ウォールストリート・ジャーナルが、日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者が逮捕された事件について、「ゴーン氏は不可解な宗教裁判に耐えている」などと社説で非難しました。
「かつて救世主とされた会長は空港で逮捕され、起訴されることなく何日も勾留が続き、弁護士の立ち会いもなく検察官の取り調べを受けている。メディアに情報がリークされる中、会長職からも解雇された」と述べ、「共産党の中国で起きた出来事か? いや資本主義の日本の話だ」として我が国の司法制度のあり方そのものを批判しました。
確かに小菅の狭い部屋に入れられて、長時間の尋問に耐えなければならないことはきついでしょうね。しかし、日本国民に対しては誰でも経済犯罪で同じことがなされております。田中角栄元首相もホリエモンも。
ウォールストリートと言えば金融街であることは誰でもご存知。そしてここに日本の資本主義と欧米の資本主義の違いが表れています。
ホリエモンの事件の時、元通商産業省官僚の村上世彰氏(村上ファンド)が、「株主の権利」を主張していましたが、これは欧米の株主資本主義と言えるものでしょう。
これに対して日本の資本主義はちょっと違います。それを何というのか判りませんが、仮に「職人資本主義」とでもしておきましょうか。
欧州では、産業革命以降「貴族」が資金を出し合って織物工場を作り莫大な利益を上げていました。この出資金が株式ということになり、株式会社の運営が始まった訳です。
ですから工場で働く労働者は決められた賃金をもらうだけで企業の利益とは関係なかったわけです。(だから共産党革命が起きたのです)
我が国の近代化は、初期の頃は通商こそが利益を出すと考えられ、坂本龍馬や清水次郎長などが通商会社を模索し始めました。最後に岩崎弥太郎が株式会社制度のもとに通商会社を作ります。
しかし明治政府は「和魂洋才」を旗印に西洋の技術を取り入れることを優先します。その技術は江戸から続く職人たちの手によって具現化していきました。
豊田織機や芝浦製作所、三菱重工(当時は造船所)などが日本の産業革命を「物作り国家」として目指したわけです。
ですから我が国には本質的に株主資本主義は合わないわけです。「額に汗して働くこと」を貴いとするのは我が国だけで、欧州は馬鹿にします。
貴族たちはすぐに経営者が必要なことに気が付き、ユダヤ人を経営者に雇いました。それから時代を経るごとに、株式会社は一般化しますが、利益は株主のものという考えだけは変わっていません。そして高い利益を生み出す経営者は高く評価され、その賃金が高額になることも普通です。
ユダヤ民族の経営能力が、やがて世界の資本主義を動かし始めます。
我が国は企業利益は再投資に回ります。ですから設備が常に新しくなり、従業員の生産性も上がったわけです。それが経済成長を生んだわけですが、欧米の株主資本主義が強引に持ち込まれ、その結果が現在の日本企業を蝕んで来たわけですね。
今回、カルロス・ゴーン容疑者が逮捕された理由と、一般マスコミが流したゴーン氏に対する印象操作とはおそらく違うでしょう。
そしてウォールストリート紙の評価は、印象操作されたゴーン氏に対して「宗教裁判」的な扱いを受けているという「印象操作返し」を行っているようです。
評論家の上念司氏によりますと、カルロス・ゴーン氏は為替デリバティブ商品であるドルのプットオプションを持っていたところ、リーマンショックで追証17億ドルが必要となり、その商品を日産自動車株式会社に押し付けたこと、それが背任にあたると言うものだそうです。
日産は17億ドル出したようですね。
このような大金を押し付けるには、取締役会に掛ける必要がありますが、そこを押し切ったゴーン氏で、ふつうなら取締役も連帯責任です。そこで司法取引きが行われてゴーン氏の背任が表面化したと言うことです。
この事件は2008年に起きた事件で、時効は7年。日本の取締役は時効が成立していますが、ゴーン氏だけは海外に居た時間が長く時効は成立しないだろうと言う事です。
また、17億ドルの追証を押し付けられた日産は、その5年後、円安になったことで損はしなかったとのこと。
ですからこの事件では誰も損はしなかったはずです。しかしゴーン氏の行った追証の押し付け、そして取締役会の私物化は犯罪です。
ここを検察が突いたようです。ゴーン氏側はポール・ワイス・リフキンド・ワートン・アンド・ギャリソン法律事務所のマイケル・ゲルツマン氏と契約したそうです。証券法関係の事案を多く担当し、近年の顧客として、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、シティグループなどの弁護を行ってきた辣腕の弁護士のようです。
ドル・石油リンクの揺らぎで石油価格が不安定になり、そこに自動車産業の変曲点が訪れたこと。電気自動車の登場で低燃費の自動車が要求され始めたことです。
