2019年6月30日日曜日

大阪G20、さまざまな動き

6月28日から行われているG20「20カ国・地域首脳会議(サミット)」は、さまざまな思惑の「友好」関係が進んでおります。

来日した習近平中共主席に、安倍首相は「日中関係は永遠の隣国であり、恒常的かつ緊密にハイレベル往来を継続し、習主席を来春、国賓として再来日」するようにしたとかするとか。

尖閣周辺に海警局の重機関銃を積んだ船を恒常的に侵入させ、日本の領海を犯している隣国は、地勢的にはたしかに「永遠の隣国」でしょうが、何も国賓として来日してもらう必要はないのではないでしょうか。
習主席は、北朝鮮の金委員長との会談で日本の拉致被害者の返還を促したそうですが、我が国の国民をスパイ容疑で逮捕し、まだ解放もされず、人質として収監されたままです。彼らを日本へ戻すような交渉はしていないのでしょうか?

習主席が金委員長と会談したとしても、金委員長は中共の江沢民派と組んでいるわけですから、習主席の言うことなど聞く耳は持たないでしょう。
また、アメリカに逃亡した郭文喜氏と令完成氏は、習政権の恥部(犯罪的権力掌握)の証拠書類を大量に持って亡命しているのです。(兄の令計画氏はいまだ檻の中ですけど)
そして郭文喜氏をかくまっているのがスティーブン・バノン氏だと言うことです。

恐らくアメリカ・ペンス副大統領がウイグルやチベットでの人権問題で中共を追い詰める、その基となっている情報は彼らが持ち逃げた情報からなされているのではないでしょうか。
中共の元国家副主席だった曽慶紅氏は、別名「江沢民派第二号人物」と言われていて、習政権の排除に向けた行動をしています。

すでに習主席の周りからは次第に幹部たちが離れていて、プーチン大統領とか安倍首相に頼るしか方法がない習主席のようです。
トランプ大統領はその習主席と会談をしました。そして「貿易戦争」の一時休戦を決めたそうです。
6月末に開始するはずだった「第4弾」の追加関税約3千億ドル(約32兆円)分を中共からの輸入品に掛けることが中止になっただけです。昨年7月から米中双方が発動した制裁関税は維持されるとか。

華為技術(ファーウェイ)に対する米当局の禁輸措置に関し、トランプ大統領は「アメリカ企業は華為に部品を売ることができる」と述べたようです。
アメリカ政府は「安保上、深刻な緊急性がない」場合だけ部分的な禁輸解除を検討する可能性があるようですね。

習主席は、「中共側はアメリカ側との交渉を継続し、相違をコントロールする誠意がある」と述べた上で「国有企業への産業補助金などの構造改革や、アメリカ側が求める合意内容の履行を監視する仕組みづくりで一方的な譲歩はしない」と述べております。
まあ。これを認めれば共産主義が終わるわけですからそう簡単に譲歩は出来ないでしょうけど・・・

トランプ大統領はG20に先立って「関税25%」をぶち上げ、そしてG20の交渉でそれを引っ込めました。そしてこれまでの関税はそのままにしたわけです。
世界はアメリカが部品供給を止めると中共企業の生産が止まってしまうことを知りました。その上での一部輸出再開と持って行きました。
そして「米中貿易交渉」は継続することで一致したとか。つまりこの貿易協議では、アメリカ側は常に「追加関税25%」で中共側を恫喝出来るわけです。これが国家間交渉と言うものですね。

そして米中経済戦争による世界経済へのショックは回避され、そしてこのことはトランプ大統領の来年の大統領選には有利に働くと言うことです。
このことを予見していたのか、アメリカ・アップル社は今秋発売予定の専門家向けパソコン「マックプロ」という新製品の中共での生産を続けると発表しました。

どう見ても、トランプ大統領の方が習近平主席よりもうまく交渉をやったようです。習主席は「一方的な譲歩はしない」と言うのが精いっぱいだったと思います。
そしてトランプ大統領は習主席を「200年に一人の偉大な指導者」などと持ち上げる余裕を見せています。

このG20では、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領との会談も予定にいれてありました。トランプ大統領はプーチン氏のファーストネームである「ウラジミール」と呼んでいたそうです。
さらにサウジアラビアの皇太子やトルコ・エルドアン大統領といった独裁・権威主義体制国家の指導者との親密ぶりをことさらにアピールしていたと言うことです。

そして帰国途中で韓国に渡り、韓国と北朝鮮との間の「非武装地帯(DMZ)に行く」とツイッターに書き込んでいるとか。
金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会う意向があると言うことで「3分でも良いから合いたい」と述べております。

トランプ大統領の本当の敵は、アメリカ国内で暗躍する「グローバリスト」達です。国際金融資本とかディープステートなどと呼ばれる連中で、彼らとの交渉では、国家主義の元首たちが駒として必要なのでしょう。

グローバリスト達は、中共とロシアをアメリカの敵にしようとしますが、トランプ大統領はそこを何とかキリオ別けようとするわけですね。
ここを強く認識しないと、安倍政権はグローバリスト達に近づきすぎています。これは危険です。

だから「アメリカが日本の防衛義務を負う一方、日本にアメリカを守る義務がない日米安保条約の内容」を「不公平だ」と指摘しながらも、「破棄する考えは全くない」とブルームバーグ通信の報道を否定するなど、微妙な発言を続けるわけです。

本当の敵は世界中に散らばり、グローバル化を進める連中であること、我々も意識しないといけませんね。

2019年6月29日土曜日

三原じゅん子議員の演説

6月24日、野党がそろって内閣不信任決議案、安倍晋三内閣総理大臣問責決議案に対し、檀上に上がった自民党の三原じゅん子議員の反対議論が話題になっています。

https://www.youtube.com/watch?v=xom1s9uHrUg

この議論が何故話題になっているか、その理由は「本当の事」だからだと思います。歯切れのいい口調で、明確な言葉で、この意味不明の問責決議案を非難しているからでしょう。

この問責決議案の中心に居るのが、立件民主党の「枝野代表」であることは24日のブログに書きましたが、何のための決議案か判らない内容でした。
野党の足並みをそろえることと、マスコミに対して「安倍内閣の問題を提起する」ことなのだろうと思いますが、今どきマスコミなどを信じる国民は枝野氏と同じ、若い頃学生運動にかぶれた団塊世代の老人だけでしょう。

人数が多いだけが取り柄の世代で、我が国の行く末を危うくしている元凶です。そこに焦点を絞った、いわばアリバイ作り的な問責決議案。それに「もうウンザリです!」と声を荒げて指摘した団塊の後世代、54歳の三原じゅん子議員の演説でした。

この問責決議案は「安倍政権のもと、森友・加計学園問題での「忖度(そんたく)政治の蔓延」や、採決強行が繰り返された国会運営を批判する」というもので、さらに「消費増税の引き上げや老後資産『2千万円不足』問題における金融庁報告書の受け取り拒否などについて、わが国の議会制民主主義は根底から破壊され続けている」などと指摘しているもの。

しかし忖度などの責任は安倍内閣にはないでしょうし、裁決強硬は野党の意味のない先延ばしが原因ではないでしょうか。
消費増税と「2千万不足」の受け取り拒否は問題ですが、それによって議会制民主主義は根底から破壊されるとは言い過ぎの様に思います。
ですから意味不明の問責決議案なのです。

さて、この野党が出した「問責決議案」は自由民主党と公明党、そして野党の日本維新の会の反対によって否決されました。
選挙の結果で人数が多いからだとは思いたくありませんね。三原氏の演説に事実を見たから否決されたと考えるべきではないでしょうか。

森友・加計学園問題などを今更取り上げてみても、何の意味もないと思います。もし野党が政治生命をかけて問責決議案を取り上げるとしたら、消費増税一本に絞るべきでした。
なぜなら財務省が明確な嘘をついて来たからです。「国民の預金が老後資金として使われたら、政府は国債を発行出来なくなる」というような文章を国会議員に配っていたからです。

この「嘘」の証拠は議員の皆さんはペーパーとして持っているはずですから、それを中心に「国民の預金と政府の国債発行にどういう関係があるのか?」と問いただし、財務省の嘘に従う安倍政権を非難し、問責決議案を出したのなら、三原氏の反対議論も変わっていたかも知れません。

政府の国債発行高が増えると、国民の預貯金が増えることはもはや常識ですし、政府の国債発行は国民の預金とは何の関係もないことも確かです。
つまり財務省が言う「消費税10%が無くては財政が破たんする」といううのも真っ赤な嘘であることは、今や国民の常識なのです。
野党は安倍政権よりも前に、「嘘」をつく財務省を非難すべきで。それから騙されている安倍首相を非難すべきでしょう。

何故そこを突かないのか、野党議員の不誠実さが原因ではないでしょうか。野党議員も財務省に騙されているからだとも思いますけど。
財務省が「嘘」を突いてまで消費税10%をやりたい理由は、国民に対する蔑視があるのかも知れません。(国民を甘やかせるな・・などと言っておりますからね)
「自分達が日本国家の財政を受け持っているのだ」という思い上がりと、財務省権益の護持が重要なだけでしょう。現実には財務省の役人は一般国民の持つ経済感覚よりも劣っているようです。

消費税10%にすれば確実にそれ以降の我が国の消費は落ち込みます。この判り切ったことを担保に「政権が変わったら消費税は3%にもどす。そうしないとデフレから脱却は無理だ」くらいの演説をすれば良いだけです。そう、消費が落ち込むまでそれを言い続けることです。

そして野党は、もういい加減に「憲法改正」と「日本の安全保障」に責任ある発言をしたらどうでしょうか。
日本が軍備を持とうと持つまいと、戦争が起きる時には戦火に巻き込まれます。そういう常識をもっと示すべきです。

このように野党が変わらない限り、国民の眼は野党支持にはなりません。官公労の票だけで政権は取れませんし、万年野党など、ないのと同じなのですよ。

2019年6月27日木曜日

出来るか、中共の「デカップリング」

G20が間近になってきました。
中共は国連食糧農業機関(FAO)の次期事務局長を中国人にすることに成功しました。屈冬玉・現農業農村省次官(55歳)です。

その勢いなのかどうか、G20に対し中共の商務省・王受文次官は、G20の場で「香港の混乱を議論することは許さない」と述べました。もし議論を始めたらどうするつもりでしょうか?
そして米中経済戦争に関しては「「一部の国が一国主義や保護主義を実行し、ほしいままに貿易相手国に関税をかけている」と非難し、「一方(中共)だけでなく双方が譲歩しなければならない」などと述べました。

トランプ大統領はそんな「上から目線」の中共に臆することなく、中共からの輸入関税第4弾を準備し始めております。
今度は生活必需品も多く含まれ、発動されれば経済への影響は第3弾までに比べて大きくなりそうです。
そんなわけでアメリカ国内企業からも「反対」の声が出始めているとか・・・

米中の貿易が始まってから、アメリカ企業は中共の企業から部品を調達するサプライチェーンを構築してきました。まさか米中がこのような経済戦争になるとは思ってもいなかったからでしょう。
トランプ大統領は、「企業は中共以外の国に移転すれば関税がかからない」とツイッターで盛んに中共からの「企業脱出」を促しています。

アメリカ企業にとって、やっと中共の企業が要求する精度で作ることが出来るようになったのに、また同じことをベトナムやメキシコに対して行うのは、コスト面で大変だということです。
しかしこれが戦争であることは理解しているようで、なかなか正面切って「反対」とは言えない環境でもあるようです。

トランプ政権が進めるグローバル産業のサプライチェーンから中共を外す、「デカップリング」の動きは止まらないようです。
G20で米中の首脳がどのような話をするのかは判りませんが、今の状況ですと「物別れ」になるとしか考えられませんね。中共と中共寄りのマスコミはあくまでも「貿易摩擦」という表現で、話し合いで解決を望んでいるようですが、それが「貿易戦争」であることは間違いがなく、この中共デカップリングが成功すれば、次はドル決済から人民元を外すことになるのではないでしょうか。それで本物の「経済戦争」に突入です。

その前に日本などの企業で中共とのサプライチェーンが切れない企業に対しては何等かの制裁処置が打たれる可能性もあります。中共との交易をしている企業はその準備をしていた方が良いと思います。
日本の企業は経済戦争という戦争の意味が判っていないようです。つまりこれが戦争の本質であって、銃弾飛び交う戦闘状態は経済戦争だけで勝敗が決まらない場合に起きる殺し合いです。
中共からの脱出に本腰を入れている企業もあるようですが、その努力もしていない企業はアメリカ市場よりも中共の不透明な市場の方を選ぶつもりでしょうか。

トランプ・アメリカの狙いは「中国共産党つぶし」です。銃弾・ミサイルが飛び交う戦闘状態になることも覚悟の上の交渉で、きちんと共産党がつぶれるような要求を突き付けています。
「一方(中共)だけでなく双方が譲歩しなければならない」などと言ってもトランプ大統領はおそらく譲歩しないと思います。譲歩するのは中共側だけ・・・ハルノートの時と同じだと思うのです。

