2018年11月30日金曜日

ゴーン氏逮捕は宗教裁判か?

ウォールストリート・ジャーナルが、日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者が逮捕された事件について、「ゴーン氏は不可解な宗教裁判に耐えている」などと社説で非難しました。
「かつて救世主とされた会長は空港で逮捕され、起訴されることなく何日も勾留が続き、弁護士の立ち会いもなく検察官の取り調べを受けている。メディアに情報がリークされる中、会長職からも解雇された」と述べ、「共産党の中国で起きた出来事か? いや資本主義の日本の話だ」として我が国の司法制度のあり方そのものを批判しました。

確かに小菅の狭い部屋に入れられて、長時間の尋問に耐えなければならないことはきついでしょうね。しかし、日本国民に対しては誰でも経済犯罪で同じことがなされております。田中角栄元首相もホリエモンも。

ウォールストリートと言えば金融街であることは誰でもご存知。そしてここに日本の資本主義と欧米の資本主義の違いが表れています。
ホリエモンの事件の時、元通商産業省官僚の村上世彰氏(村上ファンド)が、「株主の権利」を主張していましたが、これは欧米の株主資本主義と言えるものでしょう。

これに対して日本の資本主義はちょっと違います。それを何というのか判りませんが、仮に「職人資本主義」とでもしておきましょうか。

欧州では、産業革命以降「貴族」が資金を出し合って織物工場を作り莫大な利益を上げていました。この出資金が株式ということになり、株式会社の運営が始まった訳です。
ですから工場で働く労働者は決められた賃金をもらうだけで企業の利益とは関係なかったわけです。(だから共産党革命が起きたのです)
我が国の近代化は、初期の頃は通商こそが利益を出すと考えられ、坂本龍馬や清水次郎長などが通商会社を模索し始めました。最後に岩崎弥太郎が株式会社制度のもとに通商会社を作ります。

しかし明治政府は「和魂洋才」を旗印に西洋の技術を取り入れることを優先します。その技術は江戸から続く職人たちの手によって具現化していきました。
豊田織機や芝浦製作所、三菱重工(当時は造船所)などが日本の産業革命を「物作り国家」として目指したわけです。

ですから我が国には本質的に株主資本主義は合わないわけです。「額に汗して働くこと」を貴いとするのは我が国だけで、欧州は馬鹿にします。

貴族たちはすぐに経営者が必要なことに気が付き、ユダヤ人を経営者に雇いました。それから時代を経るごとに、株式会社は一般化しますが、利益は株主のものという考えだけは変わっていません。そして高い利益を生み出す経営者は高く評価され、その賃金が高額になることも普通です。
ユダヤ民族の経営能力が、やがて世界の資本主義を動かし始めます。

我が国は企業利益は再投資に回ります。ですから設備が常に新しくなり、従業員の生産性も上がったわけです。それが経済成長を生んだわけですが、欧米の株主資本主義が強引に持ち込まれ、その結果が現在の日本企業を蝕んで来たわけですね。

今回、カルロス・ゴーン容疑者が逮捕された理由と、一般マスコミが流したゴーン氏に対する印象操作とはおそらく違うでしょう。
そしてウォールストリート紙の評価は、印象操作されたゴーン氏に対して「宗教裁判」的な扱いを受けているという「印象操作返し」を行っているようです。

評論家の上念司氏によりますと、カルロス・ゴーン氏は為替デリバティブ商品であるドルのプットオプションを持っていたところ、リーマンショックで追証17億ドルが必要となり、その商品を日産自動車株式会社に押し付けたこと、それが背任にあたると言うものだそうです。
日産は17億ドル出したようですね。

このような大金を押し付けるには、取締役会に掛ける必要がありますが、そこを押し切ったゴーン氏で、ふつうなら取締役も連帯責任です。そこで司法取引きが行われてゴーン氏の背任が表面化したと言うことです。

この事件は2008年に起きた事件で、時効は7年。日本の取締役は時効が成立していますが、ゴーン氏だけは海外に居た時間が長く時効は成立しないだろうと言う事です。
また、17億ドルの追証を押し付けられた日産は、その5年後、円安になったことで損はしなかったとのこと。

ですからこの事件では誰も損はしなかったはずです。しかしゴーン氏の行った追証の押し付け、そして取締役会の私物化は犯罪です。
ここを検察が突いたようです。ゴーン氏側はポール・ワイス・リフキンド・ワートン・アンド・ギャリソン法律事務所のマイケル・ゲルツマン氏と契約したそうです。証券法関係の事案を多く担当し、近年の顧客として、バンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレー、シティグループなどの弁護を行ってきた辣腕の弁護士のようです。

ドル・石油リンクの揺らぎで石油価格が不安定になり、そこに自動車産業の変曲点が訪れたこと。電気自動車の登場で低燃費の自動車が要求され始めたことです。
そこで日産の技術を必要とするルノーと、それをアメリカに持って行きたい情報産業の面々、ビッグ3も出遅れた電気化を取り戻したいでしょう。

技術の日産は職人の株式会社です。カルロス・ゴーン容疑者が持ち込んだ株主資本主義と、租税回避の思惑。日産と三菱自動車を手に入れてルノーが支配したいフランスの思惑も絡んで、ゴーン氏と日本の検察の戦いが始まります。

2018年11月29日木曜日

護衛艦いずもの空母化

これからの我が日本国を防衛する方向を定めた「防衛大綱」に向けた提言が、今年5月に自民党から出されました。
それによりますと、いずも型護衛艦を「多用途運用母艦」として、この母艦からF35Bの離艦が行えるようにするということが記述されているそうです。
もともとヘリコプター搭載護衛艦(DDH)として開発された船ですから、超短距離離陸可能なF35Bなら搭載可能なはずです。

憲法上、これを航空母艦(空母)とは言えませんので、「多用途運用母艦」と述べているようですね。実質は空母になるわけです。
2015年に就役した時、中共側から「空母になる」と指摘され(つまり専守防衛の逸脱!)、「甲板が耐熱構造になっていないので、空母にはならない」と空母化を否定していた海上自衛隊でした。

「耐熱化すれば空母になる」との指摘に対しては、空母が必要なら空母を建造したほうが、耐熱改修より安く済む」などとあやふやな返事でごまかしていた自衛隊ですが、ついに耐熱甲板に踏み出すようです。
考えた名称が「多用途運用母艦」のようですね。

第二次世界大戦が終わった時、敗戦国・日本はそれでも帝国海軍の空母機動艦隊は残されていました。アメリカはこの空母機動部隊から、空母艦隊の運用を学び、それがアメリカの空母打撃軍のスタートになったと思われます。
政治的理由から、その後この空母機動艦隊は解体されますが、やがて日本国憲法の9条2項の「前項の目的を達するため」という芦田修正が功を奏し、「国際紛争を解決する手段としては」が「前項の目的・・」となり、自衛のための実力組織を持つことは可能という解釈で「自衛隊」が設立され、海上自衛隊は見事に帝国海軍を引き継ぎました。(だから海自・護衛艦の旗は旭日旗なのです)

この解釈ならば「自衛のための敵基地攻撃」も可能であり、「領海侵犯の艦船に対する攻撃・撃沈」も可能であり、「自国民誘拐・奪還のための敵地侵攻」も可能になる訳ですけど・・・
ともかく、それから海上自衛隊にとって「航空母艦保有」と「空母機動艦隊」再生が悲願となったのです。

そして11月27日、岩屋毅防衛相は記者会見で、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を多用途運用母艦化するよう改修し、短距離滑走での離陸が可能なF35B最新鋭ステルス戦闘機を運用することに前向きな姿勢を示したそうです。

F35Bは垂直着陸も可能ですから、離着艦が可能かとも言えそうです。しかし訓練では可能だと思いますが、実戦になれば燃料を限界まで使うでしょうし、垂直着艦は燃料を大量に食いますから現実的ではないのでしょう。それに垂直着艦といってもそんなにやさしい訳はないでしょうしね。
帝国海軍の艦上戦闘機でも、アメリカ海軍の艦載機でも、着艦の訓練には多大な犠牲者を出しています。それでも、今でも着艦の訓練を続けているのはアメリカ海軍のパイロットだけかも知れませんね。ですからタッチアンドゴーの訓練は欠かせないわけです。どんなに騒音で非難されても。

真珠湾を日本軍に攻撃されたアメリカ軍は、すぐに攻撃機が着陸する島を探させ、そこを攻撃しようとしたらしいのです。しかしハワイ諸島の周りにはあまり島はありません。
偵察に行くと、何と飛行機は空母に着艦していたのです。アメリカ軍は度肝を抜かれたでしょうね。

いずも護衛艦には、その後に続く「かが」もあります。甲板を耐熱化すれば「かが」もF35Bを搭載可能になるはずです。
間違いなく、海上自衛隊は「空母機動艦隊」の再生を意図していることが判りますね。同時に潜水艦の建造も進んでいるようです。
これらが有機的に編隊を組み、東シナ海から南シナ海、そしてインド洋の守りを固める計画だと思います。太平洋にはアメリカの空母打撃軍が居ります。

そしてF35Bに続く艦載機として「F3」の計画があるのでしょう。
しばらくはF35Bを搭載した多用途運用母艦でしょうが、近い将来は日本独自開発のF3が鳥の様に舞いながら着艦するシーンが見られるかも知れませんね。

仮想敵国・中共も軍備に余念がありません。巨大空母を建造していますし、ステルス戦闘機も開発しています。ドローンタイプの無人攻撃機も出て来るでしょう。
アメリカが軍事情報の窃盗を防止する作戦に出ましたから、今後の設計情報は日本から盗むか独自開発で来るか、そのどちらかでしょう。
ロシアも最新軍事技術は中共には出していない(当たり前だろう)というプーチン大統領の発言があります。

敵が無人機で攻撃してくれれば、我が有人機は安心して撃墜出来ます。相手も「命ある人間だ」などと考えなくていいからです。無人兵器は気色悪いですが、おそらくたいしたことは無いと思います。中共側が無人機に固執してくれた方がこちらとしては助かるように思います。(何がAIだ、バカバカしい)

ともかく敵が極端な軍備拡張をしてくれるからこそ、わが日本も憲法の解釈を変えてでも軍備増強に走れるわけです。

「多用途運用母艦」・・呼び方などどうでも良いですから、早く「空母機動艦隊」の再生をして欲しいですね。

2018年11月27日火曜日

蔡英文氏、惨敗

台湾統一地方選で、蔡英文総統率いる与党・民進党が惨敗しました。この統一地方選で22ある県や市の首長ポストを民進党は13から6に半減させてしまったのです。
蔡英文総統は、この責任を取り、党主席から辞任すると表明しました。聡明な蔡英文総統でしたが、どうやら政治的にはうまく台湾のかじ取りをすることが出来なかったようです。

この民進党惨敗で大喜びしているのが、当然ですが対岸の中共です。
中共の国務院(政府)台湾事務弁公室の馬暁光報道官は、「広範な台湾の民衆が両岸(中台)関係の平和的な発展がもたらす利益を望んでいることの表れだ」と声明を発表しました。
もちろんこんなことでは無いでしょう。台湾国民が中共との平和的発展など望んでいるとは思いませんけど・・・

ついでに馬暁光報道官は、この投票で東京五輪への「台湾」名義での参加申請を問う住民投票も同時に行われ、それが否決されたことに触れ「台湾のスポーツ選手の利益を“賭け金”として利用することは人心を得られなかった。台独のたくらみは失敗する運命にある」等とも語りました。
この台湾正名への国民投票は結果として、同意(約476万票)に対して、同意せずは(約577万票)あったそうです。

