2015年4月8日水曜日

水素社会は実現するか

燃料電池自動車が登場してから、水素社会という言葉が派生してきました。現在が石油社会で、石油時代です。
石油に代わるエネルギーとして原子力がありますが、あまりにも国際利権がらみが多く、自由度に難があります。また、原子力エネルギーは基本的に石油エネルギーの国際戦略の上に成り立っておりますから、石油も原子力も同じ土俵のエネルギーであることは間違いないでしょう。
石油利権とは、「石油取引はドルで決済する」という戦略で、これによってドルが国際通貨としての地位を固めたわけです。

これに反抗する国々は、アメリカとの戦争を覚悟せねばならず、それをやったのがイラクのフセイン大統領だったわけで、現在もプーチン政権が頑張っています。(だからプーチン大統領が悪者にされているわけですね)
イランが原発を推進すると言ったのも、このドル支配を終わらせることを意図したわけですから、「原爆に流用される」としてアメリカに叩かれたわけです。

日本は戦後、必死の対米工作によって「アメリカ型の原発にする」と言うことで原発開発をすることが出来ました。
日本の核物理学は戦前から進んでいましたし、それをアメリカは知っておりましたから。
アメリカに勝利をもたらした原爆。その原爆開発の功労者にノーベル物理学賞を与えようとした連合国側は、その候補者たちの論文がほとんどすべて「湯川秀樹博士の中間子論」を参照していることにショックを受けます。

敗戦国日本に物理学賞など渡したくない連合国側です。しかし湯川に渡しておかないと、これ以降の核科学の学者にノーベル賞を出せなくなってしまうことを考えた連合国側の、苦渋の選択が「湯川秀樹博士のノーベル物理学賞受賞」であったことは、すでに有名な話ですね。

こうして核エネルギーも石油支配の範疇となりました。ただ、核エネルギーはそのスタートを原爆として、ソビエトとの間で核兵器による平和(冷戦構造)を作り、核兵器の恐ろしさを吹聴するために放射能の危険を過大に評価してきました。恐怖の平和維持のため、ハリウッドの映画を作って・・・
そのため、原子力発電に各国国民が恐怖を抱くようになり、普及には時間がかかっているようです。

ゆえにアメリカは、新エネルギーに対してはピリピリしています。再生可能エネルギーには寛容ですが、それは、再生可能エネルギーがほとんど役に立たないものだからでしょう。
メタンハイドレートなど、本格的に石油代替エネルギーになるような開発には盛んに文句をつけてくるそうです。

燃料電池を使った自動車が現実のものになると、水素がエネルギー源になってきます。そして水素がエネルギーの主役になり、石油を不要とする社会が出来るのではないか・・・それを水素社会と表現しますが、アメリカがどうでてくるか、それによって水素社会が実現するかどうかが決定されるのではないでしょうか。(水素を燃料とする内燃機関もすぐに作られるでしょう。排気ガスは水蒸気だけです)

東芝が、2020年までに水素社会を実現すると自信たっぷりです。府中事業所に「水素エネルギー研究開発センター」を設立しました。
再生可能エネルギーで起こした電気で、水を電気分解して水素を取り出し、必要に応じて燃料電池を使って電気を取り出す技術にメドをつけたということです。
つまり、不規則な発電を水素を介入させて安定した電気に変えるという訳です。これならばアメリカも文句は言わないでしょう。

東芝は災害時に電力を供給する小規模な水素給電システムを自治体や交通機関向けに発売する計画で、離島などに向けた供給システムも2029年度実用化する予定だそうです。

しかし、当然ながら水素が主力エネルギーとなれば、こんなシステムでは需要に追いつけないでしょう。
どうやら東芝はそこを狙っているようです。

本当の目的は水素を安く大量に作り出せる「高温水蒸気電解技術」の売り込みです。もちろん使用するのは「小型ナトリウム冷却高速炉」、即ちSuper-Safe, Small & Simpleで、愛称は4S。
高温原子炉の一つで、冷却材にナトリウムを使う高速炉です。敦賀にある「高速増殖炉・もんじゅ」で得られたデーターをもとに、安全で多目的用途に使える小型原子炉で、ニュークリア・バッテリーともいわれているようです。

この密封型の原子炉は、中性子遮断板が徐々に移動して連鎖核分裂を行わせ、内部に充填された核燃料を使い切るまで20年から30年かかると言うもの。
使い終われば交換するだけで、そのまま核廃棄物になるので、30年間使える電池のようなものですね。
核燃料の入れ替えや、冷却水の必要などはありませんので、安全で、しかもランニングコストが安くなるわけです。

ナトリウムという強酸化材が心配な場合は、高温ガス炉もあります。コストは高くなるようですが冷却材に安定したヘリウムガスを使う炉です。
詳細: https://www.iae.or.jp/htgr/pdf/00_summary01/00_1.pdf

これら原子炉の設置が、反日サヨクや、ハリウッド製放射能恐怖にかられた人々の反対、そして欧米の邪魔を克服してなされれば、水素社会はまもなくやってくるのでしょうけど・・・

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