トランプ大統領のアメリカ国民の支持率は高く、2期目の大統領も続けられるでしょう。その間アメリカ企業の中共脱出は進むでしょう。
アメリカ企業の脱出は高関税を維持することで可能です。そしてアメリカ企業の安全確保が出来た後は、世界でアメリカと取引している企業で、中共と関係している企業に警告を出し、「アメリカと取引したければ中共から手を引け」くらいは言いそうですね。
世界のサプライチェーンから中共をデカップリングするつもりです。

安倍首相がイランに赴き、イランとアメリカの仲裁をしようとして失敗しました。日本のタンカーが爆破され、アメリカのグローバルフォークが撃墜され、アメリカ側はイランへの報復戦闘の準備を始めています。
これでイランの石油は中共に渡ることが避けられません。
この石油と、中共が外交関係を持つ多くの途上国が中共の側に付くでしょう。しかし英国をはじめ先進国海洋国家はアメリカ側に付くでしょう。問題はロシアと中東などの国々です。

5Gの問題から始まった米中経済戦争は、トランプ大統領いわく「これは価値観の違いによる価値感戦争だ」とのことですね。ようするに「アメリカ側に付くか中共側に付くか」という踏み絵が世界に提示されています。
中共はジェット機のエンジンは作れません。CPUはAMDの協力が無ければ作れませんし、その他半導体はかなりの部分がアメリカ製品を使っております。

このような事が解れば中共側に付く国などないと思うのですが、アメリカ嫌いの多くの国がありますから、先ず経済的に中共を締め上げるという段取りになるわけです。

そして5G問題とはスマホなどの商権問題ではなく、21世紀の通貨覇権の問題なのです。現在はドルが世界通貨として機能しています。ドルは石油と食料(穀物)の取引には無くてはならない通貨として機能しているわけですが、今後登場する仮想通貨は5G上に流れるでしょう。それもドルで決済ということにしませんと、ここに人民元などが入ってきては困るわけです。

ペンス福田尾棟梁の人権における中共非難演説が延期されました。どうも理由はG20に習主席が来なくなると困るからだそうです。G20はもしかすると米中決別を「デカップリング」によって世界に見せつける檜舞台になるかも知れませんね。

2019年6月25日火曜日

「見合い結婚」は死語か?

日本文化が死んでいくその根底に、家族制度の崩壊があるように思います。敗戦後GHQによって持ち込まれた徹底した個人主義は、自動的に日本のそれまでの家族主義を破壊していきました。

もちろん敗戦だけが理由ではなく、産業革命以後アメリカの生活である核家族化が日本に入ってきてその猛威が広がって行ったものと思われます。

大阪大名誉教授の加地伸行氏が産経のコラムで「誤った個人主義の弊害」という記事を書いておられますが、その言わんとするところは「誤った個人主義は利己主義」という事だと思います。
「集団生活の人類としては、一般生活においてこの利己主義を抑える必要があった。」として、狩猟系の民族は、「集団の安定には、利己主義は許されず、自律が求められ、そこから、後に自立する個人主義が生まれ、一般化されていった」と述べております。

そして農耕民族系は、「農業は集団作業であり、血縁で結ばれた共同体生活となる」として「利己主義は許されず、本家を中心とする親族会議が事(こと)を決してゆく」と述べて、個人主義と家族主義を別けられています。
家族といっても大家族制度で、農地に対する責任から「家」という概念が社会という概念になっていたと思います。

この概念ですと核家族は家族ではありません。個人主義で警鐘の概念が薄いからです。「家」とは継承が目的で、それは農地を守ることから発生していると思います。
そして「婚姻」はその家を守ることが第一義であり、個人の問題ではないとするのが常識になっていました。

「家」の中では本妻の権力は強く、女系社会が我が国の本来の姿だったようです。結婚した2人の愛称が悪くても本妻であれば権力は行使出来ます。亭主が外で愛人を作り子供が出来ても、本妻はその子を引き取り家の跡継ぎとして育てたりもしています。「婚姻」には相互相手の容姿は関係なく、それなりに日本社会はやさしい社会だったように思います。個人主義ではなかったからです。

この常識をGHQが変えたのです。「夫婦善哉」という番組の記憶が私にあります。ミヤコ蝶々の漫才コンビが司会をしていたと思いますが、一般の夫婦を呼んで話をする番組(今で言うと「新婚さんいらっしゃい」という番組と同系)で、その話の冒頭に必ず「恋愛結婚ですか見合い結婚ですか」というセリフがあったことを思い出します。
つまり、恋愛か見合いかで2つのやり方を対立概念に持って行ったわけです。

「見合い結婚」というのは個人の結婚ではなく「家」同士の結婚だったはずです。対する恋愛結婚というのは「ディズニーランド的結婚」と言うべきかも知れません。
おとぎ話の中の結婚であり、だいたいにおいて結婚成立でドラマは終わります。現実の生活はそこから始まるわけですから、夢から覚めた後の現実に耐えきれず「離婚」「子供虐待」「親殺し」などの悲劇が生まれているのではないか・・・そんなことも考えてしまいます。

個人主義を持ち込むとき、GHQは「個人が家族の犠牲になることは避ける」ような道筋を作りました。日本的大家族を崩壊させることが目的だったのでしょう。
加地伸行氏が言うように「個人主義」は「利己主義」にすぐになって行きます。それを承知でGHQの画策が行われたと思います。

なぜなら個人主義が利己主義にならないようにするためには、キリスト教が必要だったからです。日本をキリスト教国にすることはGHHQの基本的戦略だったのではないでしょうか。個人主義はキリスト教が背景にないとすぐに利己主義となり社会はダメになることを知っているからです。
何しろ皇室にキリスト教の布教活動を行ったくらいですからね。

しかし日本にキリスト教は浸透しませんでした。日本文化は日本語の中に溶け込み、キリスト教の布教を日本語で行うと日本教になってしまうからです。
そしてこの中途半端な状態でGHQによる日本の占領が終わってしまったわけです。その後の建て直しは「企業の家族的経営」が基本になっていました。

それが日本的産業主義を生み、アメリカの経済を圧迫し始め、再びアメリカは個人主義と株主資本主義を押し付けてきました。それによって日本企業の家族的経営を壊していったのです。

現在はその崩壊過程にあって、それが日本の危機を生み出しているように感じます。危機の中核にあるのがサヨク・マスコミの活動です。
その流れは皇室にまで及び、天皇の継承にまで口出しをし始めています。いわゆる「女系天皇容認」です。

このような風潮から我が国を守るには、「お見合い制度」を復活し、「家」同士の結婚を再認識する必要があるように思います。
つまり「本妻」の復活です。女性の社会進出は、企業で要職に就くことではなく、「本妻」という権力を女性が取り戻すことではないでしょうか。

敗戦後、我が国は企業の「家族的経営」を生み出しました。同じように新しい「本妻」の在り方を作り出していく・・・それが日本文化を守る力になるような、そんな気がするのですが・・・

2019年6月24日月曜日

日本の野党、無いのと同じ

また内閣不信任案を提出すのを画策しています。日本の野党です。安倍首相不信任です。中心に居るのは立憲民主党の「枝野代表」のようです。
「野党で足並みをそろえていく」と言うのが枝野代表の述べていることですが、野党が足並みをそろえて、いったいどこを突いた不信任なのでしょうか。

世界情勢が不穏になっている時、6月28日から大阪で行われるG20が注目されていますが、一番の問題は米中首脳会談で、経済戦争が緩和され収束への方向性が見いだせるかどうかにあるわけです。
しかしそのための糸口は見えません。トランプ大統領は6月22日も「スーパーコンピューターを手掛ける中共の5団体に対して、アメリカ製の部品を禁輸すると発表しました。

これは習近平主席に対し「アメリカの要求を全部呑め!」というトランプ大統領の警告でしょうから、G20で米中首脳会談が行われても「譲るのは中共側だぞ」と言っているのと同じだと思います。(そういう論調は

これで中共の経済が今以上に悪化することが懸念されます。そんなことは安倍内閣にも判っているはずです。その時日本が消費増税すれば、世界経済は日本発のリーマンショック級のダメージを受けるかも知れません。
世界中が「日本の消費増税は止めてくれ」と懇願することになるやも知れません。

ですから野党はここを責めるべきなのですが、枝野氏の考えは恐らく国民視線ではないでしょう。
消費税に反対しても指標的な数字を使った論証は出来ないように思います。
憲法改正はすでに多くの国民が支持し始めました。
世界情勢が不穏であり、尖閣周辺や沖縄と北海道が中共の脅威に晒されています。ネットでのニュースを見ていれば誰でも解ることです。特にスマホ世代の若者は日本が現在如何に危険な状況にあるかを知っております。速く憲法改正して、さらに2回目の改正を行い自衛軍の創設と第9条の撤廃をしなければならないことは十分理解しております。(テレビマスコミはまったく駄目ですが)

ですから憲法改正を問題にするなら「もっと安全保障面を充実させる改正をしろ」と言うのが突っ込みどころでしょうが、立憲民主党などはまったく反対の言い方をします。
これでは野党の意味を成しません。

保守系、右翼野党の欠落がこのような野党を作ってしまったのではないでしょうか。右翼と暴力団を同じように扱ってきた日本の野党。右翼と保守の違いももう分かっている日本国民は僅かでしょう。
こうして左翼野党はサヨク野党になり果て、ただ政権批判だけを居来ない討論すら出来ないていたらくとなったわけです。

自民党も同じで、右翼と暴力団の区別もわからず、自身を保守と位置付けながらリベラル的活動をしていたりしています。
与野党とも票になる事はやるが、ならない事はやらない・・と徹底した議員ばかりが国会を闊歩しています。

国会議員側からすれば、必死にやってもマスコミの意思にそぐわなければ報道されない・・つまり票にならない。そこで「女系天皇に賛成」と言えば、それ以外の努力を取り上げてくれる。つまり票になる。そういう考え方で活動するから次第に反日マスコミの思う通りの法律が国民の意思に反して出来ていくのではないでしょうか。

このような議員は「女系天皇」が明らかに「皇室潰し」の意図をもってやられていることであり。即ち日本潰しの意図があるということまでは考えないようです。

ここに付け込んで中共や朝鮮が我が国に入ってきて工作活動をやるわけです。ですから拉致被害者が救出もされず、安全保障は法案がなかなか通らず、移民受け入れだけがさっさと国会で可決すると言うような、国民が望まない方向に行ってしまうのではないでしょうか。

現在アメリカから「朝鮮総連を何とかしろ」というクレームが入っているようですね。北朝鮮の経済封鎖が破られているのは日本国内の朝鮮総連が動いているからだという事を証拠付きで指摘してきたようです。
三井住友銀行の高田馬場支店に朝鮮総連の人達の口座があり、何故かそこに北朝鮮の政治家の口座もあるとか。

アメリカはお金の流れを調べ始めています。中共との経済戦争の真っただ中ですから、国権を使った相当な操作が行われているのでしょう。
ハイテク技術の裏取引や、核に関係する取引きの闇ルートを調べているわけですから、当然北朝鮮の怪しい取引も抽出されるのは当たり前です。

三井住友銀行や三菱UFJ銀行はすでにアメリカの管理下にある銀行(システムがアメリカ製)ですから抽出も早いと思います。財務省は動くでしょうか? それとも内部に入られた中共や朝鮮のスパイに動きをとめられてしまうのでしょうか。

役立たずで、日本にとって害になることしかしない野党です。しかしそんなことは関係なくアメリカの金融調査から、北朝鮮と拉致事件の隠された事実が見えてくるかも知れません。

アメリカからやられる前に、日本国家と国民の力で浄化しないと本当にアメリカの属国になってしまいそうですね。

2019年6月23日日曜日

MMTはケインズ経済学

アメリカからMMTという通貨に関する理論が入ってきて、日本国内では景気が回復したから消費税10%を実施などという財務省の嘘に騙された安倍首相の答弁があったりで、わけがわからなくなってきました。

経済評論家の三橋貴明氏が言うように、今も「主流派経済学」と「ケインズ経済学」のおかしな戦いが続いているというのは本当のようです。

そして主流派経済学は経済は自然現象であると説き、ケインズ経済学は経済には何らかの人的コントロールが必要であると説きます。

主流派経済学は経済を自由放任にしておく方が良いとして自由主義と結びつきます。ですからケインズ経済学はよく共産主義と同じように見られていたようです。
しかし共産主義はマルクス経済学から派生したもので、一種の強権力のピラミッドを作りますから人類社会には悲劇をもたらします。

ケインズ経済学がデフレ不況に効果的なのは、高橋是清やアドルフ・ヒットラーの取った経済政策を観れば明らかですが。F.ルーズベルト大統領のニューディール政策はうまく行きそうな直前にアメリカ議会から「共産主義だ」と非難されて中止に追い込まれ、その後の第二次世界大戦の戦費調達までデフレ不況が続きました。