民進党が惨敗した最大の理由は、中共の経済が落ち込みその余波が台湾の景気後退に結びついたと言う事のようです。

どんなに国民が大陸中共を嫌っても、現実に経済はすでに深く結びついております。ですから中共の景気後退は、そのまま台湾国民の生活に響くようになってしまったことを忘れてはいけません。
つまり蔡総統は台湾経済を中共から引き離すことが出来なかったことが敗因になっているのだと思います。

馬英久総裁の8年間、台湾企業は中共との関係を深くし、経済的な結びつきが深くなってしまったのでしょう。これを引き離さないと台湾どころか我が国の安全保障も危うくなってしまうことは当然で、これは日米同盟にも悪影響を及ぼし、太平洋に中共を入れてしまう切っ掛けともなりかねません。

アメリカ・トランプ大統領の対中貿易関税の戦争は、おそらくまだ続くでしょう。トランプ大統領はそろそろ落としどころを探っているようですが、アメリカ議会がこの経済戦争をさらに強化しようとしているからです。
民主党の議員の中にも、トランプ大統領の対中経済戦争を支持している議員が居るようですし、移民でアメリカ国民になった華人にもトランプ支持者が増えているという噂を聞きます。

安倍首相もプーチン大統領との間で北方4島の内の2島返還で「平和条約締結」に踏み切ろうとしております。国内では様々な反対も出ていますが、これが対中戦略であることは確かでしょう。
ロシアと中共との経済関係を引き離すことが最重要課題だからだと思います。

ロシアの経済状況を良くすることで、中共経済から引き離せますし、ロシアの軍事技術を中共へ売り渡さなくても大丈夫なようにすることが先決です。
中共の軍事技術の多くの部分で、ロシアからの技術が使われているようですから。

アメリカは今後も経済的圧迫を掛けていくでしょう。それは中共が崩壊するか、軍事的攻撃に出て来るか、それまで続くと思います。ABCD包囲網やハルノートの時と同じようなものです。
中共は歴史的に弱い者苛めしか出来ませんから、日本の尖閣海域に出て来るかも知れません。そこで「尖閣海域の中共の艦船、あるいは偽装漁民の乗った漁船であろうと、われわれはそれらの船の目的に応じて対処する」という発言が出てきたわけです。

我が国が憲法改正も出来ず軍事的攻撃が出来ないならば、直接アメリカが軍事対決しようと言う意思の表明のようにも見えます。
つまり「憲法で両手両足を縛られた日本なら中共も攻撃するかも知れない。その時をチャンスとして米中軍事衝突を起こそう」という作戦にも見えますね。
そうなれば、わが日本国は完全にアメリカの軍事プレゼンスの下に入ってしまうでしょう。主権が失われるかも知れません。
それでも我が国民は構わないのでしょうか・・・

戦争になるか、あるいは中国共産党が崩壊するか、それまではアメリカは圧力を掛け続けるともりではないでしょうか。「ファーウェイのスマホなどは使うな」という説得がアメリカからなされています。これも対中圧力の一つですね。

2020年、台湾では総裁選挙が行われます。ここに蔡英文氏は出馬しないのではないでしょうか。民進党には現在、行政院長(首相に相当)の「頼清徳氏(59歳)」が居ります。医学部出身の政治家で人気があり、「民進党のホープ」と評されている人物です。

「私は台湾独立を主張する」「台湾が独立主権国家であるという台湾の人々の主張を中共は尊重すべき」という政治信条を持っていますが、「私は親中であって反中ではない。親中愛台だ」などとも述べております。

ですから台湾経済を中共から引き離す対策を建てる必要があると思います。彼は台湾経済が中共から離れれば、反中になると思うからです。

今後、蔡英文総統はレームダッグ化していくかも知れません。民進党が延びるためには、反中と台湾独立のはっきりした総裁候補を出すことではないでしょうか・・・

2018年11月25日日曜日

米中戦争はエスカレート

10月に、尖閣諸島周辺に中共が海上ブイを設置しました。直ちに菅義偉官房長官が「国連海洋法条約上、問題があり得る」として外交ルートを通じ中共側に抗議しました。
この海上ブイの設置は、平成28年にも行われ、その目的はこの海域の領有を既成事実化する狙いがあるとみられております。

我が国がいくら抗議をしても、中共は軍事力なき抗議など聞こうともしません。日本の憲法やそこから派生する防衛各法律を知り尽くした中共の侵略と言わざるを得ないでしょう。

安倍政権も、憲法改正を目的としたさまざまなアイディアで対抗してきましたが、国内の政治勢力が中共寄りが強いためかなかなか軌道に乗りません。日本国民も現状維持で近未来のことを考えようともせず、安穏としております。

危機感を募らせているのは自衛隊幹部やOBで、今回の財務省の防衛費削減で「尖閣どころか、もう沖縄も守れない」という状況になってきました。
この様子に危機感を持つもう一つの国がアメリカ合衆国です。

アメリカにとって、尖閣周辺は中共が太平洋に進出してくる入り口です。台湾、尖閣海域と中共が狙うのは太平洋への覇権が目的だからです。
それに対抗するには、今のうちに対中攻撃を開始した方が良いわけで、それが経済戦争から実力行使のチャンスを狙う形に変わっているわけです。

もともとオバマ民主党政権が「アメリカは世界の警察官から降りる」宣言をしてしまってから、キリキリしていた共和党です。
その8年間で中共はサンゴ礁は埋め立てたり、F35のコピーを作ったり、巨大空母を作ったりたりと、ほとんどアメリカの技術を盗用した開発をじっと我慢して見ていなければならなかった共和党でした。

どんな方法を使っても政権を取り戻したい共和党が選んだ候補がトランプ氏だったわけです。トランプ氏の独特の話術でアメリカ国民の心情を捉えたトランプ氏が共和党の政権奪還を成功させ、その後1年間、中共の様子見を行いましたが、もともと太平洋覇権を狙う中共の追い落としが目的だった共和党が、米中戦争に踏み切るのは時間の問題だったように思います。

そしてアメリカは台湾に対して台湾旅行法を作り、そして台湾に米国在台協会台北事務所を作りました。事実上のアメリカ大使館です。
しかし現在、民進党の蔡英文総統の求心力が低下していて、11月24日の台湾統一地方選挙が心配されております。

選挙前にはアメリカも中共も静かにしていた方が良いようで、今の所際立った動きは出ておりません。

しかし尖閣諸島は日常的に中共の公船がやってきております。アメリカにとってこちらの方が手っ取り早いのかも知れません。
アメリカ国防総省でアジア太平洋の安全保障を担当するシュライバー次官補が、尖閣諸島周辺で活動を活発化させている中共の海警局の公船や中共の軍系民兵が乗り組んだ漁船に関し、「中共の領有権を主張して日本を圧迫する目的で活動しているのであれば、中共海軍の艦船と区別しない」と述べ、厳然と対処していく姿勢を強調しました。産経新聞のインタビューに答えたものです。

そして「尖閣諸島は日本の施政権下にあり、日米安全保障条約(第5条に基づくアメリカの対日防衛義務)の適用対象であり、アメリカは同盟国として日本を支えていく」と言明し、「中国船の船体の色(海軍の灰色か海警局の白色か)よりも、これらの船の任務や目的が何かに関して最大の懸念を抱いている」と指摘しました。

その上で日本による尖閣防衛に向けた取り組み強化を支援していく姿勢を強調しながらも、日本が年末に策定する2019年度から5カ年の中期防衛力整備計画(中期防)の内容を「注視している」とも語ったそうです。

またアメリカにとって、「沖縄には米軍基地がある。アメリカがアジア全域で懸案を抱える中、米軍の前進配備と現地での訓練・演習を可能にしている点で決定的に重要だ」と、アメリカとしても放置できない問題であることを訴えました。

このシュライバー次官補の語ったことが、アメリカの国家意思であるならば、今後尖閣周辺に出没する中共の公船や民兵の乗った漁船などは、アメリカ軍に攻撃の大義を与える切っ掛けともなりうることを示唆したようにも思います。

それと同時に、中共が設定した第二列島線上にミサイル搭載艦船を配備し、南シナ海のサンゴ礁上に埋め立てて造ったおかしな海軍基地を中距離ミサイルで叩き、海南島海底にある原潜基地から出て来る潜水艦に狙い付けた水中戦闘を意識した作戦計画を準備しているそうです。

トランプ大統領は、G20で習主席と会談し、関税攻撃を緩めるかも知れません。しかしどうせ中共はそこで取り交わした約束など守るわけもありません。
それを見越した作戦で、その後更なる経済制裁を掛け、どこまでも中共側の軍事侵略を開始させようという戦略でしょう。

アメリカ政府は、日本やオーストラリア、ドイツ、イタリアに中共の通信機器大手「華為技術(ファーウェイ)」の製品を使わないように求める説得工作を始めたとのことです。
中共製の高速大容量の第5世代(5G)移動通信システムが普及することを強く警戒した内容で、「アメリカおよび同盟諸国と中共のどちらがデジタル網でつながった世界の支配権を握るかをかけた『技術冷戦』の一環だ」と言うことですが、ドイツやイタリアは呑むでしょうか?

アメリカが中共潰しに本気になってしまったのは、ローマ法王に対して習政権の迫った「司教選出への妥協」だと言うことです。
ペンス副大統領がウイグルにおけるイスラム教弾圧と臓器移植について言及したのもこの直後でした。
米中戦争は、こうして宗教戦争にもなってきたわけです。ですからもう後戻りはできません。

2018年11月24日土曜日

消費税とキャッスレス

消費税率引き上げに伴う経済対策としてマイナンバーカードを活用する案などが浮かび上がっているようです。
これは自民党・経済成長戦略本部会合でのお話です。

軽減税率をどうするか、安倍首相は「消費増税10%で景気後退が無いようにしろ!」と言う命令を出しているそうですが、どう考えても無理でしょう。

経済評論家の高橋洋一氏は「全品目すべてに軽減税率を適用すれば良いだけ」と述べておりましたが、それならなぜ10%に引き上げるのか判らなくなります。

マイナンバーカードの応用と言うのは、軽減税率と言うよりもキャッシュレス化を推進したい政府の考えが反映されたもので、公明党は「プレミアム付き商品券」などでマイナンバーカードを使用することを提案したそうです。

この会合ではどうもキャッシュレス化の問題も併せて議論しているように見えます。そしてマイナンバーカードの使用促進も併せて行いたいようですね。

しかしマイナンバーカードとキャッシュレス化もあまり関係ないように思います。マイナンバーカードは外国人労働者の収入を把握し、不法就労や過剰労働の強要などを監視する目的で作られたものではないかと思います。もちろん我々国民も納税の時にネット納税をやる場合は使用しますが・・・

キャッシュレス化は電子マネー決済のことで、現在は電気、ガス、水道、電話などのインフラ事業の決済には90%以上使用されていると思います。
検針の合理化で、無線による自動検針も進み、間もなく公共インフラには検針員や集金人はまったく不要になります。

そして問題のネット通販などで買い物をする時の決済手段や、小売店、外食などで用いられるカード決済やスマホ決済でのキャッシュレス化です。
このキャッシュレス化の何が問題かと言えば、消費者の個人情報が盗まれる点です。

インフラのキャッシュレス決済(銀行振込)やマイナンバーカードの財務省の課税対策などよりもはるかに高度な情報の使い方をするGAFAの連中です。

GAFAとは、Google、Apple、Facebook、Amazonの4つの会社の頭文字を取った造語ですが、何もこの4つの企業だけでなく多くの通販会社が似たようなことを行っております。
そしてこれらの毎日発生するデータを統括的に分析するAIシステムが動き始めているようです。つまりキャッシュレス化によって集められた情報はそのまま売買の対象にもなり得るわけです。

