2018年12月22日土曜日

大廃業時代に思う

日本の将来がどうなっていくかは判りませんが、現状の延長にはならないことは確かではないでしょうか。

現在、我が国には約127万社ほどの頃時の中小零細企業が、廃業してしまう状況にあるようです。その企業規模は3人~10人規模の企業で業績が悪いわけではありません。
直接的には「後継者がいない」ということなのです。後継者が居ないと言うことで、息子や娘、あるいは孫に継げないことか・・と思う方が居られるかも知れません。それもそうですが、他人に継ごうとしたところで、うまく行かない現実があるわけです。

一つには企業の事業継続に関わる相続税の問題です。相続にしろ贈与にしろ、中小零細企業の場合は相続税か贈与税かの違いがあるだけで、莫大な費用が掛かることでしょう。

それは駅前の定食屋(ラーメン屋)でも、その土地が駅前にあると言うだけで地下が高く、相続できません。相続税は現金が基本ですから。
最近は現金が無いために物納という選択肢もあるようですが、物納してしまえば継承は不可能です。

中小零細企業でもモノ作りで独特の技術(技量)を持っている企業もあります。自動車修理工場でも独特の職人的技量のある企業もあります。
そしてそれが廃業によって日本から消えていくわけです。

一つ一つは小さい廃業ですが、127万件となると結構日本の産業の足を引っ張るのではないでしょうか。
そしてこの大廃業を紡ぎ出しているのは必ずしも後継者不足だけではなく、企業減税や消費税10%が原因という側面もあるのです。

企業減税は、その手続きが面倒で中小零細企業が出来るものではありません。上場企業ならば、担当の計理士などが仕事pとして出来るかも知れませんが、3人~10人規模の企業では不可能でしょう。税理士事務所に頼む方法はありますが、その経費を考えると減税されても意味をなさないことになるようです。

そこに輪をかけたような消費税10%時の軽減税率です。まだ確定はしていませんが、ポイント制だとか後で還付などというバカバカしい手法が論じられているようです。
「こんなことをするくらいなら、消費税10%を中止しろ」という声も聞こえてきますが、それでも増税をしたいのは、財務役人の面子があるからでしょうか?

これらの例だけでなく、日本の税制度は複雑怪奇で訳が分かりません。税理士によって支払う税額が違ったり、一般的に知られていない控除があったりと、訳が判りません。

例えばネットで申告する確定申告でも、説明で書かれた表題と申告画面の表題とが異なったものになっていたり、申告をする時の選択肢がいっぱいあって、自分がどれで行えば良いのか判らなかったりします。

なぜこんなに複雑怪奇になるのか、財務省の言い訳はともかく、複雑にすることで素人には出来ないようにして、税理士の出番を作り、そして大手の税務事務所を自分たちの天下り機関とすることが背景にあるように思います。

上場企業には経理部などがあって、そこには財務省OBとして天下りが出来ますから、申告が正しくなくても、あとで言い訳が出来る範囲ならOKで、そこに財務省OBが入っているかどうかが申告を通す判断材料だったりしているようです。

このような財務省発の不合理な税制度が我が国の中小零細企業の足を引っ張ていることもげんじつではないでしょうか。
専門性が高く、個人の技量で活動している企業にとって、税務申告は専門外の仕事です。そこが複雑で時間がかかるとなれば、年を取れば「面倒だから仕事を止めよう」となることは当然ではないでしょうか。
後継者を育てようとしても、誰も継いではくれないでしょう。財務省の管轄外の欧米に出ていって仕事をしたくなるように思います。

消費増税反対も良いですが、この複雑な税制度をもっと判りやすく単純化することも訴えた方が良いように思うのですが・・・

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