主流派経済学であれケインズ経済学であれ経済バブルは発生します。そしてバブルは必ず崩壊します。問題はその後のデフレなのです。恐らく主流派経済学ではこのデフレは克服できないでしょう。それはバブルを防げないのと同じかも知れません。

ケインズ経済学は人的コントロールが可能な経済学ですから、このデフレ脱却はコントロール可能です。しかし主流派経済学がそれを邪魔することになります。
それはデフレの前のバブルがどの程度の規模だったかによるのではないでしょうか。結局バブル崩壊時に損失を出した民間の負債を政府が肩代わりするまで続くからです。

政府が肩代わりするとは、民間の巨額負債を上回る有効需要を政府が作り出すことです。これを「公共投資」で行う事、即ち財政で処理をして行くしか方法はありません。ケインズ経済はそれを示唆するというよりも明確に述べているはずです。

「公共投資」は政府の借金で賄います。政府が借金し、公共事業を行うことで通貨が市中に出てきます。そしてこの公共投資がうまく行けば民間需要がそれにつれて出てきますから、民間の投資も活性化されます。信用創出が起きるからです。それまでは政府は財政出動をしなければなりません。そしてそのタイミングを計るのがデフレーターという指標です。

ケインズ経済学にこのような指標を追加したのが現代通貨理論・MMTというものではないかと思います。

主流派経済学は自由放任経済を良しとしますが、同時に自己責任も要求します。ですからバブル崩壊でデフレに至った社会に対して、民間の自己責任を追及します。
つまり政府は何もしない方が良いと言う訳です。

そうするとどうなるか、有効需要が出るまでデフレ不況が続きます。そしてそこから脱却するのが戦争特需というわけです。
長引くデフレ不況で自暴自棄になった国民が、敵を外に見出すことが「戦争」誘発になるからではないでしょうか。
戦争特需は、勝たねばなりませんから他国から借金をしてでも通貨を発行します。

過去の戦争は、結局このようなメカニズムで起きていたのではないでしょうか。そしてそれが主流派経済学の欠陥だったように思います。

概観すると、主流派経済学は不労所得を大きくすることを主眼にした経済学であり、ケインズ経済学は生産による所得を大きくすることに主眼にした経済学と考えられるのではないでしょうか。
ですからケインズ経済学と共産主義とがなかなか区別がつきにくくなっているような、そんな気がします。

マルクス経済学は、不労所得が大きくなることを「資本は集約する」と言うような表現で警告しました。それが「一部資本家と多数の労働者」という表現となり、「搾取する側と搾取される側」となって共産主義革命などという妄想が始まったわけです。

主流派経済学は投資に対するリターンを如何に大きくするか、そればかりを考えているようで、国民経済を考えていないように見えます。ですから「トリクルダウン」などということが平気で言えるわけですね。

結局、お金と言うものは少しづつインフレ傾向に成長させるもので、そうしないとお金がどこかに滞留してしまうものです。インフレ傾向を経済成長に留めるのが生産性を少しづつ高めていくことで、それによって国民経済がうまく動いていくわけです。
バブル経済とは、その未来の経済成長を何かの要因で先食いしてしまい、その崩壊で借金だけが残り必死で行う借金の返済がデフレを招きます。放置すると社会が乱れ、そして戦争と言うのが今までの流れでした。そして現在もそうなりそうです。
日本の土地バブル、アメリカのリーマンショック、そして中共の訳の判らぬバブル崩壊・・・

現代貨幣理論(MMT)は、もしかしたらその平和的解決の糸口を提示しているように思うのですが。

2019年6月21日金曜日

英国首相選、ボリス・ジョンソン氏?

メイ首相の辞任に伴う首相指名選挙は、どうやら「合意なき離脱」を主張するボリス・ジョンソン氏に決まりそうです。

このボリス・ジョンソン氏は最初は「私はEUのファンだ」などと述べていて、「EU離脱は英国の問題の解決にならない」とも述べておりました。

2016年2月にはニューズウイーク紙に、「(EUは)すぐ手が届く市場であり、英国企業はもっと開発することができる。こうしたアクセスの割に、会費は比較的安い。なぜそれほど頑固に離脱したがるのか」などという投稿をしています。

しかしその直後に、「EUは公共政策のほとんど全ての領域に侵食してきており、ゆっくりと、目に見えない法的植民地化のプロセスが始まっている。EUルールの中には、単純にばかげているものもある。ティーバッグをリサイクルしてはいけないとか、8歳以下の子どもは風船を膨らませてはいけないだとか、掃除機の吸引力の上限などだ」とEUを非難する投稿に変わってきました。

そして2016年の5月には、「EUは、ナポレオンやヒトラーなどとは違うやり方で、同じことを試みようとするものだ。だが根本的に欠けているものがあり、それが永遠の問題だ。それは、欧州という概念についての基本的な忠誠心の欠如だ」と表現しております。

そして2016年7月にメイ政権で外務大臣を務めますと、すぐにEU懐疑派になり、やがて「合意なき離脱」の支持となって現在に至っているようです。

ニューヨークで生まれ、子供の時に両親と英国に戻り、イートン校、オックスフォード大学ベリオール・カレッジを卒業したあと、いくつかの新聞社などに務めましたが落ち着くことがなく、保守系紙の『デイリー・テレグラフ』記者となり、1989年から1994年まで同紙のEC特派員となっています。

オスマン帝国末期の内務大臣だったアリ・ケマルの子孫が父方の祖父であり、母方の先祖には、ユダヤ系ロシア人がいたりするので、自らを『るつぼからなる人間』などと称していると言います。
あのマーガレット・サッチャーもジョンソンの記事の愛読者であったと言われているそうです。

2008年5月にロンドン市長に当選し、その後もデイリー・テレグラフやガーディアンの記事を書いています。
そしてそこからが彼の政治家としてのスタートだったようです。

最初はEU推進派だったジョンソン氏ですが、その後EUの実態が解って来ることに順じて次第にEU懐疑派になって行ったのが解ります。
つまり「国境を低くし、やがて無くしてしまおう」というグローバル指向の行きつく先が「ナポレオンやヒトラーなどと同じ」という結論に達したように思います。

このボリス・ジョンソン氏の考えの変遷について、多くのマスコミが「不安定な思考で、親EUになったり反EUに成ったりしている」といった論評をしているようですが、単に騙されていた時期からEUの本質が見えてきた時期への変遷だったのではないでしょうか。

ともかく英国保守党は現在「ハードブレクジット」か「ソフトブレクジット」か、そのどちらかを選択する選挙に向かっているようです。

6月20日の予備選では、このボリスジョンソン前外相のハードブレクジットと、ジェレミー・ハント外相のソフトブレグジットの対決となりました。
ジョンソン氏は160票を獲得し、対するハント氏は77票と大きく差がついております。

ハント氏は日本で英語教師をしていた経験があり親日派だそうですが、自身が「(ジョンソン氏に)負けそうな候補者だ」と自虐的な発言をしています。自虐的は日本の影響でしょうか・・・
その上で「政治の世界では予期しないことが起きる」として、7月22日の週に行われることになっている新首相の選挙に臨む姿勢を見せました。

ハードブレクジットの過激な発言とトレードマークの金髪で、「英国のトランプ」とも呼ばれているボリス・ジョンソン氏。保守党の党員の62%が支持を表明しているとか。
メイ首相辞任の後を選ぶ首相指名選挙ですから、保守党の党員の投票だけで後継首相になるわけです。

勝てばすぐにEUに対して「合意なき離脱」を宣言するのではないでしょうか。
EU側の反発は必至ですが、そのEU自体もすでに揺らぎ始めています。グローバル経済を目指し、統合欧州の夢を追いかけてきたEUですが、それをまとめることが出来売ていたのは英国の政治力があったからです。
ですから英国がEUから離脱すれば、EUをまとめることがドイツやフランスに出来るでしょうか。

恐らくうまく行かないのではないかと思います。
そうなればEUから離脱するメンバー国が続いて出て来るのではないか、そんな気がいたします。

そしてEUが瓦解すれば、国際金融資本などが計画していたグルーバル経済にも暗雲がたち始めるのではないでしょうか。
世界は再び不安定な時代に入り、それをまとめられるのが「反中共」という「共通の敵」の設定かも知れません。

もしこうなった時、日本の「パンダハガー」達はどうするのでしょうか。中共を擁護して「人類の敵」というレッテルを貼られる覚悟はあるのでしょうか。
また、そこまで中共をい擁護しても華人は絶対に感謝はしません。「どうせ中共で一儲けしようと言うことだろう」と考えるだけでしょう。

英国首相にボリス・ジョンソン氏がなるかどうか。それは日本にとってもグローバル化が今後どうなるか、その指標になるように思います。

2019年6月19日水曜日

ファーウェイ、約300億ドル減収の見込み

ファーウェイの任正非最高経営責任者(CEO)は、6月17日に行われたアメリカの有識者との討論会で「今後2年間で生産能力を縮小する。売上高が当初の見込みよりも計約300億ドル(約3兆2600億円)減少すると考えている。今年と来年の売上高は約1000億ドルになる見込みだ」との見通しを明らかにしました。

原因は、トランプ米政権による制裁の影響だそうです。
ファーウェイは当初、売上高がそれぞれ1千億ドル程度で、昨年並みになると予想していたようです。しかし「米国がこれほど確固たる決意で、幅広くわれわれに攻撃してくるとは思いもよらなかった」と述べております。

特にグーグルの基本ソフト(OS)アンドロイドの更新版が使えなくなることが判って、中共以外で販売延期の動きが拡大していることも、大きく影響しているようです。

現在アメリカ商務省が、アメリカ企業からの部品やサービスの販売を禁じる対象を定めるブラックリスト(産業安全保障局のエンティティリスト)にファーウェイとその関連企業を追加しています。
現在はまだ猶予期間中ですが、この期間が終わればファーウェイはアメリカ製のプロセッサやOSを自社製品に搭載できなくなります。

任正非氏は、「“さまざまなバージョンの自社製品”の製造も検討中だ」と述べておりますが、それが何を意味するのか、オリジナルのプロセッサやOSのことかどうかは解りません。
ただ「製造やテストには時間がかかるが、完成すればわれわれは強くなれる。死に打ち負かされることはない」などと語ったそうです。

プロセッサーは作れるかも知れません、しかしOSとなると結構大変です。我が国でかつてIBMのOSを解析し、同等のものを作ろうと富士通、日立グループで頑張ったこともありました。
しかしこちらが作るとすぐに相手(IBM)はバージョンアップをしたり、別のOSを作ってきたりして、結局不可能でした。

現在はOSなどは著作権によって守られ、リバースエンジニアリングも禁止されております。もちろん中共は法など守る気はありませんから、禁止などは関係ないでしょうが、その開発が例えオリジナルだとしても大変な苦労が待っているように思います。

アメリカ・トランプ政権はまだ制裁の発動はしておりません。しかしグーグルやマイクロソフトなどはすでにOSのバージョンアップを提供しなくなったようです。

ファーウェイは新型ノートパソコン・「メイトブック」シリーズの発売を中止しています。6月13日に発表されました。どうやら必要なソフトウエアや半導体が調達できなくなったためと言われていますが、マイクロソフトの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の搭載が困難になった為のようです。

ウインドウズが搭載されないと、その環境下で動くアプリがまったく使えません。多くのアプリケーションはウインドウズのもとで開発されていますから、もし仮にファーウェイ製のウインドウズを作るとなると、アプリケーションが使っているウインドウズインターフェースをすべて同じように作らなければなりません。世界中にあるウインドウズアプリケーションが使えなければ、その機械自体が使い物にならないことになります。

ファーウェイがまったくインターフェースを無視してウインドウズ的OSを作ったとしたら、世の中にある膨大な量のアプリケーションをそのOSに合わせて作り直すことになります。
それにはあまりにも時間が掛かりすぎ、現実的でないことはお判りでしょう。

そしてこれはスマホにも言えることです。任正非氏が「製造やテストには時間がかかるが、完成すればわれわれは強くなれる。死に打ち負かされることはない」と頑張ったところで、ファーウェイのスマホは電話だけの機能しか使い物にならないかも知れません。

半導体はどうでしょうか。日本製の半導体もありますから、日本から仕入れられるものもあるでしょう。しかし半導体の何かをアメリカが押さえているはずです。

アメリカの半導体大手クアルコムなど、ファーウェイに製品を供給するアメリカ企業も多いようです。今回の取引規制が実施されますと、アメリカのメーカーもかなり損失が出るようです。
ファーウェイがアメリカ企業から仕入れていた半導体の購入額は年間100億ドル(1兆1千億円)に達するとの試算もあります。

それでもトランプ政権は取引規制を強行するでしょう。それが経済戦争なのです。

6月28日からのG20で、トランプ大統領と習近平主席はこの戦争終結のための会談をするでしょうか。両首脳は電話で話をして一応会談はするようですが、習主席がアメリカの要求を呑んだとしてもそれは守られないでしょう。なぜなら守ると言うことは中国共産党の解体を意味するからです。