ビッグデータの解析と言われ、その用途はさまざまです。個人の買い物から次に買うものを想定してネットの画面に広告を出すことなどは、もうなされているようですが、さらに購入した書籍などから思想的なものをくみ取り、集会などへの誘導も出来るようになるでしょう。

健康管理などもネット経由で行ったり、健康を目的としたカンファレンスに参加すればその情報で個人の健康情報を把握できます。

医師には守秘義務がありますが、一般で行われる健康カルチャーのようなものには守秘義務はありません。
このような場所での決済をキャッシュレスで行えば、個人情報が渡るのは間違いないでしょう。
化粧品や健康食品の通販などは要注意ということになるのではないでしょうか。

今のところ我々日本国民は、生活の3割以上が現金決済です。紙幣「円」の巧妙な作りと印刷が国内であることで、偽札はなかなか出現しません。
ですから「円」札の信用は高く、小売店などのレジでも計算が早く出来るようになりましたから、釣銭の間違いもなく、現金決済であまり不便を感じたことはないはずです。

世界のグローバル化を進める連中にとって、「石油の次はビッグデーターだ!」と豪語し、「ドルから世界通貨(電子マネー化)に変わること」を考えているようですが、かなり危険な思想だと思います。

危険とは、現在、国家の主権の一つである通貨発行権が、グローバル化した電子マネーで無意味化してしまう危険性があるからです。
これは、一国の経済管理を政治的に行うことを不可能にすることを意味し、あの連中によって勝手に国の景気対策を左右されてしまう可能性があるからです。
そうなりかけた国こそ、あのアメリカ合衆国だったのではないでしょうか。トランプ大統領が出てくる前の・・・(あのトランプ大統領を非難しているところを見ればよく解りますね)

我が国では、財務省がこのグローバル化推進で課税を消費税に切り替えようとしています。法人課税はあの連中から嫌われていますから。
だから財務省は消費増税にこだわるのでしょう・

ともかく「消費税10%で景気後退をさせないように・・」は無理な話なので、安倍首相は「無理なら消費増税を止める」と言えば良いだけではないかとも思うのですけど・・・

2018年11月23日金曜日

APEC、首脳宣言見送り

パプアニューギニアで開かれたAPEC首脳会議は、同会議として初めて首脳宣言で合意できないまま閉幕してしまいました。
原因はアメリカと中共が互いの通商政策を巡り譲らなかったからです。まあ、経済戦争中の両国ですから当然ですけど。

「各国がそれぞれの主張を他国に押し付け、保護主義や一国主義を正当化し、中共や他国の理性的な修正案を受け入れなかったことが主な原因」などと言っているのは中共の王毅国務委員兼外相の言葉ですが、中共の利益を持ち出せない法システムはいかがなものでしょうか。

アメリカ・ホワイトハウス側はこのような中共の見解について「完全に偏った解釈で、プロパガンダだ」と指摘しました。

今回のAPECで、中共側は習近平主席を送り太平洋諸国の首脳と会談した上で一帯一路構想をアピールしました。
これに対してアメリカはペンス副大統領を送り込み、日本、オーストラリア、ニュージーランドが合同で、パプアニューギニアに安定的な電力やインターネットを提供する17億ドルの計画を発表したのです。

ロイターによりますと、首脳宣言は「21カ国・地域のうち中共以外の20カ国は、最終的な文言に署名する準備ができていた」そうです。しかし中共側は「不公正な貿易慣行」と「持続可能な開発に関する内容」について反対し、結局まとまらなかったという事です。

ニューギニアの外交筋は「WTOへの言及が特定の国による不公正な貿易慣行への非難となっていることに中共は反発した」と述べたそうですが、それこそ中共が不公平な貿易をしている証になったのではないでしょうか。

APECに先立って行われた11月17日のペンス副大統領の演説で、「習近平国家主席には敬意を抱いている」とか「中共とはより良い関係を目指している」と述べた上で、中共の関税障壁や知的財産権の侵害を強く批判し、「中共が行いを正さない限り、アメリカは姿勢を変えない」と述べ、中共に対しさらなる制裁関税も辞さない立場を強調しました。

そしてインド太平洋諸国に対するインフラ支援を600億ドル(約6兆8千億円)規模まで拡大すると正式表明し、その上に域内諸国の汚職対策として4億ドルを拠出するなどの新施策を発表したのです。
その上で中共の関税障壁や知的財産権の侵害を強く批判し、「中共が行いを正さない限り、アメリカは姿勢を変えない」と述べ、中共に対しさらなる制裁関税も辞さない立場を強調しました。

そして中共がインド太平洋地域を含む世界全域で巨額融資を行い、相手国を債務不履行に陥らせる「借金漬け外交」を展開していると改めて批判し、「主権や独立性を損ねるような債務を受け入れてはならない。アメリカはそのような行為はしない」と、中共の闇金外交を非難したのです。

これより前にトランプ大統領は「中共がこのような行いを糺せば、直ちに関税を戻す用意がある」と述べております。マスコミは「トランプ大統領、対中関税の中止を示唆」などと書かれていましたが、今回のペンス副大統領と同じ発言を違う言い方で述べただけでした。

つまりトランプ大統領は対中経済戦争を終わらせるように動きたいようですが、なにしろアメリカ議会と国民が反中となって共和党を支持しておりますし、民主党の議員も対中強硬策を支持している議員が多く居るようですから、米中経済戦争は今後ますます激化する可能性の方が高いと思います。

ペンス副大統領のAPECでの演説は、このようなアメリカ国民の意思を表明したものとして意味があったように思います。

11月30日から12月2日まで、アルゼンチンでG20の集会があります。このために、ここでトランプ・習会談が組まれておりますが、ここでトランプ大統領が安易な妥協をしないように、また習政権が更なる妥協をするように、ペンス副大統領が先行して対中非難を行ったと言う見方もあるようです。

トランプ大統領が対中経済戦争の終結条件として提示した142項目から成る「行動計画」に対して、習政権は回答を示してきたそうです。
これに対してトランプ大統領は、「中共に関税をこれ以上科す必要はないかもしれない。中共も取引成立を望んでいる」と述べ、交渉への意気込みを示しました。
しかし同時にトランプ大統領は、「重要な4、5項目が除外されている。私にとってまだ受け入れられるものではない」とも語り、中共の更なる譲歩を求めております。

外れているものは、どうやら技術の窃盗や、知的財産権侵害を伴う先端産業育成計画、「中共の製造2025」の抜本的な見直し・・であって、これらについて習政権が拒否していると言う事のようです。

今回の戦争はもともと「技術の窃盗」と「知的財産権侵害」に対するトランプ政権の怒りから始まったもので、それ以外の問題はあまり関係はありません。
アルゼンチンの会談で、どのような交渉が行われるのか、はたして中共はこの2点を呑むのかどうか、今月末はアルゼンチンに注目ですね。

2018年11月21日水曜日

カルロス・ゴーン会長の犯罪

平成22~26年度の5年間にゴーン容疑者が受け取った役員報酬は計約99億9800万円、そして申告したのは約49億8700万円と言うことで、特捜に脱税容疑で逮捕されました。

どうやらゴーン容疑者の部下の社員が、特捜の調査から逃れられなくなって司法取引に応じ、ゴーン会長が逮捕されたようです。

日産の他の取締役に支払われなかった役員報酬の一部が、ゴーン容疑者に流れていた疑いもあり、今後の捜査がどのように親展するか、注目されますね。

それにしてもこれほどの大金が一人の経営者に支払われれて、いったい何に使われるのか気になりなす。裏側が知りたくなるのです。
普通の生活をするならば、お金は銀行に溜まりますからすぐに不正はバレるのではないでしょうか。

カルロス・ゴーン氏はブラジルからフランスにやって来た移民の子で、ミシュランで経営の頭角を表し、次にルノーに行って利益を出します。
日産が経営危機に陥った時、なぜゴーン氏が社長として日産自動車に入ってきたのでしょうか。そこがよく判らないのですが、「コストカッター」として辣腕を振い、利益最優先の経営で危機を乗り越えます。そうすると今度はルノーと日産の両方の社長になり、そこに日産が仕掛けた三菱自動車の燃費不正暴露で経営を追い詰め、そして三菱自動車も配下に置いたわけです。

ゴーン氏の力でこのようになったのでしょうか? 背後に何かが動いているように感じませんか・・・

評論家の馬淵睦夫氏は、よく「ユダヤ秘密組織」が暗躍する世界を語っておられますが、どうやら今回のゴーン会長の脱税はそれと関係があるように感じるのです。
「ユダヤ秘密組織」が本当にあるのかどうかは判りませんが、要するにディアスポラ・ユダヤの組織を指しているのだろうと思います。

最近の情報では、このディアスポラ・ユダヤ(要するにさまざまな国に離散しているユダヤの人達)の数が、イスラエル・ユダヤ(イスラエルに入植したユダヤの人達)より少なくなってきたと言うのです。

イスラエルは国家ですから実態経済があります。しかしディアスポラ・ユダヤは国家を持ちませんから金融経済だけが頼りであると思います。
彼らは各国の要人と関係を作り、人を送り込み、実体経済を牛耳って金融経済の配下に置こうとするわけです。
貧しいところから這い上がる能力を持ち、経営の利益追求に敏感で、人を使うこともうまい人材。それがカルロス・ゴーン氏で、ディアスポラ・ユダヤの最も好む人材です。

このゴーン氏によってディアスポラ・ユダヤは相当金融利益を得たのではないでしょうか。ゴーン氏の巨額な収入も、結局ディアスポラ・ユダヤ組織に吸収されているのかも知れませんね。
しかしイスラエルの国家運営が軌道に乗り、入植者が増えるに従ってディアスポラ・ユダヤ側には焦りが出てきたようです。

トランプ大統領が就任して、ディープステートという言葉が出てきました。アメリカに居るディアスポラ・ユダヤがアメリカを支配してきたと言うのです。
そのトップがキッシンジャー氏で、彼がニクソン大統領の時代に中共と渡りを付け、そして米中国交正常化まで行きました。しかし中共は金融市場を開放はしませんでした。キッシンジャー氏のミスだったのではないかと思います。

ディアスポラ・ユダヤの、実体経済を金融経済の配下に置くやり口を見ている中共は、闇金・AIIBのやり方が悪いことなどとは全く思っていないでしょう。

しかしユダヤ民族は今、イスラエル国家を持ったのです。そう、実体経済の安定感を知ってしまったわけです。そうなれば、ディアスポラ・ユダヤの、即ち金融経済の不安定感に疑問を持つようになり、イスラエル入植が進んだとも考えられます。

ディアスポラ・ユダヤにとって危機感が生まれているのではないでしょうか。昨年、キッシンジャー氏は「イスラエルは2030年までに滅びる」と言っています。
彼はイスラエル建国にはメシアが居なければならない。今のイスラエルにはそれが無いということで、このような言葉を発したのだろうと思います。いわゆるユダヤ原理主義ですね。

欧州でEUを作り、ユーロという共通通貨を作り参加国の通貨発行権を奪って、ユダヤ民族に負い目のあるドイツにメルケル首相を配備したディアスポラ・ユダヤです。
しかし英国のEU離脱、アメリカのトランプ政権の誕生、メルケル首相の地盤沈下などで、すっかり調子を狂わせてしまったようです。

