2018年8月11日土曜日

宇宙軍創設・アメリカ軍

ペンス米副大統領が、国防総省での演説で、「トランプ大統領が先に創設を表明した陸海空軍、海兵隊と沿岸警備隊に続く第6の軍である『宇宙軍』について、2020年までに設置する。」と発表しました。

「宇宙開発は人類の進歩のためで、ここに軍事的利用を持ち込むのは止めよう」として宇宙開発は始まったと記憶します。
しかし宇宙利用がここまで生活に浸透してくると、このような理想論は影をひそめます。ロシアが、そして中共が宇宙の軍事利用をどんどん進めます。他の国がいくら理想を掲げたとしても、彼らはそんな事に耳を貸しません。当然ですね。
映画やアニメではもうとっくの昔に宇宙は戦争の舞台でしたからね。

アメリカ・ファーストのトランプ大統領は、宇宙空間でも理想論などに捕らわれず、「アメリカも宇宙軍を創設する」と述べたわけです。他国に負けるわけには行きませんから。

まだ一般的には「宇宙軍」はSF小説、あるいはアニメの中のことくらいの認識かも知れません。しかし考えてみれば、これと同じようなことが第二次世界大戦前にもありました。
航空機が戦争にどれほどの役に立つか、まだ世界の軍隊は半信半疑だったからです。

しかしドイツは航空機の優位性を認めていましたし、日本も航空機の優位性を認識していました。皇紀2600年に、あの零式艦上戦闘機が誕生したわけです。零式とは皇紀2600年の零をとってつけられたものです。

艦上戦闘機と言うのは、飛行部隊は海軍に所属し、零戦は空母から発艦し空母に戻るという戦術を立てていた海軍だったからです。空母から発艦することは可能でしたが、着艦までは危険でどの軍隊も出来ていない時代でした。
そしてこれが初めて実戦に使われたのが、あの真珠湾攻撃でした。

第二次世界大戦が終わって、アメリカは「勝利の空軍」という認識を持ったのです。巨大な蛸を日本海軍に見立てて、それを果敢に攻撃するアメリカの飛行機がディズニーアニメーションで作られたりしています。実際は空爆で民間人を殺してたのにね。

こうして初めて航空機を主体にした軍隊・米空軍=USエアフォースが1947年にアメリカで誕生しました。
それ以降、ジェット戦闘機の進歩による空軍の役割は非常に大きくなっております。

それからサイバー空間で戦うサイバー部隊が作られましたが、これは軍隊ではなく部隊ですので、新設の軍隊とは言えません、
ですから宇宙軍の創設は、空軍の創設以来になるわけです。

宇宙と言っても、地球の高高度空間のことで、まだ宇宙空間での宇宙船による戦闘にはなりません。情報戦の一環としての宇宙軍であろうと思います。

ロシアの宇宙軍は、衛星から対地ミサイルを発射するもので、マッハ10以上の高速で打ち込むと言うものでしょう。大気圏再突入の高温に耐える冶金が可能になったのかも知れませんね。

中共の宇宙軍は、偵察衛星を破壊するミサイルの開発で、高高度の衛星は地上から撃ち落とすことは不可能ですから、ロシアと同じように衛星にミサイルを積んで下方にある偵察衛星を撃ち落とすというもののように思います。

アメリカ軍は偵察衛星の使い方が上手です。高高度の衛星で地上を広範囲に偵察し、変化を掴んだら中高度の衛星でその部分をもっと細かく調べます。
光学衛星や赤外線・電波衛星を組み合わせて使い、地上で起きている変化を捉え、低高度の操縦可能な衛星でさらに詳細な調査を行います。

おそらく日本の衛星もある情報に関しては日米で協力関係にあるのではないかと思います。低高度の衛星は若干の空気抵抗を受けますから、寿命が短く、常に代替衛星を上げ続ける必要があります。わが日本にはSS520という超小型低コストのロケットがあり、低高度衛星を常に打ち上げることも可能です。
もしペイロードが不足であれば、イプシロンロケットもあります。(固形燃料ロケットです)

これらの宇宙兵器は通信し合って連携プレイを行う必要があります。もちろん使う電波は5Gだと思います。ミリ波ですから地上では使いにくい電波ですが宇宙空間であれば遮蔽物はありませんから便利でしょうね。

偵察情報は地上局に雲の合間を狙って通信することになるのでしょうか? ここからが宇宙軍の出番でしょうね。電波は5G、暗号はさらに難解に・・・
宇宙空間での軍事衛星ネットワークをどうするか、衛星のステルス性能はどう付与すべきか、など開発の仕事は一杯ですね。

地上で発射されたミサイルの発見を、このような監視衛星ですばやくキャッチし、数秒後にはミサイル軌道上で迎撃を行えれば攻撃を未然に防げます。ミサイル数が多いことも考慮すれば、電磁的兵器も必要になるでしょうし、大陸間弾道弾なら大気圏外での迎撃を衛星から行うことも可能です。
宇宙軍は地上発射ミサイルの迎撃や、衛星から発射されるミサイルにも対応する必要があるでしょう。

国際宇宙ステーションの夢、日本の実験棟「希望」など、もはや過去の理想上の(妄想上の)開発形態だったとなるでしょう。
今後は軍事宇宙ステーションが極秘裏に数多く作られて行くのではないでしょうか・・・

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