インテックス大阪で行われる予定のG20まで、あと9日です。

2019年6月18日火曜日

世界経済の急減速

アメリカのロングビーチやシンガポールなど主要貨物港でも、香港、米メンフィス、ロンドン、フランフルトにあるハブ空港でも、ともに貨物取扱高が昨年並みか昨年を下回っているそうです。

世界経済は景気後退の瀬戸際であり、景気回復に向けた行動を起こさない限り、今後6カ月間に景気減速が深刻化する可能性が高くなっているようです。

アメリカのFRB,及びその他の中央銀行が利下げによって信頼感を向上させ、耐久財への支出をてこ入れするかも知れません。何故なら1998年に同じような事態に直面し、各国が速やかな利下げを行い、それが奏功して景気拡大がその後2年持続した経験があるからです。

FRBのパウエル議長は6月4日に米中貿易戦争が及ぼす影響を「FRBは緊密に注視」しており、「適切に行動する」と述べたそうです。
「FRBは最近まで、貿易を巡る緊張はじきに和らぐと想定していたが、こうした問題がいつ、どのような形で解決するのかは分からない。労働市場が堅調で、インフレ率が上下両方向にわれわれの目標の2%に近い水準で推移する(景気)拡大を維持するために、FRBはこれまで通り、適切に行動する」と言うことです。おそらく1998年の記憶が頭にあるからでしょう。

しかし今回はどうなるのか、1998年と今とでは経済環境が異なります。1998年はソビエト連邦が崩壊して5ロシア連邦となり、エリツィン大統領が四苦八苦していた時代です。
ソビエト崩壊が世界経済に影響して景気の減速が起きていたのだと思います。そしてこの時、アメリカとロシアには戦争の緊張は在りませんでした。

今回は米中経済戦争が影響しているものと思われます。それだけ中共の各国との貿易量が多かったと言う事かも知れません。
アメリカがその輸入に高関税を掛けたことと、世界に向かってファーウェイ製品のボイコットなどを要求したため、貿易量が減ったとも考えられます。

ただ、中共の問題だけでなくグローバル化の結果かも知れません。現在は国家主義の揺り戻しが始まっていますが、グローバル化の正体は企業の収益を上げ、減税させ、利益を株主に配当することです。税収が減るためにその分を消費税で補填することになり、実質収入(可処分所得)が減って現役世代の消費が減ってしまったことも原因ではないでしょうか。

これが反グローバリストを生み、国家主義への傾倒が増えてきたように思います。

重要なことは、グローバリストは「古典派経済学で動く」ということではないでしょうか。経済評論家の三橋氏が言うように、今もまだ古典派経済学とケインズ経済学が対立していて、古典派経済学ではデフレからの脱却は不可能である・・と言う事まで判っているわけです。

ケインズ経済学がマネタリストの主張の一部を吸収してニューケインズ経済学が出来ているようで、その主張がMMT(現代貨幣理論)のように思います。

国家主義の揺り戻しは、グローバリストの古典派経済学が、所詮「搾取経済学」に過ぎないことに世界の国民たちが気付き始めている証左ではないかと思うのです。

アダム・スミスから始まった古典派経済学は、そのころの国主(王様など)の紙幣乱発とインフレに悩み、作られた経済学で「インフレーション」を敵視するようになっています。
ハイパーインフレーションは、先進国では大戦争の後、生産設備が破壊されているにもかかわらず大量の通貨発行を行った時に出て来る現象です。
王様などが紙幣を乱発するのは、そのほとんどが「戦争準備」の費用捻出のためですから、戦後にハイパーインフレが生じても仕方がないのかも知れませんが、現代の単なるデフレ脱却にはインフレ政策しか脱却法はないはずです。そしてそれを阻害しているのが古典派経済学でありグローバリスト達と言う事になるのではないかと思います。

ハッキリしていることは、グローバル経済学は「搾取経済学」であり、MMTは「生産重視経済学」であることではないでしょうか。
グローバル経済学は、生産を軽視します。ですから「安い賃金の国で作れば利益を増やすことが出来る」という考え方を表面に押し出します。
もちろんこれには生産技術の向上などは考慮されていません。そして生産技術の向上は技術を持つ国で作らなければあり得ません。グローバル経済学は単に安い人件費で作って利益を最大化し、株主配当を大きくするという、単なる「搾取経済」に他ならないわけです。

これが世界中の国民にバレてきて、グルーバル化した世界経済に暗雲が垂れ込み始めたということではないでしょうか。
米中経済戦争にも原因の一端はあるでしょうが、「搾取経済学」がいつも戦争の火種になっていることをグローバリスト達はもっと考慮すべきですね。

2019年6月17日月曜日

中共、香港の審議延期を容認

香港で行われた「逃亡犯条例」改正案に反対するデモで、香港政府の林鄭月娥行政長官が審議延期を発表しました。
これは中共の国務院(政府)香港マカオ事務弁公室が「支持と尊重、理解」を表明したことではっきりしたようです。

これで取り合えず「天安門事件」のような事態はしばらくは避けられたようです。しばらくと言うのは、弁公室の談話の中で「条例改正案は現行法制度の抜け穴を埋めるために必要なこと」であるというものが含まれていたからです。

今回の香港デモは、中共が現在アメリカと行っている経済戦争が、人権問題も含めた形に進展しそうなことと、南シナ海には英国とフランスの艦船が遊弋していることが意識されて行われたものと思います。

米中経済戦争はもう最終段階に入っています。
中共がアメリカの要求する構造改革などを行わないとの返答を受けて、トランプ政権は8月14日までにファーウェイ、ZTE、ハイテラ、ダーファ、ハイクビジョンの合衆国連邦機関からの排除を行います。さらに2020年(来年)8月14日までに合衆国連邦機関と取引する外国企業や外国機関にまでこれを拡大するそうです。

ファーウェイに関する輸出規制として、国家緊急経済制限法に基づく大統領令が出され、アメリカ商務省は輸出規制法の適用を始めているとか。また財務省も外国為替取引、通貨及び有価証券の輸出入の規制と禁止が検討されており、さらに外国組織や外国人の投資没収までの拡大を検討しているようです。

また国防権限法2020が発動され、ファーウェイのように人民解放軍と関わりが疑われる人物、企業、団体など、また人民解放軍から支援を受けている人物、企業、団体などのリストを作り出しているとか。
さらにこのリストに掲載された人物、企業団体を行政に反映させるよう議会は求めていく方針だとか。

日本では2017年に改正外為法が作られ、やっと今年の8月から施行されます。しかし輸出規制に関しては現在はまだ検討中だとか。
アメリカの同盟国としては甚だ動きが遅いですね。

アメリカはさらに進めて「みなし輸出・みなし再輸出」に関しても規制をかけ始めていて、対象となる人物や企業への技術供与や情報提供もこれに該当するため、企業や大学などの共同開発や共同研究も規制対象になるようです。

この規制に従ってGoogleやマイクロソフト、ARM(英国のCPU設計企業)などがファーウェイとの取引を中止しました。
そして今後はファーウェイだけでなく中共と中国人全般に拡大する可能性もあるようです。

ここまでが現在のアメリカの対中制裁で行われていることです。
経済制裁はアメリカの経済にも悪影響が及びます。しかしそれ以上に敵国・中共が疲弊するならばアメリカは躊躇なくそれを実施するでしょう。アメリカは要求を甘くしたりはしません。これは摩擦ではなく戦争だからです。

そして今度はペンス副大統領によって6月24日にまた対中非難演説が行われると言われています。
これは28日から日本の大阪で行われる「G20」に狙いを定めたもので、香港のバックアップやウイグル、チベットの人権弾圧、特に臓器売買に関して証拠を挙げた上での対中非難になるのかも知れません。

これで経済戦争は、経済から人権にまで拡大されそうです。
アメリカによる対中経済制裁に疑問を持つ他国に対し、「ならばこの人権侵害を放置しても良いのか」という問いかけをするのでしょう。

つまりアメリカによって「人の尊厳と人権を守るのか、それとも踏みにじる国家を支援するのか」という問い掛けが行われると言うことです。

中共側もレアアースなどの輸出規制で対抗するようです。双方で経済規制を掛け、世界を二分する政策を取り出すでしょう。
大きな市場を国内に抱える中共は、それだけでスマホの市場確保は出来ていますし、東南アジアの親中国家やアフリカの新興国などもファーウェイのスマホを使うことでしょう。
対してアメリカ側のスマホは自由世界の各国を市場として競争が始まると思います。
しかしファーウェイがスマホを作り続けることが出来るかどうかを疑っている人も居るようですね。

香港のデモから見えてくる中共の苦悩。アメリカが最初の一発を中共に撃たせるように仕向ける様々な挑発。
最近の噂では「習近平主席の健康がすぐれない」とか。来週に迫ったG20に来られるのかどうか、来日してトランプ大統領と何を話すのか、あるいは知らん顔で通り過ぎるのか・・・
妥協せず、騙しや嘘も効かないアメリカ。中共が強く出れるのはやはりあの憲法のある「日本」だけなのでしょうかね。

2019年6月15日土曜日

日本のタンカーへの攻撃

遂に日本のタンカーが攻撃されました。死傷者はいない模様です。安倍首相がイラン訪問の最中の出来事です。
イラン革命防衛隊のキャナニモガッダム・ホセイン元司令官(60歳)は、「安倍晋三首相の訪問を反イラン宣伝に利用する狙いで行われたもので、テロ組織が関与した」との見方を示しました。

米・イランの軍事的緊張を高める目的で、分離主義を掲げるイラン南東部の反政府組織「ジェイシ・アドリ」などが行った可能性が高いと言うことです。この組織は「特定の国の支援を受けていることが分かっており、軍事技術も高い」と述べております。

この攻撃の結果、先ず日本の石油価格が上昇しました。そして株価が下がりました。大きな影響は無かったようですが、この攻撃を事前に知っていた人たちは儲かったのではないでしょうか。

このように考えると、この事件の裏側に何があるのか複雑な模様が見えてきます。

アメリカとイランが対立しているのは、表面は「核兵器」問題です。トランプ大統領は「イランが核を持てば、サウジアラビアなども核を持つことになる」と述べ、それがイスラエルの危機にもなると述べています。

今回の安倍首相のイラン訪問で、ハメネイ師は「核兵器を製造も保有も使用もしない。その意図はないし、するべきではない」と述べたそうです。
しかしイランを取り巻くテロ組織は複雑で、イランの最高指導者が述べたことが今後守られるかどうかは判りません。

「ジェイシ・アドリ」などの反政府組織が核兵器を持つ可能性はどうでしょうか。ホセイン元司令官が述べた「特定の国の支援」とはどこの国なのか、そういう国が動いている以上、資金や技術がテロ組織に伝わることは間違いないでしょう。

ハメネイ師が平和な話をしている最中にでも、日本のタンカーが襲われているのが何よりの証拠で、ハメネイ師の平和外交を拒否しているのかも知れません。

安倍首相のイラン訪問について、イランのロウハニ大統領は「私の招待に安倍首相がお応えいただいたことを光栄に思います。」と述べ、「この地域での軍事的緊張は、米国による経済的戦争(=米国による対イラン制裁)が原因です。そうした経済戦争が終われば、地域の安定は確保できるということを安倍首相にお話いたしました。」と発言しました。

対するトランプ大統領は「アメリカがイランと交渉を行うにはまだ時期尚早だ」という考えを述べました。「イランはまだ準備ができていない。アメリカもまだだ!」と言うことです。

両首脳とも「安倍首相の努力には感謝する」と述べておりますし、安倍首相も「大変な困難が伴うが、地域の平和と安定、そして世界の繁栄のために、今後とも努力を重ねていきたい」と述べております。

アメリカとイランの対立の本当の原因はイランが石油決済をユーロでも良いとしたところから始まっています。
石油をドル決済だけにしたことでドルの世界通貨化が始まった訳ですから、そんなことをアメリカが許すわけはありません。
しかし「ユーロで決済して何が悪いのか?」と問われれば答えようもなく、そこで「イランが核武装をする」ことを根拠に経済制裁が始まった訳です。

イランは、もし日本が円での決済を求めればそれにも応じるでしょう。しかしそれでいいかどうかは又別の問題です。

例えばユーロにしてEUが崩れれば不安定化しますし、人民元も中華人民共和国がおかしくなれば不安定化します。そして日本も財務省の失敗が表面化すれば不安定化するでしょう。
今の所ドルだけが世界通貨としてふさわしいように思います。

その理由は、ユーロと円は「デフレを好む通貨」だからです。人民元はもともと経済体制が違いますし、覇権通貨ではなく支配通貨になる可能性が高いために信用が出来ません。
ドルは基本的にインフレ通貨です。もちろんアメリカの経済学会はデフレを好むようですが、それでもインフレ通貨であることに変わりはありません。

それなら国家とは関係なくインフレ通貨を作ったらどうなるか、その実験がビットコインという訳ですね。投機という坩堝に嵌ってしまいましたが・・・
デフレ通貨は経済を縮小してしまいますから世界通貨には出来ません。インフレ通貨は経済を膨張させますから世界通貨に向いています。

