述べ、反対の立場にあるようです。
「TPPのすべてが明らかになっているわけではないが、医療や知財についても議論されており、イノベーションが失われる危険性もはらんでいる。」とか、「参加国はタバコに関する規制を課すことができなくなる。そうなると、アヘン戦争のようなできごとの二の舞になりかねない。」など、かなり過激な発言もしておられます。

さらにアベノミクスについて、「安倍総理が掲げる三本の矢のなかでもっとも難しい三本目の矢の成長戦略について、持続可能な成長を促すためにいかにお金を使うか、これは非常に難しい問題である。」と述べ、「これまで人が働くコストを省くことに焦点を合わせたイノベーションが行われてきた。さらに失業者を増加させることにつながるイノベーションを追求していていいのか。」として、これまでの合理化追及の経済発展を批判する発言もしております。

このスティグリッツ氏が、「炭素税にすべきだった」と述べた理由は、「(炭素税なら)炭素排出削減への投資を刺激し、最終的には需要増につながっていただろう」と、その経済波及効果を述べております。
同じ税金でも、景気を損ねる消費税など止めて、景気を刺激する「炭素税」にすべきだったと言うことですね。

炭素税はエネルギーにかかる税金で、ガソリン、電気、ガスの料金が上がることを意味します。しかし重量制ですから、使う量を少なくすればそれだけ税金も少なくなると言うことで、超低燃費自動車への乗り換えとか、照明のLEDへの切り替え、古い空調から省エネタイプの新しい空調への買い替えなどが生じて、経済効果が出て来るという発想です。

微妙なのが電気で、現在の火力による発電を続ければ電気代は現在の3倍ほどになり、原発が再稼働するたびに掛かる炭素税が安くなっていけば、原発再開に明るい政策となっていたと思います。
原発再稼働が進むほどにエネルギー代が目に見えて安くなれば、訳も分からず原発に反対している人達の考え方も変わってくるのではないでしょうか。

また、地熱を利用した住宅などの付加価値も上がっていくはずです。このような住宅はジオパワーシステムという住宅で、最近静かな普及が始まっているようですが、もっと普及すればかなりの経済効果が出て来るはずです。
http://www.geo-power.co.jp/contents/geopower.html

このジオパワーシステムは、コストが300万~400万円ほど掛かるそうです。このシステム導入でどのくらい光熱費が節約出来るのかは判りませんが、炭素税が重ければ重いほど需要が増してくるのは間違いがないでしょう。

重くても避けようのない消費税に比べて、炭素税は重ければ対策があり、その対策には経済効果があり、経済効果が上がれば税収は増えるというわけです。

スティグリッツ氏の考える「炭素税」を、これから2年後の消費税引き上げに対して、財務省を巻き込む議論に発展させて行きたいですね。