2017年1月11日水曜日

日露交渉、北方領土と安全保障

昨年の12月15,16日の日露首脳交渉で、外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)の再開が合意されました。
中共の脅威が目前に迫った今、ロシアとの間での安全保障は欠くことの出来ない交渉でしょう。

そしてウクライナ危機で中断していた海上自衛隊とロシア海軍の捜索・救難の共同訓練の再開が合意され、さらに訓練にテロ・海賊対策への拡大も合意されました。

この日露首脳会談が山口県から東京にまで持ってきて行われることに、アメリカ・オバマ大統領がクレームをつけてきましたが、もはや退陣間近の大統領の言うことは無視され、安倍首相は強引におこなったわけです。

アメリカ政府はこの点には沈黙しておりますが、プーチン大統領がクリントン前国務長官の当選を妨げるためにサイバー攻撃を指示したなどという米国家情報長官室の報告書でプーチン氏と敵対しようとします。しかしトランプ次期大統領は「ばかげている。私は信じない」と一蹴し、「ロシアと良好な関係を持つことは良いことで、悪いことではない。間抜けや愚か者だけが悪いと考えるのだ。私が大統領になれば、ロシアは今より米国に敬意を払うだろう」とネットに書き込んだそうです。

このトランプ次期大統領の発言を見る限り、安倍・プーチン会談で安全保障が話し合われたことについては、トランプ氏は「アメリカが関与することではない」と言いそうな雰囲気です。

第二次安倍内閣は、地球儀を俯瞰する外交を進め、中共包囲網を作ってきました。モンゴルには昨年だけで3回も訪問していると言うことです。
この安倍外交で中共・習政権の焦りが勇み足を誘発し、世界で中共の評判を落としてしまったわけです。外貨は減り続け、企業は逃避する現象が止められません。
習政権にとって残された道は、まだ未熟な軍事技術を使った戦争に踏み出すことだけではないでしょうか。
はたして、この秋に行われる全人代で、習政権は生き残れるでしょうか。

ロシア、アメリカ、そしてモンゴルと北側を包囲された習政権は、南に向かってマレーシアを懐柔します。もともと華僑の多い国家ですから金さえ出せば何でも出来きるのかも知れません。
中共の原潜の寄港を認めてしまったようです。

さて、日露交渉で避けて通れないのが北方領土です。「今回の交渉ではまったく返還の流れは出てこなかった」とか、「共同経済活動でまた金だけが取られた」という噂がマスコミなどを通じて飛び交っておりますが、内容はそんなものではないはずです。

まず共同経済活動に拠出する金はODAではありません。日本側の企業とロシア側の企業がアイディアを持ち寄って協力し合って経済活動をするわけです。
その計画の中で、もしかしたら日本政府の資金拠出が必要になるかも知れないと言う訳ですね。
もし、利潤が上げられないと判断したら、いつでも止めて良いことになっております。

この共同経済活動は北方4島に限って行われる訳です。歯舞、色丹、国後、択捉の名前が明記されていることに注意しましょう。

例えばこの島で魚の加工を行い、日本に向けて出荷する場合「検疫」とか「輸出手続」などに時間がかかって居たら魚が古くなってしまいます。
スムーズな運営を行うには、この4島だけに通用する特別な法律が必要になることは目に見えております。この点にも注意しましょう。

4島が日本領土であった時に住んでいた方々は、もうノービザで島に入ることが出来るようになったと思います。そしてさらに、共同経済活動に参加する企業の社員などもノービザで入れるようです。もちろんロシアの企業の社員も同じです。ですから「特別な法律」を必要とするわけですね。

今回の交渉では、島の所属などについては一切語られなかったようです。安倍首相は、そんな建前よりも実を取ったという所でしょうか。
この4島に関しては、ロシアの外務省がガッチリ押さえて離さないと言うことです。ですからプーチン大統領にはピッタリとラブロフ外相がくっついていたのですね。
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こんな怖いおじさんが睨みを利かせているわけで、プーチン大統領もうっかりしたことは言えません。

そこで安倍首相が考えた筋書が「共同経済活動」だったようで、プーチン大統領が乗ってきて、そしてラブロフ外相が何も言えなかった・・と言うようなところでしょうか。

この共同経済活動で成果を出すことが出来れば、平和条約に結びついていくと言うのが安倍・プーチン会談の結論だったようです。
そしてそれから、4島の帰属などを話し合えば良いでしょう。

英国が、ロシアが北方四島領有の根拠としてきた「ヤルタ密約」について、チャーチル首相が「米ソ首脳が頭越しで決定した。両国との結束を乱したくなかったから、不本意ながら署名した」ことを示唆する個人書簡が英国立公文書館で見つかったと発表しました。

いまごろになって・・・

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