イランが石油を多様な通貨での決済にしたい気持ちは解りますが、それこそ時期尚早ではないでしょうか。イスラム世界がデフレを好み、故に貧富差が広がり、それが多様なテロ集団を作っているように思います。産油国に大量のドルが流れ込んできても、それを資本として生かせないイスラム各国なのです。

ホロムズ海峡での日本タンカーへの攻撃、その背後に潜むのは何か、軍事を無くした我が国は、このような情報には疎くて「いかなる者が攻撃したとしても、日本として断固非難する」としか言えないわけなのですね。

2019年6月13日木曜日

守れ中共、一国二制度

香港で若者ら数万人が集結し、デモによる道路占拠がなされております。
中共本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案の審議が香港立法会が12日に再開されるからです。
民主活動家や反共産主義を掲げて香港に来る若者を香港政府が捉えて中共に送り返す法案が審議されているわけです。そしてデモは、この改正案を阻止する目的で行われているわけです。

香港が英国から中共に返還された時、共産主義にせず、一国二制度という事が了承されたことから返還が決まったもので、中共側はそれを受け入れたはずでした。
そしてこの一国二制度は香港だけでなく台湾にも受け入れさせようとしている中共なのですが、この香港の状況を見れば判るように、そんな取り決めなど簡単に壊してしまう中共であることがはっきりしてきました。

現在、この改正案に対しては司法の独立が失われ、高度な自治を認める「一国二制度」が形骸化するとして民主派だけでなく経済界や法曹界などにも反発の声が拡大しているそうです。
もちろん「一国二制度」を形骸化させ、香港を本土の共産党が自由世界に気兼ねなく支配することが目的ですから、経済界や法曹界も反発するのは当たり前ですね。

台湾はまだ中共の領土にはなっていません。アメリカも日本も「台湾が従来から中共の領土であるという中共側の言い分は理解した」ということになっております。
そしてアメリカは「台湾の国民が中共と合併することを望むならそれでいい。しかし軍事的威嚇などで併合することは認めない」と述べておりましたから、台湾は国連からは脱退させられ、友好国には裏切られていますが、まだ独立国なのです。(中共には併合されていません)

そして今年1月、中共は「香港のような一国二制度で併合する」案を習近平主席が打ち出しましたが、蔡英文総統はこれを拒否しました。

1992年の台湾と中共のコンセンサスは、「1つの中国というものはお互い認める、ただ、どこがそこを統治するのかはお互い意見がある」という所まででした。

米中経済戦争が始まって、アメリカは台湾にかなり軍事的介入を始めています。朝鮮半島を捨てて台湾にシフトする体制を作っている様にも見えます。
そして香港は今、瀬戸際です。

米中経済戦争がどのように発展していくか、それによって展開は変わってくるでしょう。また台湾の方も、来年1月に行われる総統選挙で国民党が勝てば、このアメリkぁ軍はどのようになるのでしょうか。
新総統が、アメリカの軍事的介入は認めないとするならば中共が台湾に介入してくる恐れはないでしょうか。

台湾国民は一国二制度など認めないと言われていますが、経済が不況になれば「中共の市場」がおいしそうに見えてきて、前回の統一地方選挙では院浸透側がボロ負けしてしまいました。
蔡英文総統はアメリカとの関係強化で中共と対峙しようとしておりますが、国民党政権に変わればどうなるか判りません。

現在有力候補と言われる人物は5人。与党民進党からは「蔡英文現総統」と「頼清徳氏」です。そして国民党は「高雄市の韓国瑜氏」と「ホンハイ精密工業会長の郭台銘氏」と「台北市長の柯文哲氏」です。柯文哲氏は無所属で出るかも知れません。

経済に失敗した民進党・蔡英文氏が台湾国民の支持を得られるかどうか、また、台湾独立志向の強い「頼清徳氏」が、経済面で国民の期待が持たれるかがポイントではないでしょうか。
頼氏は「私に立候補を望む多くの声をいただいた。その声に応え、私は民進党の予備選挙に立候補する」と述べております。

香港で起きている「逃亡犯条例」改正案の撤回デモは、中共がいかにして一国二制度を破るか、その手口を証明している事件です。
そしてこのデモ報道によって、世界中がそれを知ってしまったことになります。これで台湾は、たとえ国民党政権になっても一国二制度など受け入れることはなくなった様に思います。

このデモの報道がNHK海外放送でなされると、中共国内のテレビ画像は真っ黒になったと言います。つまり共産党・政府にとって不都合な海外メディアの報道が国民に伝わらないよう規制していると言う訳です。

しかしこのようなやり方で本当に伝わらないのでしょうか。
日本にはおおくの中共からの観光客が来ています。ホテルなどでテレビを見れば、日本語が解らなくても映像で何が起きているかは判ると思います。
また、インターネットをアクセスすれば、中共政府がいかに国民から情報遮断をしているか判るはずです。

中共政府のやっている国内向け情報隠蔽は、むしろ中共の弱点にも出来るように思うのですが。
このような弱点を突いて、中共政府の面子をけなすことも可能なのではないでしょうか。

自由民主主義世界は、中共からの観光客に対して真の情報を提示することも考えた方が良いかも知れませんね。

2019年6月12日水曜日

なぜ天皇は男系なのか

マスコミが「女性天皇」として愛子内親王を持ち上げています。もちろんこれが「万世一系天皇の御代」潰しであることは間違いないでしょう。

我が国は「天皇」を無くしてしまえばただの国・・であることを良く知っているサヨク・グローバリストの企みですが、このようなことを今上陛下はご存じなのでしょうか。
また、同時に秋篠宮家に対尾する誹謗中傷もものすごく、秋篠宮・皇嗣殿下がまるで「薬物中毒」であるかのような記事も見かけました。
愛子内親王は皇位継承すべき人物で、秋篠宮にはその格が無い・・という印象操作です。

もちろんこれは悠仁親王が皇位継承台3位、即ち次期天皇陛下になられることを阻止しようとする陰謀であることは見え見えです。
ここまでやられても、どうも保守側の反応が今一つ迫力がありません。

産経に国士舘大学特任教授・日本大学名誉教授の百地章氏が「女性天皇でなく旧宮家の男子を」というテーマでコラムを書かれております。

それでも、伝統とか、いかにして男子継承をい守って来たかについては書かれていますが、そもそもなぜ男子なのかについては書かれていません。

「神武天皇依頼、男子で継承されてきたから男子でなければならない」と言うのは歴史的事実であっても、なぜ男子でなければならないかの説明にはなりません。

さらに天王制度は「大化の改新」によって大きく変化しています。神武天皇から今上天皇までのちょうど中間あたりに大化の改新があります。
それ以前は古墳時代であり、天皇は権力を持っていました。しかし改新の後は権威のみとなり、政治権力は公家(公務員)に任されるようになったと思います。

公家の政治は平安末期まで続きますが、この間天皇は権威として男子継承され、武家が政治を乗っ取ってからも、その地位は天皇陛下から任命されることとなり、我が国は一貫性のもと「日本」としてその文化と哲学を継承してきたのです。

さて、天皇の権威とは何でしょうか。それは「最終責任者」と言うことです。
神武天皇から、我が国におけるあらゆる事象の最終的責任者が天皇陛下であり、故に政治、天変地異、食料の生育(米の不作の責任)など、すべての責任を負っていたのです。

大化の改新で政治責任だけは公家に移され、それから武家に移され、そして近代は政治家に移されましたが、天変地異とか食料生育などの責任はまだ天皇陛下にあるわけです。
政治も、国会は天皇陛下が開催を宣言され、大臣の使命は天皇陛下の承諾を必要としていますから、任命責任もある様な無いような・・・

つまり天皇陛下は、わが国民に対して天変地異などのことまで責任を問われるご存在と言うことなのです。ですから自然災害で困窮する国民の所に出かけて行き、悲しみを享受されることは、一つの形としてのお勤めとなるのでしょう。
ただ、これは平静の陛下が囮になられた行動であり、その形式については即位された陛下ごとに異なるようです。令和の陛下がどのようにされるかはまだ判りません。

そして歴代の陛下とも、その責任の共通した取られ方が「宮中祭祀」での祈りだと思います。
神武天皇の頃、食料の確保こそが最大の勤めであり、だからこそ新嘗祭などにその痕跡が残されているのではないでしょうか。

お米は水と日照時間で収穫量が変わります。そしてその元が太陽なのです。太陽の状態でお米の豊作と凶作が決まりますから、必然的に天皇の祈りは太陽神に対して行われることとなります。
太陽神は「天照大神」であり、そして女神なのです。
ですから女神に対する祈りは、男性天皇でなければならないと言うことなのではないでしょうか。

生産という現象が、雌雄があってなされると言うことは2679年まえでも判っていたと思います。ですから男性天皇でなければならなかったわけです。きっと・・・

百地章教授は、旧宮家の男子を皇室に戻すことを提唱しておられます。マスコミによって伏せられている旧宮家の復帰問題です。

旧宮家は皇籍離脱後も皇室と親密な交流があり、当主を中心とした菊栄親睦会や皇室の慶弔事を行っています。
そして東久邇家には悠仁親王と同年代のお孫さんが4人、久邇家にも10歳未満のお孫さんが1人おられる。また竹田家には明治天皇の内親王が嫁されているが、同家にも10歳未満のお子さんが1人、賀陽家も久邇家から分かれてできた家だが、20歳代前半の方が2人おられるとのこと。

遺伝学的距離については判りませんが、久邇家から分かれてできた賀陽家の、20台前半の男性と、愛子内親王がご結婚なさり、男性が今上天皇の養子となればどうなるのでしょうか。
もし男の子が生まれれば皇位継承権を持つことになるでしょう。仮に愛子内親王が皇位継承権を持つ息子が成人するまで天皇陛下の代理を務めることも可能でしょうね。もちろん今上陛下が何らかの御代替わりが捕逸用になった場合ですけど。

5月21日にテレビで放送された番組の中で、衛藤晟一首相補佐官が「旧宮家の復帰」と発言したところ、出演していた野田佳彦前首相は「リアリティー」がないと応じたとか。
ポピュリズム的には現実ではないかも知れませんが、皇位継承問題では十分にリアリティがあると思います。そして皇室は芸能プロダクションではないことを前総理には理解していただきたいものですね。

2019年6月11日火曜日

トヨタと中共、EV提携

トヨタ自動車が中共の大手電池メーカー「寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)」と提携して軽自動車よりも小さな純粋EV車を来年発売するそうです。

このところ世界中でEVの売れ行きが好調のようです。先駆けとなったのは三菱のミーブで、そのあとに発売された日産のリーフがありますが、その後両社ともその技術に基づいたハイブリッド車を販売しました。
これはつまり、通常普通に乗る車としてはまだEVは時期尚早であるということだったようですね。

純粋EVは、先ず社会インフラとして充電設備が出来ていないと距離を走れません。ミーブもリーフも最初は近所への買い物程度しか使えない自動車でした。

しかし最近は電池技術が進歩し始めています。

東芝はリチュウムイオン電池で電池容量の増大と短時間での充電に耐える製品(SCiB)を開発していて、その電池をルノー日産三菱に納入するそうです。
また、日立もリチュウムイオン電池事業を再編し、INCJ・マクセルとの共同出資体制にするなど、各社の社運を賭けた開発競争が始まっています。

このような電池の開発は、やがて来るロボット時代への布石でもあります。車載用電池として開発されていますが、近い将来に登場するであろう実用化ロボットも電気が無ければ動きません。

そのためにはガソリン車の給油と同程度の時間で、高いエネルギー密度の超急速充電を可能にする技術が必要となり、その技術とは電極技術に集約されます。
この技術特許は現在アメリカ・カリフォルニア州エネベート社(ベンチャー企業)が持っていて、そこに日産・三菱・ルノーの戦略的ベンチャーキャピタルファンド「アライアンス・ベンチャーズ」が出資をしております。

リチュウムイオン二次電池は、今後電極の開発に重点が置かれるでしょう。そして様々な物質が試され、こうして技術目標である「低コスト、長寿命、超短時間充電、大きな電気容量」といった製品が出来てくるわけです。
多くの物質を試しながら、データーを取ったりさまざまな環境での変化を調べたり、考えるだけでもゾッとするような実験が必要となるでしょう。
お金がかかりますから、開発各社は資本集合して別会社として研究開発を行うのだと思います。

この電池開発に少々後れを取ったのか、トヨタが中共の電池メーカーと提携したことが気になります。
中共は現在アメリカと経済戦争の真っ最中です。しかもその原因が「技術を盗む」という問題なのです。

トヨタ自動車が提携したCATLという企業は、中共国内の大企業でリチュウムイオンバッテリーを製造販売しております。
2020年にはCATLの生産能力は、合計で50GWhに達するそうで、世界最大の自動車用バッテリーメーカーになるようです。