大量の移民をアメリカに送り込もうと、メキシコ国境まで大量の移民を移動させたディアスポラ・ユダヤの作戦。これでトランプ大統領が辞任するかどうか・・・
日本でも移民法案が国会で審議されておりますが、それももしかしたら・・・

金融経済を実体経済の上に置こうとするディアスポラ・ユダヤの活動が成功するかどうか、実体経済こそが安定した生活を営むことが出来ると言う事を知ってしまったイスラエルの民。

このような情勢の中でカルロス・ゴーン氏が逮捕されたということ。頑張った特捜は、今後の公判に耐えることが出来るでしょうか・・・

2018年11月19日月曜日

現在の戦争、軍事演習

軍事評論家の鍛冶俊樹氏が、現在の戦争について「核兵器が発達した現代においては、世界各国は核戦争に発展する事を恐れて全面戦争を回避する傾向が顕著である。従って全面戦争に発展しかねない正規戦、つまりドンパチも避けたがる。」と述べております。

そして「その代わりに行われるのが軍事演習だ。ある国が軍事力を演習で誇示すると敵国は、それを観察して分析する。これを互いに繰り返して、得られた情報をもとにシミュレーションすれば、戦わずとも勝敗は明らかになる。」として、軍事演習は近代兵器を誇示して、敵側のシミュレーションで「勝ち目はない」と結論が出ればOKなのだそうです。

ですからアメリカは中共からの留学生や研究者の受け入れを規制し、インターネットによる盗聴に対して「こちらからもサイバー攻撃を掛ける」として対中情報漏洩を積極果敢に防止し始めたわけです。

アメリカが研究開発をしている軍事技術の情報が、中共から来た留学生や研究者(ようするに技術スパイ)、あるいはサイバー戦闘部隊によって盗まれ、アメリカよりも先に発表されてしまうことを防ぐためです。

我が国の情報戦準備は極めて危険な状態にあります。スパイ防止法などがありませんし、作ろうとしても反日サヨク(マスコミも含む)に反対されて思うように作れません。
そして我が国の軍事技術は、容易に中共に盗まれるからです。これでは軍事技術が戦争防止の役に立たなくなり、かえって危険(戦争誘発)に結びつく可能性があります。

安倍外交でアメリカ、オーストラリア、インドとの共同軍事演習が行われているのは、中共の軍事シミュレーションによって「勝ち目はない」という結論を出させる為でしょう。
しかしその軍事技術が中共に筒抜けになれば、このような結論は出てきません。当然中共も同様の技術を開発するでしょうし、均衡した軍事力が戦闘を誘発することは考えられます。

現在アメリカおよびその同盟国が対中戦略で気を配っているのが「5G」の通信システムと、ミサイルディフェンスに必要な電磁兵器の技術情報でしょう。

5Gの通信技術は中共でも実験で成功しているようですが、この指向性の強い電波を如何に軍事的に使うか、その中継システムや暗号システムが開発の中心になっていると思います。
軍事衛星を使う中継で、その衛星を攻撃する技術は中共も開発しています。しかし例えば複数の衛星による並列通信となれば、どの衛星を攻撃すれば通信が完全に出来なくなるのか、それは恐らく判らないでしょう。
それにアメリカの軍事衛星を攻撃すれば、アメリカ側に反撃の大義を渡すことになり、やりたくない戦争がエスカレートしてしまうことになりかねません。中共がその攻撃を決断するには相当な勇気が必用でしょう。

ミサイルディフェンスに必要な電磁兵器は、飛来するミサイルのコントロール回路を強烈なサージ電流で焼き切る兵器です。
アメリカ軍はすでに開発を終え、原子力潜水艦に搭載する計画のようです。原子炉が無いと大電力が得られないために電磁兵器は使えません。原子炉搭載の潜水艦ならば電源が確保出来て、この兵器が実戦使用可能ということのようです。

しかし原子炉があれば良いだけではなく、そこにはその電気を電磁兵器に渡す電源回路が必要になります。この電源こそが「極秘」ということになるように思います。

これらの新兵器は、実戦でどう使うかを試すことはなかなか出来ません。そこで演習が意味を持ってくるわけです。共同演習であれば、相手側はその威力を見せつけられることになります。

中共は各国の軍事演習を盗み見ております。ですからアメリカは共同演習から中共を除外しました。見る一方だけで自国の実力を見せないとすれば共同演習のルール違反ですから。

戦争回避のためなら演習で充分のようですが、武器商売となるとやはり実戦経験が重要になります。ですから小規模な戦闘は常にどこかで行われる可能性が大きいようです。(日本国内かも知れません)

パリ同時多発テロ事件が2015年11月に発生しました。IS(イスラム国)が行った残虐な事件ですが、事件現場の様子を分析した国際ジャーナリストの丸谷元人氏によりますと、これはフランスが行った偽装テロだと断言します。
死体の状態、目撃者の証言などでそう判断できるそうですが、その後フランスは自国の戦闘機を使ってシリアのIS拠点を攻撃しました。

それまでフランスの戦闘機はなかなか売れませんでした。実戦経験が無いからだそうで、このIS拠点攻撃で実戦の経験が出来たわけです。もちろんその後この戦闘機が売れ始めたとか。
おかしいと思ったらその事件で一番得をしたのは誰か、その考え方から見れば、間違いなくフランス政府だろう・・と丸山氏は言うのです。

F35戦闘機を始め、アメリカにはまだ実戦経験のない新兵器がいっぱいあります。南シナ海やインド洋での演習は、これらの兵器の優秀さを見せつけためかも知れません。
戦争回避にはこの程度で良いでしょうが、これらの兵器を販売するとなるとどうしても必要なのが実戦経験。

大戦争はしたくないけど小規模な戦闘は行って実戦経験をつけたい・・・と考えることはむしろ当然ですよね・・・

2018年11月18日日曜日

安倍首相、オーストラリアへ

対中包囲網を」着々と進める安倍首相、シンガポールからオーストラリアに飛び、新しく就任したスコット・モリソン・オーストラリア首相と初会談しました。
場所はダーウィン。ダーウィンとは中共に対して、ここの港湾を99年間貸与する契約が締結された場所です。しかもここにはアメリカ軍の海兵隊が南シナ海を睨んで駐留しているところ。そしてこの貸与を決めたのはターンブル前首相でした。

さすがにオバマ前大統領も「中共との契約は事前に相談してほしい」と不満を表明しましたが、ターンブル前首相は、安全保障上の問題はなく「新聞を読んでいれば分かった情報だ」と反論したそうです。

結局これがターンブル氏に対する国民の不満となり、ターンブル氏は政権を維持できなくなり、モリソン首相に変わったわけですね。

モリソン首相との初会談を、このダーウィンで行うことを決めたのはどうやら安倍首相の方だったようです。
現在ダーウィン港には中共系の企業が入り込み、アメリカの海兵隊などの動きを探っているのだろうと思われます。そこに乗り込み「中共の包囲網」をモリソン新首相と話し合うことで、一種の圧力を中共に掛けようという戦略でしょう。

我が国の政府は、アメリカ、オーストラリアと連携し「自由で開かれたインド太平洋」の戦略の元、太平洋島嶼(とうしょ)国でも「能力構築支援(キャパシティ・ビルディング)」を強化する方針を決めました。

具体的には14カ国ある島嶼諸国の内、軍隊を保有するパプアニューギニアとフィジー、トンガの工兵を日本に招き、災害での人命救助や道路復旧などの施設分野に関する試行研修を行うことで、事実上の能力構築支援の強化とするそうです。

我が国は憲法上、軍事的支援は出来ませんので、これら島嶼国に対する軍事的支援はアメリカとオーストラリアに任せます。具体的にはハワイとグアム、オーストラリアのダーウィンにあるアメリカ軍の拠点で軍事的側面を強化します。
もちろんオーストラリア軍も加わりますから、日米豪3か国による「自由で開かれたインド太平洋」戦略の構築となるわけです。

こうして11月17日からパプアニューギニアで行われるアジア太平洋経済協力会議(APEC)が始りました。
「自由で開かれたインド太平洋」戦略が、中共の設定した「第2列島線」とぶつかります。

中共側はパプアニューギニアに対して道路や橋の整備を支援し、多額の経済支援も行っています。そしてフィジーへはオーストラリアを上回る経済援助が「一帯一路」の戦略に基づき行われていて、その存在感を強めているとか。

それに対して我が日本は、パプアニューギニアの軍人とフィジーの軍人を茨木県の勝田駐屯地に招き、人道支援と災害救援のノウハウを伝え、さらに軍楽隊を作って陸上自衛隊中央音楽隊がその指導を行ってきました。
その軍楽隊が、今回APECの会場となったパプアニューギニアで各国首脳をもてなす演奏を行ったのです。

まさに中共の「現地へ金を落とさない近代化支援」と、我が国の「現地を教育し自立できるような支援」とがパプアニューギニアでぶつかったわけです。
そしてこれは、「グローバル化」と「国家主義」の対決と同じ構図がパプアニューギニアで行われていることになります。

トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」が意味するもの。それは世界各国が自国ファーストで良いというトランプ氏の提言(国家主義)だったわけです。
これまで欧州列強が行ってきた植民地支配から、現在中共が行っている「すべて中共が行う途上国の近代化支援」まで、すべてが世界統一を夢想したグローバル化の流れでした。

そうした夢想を現実に引き戻したのがトランプ大統領だったように思います。そのトランプ政権にすぐに呼応した安倍政権の世界戦略が、現在の中共封じ込め戦略となって具現化しているのだろうと考えます。

世界が一つになり、軍隊が不要になり、人類がともに繁栄する・・などと言っているサヨク・リベラルは、その妄想の実現のためには「強力な共産主義指導部と人権弾圧や殺人もいとわない」とする中共(中華思想)に利用され始めています。
ユダヤ教やキリスト教、イスラム教の唯一神や、日本の天皇、インドや各少数民族が掲げる多くの神々の上位に中国共産党が君臨するという構図で、その最高権力者が習近平主席というイメージを描き出した習政権なのです。そうすれば戦争は無くなるという妄想と言うより、一種の狂気が頭を持ち上げ始めているわけです。

ゆえにサヨク・リベラルが掲げた妄想平和が陳腐化し、現在の劣化が始まっているのだと思います。
安倍首相がキックスタートした「中共包囲網」に世界が耳を貸すようになったのは、このようなことが次第に理解され始めたからではないでしょうか。

平和とは、世界各国の軍事状況がバランスした時に訪れるものです。軍事バランスが崩れた時、戦争の危機が訪れます。軍事バランスを崩すものが経済力であり、それをバランスさせるようにしているのが各国で行われている経済同盟、すなわちEMUやFTA、TPPなどになるのでしょう。

さまざまな経済同盟が、分裂や融合を繰り返しながらより良き方向を模索しているように見えます。そして経済の基本に自由と資本主義があるわけです。統制経済は人類史上ですべて失敗しています。新しく失敗するのが中共経済だと思います。だから中共は軍事強化の道を進むわけです。

オーストラリアは、やっと中共の身勝手な統制経済に気が付いたようですね。

2018年11月17日土曜日

日露首脳会談・23回目・・

安倍首相になってから23回目の日露首脳会談、安倍・プーチン会談がシンガポールで行われました。
もちろん焦点は北方四島の交渉です。プーチン大統領も北方領土問題が解決されなければ平和条約や経済支援もないことを認識したようです。

歯舞と色丹の2島返還が注目されていますが、日本側は2島返還の後も国後と択捉の返還交渉は続けられるようにしようとするでしょう。
しかしこの2島は比較的大きな島で、返還すれば日米安全保障条約で防衛の範囲となります。当然アメリカが軍の設置を求めるでしょう。それは当然ロシア側は容認できないことです。

