2017年1月29日日曜日

英米首脳会談でロシア牽制か?

1月27日、英国のメイ首相がアメリカに赴き、トランプ大統領と会談を行いました。
ここで何が話し合われたのかは判りませんが、ロシア・プーチン政権との関係改善を進めようとしているトランプ政権に対し、「それは時期尚早だ」とメイ首相は反対したそうです。

しかし、トランプ大統領は現在、中共にたいする圧力を必要としております。
英国にとっては中共寄りもロシアの方が脅威になることは判ります。これは地政学上の問題で、いくらトランプ大統領に訴えても、アメリカの利益とはならないのではないでしょうか。

中共は露骨にアメリカの太平洋覇権をターゲットにして、軍備拡張を始めているのです。あの太平洋戦線で、多くのアメリカ兵を犠牲にして確保した太平洋覇権を、みすみす中共に与えることは出来ません。

習政権はこの秋に党大会を控えて、政権維持のためには太平洋進出の何らかの動きを見せないと、振り上げた拳を卸すことは出来ないのです。

トランプ政権誕生の背景には、このようなアメリカの軍事的目的もあったのではないでしょうか。
太平洋進出に向けて、2010年までに台湾を併合していなければならなかった中共。しかしそれが出来なかったどころか、馬政権のあとに独立派と見られる「蔡政権」が誕生してしまいました。

尖閣の東シナ海、人工島軍事基地の南シナ海は、このような状況の中でも、太平洋進出に向けた中共の戦略は活発に動いている証です。

アメリカにとって、西部開拓のあと、日本を叩いて太平洋に覇権を樹立した後は、当然中国大陸になりますから、それを阻止するには中共にとっては太平洋進出しかないわけです。

日本にとってはアメリカか中共かの選択ともなるわけですが、「自由民主主義体制」と「中華思想体制」では当然自由民主主義体制を選ぶしかなく、当面はアメリカとの同盟関係が重視されてしかるべきです。
「中華思想」は漢人を優越民族とした究極の人種差別体制で、華夷秩序のもと朝貢というシステムを実施する思想です。
敗戦後、経済復興した日本が中共に対して行っているODAや技術支援は、中共側から見ると当たり前の「朝貢」であって、だから感謝など考える必要も感じないわけです。

一方のアメリカは、手を変え品を変えて日本に対して経済的圧力を掛けてきますが、必ず表側から攻めてきます。ですからやろうと思えば交渉で押さえつけることも可能です。
現在「言いなり」になっているのは、唯一日本が武装解除したままだからでしょう。

しかし安倍政権になって、これまではタブーだった「憲法改正論議」が表側でも言われるようになり、日本再軍備が近いことはもはや世界の常識でしょう。

トランプ大統領は「もういい加減日本は日本国民で守れ」というスタンスです。つまりその上での日米同盟という認識ですから、中共の暴挙に対しては日米での対抗となります。

このような背景を持って、英米首脳会談が行われたわけですから、当然「中共の軍拡問題」が中心テーマだったのではないでしょうか。
記者会見ではまさかそんなことは言えませんから、米英間の「特別な関係」をアピールして、欧州連合(EU)離脱とか米英間の自由貿易協定交渉などが話し合われたとの発表でした。

しかし、現在アメリカは南シナ海で対中臨戦態勢に入っております。空母3隻を配置し、岩国基地にはF35Bが10機配備されました。
つまり中共に最初の一撃をさせるための配備なのではないでしょうか。撃たせてから戦闘開始と言うことで、南シナ海の人工島基地を叩くわけです。

トランプ大統領はメキシコの輸入品に20%の関税を掛けると発表しました。また、日本は米国産牛肉に38%の関税を掛けているから、日本からの輸入自動車にも38%の関税をかける・・などと述べております。
しかしまだ中共に対しては発言していません。「45%の関税」との言葉は出ておりますが、まだ発行させるタイミングではないのでしょう。
メキシコや日本と違って、どのくらいの関税で彼等は撃ってくるか、そういう判断があるのではないでしょうか。

アメリカにとって心配なのは、日本の防衛です。核ミサイルも含む攻撃が日本に向けられる可能性が大きいからです。
アメリカ軍の基地も一杯ありますしね。

メイ首相は、中共よりもロシアを優先してほしかったのかも知れませんが、トランプ大統領は先に中共だと考えているのでは・・・
ですから、メイ首相と会談した翌日、安倍首相との電話会談を行う必要があったのだと思います。
通商問題なら2月の会談でも良く、そんなに急ぐ必要はないですからね。

わざわざ「日本の安全確保に対する米国の確固たる責任」を確認し、日米同盟の重要性を話す必要はどこにあったのでしょうか。もしかしたら日本にだけは再軍備させたくないアングロサクソンの意向なのでしょうか。
あるいは2月10日にワシントンで会談する前に、トランプ大統領は中共への懲罰関税発行に踏み切る考えなのかも知れませんね。

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