問題は今後開発される電極の技術が、日本のトヨタ自動車経由でまた盗まれるのではないかという点です。
今後、電極に使う物質の情報がこれらのベンチャー企業から出て来ることでしょう。もちろん特許を取得した上での発表となりますが、中共はこの特許のような国際法を認めておりません。
CATLなどは、発表された情報で簡単に模倣開発を済ませることが出来ます。

当然CATL社は少々の手を入れて「特許には触れない。中共独自の技術だ」と言うことは解っております。新幹線の技術の時がそうでしたし、おそらく5Gの技術も似たようなことをしていると思います。

これでは開発ベンチャーに掛けた資金が回収されないまま、中共の安価で同性能の製品に駆逐されてしまいます。

中共が自由世界と同様に特許などの国際法を遵守し、特許料を支払うならば良いのですが、そんなことをする漢人ではありません。

トランプ大統領が仕掛けている経済戦争も、その目的は「法を遵守しろ」と言うことです。為替や送金問題も同じことでしょう。

今後、リチュウムイオンバッテリーの開発競争は激しくなるでしょう。近未来の基礎技術ですから。
また、この基礎技術は軍事関係にも影響を及ぼします。戦闘用ロボットの性能を決めますからね。

それは中共もよく判っています。ですからEVに力を入れていて、巨大市場の存在をアピールしながら自動車メーカーを呼び込んでいるのでしょう。
バッテリーの工場も、自由世界で優れた特許が出てきたらすぐにそれを模倣して大量生産可能になるようになっています。

トヨタ自動車がEVで中共のバッテリーを採用したことは、EVの低価格化には有益でしょうが、今後のバッテリーの進化に対しては、極めて危険な状況が作られたように思いますけど・・・

2019年6月9日日曜日

なぜ今韓国と?岩屋防衛相

6月1日、岩屋防衛相は韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相とシンガポールで非公式に会談しました。内容の全くない会談で、韓国側は自衛隊機への火器管制レーダー照射問題について事実を認めず、自衛隊機の飛行を非難しただけだったそうです。

それでも岩屋防衛相は記者会見で「未来志向の関係を作っていくために一歩踏み出したい」と述べるなど、いったいどこの防衛大臣かと耳を疑うようなことを述べております。

この会談、岩屋大臣に対して首相官邸は反対していたそうです。それでもどうしても合いたいと言うことで、非公式会談ということでシンガポールに行ってしまったと言うことで、どうやらパフォーマンス的に頑張っているように見せたかっただけ・・との憶測が出ているようです。

自民党内部では、夏の参院選に影響しかねないとの懸念も出ていて、岩屋大臣や防衛省の対応について「怒りを禁じ得ない」との批判もされているようです。

我が国は北朝鮮に拉致された被害者を救出する使命を持っております。恐らく救出は外交交渉では無理で、具体的には我が国が憲法改正を行い軍事力が使えるようになってからの交渉でないと解決はしないと思います。

そんな状況の中で、安倍政権はアメリカと共同して国際社会に計り、経済制裁という戦略に出ました。現在、軍事力が使えない我が国は、そこをアメリカに補ってもらい交渉を仕掛けたわけです。
トランプ大統領も北朝鮮トップと会談し、「経済支援が欲しいなら拉致被害者を日本に返せ。そうすれば日本が金は出す」とまで迫ったとか。

この米朝会談を仕掛けたのは韓国の文在寅政権です。
北朝鮮はアメリカ大統領と直接会うことで、経済制裁解除を期待したようですが、それがうまく行かなかったため北朝鮮は文在寅政権に対して冷淡になっているようです。

アメリカからも相手にされず、中共からも相手にされず、安倍政権からも相手にされず、そして北朝鮮からも冷淡にされた韓国なのです。
そこで韓国はどこかに打開する糸口を探していたのでしょう。そこに岩屋防衛相という「手柄さがし」をしている日本の大臣が居たということではないでしょうか。

北朝鮮に対する国連制裁決議は、どうやら金政権上層部に厳しく効いているようです。国民側はすでに闇市場経済が発達してしまって、コメや日用品は足りているようです。それは4月末までに闇市場でのコメの価格が下がっていることで判るとか。

金政権は贅沢品を使って上層部を従わせていたようで、その先に北朝鮮軍もあったようですが、こちら側に制裁が効いていることは、金体制が揺らいでいることを意味しているのではないかと思います。
そこを文在寅政権が何とかしようとしているように見えますね。文大統領は「同じ民族」「同胞愛」「人道」などという言葉を使って北朝鮮を擁護していますが、その裏には金体制を支えて「北朝鮮人民の抑圧を続ける」という意味しかないように思います。

トランプ大統領から見ると、金正恩委員長が何故拉致被害者を日本側に返して拉致問題を解決し経済支援を受けようとしないのか不思議なのかも知れません。
また、日本側には数名の被害者の返還があるのではないかという憶測も出ております。しかし金正恩委員長には全くその気配はありません。

金委員長が北朝鮮に現れてから起きたこと、張成沢氏の公開処刑とか金正男氏の暗殺などが表面に出ていますが、金正日体制で上層部に居た人達を処刑などで追放したのではないでしょうか。
そしてその結果、北朝鮮人民に対する監視体制が崩れてしまったことが考えられます。
経済的にも疲弊が続きますから、人民への食料供給も激減していったのではないでしょうか。

北朝鮮は社会主義経済ですが、ようするに権力維持のための経済に過ぎなかったのでしょう。ぜいたく品を貢献者に与えることで権力機構を維持してきたとも考えられます。
そしてその権力維持が出来なくなってきたのが、今回の徹底した経済制裁だったと思います。

これで国民(人民)側は食っていけなくなります。もちろん黙って餓死していくわけもなく、必然的に闇経済が発達するでしょう。そして今までそれを取り締まっていた官憲が来なくなります。元締めが処刑されたりで混乱していましたから。

急激に発達した闇経済は、長い国境線の向うにある中共との間で行われ、そうすると国際的情報も闇取引と同時に入ってきます。
ラジオやテレビも入ってくるでしょうし、当然日本からの短波放送も聞こえてくるでしょう。

一方拉致被害者の居る招待所なども維持が難しくなります。先ず食料が来なくなったように思います。そして監視委員も来なくなったかも知れません。
闇経済で情報も知っている北朝鮮人民と、監視が無くなって来た招待所などの拉致被害者。北朝鮮人民は日本の拉致被害者が金体制崩壊時にはお金になると考えるのが当然ではないでしょうか。
そう、日本側はお金を出すだろうと・・・

とすれば、彼ら闇経済で生きる人たちは拉致被害者を連れ出し、どこかにかくまってしまうのではないでしょうか。
拉致被害者も、闇経済の中で生活する人々の中で下手に動くと殺されるかも知れませんから、声は出せないでしょう。

そういう訳で金政権にとっては、拉致被害者の居所が解らなくなってしまったという現実があるのではないでしょうか。だから返したくても返せない。
こう考えて行くと、もはや拉致被害者奪還は金正恩委員長との交渉などでは戻らない可能性の方が高いと思います。結局金体制を崩壊させ、民主化に向けて混乱を起こし、その中で「拉致被害者一人につきいくら支払う」という方法しかないように思うのですが。

もしこうなら、文在寅政権が行っている金体制維持の行動は北朝鮮人民に対しても裏切り行為となります。そしてその文政権の防衛大臣と会談する岩屋防衛相も同罪ではないでしょうか。

良くも悪くも、もはや統治能力を失った金正恩体制は、外圧で潰してしまうことが北朝鮮人民にとっては希望となっているように思うのですが・・・

2019年6月7日金曜日

国会延長、安倍首相の思惑

安倍首相は今の国会の延長を示唆し、どうやら6月28日から開かれるG20の成果を見て衆議院の解散に踏み切るつもりではないかという見方が広がっています。

なぜでしょうか?

憲法改正をいよいよ選挙公約に掲げて解散か、そして同時に消費税10%の先送りか、との憶測が飛んでいますが、もしかすると消費増税の延期が解散理由になるのかも知れません。

いままで安倍首相は「消費増税の延期は、リーマンショッククラスの危機が来ない限りない」と述べておりました。
その危機が目前に迫っているようです。

震源地は中共です。もしかすると人民元の暴落が起きる危険性が出てきたのです。

IMFが対中共に貸し出す金利に「チャイナ・プレミアム」を課そうという流れが出てきました。原因は中共のドル不足です。
これまで中共はAIIBという投資銀行を作って途上国にインフラ開発資金を貸し付けてきました。

ギリシャ、パキスタン、ベネゼエラ、ニカラグア、モルジブ、ジプチ、ラオスなどに対してです。
そしてこれらの国家が返済不能になると、港湾などのインフラを中共が乗っ取ってしまう千里述を使ってきました、
そしてこれらの国々は今、デフォルトの危機に直面しております。

中共が世界の工場として、アメリカの市場に輸出を続けていた時は、潤沢なドルがありましたからこのような乱暴な戦術で他国のインフラを乗っ取ることも出来ましたが、経済戦争の勃発で関税が25%に上がり、輸出にブレーキがかかってきたのです。

そうなりますと、中共にドル不足が発生してきます。
もちろんアメリカの戦略は中共からドルを剥ぎ取ることですから、中共は輸出先をアメリカ以外の国に向けるしか対応策は在りません。
しかしアメリカ市場の肩代わりが出来るほどの市場はないでしょうね。

日本から財界人が中共に投資をする姿勢を見せても、投資した中共の工場で作った製品はアメリカ向けだったはずです。そこで25%の関税がかかるとすれば中共に投資をして生産することに意味はなくなります。
株式会社リコーなどは、さっさと中共から脱出しています。まだ中共で稼ごうとしている企業は何を考えているのか判りません。

AIIBが貸し付けたドルは、貸付先の途上国がデフォルトになれば返済出来る可能性が低くなります。それは中共からのIMFなどへの返済も危険になることを意味します。
これが「チャイナ・プレミアム」を引き起こし、連鎖的に人民元の下落になるという観測です。

現在は1ドル6.9人民元ですが、やがて1ドル7.1~7.2人民元になる可能性は高く、このようなことが引き金になって人民元暴落という危険性が出てきております。

これは世界経済を巻き込むでしょう。かなり大きな経済縮小がおきるかも知れません。つまりリーマンショック級の危機になります。
この可能性が高まったということからも、消費増税は無期限延期とすべく法改正が必要なのではないでしょうか。

さて憲法改正の方ですが、憲法改正の是非を問う国民投票の利便性を、公職選挙法とそろえる国民投票法改正案が立憲民主党の枝野幸男代表の反対で今会期成立が不可能になってしまったとか。

衆院憲法審の新藤義孝元総務相は、「与野党が折り合っていないんじゃない。憲法審は折り合っている。それが、(枝野氏)1人の意向で全く動かなくなってしまう。憲法改正に賛成とか反対とかではなく、憲法を国会で正常に議論していこうということですら妨げることが、果たして国民の期待に応えることなのか」と記者団に語りました。

FNNと産経新聞が5月に実施した合同世論調査では、国会や各党が憲法改正に向けた議論をもっと行うべきだと思うかとの問いに、実に回答者全体の4分の3を超える76・5%が「思う」と回答しているそうです。
この国民の期待を裏切る枝野代表は、現状の憲法で国防がどうなるのか恐らく考えたことも無いのでしょう。

もちろんFNNの世論調査だけではわからないという違憲もあるでしょう。ならば衆議院解散によって「憲法議論を前に進めることに賛成か反対か」を国民に問うことも必要だと思います。
衆議院選挙によって、枝野議員や辻元清美議員との討論会を見せて欲しいですね。

どうやって我が日本国を守るのか、国民は国防を考え、そして実施してはなぜいけないのか、明確な答えを立民党から引き出してほしいと思います。

消費増税の無期限延期と、国民投票法改正の両面で、もはや衆議院解散は避けられないようですね。

2019年6月6日木曜日

銀行が消えていく・・・

三菱UFJ銀行は令和5年度末までに訳500店舗のうち35%をなくすそうです。また三井住友銀行は今年度末までに約430店舗を次世代型店舗へ移行するとか。
そしてみずほ銀行も令和6年度末までに訳500拠点のうち130拠点を削減すろ計画になっているそうです。

行員も三菱UFJ銀行が令和5年度末までに1万人削減、三井住友銀行は5000人を削減、みずほ銀行は令和8年度末までに1万9000人を削減するとか。

長期にわたるデフレが続き、消費増税10%が実施されれば、さらなる深刻なデフレとなることは、MMTの理論を見なくても肌で感じる現実です。
このデフレで、銀行は低金利で苦しみ、民間への融資先を失い、国債という資産は日銀に買い取られ、現金という負債が積みあがっています。銀行経営が苦しく、そして押し寄せるIT化の波が、大きく銀行業務を変えようとしております。