現在、択捉にはロシア軍が駐留しており国後にも最近軍の駐留を始めました。新型地対艦ミサイルを配備しています。
択捉島には最新鋭戦闘機スホイ35も導入しています。これらは中共が北極海航路に出てくることを阻止することが目的で配備しているものと思われます。

今年1月、中共は北極海航路を「氷上のシルクロード」と位置づけ、天然資源や新航路の開拓にも意欲を示した白書を発表しています。
また、今年9月には中共が砕氷船「雪竜2号」を上海で進水させました。

北極圏には、世界全体の未確認天然ガスの30%、石油の13%が眠っているという調査結果もあります。そして地球温暖化で海氷面積が縮小したことにより、輸送航路としての価値も高まっているわけです。
極東と欧州を結ぶ海路で言えば、インド洋回りでは約2万キロ、でも北極海航路を回ると1万3千キロと65%ほどに短縮されます。

温暖化で北極圏の海氷が減り始めると、ロシアは早くから北極海航路の開発を始めていました。2011年には北極海中央部をロシアの大陸棚だと主張し、2016年には原子力砕氷船を進水させました。

今年、「赤の広場」で行われた対独戦勝利を祝う軍事パレードで、全ての装備を真っ白に塗装した一団が現れました。北極圏防衛を担う主力部隊だそうです。これを「北極圏権益を死守するという意思の表れだ」と我が国の防衛省幹部が分析したようです。
それくらい今のロシアは中共に対して警戒しております。

さて、このことから北方領土が返還されるかどうかを考えますと、ロシアにとってこの島に軍事基地を置くことは対中警戒の為に絶対必要なことだと思います。
なぜなら中共から北極海航路に向かうためには、宗谷海峡か津軽海峡を通過しなければならないからです。この両海峡とも睨みを利かせられる北方領土は、北極海航路を守る為に必要なポイントになります。

この北方領土に軍事施設を持つには、物資供給の計画が必要になります。日本から調達する方が安上がりであることは確かでしょう。しかしそこには平和条約の締結が不可避だと思います。
安倍首相は平和条約の前提は北方領土の帰属問題を解決すること、と述べております。

ロシアの経済状態は現在は韓国以下だそうです。それだけアメリカの経済制裁が効いているわけです。
その経済制裁を掛けているのはアメリカ・リベラル派で、その力はトランプ政権のこの2年間でかなり衰えています。それが今回の中間選挙ではっきり示されました。

安倍首相がトランプ政権とプーチン政権の間を取り持ち、経済制裁解除に持っていければ、我が国は国際社会の中でかなり優位を占められるのではないでしょうか。
それには対中包囲網として、反中意識が強くなったアメリカの現在を利用するのが一番良いように思います。

安倍首相は、北方領土の帰属問題の解決と言っているのであって、すぐに島から出ていけとは言っておりません。
そこから、まずは歯舞と色丹の2島返還からではどうだ・・という合意点が見えてきたのではないでしょうか。
国後と択捉の帰属については、今後の交渉にゆだねるとして平和条約を結ぶことが安倍首相が出した提案ではないかと考えます。そしてプーチン大統領側は歯舞・色丹で領土問題は完全解決にしたいことが思惑としてあるでしょう。

国後島は日本に帰属し、択捉島はロシアだ・・とか、これらの2島は100年間はロシアが使う・・など、今後の歩み寄りがあるとすれば、このような交渉になるように思います。
そして歯舞と色丹には米軍基地を作らないことも条件に上がるでしょうね、きっと。

ここでアメリカのリベラル派が英国のリベラル派と組んで出てくれば、歯舞に軍事基地を作ると言ってくるかも知れませんね。彼らは中共よりもロシアが勃興することが嫌なのです。
ですから英国は北方領土の帰属が不安定で、日露が対決状態にあることを望んでいるようですからね。

しかしそのリベラル派は、英国でも力を失いつつあります。EU離脱が決まったのもその流れが出てきたからです。
サヨク・リベラルは、世界的に見て退潮の傾向が強くなってきました。トランプ大統領の出現と、中共のインチキが表面化してきたことが原因かも知れません。

北方領土の解決は、このような世界の流れの中にあることを意識しながら進めなければなりません。安倍首相には頑張ってもらいたいですね。

2018年11月15日木曜日

ペンス副大統領がやってきた

トランプ大統領よりも落ち着いた迫力のあるマイク・ペンス副大統領が来日し、安倍首相と首相官邸で会談いたしました。
発表された内容は、「北朝鮮の完全な非核化」、「自由で開かれたインド太平洋」、「拉致問題や、洋上で物資を移し替えて密輸する『瀬取り』対策でも緊密に連携する方針」と、今までと同じ内容に加えて、「日米両政府が第三国での質の高いインフラやエネルギー、デジタル分野での協力を強化すること」と「日米両国が中共と建設的な対話を行うために緊密な連携が重要との認識」が入りました。

第三国での質の高いインフラやエネルギーとは、一帯一路のために中共が行っている高利貸付と港湾などの担保租借を意識したもので、明らかにこの会談は対中経済戦争のための会談です。

安倍首相は訪中して習主席を含む中共の要人と話をしてきております。その安倍首相は「日米両国が中共と建設的な対話を行う」と述べましたが、どうやらアメリカ側は「建設的な対話」が出来るのかどうかを訝っているようです。

それは10月4日にペンス副大統領がワシントンの政策研究機関で行った演説で明らかです。10月4日ですから中間選挙の前ですし、この演説を以てしても共和党が上院の議席を増やし、そして各州知事選でも勝利しましたから、明らかにアメリカ国民はペンス副大統領の演説に共感したのでしょう。

この演説で、ペンス副大統領は・・・
・「中共は宣伝工作を通じてアメリカの民主主義に干渉しようとしている」
・「中共は陸海空でのアメリカの軍事的優越性を損ない、西太平洋地域からアメリカを排除して同盟国支援を妨げようとしている」
・「中共の船が日本の尖閣諸島の周辺海域を日常的に航行して圧力をかけている」
・「中共は対空・対艦ミサイルの配備など南シナ海の軍事拠点化を進めている」
・「中共の駆逐艦が9月末に南シナ海でアメリカのイージス駆逐艦に約40メートルまで異常接近し、嫌がらせをした」
・「中共はインフラ支援として巨額の対中債務を負わせ、自国の影響力を拡大させる目的の『借金漬け外交』を行っている」
・「中共は、中共に対する批判的な言論を中国人研究者らを通じて封殺したりしている」
・「中共は、ウイグル族やチベット族への統制強化を行い『信教の自由への弾圧』を進めている」
など、これまで行ってきた中共の悪行を並べたてました。

このペンス副大統領の述べたことに中共側は「でっち上げ」だと猛反発しているそうですが、すべて事実であることはネット上の記事で明らかですね。(新聞・テレビは中共に操られています)

安倍首相の今回の訪中は、中共の指導部に「アメリカは本気であること、そしてアメリカの怒りは中共側が思っているよりも強烈であること」を伝えたのでしょう。
「通貨スワップ」や「盲目の経団連を連れて行った」のは、我が日本もこれ以上はもう何も出来ないよ・・という最後通告だったのかも知れませんね。
3兆円の通貨スワップでは、とても中共の経済を支えきれません。

このペンス副大統領訪日と同じタイミングで、日本とアメリカ、欧州連合(EU)は世界貿易機関(WTO)の物品貿易理事会にWTO改革案を提示しました。
それは「WTO加盟国が通知なしに補助金交付など自国産業への優遇措置を続けた場合、ルール違反として制裁を科す」とする改革案です。

もちろんこれは中共を意識したもので、日本代表が、ルールにのっとった多国間貿易体制構築のためには「透明性確保に向けた義務を順守する努力が必要だ」と強調したのに対し、中共側の代表は「制裁を科すという方法は良い選択肢ではない」と反発しております。

しかし日米欧は164の全加盟国・地域(台湾や香港も独立して参加しています)が参加する一般理事会で裁決する方針です。

安倍首相が訪中して、やっとこの経済戦争の意味(共産党潰し)が判った中共のようです。四面楚歌となった中共は、ASEANに対して中共側につく国を囲い込もうと動き出しました。

それは11月13日にシンガポールで行われた李克強首相の演説でわかります。そこで・・・
・南シナ海の紛争回避に向けた「行動規範」(COC)を3年以内に策定する
・東アジア地域包括的経済連携(RCEP)は来年中に妥結する
などと言いだしたからです。

しかし、南シナ海の行動規範(COC)は、実効性を担保するための法的拘束力を持たせるかどうかが最大の焦点です。中共側が消極的だったために策定が出来ていないだけです。
王毅国務委員兼外相は「法的拘束力があろうとなかろうと(中共は)厳格に順守する」などと述べていますが、そんな約束などどこの国も信じません。

包括的経済連携(RCEP)についても、その内容はこれまで中共が締結した貿易協定と比べて環境基準や労働基準などの水準が高く、どうやって来年中に妥結するのか、そこは誤魔化しているようです。

アメリカ中間選挙が終わった今、いよいよ本気でアメリカが動きます。共産党を潰すために。
アメリカはいまや議会が共和党・民主党、ともに対中強硬派の声が大きくなっています。ロビーで賄賂を受け取った議員は声が出せません。強硬派の暴走を押さえているのがトランプ大統領なのだそうです。

アメリカが動けば世界中の国は中共の周りから離れようとするでしょう。巻き添えになんかなりたくないですからね。日本の経団連はしりませんけど・・・

ソビエト連邦を潰した時の様に、一発の銃弾も飛ばずに中国共産党は潰れるでしょうか。それとも追い込まれた中共は軍事力に打って出るでしょうか。
いずれも中共のトップの判断次第でしょう・・・

2018年11月13日火曜日

財政法第4条・悪法・・・

佐藤健志氏が述べておりましたが、財務省が消費税10%に固執するのは、財務省の権益を求めているだけではなく、昭和22年に出来た「財政法」の第4条があるからである・・という事です。(チャンネル桜・11月9日)

この財政法第4条には・・

1)国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。
但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。

2)前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。

3)第1項に規定する公共事業費の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。

と書かれております。

佐藤氏の言うには、1)で述べられている「公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」が問題なのだそうです。即ちこれは「財政均衡主義」であって、この文章だと「税収だけが国の歳出になる」と言っているようなものだとか。

赤字国債は、公共事業費、出資金及び貸付金のどれにも該当しませんから、もしかしたらこの法律の違反になるのかも知れません。
また、公共事業費ならば国会の議決を経れば幾らでも出せるようです。ただ「償還の計画を国会に提出」など、もし計画通りに行かなければどうしろと言うのでしょうか。

また、公共事業費については毎年国会の議決をするようになっておりますが、この意味するところは「インフレ防止」ということではないかと思います。

どうやらこの法律はデフレ対策が考えられていないようです。インフレにならないようにしているだけの法律は、デフレ期の対策も載せるように修正しなければならないことは当然だと思います。
そしてそれをサボっているのが現在の国会ではないでしょうか。ですから財務省の官僚が消費増税を何とかしようと必死になるわけです。
また、税金をアップしたものが出世出来るという悪習が残ってしまうわけですね。

国会で法学部出身の野党議員も、このようなことを考えもしなくて、ただ安倍政権打倒とか憲法改正反対などを叫ぶだけですから、いったい何を学んできたのかが疑われます。

この法律に違反して赤字国債を発行したのが1965年の佐藤栄作政権の時でした。赤字国債が必要になったのは、1964年の東京オリンピックのあとの不況が原因だったわけです。
この時は経済が成長局面でしたからあまり問題にはなりませんでした。