そこで日産の技術を必要とするルノーと、それをアメリカに持って行きたい情報産業の面々、ビッグ3も出遅れた電気化を取り戻したいでしょう。
技術の日産は職人の株式会社です。カルロス・ゴーン容疑者が持ち込んだ株主資本主義と、租税回避の思惑。日産と三菱自動車を手に入れてルノーが支配したいフランスの思惑も絡んで、ゴーン氏と日本の検察の戦いが始まります。
確かに小菅の狭い部屋に入れられて、長時間の尋問に耐えなければならないことはきついでしょうね。しかし、日本国民に対しては誰でも経済犯罪で同じことがなされております。田中角栄元首相もホリエモンも。
ウォールストリートと言えば金融街であることは誰でもご存知。そしてここに日本の資本主義と欧米の資本主義の違いが表れています。
ホリエモンの事件の時、元通商産業省官僚の村上世彰氏(村上ファンド)が、「株主の権利」を主張していましたが、これは欧米の株主資本主義と言えるものでしょう。
これに対して日本の資本主義はちょっと違います。それを何というのか判りませんが、仮に「職人資本主義」とでもしておきましょうか。
欧州では、産業革命以降「貴族」が資金を出し合って織物工場を作り莫大な利益を上げていました。この出資金が株式ということになり、株式会社の運営が始まった訳です。
ですから工場で働く労働者は決められた賃金をもらうだけで企業の利益とは関係なかったわけです。(だから共産党革命が起きたのです)
我が国の近代化は、初期の頃は通商こそが利益を出すと考えられ、坂本龍馬や清水次郎長などが通商会社を模索し始めました。最後に岩崎弥太郎が株式会社制度のもとに通商会社を作ります。
しかし明治政府は「和魂洋才」を旗印に西洋の技術を取り入れることを優先します。その技術は江戸から続く職人たちの手によって具現化していきました。
豊田織機や芝浦製作所、三菱重工(当時は造船所)などが日本の産業革命を「物作り国家」として目指したわけです。
ですから我が国には本質的に株主資本主義は合わないわけです。「額に汗して働くこと」を貴いとするのは我が国だけで、欧州は馬鹿にします。
貴族たちはすぐに経営者が必要なことに気が付き、ユダヤ人を経営者に雇いました。それから時代を経るごとに、株式会社は一般化しますが、利益は株主のものという考えだけは変わっていません。そして高い利益を生み出す経営者は高く評価され、その賃金が高額になることも普通です。
ユダヤ民族の経営能力が、やがて世界の資本主義を動かし始めます。
我が国は企業利益は再投資に回ります。ですから設備が常に新しくなり、従業員の生産性も上がったわけです。それが経済成長を生んだわけですが、欧米の株主資本主義が強引に持ち込まれ、その結果が現在の日本企業を蝕んで来たわけですね。
今回、カルロス・ゴーン容疑者が逮捕された理由と、一般マスコミが流したゴーン氏に対する印象操作とはおそらく違うでしょう。
そしてウォールストリート紙の評価は、印象操作されたゴーン氏に対して「宗教裁判」的な扱いを受けているという「印象操作返し」を行っているようです。
評論家の上念司氏によりますと、カルロス・ゴーン氏は為替デリバティブ商品であるドルのプットオプションを持っていたところ、リーマンショックで追証17億ドルが必要となり、その商品を日産自動車株式会社に押し付けたこと、それが背任にあたると言うものだそうです。
日産は17億ドル出したようですね。
このような大金を押し付けるには、取締役会に掛ける必要がありますが、そこを押し切ったゴーン氏で、ふつうなら取締役も連帯責任です。そこで司法取引きが行われてゴーン氏の背任が表面化したと言うことです。
この事件は2008年に起きた事件で、時効は7年。日本の取締役は時効が成立していますが、ゴーン氏だけは海外に居た時間が長く時効は成立しないだろうと言う事です。
また、17億ドルの追証を押し付けられた日産は、その5年後、円安になったことで損はしなかったとのこと。
ですからこの事件では誰も損はしなかったはずです。しかしゴーン氏の行った追証の押し付け、そして取締役会の私物化は犯罪です。
ここを検察が突いたようです。ゴーン氏側はポール・ワイス・リフキンド・ワートン・アンド・ギャリソン法律事務所のマイケル・ゲルツマン氏と契約したそうです。証券法関係の事案を多く担当し、近年の顧客として、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、シティグループなどの弁護を行ってきた辣腕の弁護士のようです。
ドル・石油リンクの揺らぎで石油価格が不安定になり、そこに自動車産業の変曲点が訪れたこと。電気自動車の登場で低燃費の自動車が要求され始めたことです。
そこで日産の技術を必要とするルノーと、それをアメリカに持って行きたい情報産業の面々、ビッグ3も出遅れた電気化を取り戻したいでしょう。
技術の日産は職人の株式会社です。カルロス・ゴーン容疑者が持ち込んだ株主資本主義と、租税回避の思惑。日産と三菱自動車を手に入れてルノーが支配したいフランスの思惑も絡んで、ゴーン氏と日本の検察の戦いが始まります。