次世代型店舗というものがどういうものかはまだ判りません。しかし実験的な試みがなされているようです。
渋谷にある三菱UFJ銀行ビルの6回に、古びた本棚が並ぶ、禁酒法時代の米国東海岸をイメージした空間が作られ、本棚に模した隠し扉を開くと、外国人や若者らが、あちこちで打ち合わせをするフロアがあるそうです。
また、学芸大学駅前(東京都目黒区)の三菱UFJ銀行の新ブランド店舗の1号店が出来ていて、接客カウンターや行員が慌ただしく働くスペースは無く、並ぶのはタブレット端末や高機能ATMで、現金の出し入れなどの手続きは画面上でほぼ完結します。そして住宅ローンや相続などの相談は専用ブースで、テレビ電話を通じてオペレーターと会話しながら手続きが出来るそうです。

ITと金融が融合したフィンテック。帳簿の入力から融資可否の判断まで銀行が抱える「事務の塊」は、今や機械ですべて可能となってしまったようです。
銀行が残ったとしても、銀行員の仕事は無くなってしまうことは、もはや避けられないのかも知れませんね。

お金が「金とか銀」の金属で使われていたころ、銀行と言う言葉はなく「両替商」と呼ばれていました。それが兌換券の登場で(ゴールドスミスのお話からイングランド銀行の設立まで)金属主義から紙幣(債券)主義へと変化し、銀行業務という仕事が生まれたのです。

国家の興亡とか戦争で、何度も紙幣は紙くずになったりしましたが、第二次世界大戦後ドルによるアメリカの覇権で少しづつ安定してきました。
お金が「債務と債権の記録」であることが、複式簿記の普及ではっきりしてきました。そこにインターネットという技術が普及することで、債務と債権の記録の連鎖(チェイン)を作れば通貨が出来るはず・・という実験がビットコインの正体です。ですから暗号を使ったブロック・チェインなのですね。

現在は現金も単なる情報として扱われています。それが自動振り込みやカード決済などで実用化され、紙幣の必要な取引の範囲が次第に縮小されております。
やがてどんな小さな取引でも、この「債務と債権の記録更新」で決済が出来るようになると思います。
そうなれば、確かに銀行業務も全く変わったものになるでしょう。

さて、銀行業務が変わると言うことは、銀行の役目はお金の創造、すなわち信用創出になってきます。どうやって投資先を見つけるか、あるいは融資先を作るか、それが目的に変わっていくのではないでしょうか。
新たな需要はどこにあるか、需要に対する供給先はどこにあるか・・などをいかにして合理的に行うか、まだよくわからない分野ですが、そうでもしないと深刻なデフレになってしまいます。
それが三菱UFJ銀行が今行っている実験店舗ではないでしょうか。

そしてその場合、日本銀行はどうなるのでしょうか。中央銀行という業務は無くなるかもしれませんね。通貨発行などはすべて機械化可能です。日銀はあっても、バーチャル的な存在として通貨の発行=発行金額の決定を毎日行うことになるのではないでしょうか。

そうなると、こんどは財務省が必要かどうかという問題にもなるでしょう。銀行業務が変われば財務省の仕事内容も変わるはずです。
税収のための税率計算も機械化されるでしょうし、通貨が「債務と債権の記録」となれば脱税などできようはずもありません。
電子通貨とは、すべてのお金には、現在誰の所有しているお金なのか、名前が付くのと同じですから。

ですから、税収の金額は毎日表示することも可能になります。
現在は財務省の役人が忙しそうに計算したり配分したりしていますが、政府予算は年1回です。これでは災害などが起きた時に間に合いませんね。今は緊急投資などでカバーしていますが、機械ならもっと確実ではないでしょうか。予算などは電子的通貨で情報がしっかりしていますから機械的にできることで、財務省職員など一人もいらないはずですね。

公共投資や研究投資などは、信用創出の重要な対象であり、税金から支出するものではないことも現在は明確になっています。税金は単に「インフレ/デフレ調整」のためにあるわけです。
現代の通貨理論は単純明快です。これまでの経済学はわざわざ複雑にして人々を騙し続けていたのではないかと思うほどですね。

そしてそれに乗っかって、これまでどれほどの為政者(民主主義であっても)が経済政策を失敗してきたことか・・
今回の財務省の失敗(消費増税10)を最後にしてもらいたいものです。
「全世代型社会保障の構築に向け、どうしても必要だ。」などと言うのは財務省の嘘で、PB黒字化さえやめれば増税なしで可能なことです。
消費税10%を行った財務省の人達、そして関係する経済学者や政治家には相応の責任を取らせなければいけませんね。「全世代型社会保障の構築」など、増税で出来るわけはありませんからね。

2019年6月5日水曜日

中共の巻き返しが始まった

米中経済戦争で中共の巻き返しが始まりました。このままでは中国共産党が潰されてしまうので当然でしょうけど、勝算はあるのでしょうか?

中共政府の新聞弁公室という所が、米中経済戦争(彼らは貿易摩擦としておりますが)をめぐる中共の立場を詳述した白書を発表しました。
それによりますと、中共の核心的利益に関わる「重大な原則的問題」については決して譲歩しない立場を改めて強調して、アメリカ側が「中共の主権に関わる強制的な要求を合意に盛り込むよう固執し、双方の溝が埋まらなくなった」と非難しております。

貿易摩擦の協議に曲折を生じさせている原因を「アメリカの言行不一致」と主張し、中共側が既に約束した合意から後退したとのトランプ政権の批判については「アメリカ側も要求を何度も変更したではないか」と反論しているそうです。

それでは中共政府が言う「革新的利益」とは何なのでしょうか。中共に進出した企業に、「中共で商売がしたければ技術をすべて教えろ」と言うのが革新的利益なのでしょうか。
また、「中共国内であげた利益は国外に持ち出すことを禁止する」ことが革新的利益なのでしょうか。
これらは国際社会では通用のしない法律であって、このような勝手を「是正しろ」と言うのがアメリカ側の構造改革の要求です。

そしてあくまで中共側は「貿易摩擦」と言い続けておりますが、アメリカが仕掛けているのは「経済戦争」であって貿易摩擦ではありません。

ですから落としどころなど無いわけです。相互に関税を掛け合って消耗戦を戦い、相互の経済を破壊しながら最後まで残った方が勝ちなのです。
もし、その前に中共政府がアメリカ側の要求を呑めば、その結果が出るまで制裁は続けるでしょうし、その結果共産党が潰れれば、アメリカは矛を収めるかも知れません。

この白書では、一応「対話のドアは開かれているが、戦いは徹底的に受けて立つ」とアメリカの真似をして対話は続けるという文句を入れたようです。
そして「中共の内需は巨大で、経済の見通しは非常に楽観できる」と、トランプ大統領には任期があることを意識して持久戦では有利だと言う事を暗に述べております。

中共政府がもたもたしていれば、アメリカ・トランプ政権はさらなる制裁を加えるかも知れません。もちろん経済制裁ですけど。
中共はアメリカの次期大統領選挙で、民主党のバイデン候補が勝つことに期待をしているのかも知れませんね。しかしトランプ大統領は2期目を目指します。そしてアメリカはすでに民主党も反中共になっていますから、あまり期待はしない方がいいように思うのですが・・・

中共の魏鳳和(ぎ・ほうわ)国防相が、シンガポールでのアジア安全保障会議で講演し、台湾や南シナ海問題をめぐるアメリカの対応に「断固として反対を表明する」と述べ、対決姿勢を鮮明にしました。
そして「台湾は中共の一部であり、切り離そうとする者があれば、いかなる犠牲もいとわず戦う」などと述べております。「いかなる犠牲」とは「共産党を潰してでも戦う」という意味でしょうか。

そして「自らの主権が及ぶ領土に施設を作ることが、なぜいけないのか」などと南シナ海を自国の領土と決めつけ、サンゴ礁の島を埋め立てて軍事基地を作っていることには、「防衛目的だ」と政党かしています。

最初はサンゴ礁埋め立てに対し「軍事的なものではない」などと嘘をついていたことについては全く触れていません。中共の軍人にとっても「嘘」など戦術の一つに過ぎないということでしょうね。

さらに魏鳳和氏は、ファーウェイへのアメリカの規制に対しては「民間企業であり制裁には反対だ」などと述べております。民間企業だったら何をしてもいいのでしょうか。

アメリカでのファーウェイに対する疑念が始まったのは2014年のことでした。ワシントンを本拠とするアメリカンフットボール・レッドスキンズのスタジアムのスイートルームで、ファーウェイのWiFiを自由に使えるようにして、その代りレッドスキンズにファーウェイの宣伝に出てもらう契約をしたところ、そこでの会話やスマホのメールが中共政府に筒抜けになったことから、盗聴しているとの疑いが表出し、契約解除となって、それからファーウェイへの調査が始まったわけです。
スィートルームではワシントンの政府高官たちがよく集まっていたそうですからね。

民間企業と言いながら、人民解放軍との関係は深く、また中共政府との関係も深いと言う訳で、トランプ政権はファーウェイ排除の決定をしました。5G問題はその後のことで、一般向けの大義です。

魏氏は「(中国は)戦争は起こさないし周囲に脅威を与えることはない」と述べました。その上で「アメリカが戦いたいならば戦う。対話したいのならドアは開いている。」などと話しておりますが、すでにアメリカは明確に戦争をしています。

この戦いは経済上の戦いで軍事的なものではありません。それは我慢できなくなった中共が軍事的行動に出ることまで計算に入れてのことです。
アメリカは絶対に相手に先に撃たせるのです。それから正当防衛の反撃と言うことで武力戦争となります。

中共国内の内需がどこまで中共経済を支えられるか、結局そこが勝負のキーとなりそうですね。
しかし長引けば中共へ進出したアメリカ企業はアメリカに戻るでしょう。日本企業も同じですね。つまりトランプ政権の方が有利の様に思うのですが・・・

2019年6月3日月曜日

IMF・PB黒字化は不要

どうもIMF内部では分裂が起きているのかも知れません。
もとIMFのチーフエコノミストであったフランス生まれのアメリカMITの経済学者「オリヴィエ・ブランシャール教授」が、「日本の財政政策の選択肢」という論文で、「日本はプライマリバランスの黒字化など気にせずに赤字で構わないから経済再生に向かえ」と述べたのです。

ブランシャール教授は、「長年、日本政府はプライマリーバランスの黒字化を目標としてきました。プライマリーバランス赤字のGDP比は平均5.4%、純債務残高対GDP比は64%から153%まで着実に上昇しました。現在、プライマリーバランス赤字は2.9%、財政赤字は3.2%であり、純債務残高対GDP比(IMFの定義による純債務)は153%で概ね安定しています。
日本国政府は2025年度までにプライマリーバランスの黒字化を実現することを宣言しています。」と述べ、そして「これは正しい目標でしょうか?」と疑問を呈しています。

その上で「現在の日本経済の見通しのもとでは、長期間にわたってプライマリーバランス赤字を続けることが必要とされることを我々は主張します。」として、黒字化目標は間違っていることを告げております。

ただ「それ自体が望ましいからではありません。望ましいものではないし、高水準の債務はリスクを伴うものです。」と、IMFがいままで主張してきたことの擁護も忘れては居りませんけど。
その上で「現在の状況下では、需要を保ち、経済を潜在水準に保つための最善の手段と考えられるからです。」と付け足しております。

ようするに、「プライマリバランスの赤字は良いことではありませんが、金融政策は量的緩和やマイナス金利に至るまで可能なことを全て行いましたがだめでした。金融政策だけでできることには限りがあります。」ということのようです。

その理由は三橋貴明氏らが昔から述べていたこととほぼ同じです。何をいまさらとも思いますが、ある意味でIMFのMMTへのすり寄り、または白旗を掲げたとも考えられます。

MMTの論争はまだ続いているようです。「国はいくら借金しても大丈夫? 驚きの経済理論“MMT”とは」などという番組が5月19日頃NHKで放送されたようですね。
気になるのは「国は幾ら借金をしても大丈夫?」というくだりです。いかにも無制限に借金が出来るがごとく印象操作しています。
現実には「インフレーター」と「デフレーター」という経済指標があり、デフレーターが0に近づくまで国債を発行しても大丈夫であると言うことで、無制限ではありません。

国民経済を司る我々はミクロ経済紙か念頭にありません。ミクロ経済学とは経営などに関する経済学で、お金の出と入りを記録し、黒字化を目指し努力します。しかし国家財政はマクロ経済学で判断します。マクロ経済学はお金の出と入りではありません。経済社会全体の膨張と収縮をコントロールする経済学なのです。即ちマクロ経済学には「お金を作る、その作り方」を包含した経済学だからです。

お金は「日本銀行(中央銀行)」で作ります。作り方は「借金」として作るわけです。この借金の裏書は国民の労働です。ですから一万円札とは日本銀行の一万円の借金を意味します。
国民は労働を行い、この一万円の支払いを受けます。支払を受けた人は、他の人の一万円の労働を、この日銀の一万円の借用書で買うことが出来ます。他の人の労働とは、商品になっていたり、サービスの提供であったりします。こうして日銀の借用書が流通するわけです。