しかしその次の1975年の大平内閣の時の赤字国債の発行は、すでに成長経済が終わってしまったことからかなり厳しく、元大蔵官僚だった大平首相は「財政法4条違反」に悩み、そして消費税を発案して総選挙に挑もうとしますが、挫折してしまいます。

大平総理が心配したように、その後赤字国債の発行が続きます。赤字国債が増えても、それが日本国民から借りている(つまり円建て国債)のであれば何の問題もありません。ただこの財政法4条違反になるだけです。

中曽根内閣で「大型間接税」として再燃しますが、やはり反対が多くて挫折。竹下内閣になって、やっと「消費税」として成立しました。1989年、昭和が終わり平成になった時でした。

平成の御代になってから、土地バブルの発生で一瞬景気が過熱しましたが、バブル崩壊の後は低迷します。このバブル期に一時は赤字解消がなされますが、その後は赤字国債が膨らみます。
バブル崩壊の後のデフレで、日本経済は落ち込みます。
消費税は5%に上がりデフレが進み、その赤字を又、消費税8%で何とかしようとしてますますおかしくなったわけです。今度10%にすればどうなるか、ますます赤字は膨らむだけです。
そして若者に技術などの継承が出来ないことで我が国は消滅していくでしょう。

それでも財政法第4条はそのまま残されたのです。景気回復を「構造改革」だの「税率アップ」だのと騒いでいましたが、デフレ対策は何もなされていません。
その根拠がこの財政法第4条にあったわけです。

佐藤氏は言います。消費税10%反対を掲げる前に、この財政法第4条を変更するように働きかけることが必要だ・・と。

デフレ対策が無い法律のもとでデフレ脱却をすることは・・おそらく不可能でしょうね。

2018年11月12日月曜日

成功したカプセル回収

先日打ち上げられた「こうのとり」ですが、ISSで作成された資料の回収を日本独特のカプセル技術で地球への持ち帰りに成功しました。

積載重量は約20kgで、これまでアメリカ宇宙船・スペースシャトルの1.5トンと比べると75分の一ですが、この回収カプセルは逆噴射ロケットが取り付けられ、エンジンを噴射して姿勢を制御しながら減速し、試料への衝撃を和らげながら降下しました。
回収場所は南鳥島周辺の海上ですが、担当者は「ふんわりと降りる技術は、有人宇宙船開発の最初のステップになるかもしれない」と話しているそうです。

我が国はこれまで試料の回収をアメリカとロシアの宇宙船に依存してきました。しかしこれでは回収に地球に来てから日本に送られるため時間がかかります。
今回の回収実験の成功で、資料回収は独自に出来るようになるでしょう。

これまで、日本の宇宙開発はH2A・Bロケットで打ち上げ、成功率97%となってきましたが、地球への帰還実績は2010年の「はやぶさ」からの帰還カプセルだけでした。
今回の逆噴射ロケットによる回収が成功したために、有人宇宙船開発が急激に進むかも知れませんね。

ISSから切り離された「こうのとり」は、一度地球周回軌道に入ります。それから回収カプセルを切り離し、こうのとりはそのまま大気圏に突入して燃えてしまいます。
切り離されたカプセルは地上からの制御によって姿勢をコントロールしながら逆噴射でスピードを落とし、そして南鳥島周辺の海域へ無事着水したと言う事です。

我が国の宇宙開発は、1955年の東京大学生産技術研究所で糸川英夫博士が行ったペンシルロケットの水平発射実験が最初でした。
「玩具のようなロケットで何が出来るか」という嘲笑を受けながらも、糸川博士は「スケールが小さくてもデータは取れる。大きくしたければ数字上で大きくすればいい」と語っておりました。

当時は核弾頭搭載のミサイルを敵国まで大洋を超えて打ち込むミサイルの時代に入っていました。これらのロケットは液体燃料が主流でしたから、固形燃料で飛ばすペンシルロケットは兵器転用は無理ということで、アメリカも大目に見ていたようです。
しかしデータだけはコピーをよこせと言う事らしく、アメリカは糸川博士の研究に注意はしていたのでしょう。
そして糸川博士が実験で得られているデータが的確なデータになっていることを、アメリカも知っていたはずです。

1957年にソビエト連邦が「スプートニク」という人工衛星を打ち上げます。アイゼンハワー政権は衝撃を受けます。もしこの人工衛星に核爆弾が乗せられていたら・・・と言うことでアイクは大統領を降りてケネディ政権が誕生します。
アメリカの宇宙開発はそこから本気になって行きます。ケネディ大統領は「1960年代にアメリカは月へ行く」と宣言しました。

ケネディ大統領は、ミサイルの大型化で産軍複合体がアメリカ経済を左右していることに不快感を持ち、その経済を宇宙開発という方向に向けさせようとしたのでしょう。
しかしミサイルと宇宙へ行くロケットは同じものです。そしてアメリカは夢と希望の宇宙開発と、地獄の戦線・ベトナム戦争の両方をやり抜きます。

我が国では、その後ロケット開発は東大の宇宙航空研究所と宇宙開発事業団、そして航空宇宙技術研究所の3つになりますが、2003年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に統合され、今日に至ります。

JAXAは、2007年にロケット技術を三菱重工に移転します。2011年にNASAがスペースシャトルを終了し、後継を民間企業に移転したことから、宇宙開発も民間事業になったことを受けてのことだったかも知れません。

国際宇宙ステーション(ISS)はスペースシャトルで運用されてきました。スペースシャトルの終了で日本がISSへの物資輸送を手掛けるようになり、H-2Bによる大型バス程度の大きさのカプセル(こうのとり)もISSへ輸送可能になりました。
しかし研究者の地球との往復にはロシアのソユーズシステムが使われております。
これを日本も出来るようにならないと、ISSの運用は2024年に終了と言う事になってしまいます。

そのための一歩がカプセル回収だったのではないでしょうか。小さくても成功は成功です。あとはスケールを大きくして行けば、やがて人間を地上に戻す方法として確立されて行くでしょう。
打ち上げは現在の「こうのとり」でも内装を変えれば行けるように思います。

こうしてやがて月面に日本の調査と研究の基地が出来るようになって行くでしょう。楽しみですね。

2018年11月11日日曜日

グレイ・ウォーとは?

米中の経済戦争のことを「グレイ・ウォー」と言うのだそうです。冷戦の新しい形かも知れません。冷戦は核爆弾とミサイルの組み合わせで、「世界戦争に勝者は無し」という核爆発で発生する大量の放射能によって人類は滅亡することが、ある意味で常識のように言われていました。

この放射能の恐怖は、遺伝子修復機能を持たないショウジョウバエの実験結果を誇大に発信したり、原子力発電の事故で死亡した人を誇大に喧伝することで世界の人々を洗脳することで平和の維持をしようとしたグループが作り上げたものだと思います。(原発反対は石油メジャーの煽動だとも思いますけど・・)

核戦争で勝利者の居ない戦争の恐怖が、ケネディ政権あたりから世界の人々の間に心身症を広げたようで、核の報復を可能にすることでバランスを保とうという冷戦構造が成立したわけです。
この報復核の発射で大統領指令が核サイトに届くように、電磁波のブラックアウトを避ける目的で作られたのが交換機なしの有線ネットワーク・アーパネットで、現在のインターネットの母体です。

しかし嘘は何時かはバレます。核の恐怖、冷戦構造のバカバカしさに最初に気が付いたのは世界中の学者たちで、無用の長物であるアーパネットに自分の大学のコンピュータを使って入り込み、論文の伝送や参照論文の閲覧を相互に行えるようにした時、ネットに入ること・インターネットが出来上がって行ったわけですね。

こうして米ソ対決の冷戦構造は、レーガン大統領のハッタリと軍事技術の予算暴騰で経済的にソビエト連邦を崩壊させました。戦闘は行われませんでしたね。

そしてこのソビエトに変わって、「社会主義市場経済」という自国の市場は開放せずに他国だけを経済解放させる自由貿易を推進する中共がのさばって来たわけです。
特にオバマ政権の8年間で、人工島要塞を作ったり、高度軍事技術は盗んだり、民間技術を喝上げたりと、世界の警察官が居なくなったことを良いことに傍若無人な振る舞いを始めます。

この「悪の帝国・中共」を最初に指摘したのはカリフォルニア大学アーバイン校教授であった「ピーター・ナバロ氏」でした。
そしてその原因を作ったのが日本の非武装憲法にあることを指摘したのが戦略国際問題研究所の上級顧問だったエドワード・ルトワック氏でした。

日本の非武装憲法を押し付けたのはマッカーサーであることから、アメリカは日本にそう無茶は言えず、何とか憲法改正をしてくれということ、ただしアメリカには歯向かうな・・というスタンスのようです。

一方、我が国の方は戦後の驚異的な経済発展が忘れられず、またサヨクの日本解体戦略も手伝ってなかなか憲法改正が出来ません。
しかし一流の経済発展だけは、財務省の愚かな政策にも拘わらず今の所まだ健在なようです。

トランプ大統領が誕生して、ナバロ教授が政権に入り、対中貿易の実態が明らかにされると、これまで中共の賄賂で眠らされてきた議会が目覚めます。
そして次第に議会の対中批判がエスカレートし始め、現在はこのエスカレートを如何に抑えるかがトランプ大統領の仕事になってしまったとか。

米中の経済戦争は、もはや経済の範囲を超え、国防省が出てきております。トランプ大統領はまだ「これは貿易戦争だからディールで・・」などと考えているようですが、すでに議会の方が対中経済戦争に持ち込んでおります。
そしてこの戦争を「グレイ・ウォー」と名付けたわけです。経済的にソビエト連邦を潰した経験を踏まえて、中共も潰そうという考えの様に見えます。
冷戦からグレイウォー・・・新しい戦争の形が見えてきますね。

アメリカのロビー活動で賄賂攻勢が効かなくなってきた中共は、高度技術部品の供給先を日本に求めるのは必然でしょう。
日本にはまだ中共が洗脳した政治家がわんさと居ますし、思考停止させたサヨクの活動家も居ります。日本の法律は対中侵略をむしろ助長するようになっていて、土地の購入で簡単に合法的に侵略できます。その土地に中華圏を作って日本の警察も手が出せないようにすることは、すでに池袋あたりで実施されていますからね。

財務省の愚策で日本企業は人手不足に陥ります。生産設備の合理化が長期不況(デフレ)で進んでいませんし、高齢化が進んできます。
企業は政府に泣きつき、外国人労働者の定住を認めるように懇願し、一般国民の反対を無視した法案が通りそうです。
そしてこの法案が通れば、中共からの移民がどっと増える事、即ち中共の日本侵略がさらに激しくなることが予想されるわけです。

「グレイ・ウォー」では戦線は出来ないかも知れません。なぜならこれは、このような中共の侵略を意図した、対抗策で生まれた言葉のようですから。
そして我が国はまだ、戦争というと「大東亜戦争」しか意識にありません。これが我が国にとって一番危険な点なのです。

2018年11月9日金曜日

米中間選挙・民主党が下院制す

アメリカの中間選挙が、トランプ大統領のこの2年間の評価になるとのことで、世界的に注目を集めましたが、結果は上院は共和党が大勢を占め、下院は民主党が大勢を占めたようです。
まあ、アメリカの中間選挙はいつもねじれておりますが、今回もそうなったようですね。