政府も借金をしてお金を作ります。作り方は「国債」の発行です。国債も日本銀行券も共に借金であり同じものです。ただ国債は流通しません。法律ですから。ですから銀行で日本銀行券に変えて使います。国内に流通して良いのは「日銀券」だけです。(金融上の流通は除きます)

ですからマクロ経済学では、この借金を減らすことはお金を減らすという意味になります。即ち経済社会を縮小することです。財務省が何故そうしたいのか意味は判りません。
経済社会が縮小すれば、そこで食える人数も減らさざるを得ません。ですから少子化となるわけです。

政府の借金を減らすために増税することは、経済社会の縮小を早めることにはなりますが、財務省がどうしてそうしたいのか、その理由が解らないのです。国の借金は家計簿の借金(ミクロ経済)とは全く違う訳ですからね。

MMTとは、このことを示しただけです。理論と言っていますが、現実を明確に表現しただけのことです。ショックが走ったのは、いままで気づかなかったことだからでしょう。
FRBのパウエル議長とか、安倍首相、麻生財相、黒田日銀総裁はMMTを「間違った経済理論」と述べています。アメリカの著名な経済学者も同じです。しかしMMTは経済理論などと言うほどのものではありません。

そしてアメリカ・バード・カレッジのランダル・レイ教授は、「今はあらゆる人がMMTを批判しているが、将来、議論はひっくり返ることになるだろう。」と、当然のごとく述べています。

昔、ニクソンショックというのがありました。アメリカのニクソン大統領が、突然「ドルの兌換を止める」と発言したからです。兌換とはドルを金に交換することです。「そんなことをしたら世界がインフレになる」と騒いだ人達も居ましたが、結果は何ごとも起きませんでした。ドルは石油取引に使われていましたし、何と言っても当時のアメリカの生産力が大きかったからです。
しかし驚くべきことは、その時までドルは何時でも金に交換出来るとなっていたことの方です。誰もそんなことはしようと思っていないのに・・・

今、MMTというものがショックを与えています。「プライマリバランスが赤字でも何の問題もない」と言うからです。しかし現実の日本では、赤字が続いていてもインフレなどは起きず、むしろデフレが続いています。MMT以外にこれを説明できることは出来ないでしょう。
そして消費税によって日本は経済社会を縮小しています。ですから少子化が止まりません。

財務省には、なぜ経済社会を縮小させるのか、その目的を糺してみたいですね。

2019年6月2日日曜日

EU離脱、英国の行方

遂にメイ首相が辞任しました。合意に向けて必死に取り組んでいたメイ首相ですが、その妥協がEU離脱派とEU離脱強硬派の両方から非難されて賛同が得られず、結局辞任に追いやられてしまったわけです。

メイ首相は6月7日まで残務処理を行い、そして辞任し新たな保守党の党主選挙は7月末日までに行われる予定です。

英国民が投げたEUへの不信。それがブレグジットという言葉を作り、そして欧州にもまた反EUの認識が広がっています。
EUの議会議員選挙でも、EU懐疑派が躍進していますし、その議員の英国割り当ての73議席の内28議席が新たに生まれたブレグジット党が占めてしまいました。
英国自由民主党が15議席、労働党10議席で、保守党は3議席しか取れなかったそうです。

現在、EUは欧州各国の主権を次第に奪い、EU独裁という立場に向かって進んでいるようです。極端だったのがユーロの創設で、通貨主権を国家から奪ってしまった最悪のシステムを作ってしまったわけです。
英国はサッチャー首相がユーロには反発し、英国のポンドを守りましたが、ユーロは欧州に広まり破綻国家が次々と生まれています。
当たり前ですが、通貨主権が無くなれば国家財政破綻はあり得ます。EUの大勢は中国共産党に酷似しつつあるとの意見も出始めています。

メルケル首相が行った「難民の大量受け入れ」が国家主権を失いつつあったEU加盟国に押し付けられ、さすがに欧州国民も国家主権を失うことの危険性に気付き始めたようです。
メルケル首相は2021年の任期満了を持って首相を退任すると述べたようです。またフランスのマクロン大統領は支持率を23%まで落としています。

EUが独裁を生むかどうかは判りませんが、その危険性は十分あると思います。理由は、これほど大きな組織はまとまるわけもなく、もしまとめようとすれば強権で自由を抑え込むしかないからです。それを独裁というのではないでしょうか。

ようするに巨大な官僚機構が出来上がっているわけです。欧州の人々は自国の税金に加えてEUへの税金を払わねばなりません。そしてその代償が国家主権の消失ですからたまったものではありませんね。
それでも欧州の夢である「国境を低くして、やがては無くす」ことの実現に向けて皆な頑張ってきたわけです。

しかし大量の移民受け入れが始まってから、EUに対する反発が強くなってきました。国家と言うより民族的文化が破壊され始めたからだと思います。
移民とは、自国でうまく行かないから他国でうまいしゅるを吸おうと言うのがほとんどですから、移民先の文化など判るはずもなく、暴力を使って自国と同じように振舞う訳ですからね。

「安く仕入れて高く売る」ことが利益を言上げる技術です。上がった利益から配当金を出すのが株主資本主義の鉄則です。そして「安く作る」ことが技術系企業にとって重要なこととなり、株主資本主義が資本主義と置き換えられ、そして国際金融資本が「安く作る」ために「国境を低くしれば平和が来る」などと言った嘘をまき散らしたのではないでしょうか。 

金融業にとって、お金の力が強くなることは良いことです。そこでデフレ傾向を強くしようとします。ところがデフレになれば企業は投資を控えます。人件費の安い国への工場移転にブレーキがかかります。そこで金貸しは人件費の安いところから労働者を向上のある先進国へ送り込もうと考え、それが「大量移民」の愚挙に出た理由ではないかと思います。
ユダヤ人虐殺の負い目のあるドイツを使って・・・

アメリカがトランプ大統領を選出してから、EU懐疑派が目を覚ましたようです。「アメリカ・ファースト」というスローガンに「国家主権」の意味を再認識したのではないでしょうか。
英国がEU離脱を決めたのはトランプ大統領が誕生する直前でした。2016年の6月だったと思います。
もちろんこの時、トランプ氏は「アメリカ・ファースト」を掲げて選挙運動の真っ最中でしたね。

そして「ブレグジット」という言葉が生まれ、メイ首相がその実現に向けた活動を始めたわけです。
しかし英国にはEU離脱反対派も多く居るようです。金融機関に勤めていたり貿易関係だったりすればそうなるのかも知れません。メイ首相はEUに対し「合意」を求めようとしました。アイルランド国境紛争(カトリックとプロテスタントとの血で血を洗う紛争)という問題を抱えた英国にとって、「合意」が必要だと思ったのでしょう。
これが逆目に出てしまったわけです。

次期英国首相の候補として、ドミニク・ラーブ前EU離脱相とかジェレミー・ハント外相、などが挙がっていますが、何と言ってもボリス・ジョンソン前外相が有力なようです。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-48419130

「合意なき離脱」が行われれば、アメリカと英国の関係が強まるでしょうが、一方では「一帯一路」へ参加すれば経済は上向くというようなことを述べている議員もいるとか。
もしかしたら、共産党が潰れた後の一帯一路構想を言っているのかも知れませんね。

欧州、アメリカ、そして中共と激動の時代が続きます。戦争は経済戦争で終結するカも知れませんが、そこには歴然と軍事力の背景があります。
中共の共産党が潰れれば、中国は自由中華として再生するかも知れません。アメリカとの関係が良くなれば、我が国の立ち位置はどうなるでしょうか。
欧州でも、対日交渉は激化し、軍事的背景を持たない国家・日本の経済を食い物にしようとすることは間違いありません。

多くの讃嘆軍事技術を持ち、訓練された自衛隊を持ちながら、憲法が変えられずに食い物にされる我が日本には、まだ国民の目覚めはないようですね。

2019年6月1日土曜日

マリファナは麻薬か?

「麻薬」とは麻の薬でありますから、麻(ここでは大麻)から取った薬は麻薬です。
しかし、一方的に「だから法律で取り締まる」と言う事に、最近は反論が出てきているようです。それは大麻の成分がある種の病気に効果があることが、臨床的に判って来たからです。

ただし、やはり麻薬的効果はありますから、乱用の防止法は必要だと思います。「インド大麻からはハシシが取れるが日本大麻からは取れない」と言う話をよく聞きますが、成分としては日本大麻も持っているようです。
1676年に日本で刊行された「萬川集海」(忍術書)には、大麻の葉を乾燥させて粉にした「阿呆薬」なるものの記述があり、食事などに混ぜて薄茶3服ほど摂取させると「気が抜けてうつけになる」とされているとか。

およそ植物には何らかのアルカロイドが含まれます。寄り付く虫に対する抗体なのでしょうが、フェノールなどは明らかに毒物です。
フェノールの一種である「フィトンチッド」など、我々は森林浴などと言ってわざわざ吸いに森へ行きますが、微量であれば健康に良いと言う訳ですね。

麻の一種で亜麻という植物があります。長繊維が取れて柔らかく、布にして衣服に利用してきましたが、種子からは亜麻仁油が取れます。食用にもなり顔料のバインダーなどにも利用されてきましたが、建築の床材にも利用されました。現在「東リ」という社名になった企業がありますが、元は東洋リノリウムという会社で、亜麻仁油から床材を作り(リノリウムという名前でした)それを病院の床などに使っていました。

匂いがあり、黄土色のような雰囲気で嫌いな人も多かったようですが、適当な弾力で滑らず、良かったのです。しかしここに塩化ビニールが登場し、あっという間に病院の床は塩ビのタイルになって行きました。それから「院内感染」が問題になって来たと言います。リノリウムから塩ビに変わって行ったことと、院内感染が広がって行ったことの因果関係があるかどうか、それははっきりとはしておりませんが・・・

草やきのこの持つアルカロイドには人間の神経に作用するものが多いようで、一番有名なのがケシのぼうずから取ったアヘンと、それを精製したモルヒネです。またコカの葉から取ったコカインなどもあります。
コヒーの種子からはカフェインが取れます。少量ならば薬で、大量摂取は麻薬として精神に異常をきたします。

つまり大麻も同じではないかと言うことです。危険なのは神経に対する作用が強烈で、脳が快感を覚えてしまい中毒になり、大量摂取に向かう事です。

ヘロインや覚せい剤、LSDなどは科学的に作り出された薬物です。つまり自然界に存在する高分子で何らかの薬効があるものについて、高分子合成の手順で研究室で作り出すことが可能なのです。

ならばその構成の一部をいじって、どんな効果があるかを調べることも可能です。ただしこれは動物実験では出来ません。精神作用の効果ですから人間に投与することで確認するしかありません。とても危険な実験ですね。

それを行っているのが大麻成分の研究のようです。
イスラエルの有機化学者ラファエル・メコーラム氏がトップのようで“大麻研究の父”と呼ばれて居ます。そのメコーラム氏が「大麻は秘薬の宝庫」だと述べたことから世界中で研究がなされ始め、その時「大麻取締法」が邪魔となり各国で法改正が行われていると言う訳です。

現在大麻吸引の弊害として、笑いが止まらなくなったり、じっと一点を見つめたり、ふと記憶をなくしたり、無性にジャンクフードを食べたくなったりすることが報告されていますが、マリファナの過剰摂取で死亡した例は報告されていないそうです。
ただ習慣性はあって、常習的に使用すると有害であることは否定できないとか。

有効性としては。痛みの緩和や睡眠導入、食欲増進といった効果もあるようです。不安や精神的なショックを和らげるともいわれ、鎮痛薬や吐き気止め、気管支拡張薬、抗炎症薬としての薬効が期待され研究は進んでいるようですが、まだ確定はしていないとか。

大麻に含まれる化学物質の総称は「カンナビノイド」であり、その中のテトラヒドロカンナビノール(THC)が、脳内生成物質と同じように受容体と結びつくことも判ってきました。
そしてこの物質がエンドルフィンやセロトニン、ドーパミンと似た形で、脳内の特定の神経回路に作用することも判って来たそうです。

我が国では「大麻取締法」は生きています。ですから大麻の葉っぱを持っていればすぐに逮捕されます。麻布である芸能人が大麻を持っていて捕まり、取り調べに当たった警官の制服に麻布のマークである大麻の葉のデザインがしてあったとか。

大麻は古くから神道には無くてはならない植物です。長繊維が取れますから昔は衣類として重宝していたのでしょう。神社などのしめ縄なども本来は麻のロープで作ります。
それすらも「大麻取締法」で取り締まっていますから、行き過ぎの感はあります。大麻を麻薬だからと言うことで神道でも使用を禁止させたのはGHQでした。神道潰しの一環であり、我が国文化の破壊工作でもあったようです。

薬効成分の研究にしても警察と司法は「大麻取締法」を使って締め上げています。この法律を変えることが出来るのは国会しかありませんが、国会議員達は票にならないことはしたくないようです。
ですから未だに憲法改正も出来ていません。大麻の問題も票になるなら真剣に取り組むでしょう。

結局有権者の問題に帰着するのでしょうか・・・