アメリカのNBCテレビ局が行った出口調査によりますと、有権者の内54%が「トランプ大統領の弾劾手続きを望んでいない」とする回答をしたそうです。
弾劾すべきと答えたのは41%で、どうやらトランプ大統領を弾劾しようという国民は過半数以下のようです。
それでも民主党支持者の78%が「弾劾すべき」という意見で、共和党支持者や無党派層に比べて反トランプ感情がかなり高いようですね。
下院で過半数を占めた民主党は、今後ロシア疑惑などの追及を強めるとみられているそうですが、弾劾まで行きますかどうか・・・

民主党下院のトップ議員であり、下院議長に就任する見通しである「ナンシー・ペロシ院内総務」は、「分断はもうたくさんだ。国民は平和を、結果を求めている」として「与党・共和党と協力して議会運営にあたる」と述べております。

一方、トランプ大統領は、11月7日の午後に行われた記者会見で、CNNのジム・アコスタ記者がロシア疑惑捜査を巡る質問や不法移民についての質問を始めると、「ほら来た」「マイクを置け」などと言いながら「君は無礼で、ひどいやつだ」などと語り、それでも質問を続ける記者にトランプ氏は無視を続けました。

また、上院で共和党が勝利したことで、すぐにジェフ・セッションズ司法長官を更迭しました。彼は2016年大統領選の期間中に駐米ロシア大使と接触していたにもかかわらず、議会に報告していなかったことが更迭の理由だそうです。
このことは、共和党が上院で多数を取ったら行うことを事前に述べていたことで、司法長官の人事には上院の承認が必要なことから上院で多数を取ったことが確認されたことを受けて実施したと言うことです。

とりあえずセッションズ氏の首席補佐官を務めたマシュー・ウィテカー氏が長官代行を務めることとして、「近日中に(新司法長官を)発表する」と明らかにしたそうです。

さて、上院が外交・防衛の責任を持っておりますから、そこが共和党になっていることから対中経済戦争は継続されると思います。特に中共の卑怯なやり方に対しては民主党も怒っておりますから、変わらないか、あるいはさらに激しくなるかも知れません。

しかし下院を民主党が多数を取ったことで、対中戦争が緩和されるのではないかという思惑があるのかどうか、オーストラリアのペイン外相は、7日から中共を訪れて王毅国務委員兼外相との会談するそうです。そしてスリランカではシリセナ大統領が対立していたウィクラマシンハ首相を更迭し、親中派のラジャパクサ前大統領を後任に据えたそうです。
イランは少しほっとしたようで、またドイツもこれでトランプ大統領にブレーキがかかると判断しているようです。
中共は今の所、論評を避けているようです。経済戦争が収まるとは思っていないようですね。

アメリカの民主党は日本と違ってアメリカに国益をもたらす政策には反対しないでしょう。おそらく・・・
ですから日本に対しては今後アメリカの自動車を買えと言う圧力を強くするでしょう。アメリカ車は日本に適さないし日本のユーザーの多くは買わないという説得は通らないかも知れません。
さらに民主党も対日防衛を問題にして、日本の防衛力強化を要求してくる可能性もあります。

アメリカ国内の景気が良くなっても、貿易赤字は増え続けています。トランプ政権の焦りもそこにあるように思います。もちろん中共の対米輸出がその分黒字を拡大しています。
関税を掛ければアメリカ国内の生産が可能になり、対中輸入が減り、貿易赤字は縮小されるはずなのですが、どうも生産設備がすぐには動かないようですね。それにいつまで続く好景気かも判りません。慎重に考えますから・・・

今回の中間選挙で、トランプ大統領は共和党支持層からの支持率を90%弱にしました。つまり次回の大統領選へ向けた共和党内の支持を得たことになります。
民主党は次期大統領候補としてジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース米上院議員が噂されているようですが、トランプ大統領に対抗するのは難しいみたいですね。

2018年11月7日水曜日

日韓請求権協定と徴用工

日韓請求権協定とは「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」という長い名前の協定を略して書いたものです。
1965年(昭和40年)6月22日に東京で合意され、1965年12月18日の効力が発生しました。

この協定は、日本語と韓国語で書かれ、その上で言語解釈上「相違」がある場合には、英語の本文による。とする日韓基本条約に基づき、英語でも書かれております。

今回の徴用工問題は、元徴用工という個人が2012年に「新日鉄住金」を相手に起こした裁判から始まります。
この時は盧武鉉氏が大統領でした。韓国最高裁判所が「戦時の徴用だけでなく『植民地支配(日本の統治)』の不法性まで損害賠償請求権が請求権協定で解決されたとみるのは難しい」として高裁に差し戻したことから始まります。

ここで、「植民地支配の不法性」が何を指しているのか、どこの法律に対して不法だとするのかが問題になるように思います。
日本政府は、朝鮮半島を植民地支配したことを認めてはいません。日本と韓国では植民地の定義が違うようです。

1954年、朝鮮半島は朝鮮戦争の停戦で2つに分裂され、北側が北朝鮮となり南側が韓国となったわけです。
この頃はソビエト連邦が後押しした北朝鮮と、アメリカが後押しした韓国が米ソ冷戦のアジアの窓口として競争しておりました。

それから10年後、1964年に東京オリンピックを成功させた日本は経済的に上り基調でした。そこで韓国に対し経済発展を後押しするように日本からの援助が考えられました。
日本は(現在も)韓国を朝鮮の正式な国家と認め、北朝鮮を承認しておりません。ただ北朝鮮が国際連合加盟国であることは認知しているようです。
そして1965年の時点では韓国との間にも大東亜戦争後の整理がなされておりませんでした。

そこで、戦後処理としてなされた協定が「日韓請求権協定」であり、日本は韓国に対して合計5億米ドル(無償3億米ドル、有償2億米ドル)及び民間融資3億米ドルの経済協力支援を行うことが決定され、これによって戦争前の両国の請求権は解決したとされました。

この日韓請求権協定には、第二条に「両国は請求権問題の完全かつ最終的な解決を認める」ことが明記されております。
つまり「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む。)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題」については、「1951年9月に締結されたサン・フランシスコ平和条約の第四条(a)に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなる」と書かれております。

国民の請求権も解決されたとなっておりますから、徴用工という個人の請求も解決されているはずですね。

さらにこの協定には第3項があり、「両国はこの協定の解釈及び実施に関する紛争は外交で解決し、解決しない場合は仲裁委員会の決定に服する」というようになっております。

そしてこの仲裁委員会は、「いずれか一方の締約国の政府が他方の締約国の政府から紛争の仲裁を要請する公文を受領した日から三十日の期間内に各締約国政府が任命する各一人の仲裁委員と、こうして選定された二人の仲裁委員が当該期間の後の三十日の期間内に合意する第三の仲裁委員又は当該期間内にその二人の仲裁委員が合意する第三国の政府が指名する第三の仲裁委員との三人の仲裁委員からなる仲裁委員会に決定のため付託するものとする。ただし、第三の仲裁委員は、両締約国のうちいずれかの国民であつてはならない。」という複雑な取り決めも書かれております。(ですから英文の文書も必要だったわけですね)

ですから自民党が、外交部会などの合同会議を開いて、元徴用工をめぐる訴訟で韓国最高裁が日本企業に賠償を命じる確定判決を出した問題について日韓請求権協定に基づく協議や仲裁を韓国側に申し入れるよう政府に求める決議案を了承したわけです。

これが河野外相に渡り、このことを韓国側に伝えたようですが韓国側からの応答はないようです。
国際協定としての日韓請求権協定ですが、それを無視した韓国国内だけの高裁判決(最高裁ではありません)が優先する韓国なのです。

韓国側は、仲裁委員会にすると国際社会での韓国の印象悪化を心配しているようです。韓国が応答しないことで日本は国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方針を固めたとか。
ICJに日本側が訴えても、韓国側が応じないと裁判は出来ません。「感情的な外交は国際社会で韓国を孤立させる。国際社会は日本側につく」という外交筋の言葉通り、すでに韓国は国際社会では信用が揺らいでおります。

「政権交代ごとに韓国は約束を覆すという批判を受ける理由を与えた」とは韓国の新聞に掲載された記事です。韓国側も判ってはいるのですね。

さて、このように韓国が反日を掲げて争うのは、その裏側に北朝鮮の工作があり、そして反日日本人(サヨク)の謀略があるようです。
戦時慰安婦(キャンプフォロワー)を「従軍看護婦」と言ったのも、さらに彼女たちを「セックススレーブ(性奴隷)」と呼ぶようにしたのも、国連人権問題委員会などに出向いた日本のサヨク弁護士たちです。

日本のサヨク弁護士たちと北朝鮮の金委員長周辺とはなにがしかの繋がりがあるのかも知れません。
1977年に発生したダッカ日航機ハイジャック事件で、福田赳夫内閣総理大臣が「一人の生命は地球より重い」と述べて犯人の要求をすべて呑んだ日本政府の対応が、その後の拉致事件を生んでしまったことは有名な話です。
ここら辺から戦後日本で動き出した学生運動と、共産主義革命を標榜する政治活動とが北朝鮮の社会主義と結びついたことは間違いないでしょう。現在も在日本朝鮮人総連合会などとつながっているようです。

日本に続いてソウルオリンピックが決まったのが1980年でした。日本からの経済援助で軌道に乗った韓国経済は「漢江の奇跡」を成し遂げ、ソウル五輪で北朝鮮との経済力の差を世界に見せつけたわけです。
そしてこの頃から北朝鮮の韓国に対する工作活動が本格化したように思います。

今も北朝鮮の工作に簡単に乗ってしまう韓国国民です。その北朝鮮の裏側には日本のサヨクが活動し、日本国家を貶めようとしながら、韓国を巻き込んでいるように思います。
社民党や日弁連、サヨク労組と、そして朝日新聞や東京新聞が核になっているのかも知れません。この日本の闇が韓国と北朝鮮を操っているのではないでしょうか・・・

2018年11月6日火曜日

大丈夫か、水道民営化

今、我が国の水道事業が危機に直面しています。各自治体の施設は老朽化し、耐震化に送れていている上に経営基盤が脆弱、そして施設更新のための備えもありません。
現在、水道事業は都道府県が主体となって営んできました。しかしこの状態で今後は必要な人材を確保することも難しく、遂に民営化のための「水道法改正案」が今国会で成立を目指して政府・与党が動き出しました。

政府が打ち出したのは「コンセッション方式」です。これは、ある特定の地理的範囲や事業範囲において、事業者が免許や契約によって独占的な営業権を与えられた上で行われる事業の方式です。
これには住民の抵抗が根強いそうですね。

新潟県議会は,「住民の福祉とはかけ離れた施策である。国民の生命と生活に欠かせない水道事業は民営化になじまない」として野党系が水道法改正に反対する意見書を提出、それに与党自民党が賛成しているそうです。

外国で水道事業を民営化して失敗した例は多いそうです。アメリカのアトランタ州では、1999年に民間が水道の運営権を取得したものの、水道施設の維持費がかさんで水質が悪化し、4年後に再び公営に戻されたという現実があります。

また、南アフリカでは民営化後、料金高騰で支払えない約1千万人が水道を止められ、汚染した河川の水を使いコレラが蔓延してしまった事件もあったとか。
ボリビアでは料金が高騰し暴動が発生したそうです。

この15年間を見て、30カ国以上で水道事業が民営化され、そして失敗し再公営化されているそうです。

政府は「人口減少で料金収入が減少するとともに、事業を担う人材も不足する」という理由を掲げていますが、他のものとは違って水道は命に直結する問題だとと思います。
それに人口減少は地方から都市部への人口の偏りであって、地方の出産率が下がってしまったからではないでしょうか。

都会の水道料金を値上げして、過疎の地方の水道施設の拡充にあてるなど、各都道府県の水道局だけに任せるのではなく国家としての取り組みを願いたいものです。
消費税のアップよりも切実な問題で、消費税を後回しにしてもいいから、ぜひ検討して欲しいですね。

都市の水道を少々高くしても、どうせ飲料水はペットボトルの水を買っているくらいですから影響は小さいように思います。
都会への人口集中に歯止めがかかるかも知れませんしね。
飲食店など、大量に水を使用するところには、使用量に応じて減額申請を認め、社会的影響が大きいと判断した場合には値下げすればいいのではないでしょうか。

民営化とは、民間事業化であって、民間事業ならば「利益が出なければ経営出来ません」。利益を出すために技術開発が行われ、効率的な運営がなされ、施設更新がなされるのです。

それには競走原理が働かなければなりません。しかし水道は町中や道路の下に配管し、水を送る販売方式です。そこに複数の企業が配管して価格競争をさせることは出来ませんね。
ですから「コンセッション方式」にするのでしょうが、これは単に水道の既得権を民間に与えるだけで、一種の独占事業化してしまいます。
運営がうまく出来なくて既得権を取り上げ、別の事業者に渡しても結果は同じだと思います。結局最終的には公営に戻るだけではないでしょうか。

民営となれば、料金は上げ放題(ペットボトルの価格くらいまで上げられます)、耐震工事などするわけもなく、震災が来れば被災復興は国の責任として押し付けて来るだけのように思います。

もし外国の企業に買われたらますますその危険性は高くなります。「ODAを止めたら水道を止める」くらいのことは言い出しかねません。

我が国の水道は天水です。取水先は河川であり地下水ではありません。水道用のダムから都会などに配管によって販売します。
このダムの維持費を民間企業が出せるのでしょうか。河川のダムは底に砂が溜まりますから浚渫工事を常に行わなければなりませんし、雨水の状況によっては放流したりする管理も必要です。
渇水の時は他のダムから回すなど、自然の驚異に対して柔軟に対応することも求められます。

どう考えても、これを民営化することが良い方法だとは思えません。水道料金を値上げしても公営で対処すべきではないでしょうか。

2018年11月4日日曜日

原子力発電の今

意味も解らず「原発反対」を叫び、大災害で事故を起こした原発を、あたかも「それ見たことか」と言わんばかりに必要以上の恐怖を煽り、必要以上の避難勧告を出し、住民を犠牲にした「反原発団体」が居ります。

これら「不逞の輩」が邪魔をして、現在の原発の状況が判りにくくなった我が国ですが、確実に原子力発電は技術的進化が続いております。
現在は小型化が進んでいて、安全性も抜群に良くなっているようです。

反原発の「不逞の輩」はどこの国にも居るようで、しばしば暴力的になります。そしてマスコミを味方に付けますからやっかいです。恐らく石油メジャーあたりから資金が出ているように思うのです。
主張は核反応炉の事故とか核廃棄物処理の問題が主なようで、あとは技術的なものの理解はめちゃくちゃな主張です。

ですから原発の研究はこのような不逞の輩を暴力を使ってでも排除できる国、すなわちロシアとか中共、そして独裁に近い国家などが実験や建設で伸びてきています。
アメリカはウエスチングハウス社が頑張って居ます。またゼネラル・エレクトリック社は日立と共同開発を進めております。

また、マイクロソフトの創立者ビル・ゲイツ氏が出資する「テラ・パワー社」も、東芝と組んで新型炉を開発しています。

フランスのカダラッシュで実験炉(ITER)が建設中の核融合炉ですが、実用化されるまでの繋ぎとして、原子力発電は必要不可欠です。人類にとって。

ですから各国とも原発開発にしのぎを削っているわけで、現在原発の形式として、「小型軽水炉」「高温ガス冷却炉」「高速中性子炉」「進行波炉」の4種類があるようです。
それぞれに特徴があり、まだどれが最も普及するかは判っておりません。

小型軽水炉は、最も技術的なリスクが低く、かつ現在のアメリカの連邦規制の枠組みに最も適合しやすい原子炉で、減速材として水を使用します。5%以下に濃縮されたウラン235を燃料として使用し、燃料取替期間は最大で6年。老朽化した火力発電所のリプレイスとして利用することが可能であり、小型化することでモジュール型地下原子炉(加圧水型)となり、安全性が高まります。ウエスチングハウス社などが開発しております。

高温ガス冷却炉は、ウランを黒鉛でくるみ、直径1mmほどのビーズ状にしてセラミックケースの中で反応させる原子炉です。減速材は黒鉛で、熱交換にヘリウムガスを使用します。(二酸化炭素、窒素でも可能)
15.5%まで濃縮したウランを使い、18カ月ごとに炉心の半分を取り替えて運用するそうです。
ロシアのOKBM Afrikantovと日本の富士重工業とのパートナーシップによって現在開発されているということです。

高速中性子炉は、小型で構造が単純であり、燃料効率が良く、燃料取替サイクルが長い(最大30年)ことが特徴です。
軽水炉で発生する高濃度核廃棄物や、核兵器で劣化交換された核物質をも燃料と出来るため核廃棄物の削減にもなりそうです。減速材は使用せず、液体ナトリウムを使用して熱交換を行うようです。
大気圧に近い圧力で運転し、反応度フィードバックによる自動出力抑制など受動的安全性を有しているそうです。GEと日立が「ニュークリア・エナジー革新的小型モジュール原子炉」として作成され、すでに試験を終え、市場に売り出す準備は出来ているとのこと。

進行派炉は、テラ・パワー社と東芝が開発を進めている一種の増殖炉です。燃料に核廃棄物である劣化ウランを使用するもので、劣化ウランの核分裂連鎖反応が波状的に60年以上かけてゆっくりと進行する事を利用した原子炉です。
この炉の理論はソ連のSavelii Moiseevich Feinberg氏が最初に提唱しましたが、東京工業大学原子炉工学研究所の関本博教授も同じような理論を発表しています。

このように原子力発電は日進月歩で進化しています。最近は特に核廃棄物を燃料に使用する炉が注目を集めているようで、もしかしたらガラス固化し地下に埋設した高レベル廃棄物も、とりだして燃料として売れる時代が来るかも知れません。

もちろんそれでも半減期の何万年もかかる放射性廃棄物は残るでしょうが、それは量としてはものすごく少ないはずです。
量が少なければ宇宙での保管(半減期が10万年なら10万年の周回起動に打ち込めば、地球に戻ってきた時は無害になっています)も可能です。

映画やマスコミの反原発プロパガンダに躍らせられる「反原発運動」は、よく見ていると石油メジャーなどの既得権を守っているだけの事に見えます。
その石油メジャーもすでに石油から原子力に資本を動かしているように思います。いつまでも「反原発」を叫んでいると、気が付いた時は周りはほとんど原発の電気を使っていて、白い目で見られている自分に気が付くだけかも知れません。

技術とは、何度も失敗を繰り返しながら、それでも果敢に進歩していくものなのです。

2018年11月1日木曜日

中共、韓国、北朝鮮・・・

かつて特亜3国と呼ばれた「中共、韓国、北朝鮮」ですが、この3か国だけは国際的常識が異なるという意味で特亜(特殊アジア?)と呼ぶそうですね。

その中の一つ、韓国が国際条約(請求権協定)を反故にする司法判断を出しました。

元々は1965年の日韓請求権協定で「解決済み」とされた問題です。

それを元徴用工という個人が「新日鉄住金」を相手に起こした裁判で、「労働動員者(徴用工)への補償問題」に対し、2012年に韓国最高裁が出した「戦時の徴用だけでなく『植民地支配(日本の統治)』の不法性まで損害賠償請求権が請求権協定で解決されたとみるのは難しい」として、高裁に差し戻した件です。
この時は盧武鉉大統領の時代でした。

それでもその後、韓国政府は、国家間の合意上、「請求権問題は解決済み」との立場は守ってきました。
政権が朴槿恵政権になって、再びこの件が表面に出た時も、この元徴用工訴訟の判決を先延ばしにしてきましたが、政権が文在寅政権に変わると、これまで先延ばしにしてきた最高裁所属機関の前幹部を逮捕して、差し戻された高裁は原告勝訴を判決として出したわけです。

「(昭和40年の)日韓請求権協定に明らかに違反し、国際社会の常識では考えられないことが起きている」と河野太郎外相は李洙勲(イ・スフン)駐日大使に向かって抗議しました。
また、安倍首相も「今般の判決は国際法に照らしてあり得ない判断だ。日本政府として毅然と対応していく」と述べました。

日本側はあくまでも韓国の国内問題であり、国際法遵守を韓国の政府責任として追及する構えのようです。対する韓国は、新日鉄住金など日本企業の在韓財産を差し押さえようと画策しているとか。

大衆が騒ぎ、韓国政府が間に挟まれる構図ですが、この大衆の背後には北朝鮮が居るのだと思います。

アメリカ・トランプ大統領と会談して舞い上がった金正恩委員長ですが、トランプ大統領からは「金を出すのは日本で、拉致問題が解決したら出るよ」といなされ、拉致問題の解決が出来ない状況からか日本側を如何に攻めようか・・・その結果がこの徴用工問題に火をつけて揺さぶることだったのかも知れませんね。

そして経済面では結局中共・習政権に泣きつくしかありません。現在は再び北朝鮮と中共の間で取引が始まっているようです。(制裁決議違反ですけどね)
そこで安倍首相は北京を訪問し、「拉致事件解決の協力」を求めたわけですね。3兆円の通貨スワップと引き換えに。

そして日中間の平常化については「新3原則」という「競争から協調へ」「脅威ではなくパートナー」「自由で公正な貿易体制の発展」を提唱してきました。
習主席は「真摯に検討する」と答えたようですが、この3項目はトランプ大統領と話し合って決めたのではないかと思えるほど、共産主義を潰すキーワードになっております。

気がついた北京は、まったく日本語とは違う解釈で発表したようで、それをもって立憲民主の枝野代表が首相に向かって「首相は北京で何を話してきたのか」などと突っ込んでいましたが、それを全面拒否できなかった習政権の追い詰められた状況が判っているのでしょうか。
外交交渉の経験がない枝野氏なのですね。

評論家の鍛冶俊樹氏は、「要するに人民元は在日米軍の軍門に下った」と断言しました。その意味を鍛冶氏は「日中通貨スワップは、人民元暴落の予防措置だ」として、「SDR入りした筈の通貨が大暴落の予兆に怯えている」ということを露わに示したもの・・と述べております。
だから日本円の「権威」にしがみつく形となった、ということだそうです。

そして今回の日中首脳会談を、1989年のマルタ島における、ブッシュ、ゴルバチョフの米ソ首脳会談と照らし合わせて、この時「アメリカが対ソ封じ込めから対ソ経済支援に転換した」として、この2年後の1991年にソ連は崩壊した・・とを述べています。

すなわち、今回の首脳会談で「中共経済が日本の管理下に入った」ということになります。
これだけ膨張した中共経済が、これからどのように崩れていくか判りませんが、もしかすると来年早々にも崩落の危機が訪れるかも知れません。
その時「通貨スワップ3兆円」ではとても持たないでしょう。北京詣でを行った日本の企業数から見て、その時我が国が被る経済被害はかなりの規模になるのではないでしょうか。

これを「リーマン・ショック以上の危機」として消費税増税が出来なくなるというシナリオもあるのかも知れませんね。

中共が無くなれば(民主中国になる)、北朝鮮は後ろ盾を失います。当然韓国もアメリカと日本に頼らざるを得なくなります。それでも反日を唄い続けるでしょうけどね。